著者
鈴木 啓央
出版者
一般社団法人 日本体育学会
雑誌
日本体育学会大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.68, pp.111_3, 2017

<p> 本研究では、熟達化の機序を検討するため、スノーボードにおける学習過程を事例的に分析した。スノーボードを初めて経験する学習者が指導のもとターンができるようになるまでの全過程をビデオにより撮影した。具体的には、全日本スキー連盟が認定するスノーボード指導員を指導者とし、2名の学習者に対して1名の指導者が指導にあたり、計4名の学習者について3日間のレッスンの様子が全て撮影された。これらの映像について、指導者による各学習段階における言語的な課題の説明と身体的なデモンストレーションを入力とし、また、学習者による発話と各課題に対する試行を出力とし、これらの入出力関係を定性的に記述することにより分析した。結果、各学習段階の入力に対して、出力には、課題を達成するために学習者が多様に動きを探索する局面と、その探索により獲得された動きが安定する局面が観察された。加えて、各学習段階に応じてこれらの2つの局面が繰り返される傾向がみられた。この結果から、熟達化は直線的に進行するのではなく、動きの探索に応じて運動がゆらぐ局面を経て突然に技能が上達するという階段状に熟達化が進行することが示唆された。</p>
著者
鈴木 智哉 金井 敬 蝋山 敏之 若林 憲章 江口 秀一郎 江口 甲一郎
出版者
公益社団法人 日本視能訓練士協会
雑誌
Japanese orthoptic journal (ISSN:03875172)
巻号頁・発行日
vol.26, pp.255-258, 1998-11-30
参考文献数
4

開散麻痺発症後,早期に手術加療を行い良好な予後を得た一例を報告する。<br>症例は34歳男性で落馬事故により頭部を打撲後,開散麻痺をきたし,入院により薬物治療並びにシノプトフォアによる開散トレーニングを約3ヶ月間行った。しかし,主訴である遠方視時の同側性複視は改善されなかった。プリズム眼鏡装用にて複視の消失が得られたが,職業上眼鏡装用が不可能であったため,また患者自身の強い希望もあり,受傷後約3ヶ月の段階で手術加療を施行した。通常,眼球運動神経麻痺では自然治癒の可能性も考慮し,発症後最低6ヶ月間の経過観察を行う。今回われわれは,患者の背景を考慮した結果,受傷後約3ヶ月という早期の段階で手術加療を行い,良好な結果を得た。
著者
大島 寿美子 鈴木 慎次郎
出版者
The Japanese Society of Nutrition and Dietetics
雑誌
栄養学雑誌 (ISSN:00215147)
巻号頁・発行日
vol.33, no.3, pp.105-112, 1975-05-25 (Released:2010-10-29)
参考文献数
24

The effect of dietary cholesterol on the serum cholesterol level was examined with the adult and aged subject.In the first trial, a total of 35 healthy adults were divided into three groups given 5, 7 and 10 eggs daily for 10-15 days.The differences of mean value in serum cholesterol between the initial day and the final day were 7, 9 and 8mg/dl in each group of adults given 5, 7 and 10 eggs, respectively, indicating a tendency of slight elevation in serum cholesterol. However, it should be noted that there were some adult subjects who showed sensitive response to the serum cholesterol level by egg intake.In the next, nineteen healthy aged subjects were divided into two groups given 1 and 2 eggs every day for one month. Average increments of serum cholesterol in each group of aged persons were 3mg/dl for 1 egg and 12mg/dl for 2 eggs. The higher response seen in the aged persons given 2 eggs daily may be caused by their inactive life in comparison with the active adults.Anyway, the effect of egg cholesterol to the serum cholesterol level in human seems to be lower than that resulted from the dietary intake of saturated fatty acid such as butter, tallow and lard etc.
著者
樋渡 涓二 藤村 安志 鈴木 清興 三井 信雄
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン (ISSN:03743470)
巻号頁・発行日
vol.12, no.11, pp.502-508, 1958-11-01

NHK技術研究所で試作し, 放送に使用中のウォーキー・ルッキーについて, 研究経過・性能と回路構成, 興味ある回路の解説に分けて記述した.トランジスタ化により真空管方式では得られない高い安定度と信頼度が実現され, こんごTV送像装置のトランジスタ化に対し有力な確信を得た.
著者
鈴木 貞
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
機械學會誌
巻号頁・発行日
vol.30, no.128, pp.627-696, 1927-12-20
著者
鈴木 貞
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
機械學會誌
巻号頁・発行日
vol.35, no.177, pp.29-39, 1932-01-01
著者
岸 洋一 平野 美和 井上 滋彦 石塚 英司 濱嵜 公久 鈴木 基文 藤田 喜一郎 山田 徹
出版者
一般社団法人 国立医療学会
雑誌
医療 (ISSN:00211699)
巻号頁・発行日
vol.51, no.9, pp.403-409, 1997

99例の前立腺肥大症に対し, 経尿道的前立腺高温度療法(プロスタトロン)を施行した. 自覚症状としてのI-PSSの変化では治療前には20.1±7.0であったが, 4週後には10.8±6.7と著明に減少し, さらに6ヵ月まで徐々に減少し, 1年後にやや上昇しているが, いずれも有意な変化であった(p<0.0001). 満足度も同様の傾向であった. 他覚所見の推移では最大尿流率の変化が8.9±4.9ml/secから4週~6ヵ月後まで3~4mlの増加がみられ, 1年後にも9.7±3.1ml/secであった(p<0.018). 平均尿流率をみると, 治療前に4.3±2.5ml/secであるが, 8週後には5.8±2.6ml/secまで上昇し, 1年後には4.6±1.6ml/secとやや低下したが, 有意の変化は保たれた. また残尿量も1年後にも有意の減少を示した. 自他覚的所見の改善は少なくとも1年にわたって持続するので, 本療法は前立腺肥大症の治療の有力な選択肢の一つとなりうる.
著者
藤井 千里 赤間 明子 大竹 まり子 鈴木 育子 細谷 たき子 小林 淳子 佐藤 千史 叶谷 由佳
出版者
一般社団法人 日本看護研究学会
雑誌
日本看護研究学会雑誌 (ISSN:21883599)
巻号頁・発行日
vol.34, no.1, pp.1_117-1_130, 2011-04-01 (Released:2016-03-05)
参考文献数
42

本研究の目的は,訪問看護ステーションの収益と管理者の経営能力との関連を明らかにすることである。全国のステーション管理者を対象に質問紙調査を行い,有効回答数64ヶ所のデータを集計分析した。 その結果,次のことが明らかとなった。管理者が収支を予測したり,経営戦略の策定,経理・財務を理解している割合や他職種にステーションの過去の実績を示す,利用者獲得に向けた活動の評価について実施している割合が低かった。一方,従事者数や利用者数が中央値より多い,管理者が経営学を学んでいる,経営戦略や経営計画を策定し,採算性の評価をしている,必要な情報を収集・分析し,有効に活用しているステーションは,有意に収益が高かった。 以上より,ステーションの経営の安定化には,計画に基づいた事業の実施とその評価,利用者だけではなく,医師や介護支援専門員等の専門職を顧客と位置づけて営業活動を実施していくことの重要性が示唆された。
著者
水野 章子 泉 朋子 後藤 健 奥田 日実子 栗山 廉二郎 神谷 康司 有村 義宏 後藤 淳郎 荒井 香代子 清水 阿里 下村 有希子 高野 真理 鈴木 日和 木村 里緒 幸地 優子
出版者
一般社団法人 日本透析医学会
雑誌
日本透析医学会雑誌 (ISSN:13403451)
巻号頁・発行日
vol.54, no.5, pp.219-228, 2021

<p>【目的】血液透析(HD)患者の赤血球容積分布幅(RDW),平均赤血球ヘモグロビン量(MCH)と腎性貧血治療との関連性を明らかにする.【対象】赤血球造血刺激因子製剤(ESA)投与中のHD患者926例.【方法】①RDWの中央値で分け比較.RDWを目的変数とした重回帰分析を施行.②赤血球数(RBC),MCHで分けESA量などを比較.③フェリチン,トランスフェリン飽和度で鉄欠乏・充足群に分けESA量などを比較.④鉄剤投与経路の差を比較.【結果】RDW高値群はMCH低値でESA量が多かった.RDWの規定因子はESA量,MCHなどであった.MCH 30 pg未満群はRDWが高くESA量が多かった.経口鉄剤群はRDWが低くESA量が少なかった.【結語】RDW高値,MCH低値のHD患者は赤血球の鉄利用低下が併存しESA量が多かった.MCHを指標に鉄剤を投与すればESAを減量できる可能性がある.</p>
著者
野波 尚子 河野 淳 冨澤 文子 芥野 由美子 鮎澤 詠美 南雲 麻衣 西山 信宏 河口 幸江 白井 杏湖 鈴木 衞 齋藤 友介 池谷 淳
出版者
日本音声言語医学会
雑誌
音声言語医学 (ISSN:00302813)
巻号頁・発行日
vol.55, no.4, pp.320-325, 2014 (Released:2015-02-05)
参考文献数
9
被引用文献数
2

当科にて80歳以上で人工内耳植込術を施行した4症例の術前から術後の経過を追い,人工内耳装用に伴うQOL改善点や問題点の検討を行った.術後の装用閾値や聴取能は全症例で改善が見られた.術前に比し,活動範囲の拡大や積極性の向上など心理面の変化があり,QOL改善につながったと考えられた.しかし,4症例ともに,ADLに大きな支障はなかったが,機器の管理・操作や異常時の対応などの問題点が挙げられた.対処方法としては,機器管理や操作方法の工夫,術前の十分なインフォームドコンセント,同居者や関係者への協力依頼,異常時の連絡手段の確保などが考えられた.
著者
佐藤 貴明 澤野 弘明 鈴木 裕利 堀田 政二
雑誌
第78回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2016, no.1, pp.625-626, 2016-03-10

本稿ではスピード線など漫画的表現を用いることで原作を尊重した映像の作成手法を提案する.本稿ではスピード線を用いて漫画内のイラストが運動する映像と,煙の立つ映像の作成手法について示す.運動の表現には,確率的ハフ変換を用いて検出された直線の中からスピード線を選択し,そのスピード線の長さ,角度,移動速度と方向を決定し映像を作成する.煙の立つ表現には,煙に対しポリゴンメッシュを利用し,ポリゴンメッシュの各頂点を無作為に移動させて変形した映像に,煙部分を透化したイラストを重ねることで煙の立つ映像を作成する.本稿ではこれら映像作成手法を用いて漫画を映像化し,結果映像について有用性を考察する.
著者
杣取 恵太 坂本 次郎 時田 椋子 鈴木 彩夏 国里 愛彦
出版者
専修大学人間科学学会
雑誌
専修人間科学論集. 心理学篇 (ISSN:21858276)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.41-58, 2016-03-15

Diagnostic tests specify whether a person has a specific disease or not and it extremely contribute decision-making of the intervention. Various types of diagnostic test are proposed and their methodological qualities have been improved. However, there are much inconsistent evidences in diagnostic test accuracy studies. We have become so difficulty of decision making in diagnostic test. Therefore, we believe that individual studies on diagnostic test accuracy should be synthesized for evidence based clinical psychology. In systematic reviews of diagnostic test accuracy, Cochrane collaboration is making up its guideline "Handbook for diagnostic test accuracy reviews". In the handbook, some key components of systematic reviews and meta-analysis in diagnostic test accuracy are explained, which contain the drawing up protocol, search strategy, assessing methodological quality, and meta-analysis. We review the key components of systematic reviews and meta-analysis according to "Handbook for diagnostic test accuracy reviews".
著者
小室 雅人 栗橋 祐介 牛渡 裕二 鈴木 健太郎 岸 徳光
出版者
土木学会
雑誌
構造工学論文集 A (ISSN:18816614)
巻号頁・発行日
vol.62, pp.1011-1018, 2016

In this study, in order to establish a simple and engineered analysis method for appropriately evaluating the dynamic response characteristics of steel beams under impact loading, impact response analysis method based on a fiber element approach was proposed. An applicability of the method was discussed comparing with the experimental results of a total of nine small-scale H-shaped steel beams having different span length and impact velocities of impact striker. From this study, the following results were obtained: 1) applying the proposed method, the deflection behavior of the beams can be appropriately predicted; and then 2) the method may be able to use as a tool for evaluation of the dynamic response characteristics of the H-shaped steel beams under the impact loading.
著者
鈴木 養樹 黒田 克史 高野 勉 張 春花 鈴木 敏和 高田 真志
出版者
一般社団法人 日本木材学会
雑誌
木材学会誌 (ISSN:00214795)
巻号頁・発行日
vol.60, no.1, pp.9-15, 2014

2011年3月の福島第一原子力発電所爆発事故による放射性物質放出からすでに2年経過したが,福島県内の多くの森林域では,まだ林業施業従事者の作業は制限されている。本研究では,簡易的な森林管理手段として市販のサーベイメータによる樹木内部放射能濃度の推定手法の開発を試みた。検出限界向上のため,遮蔽容器付きGM管サーベイメータを用いて個々の樹木表面汚染密度を測定した。測定後に,伐倒した樹木を樹皮,辺材,心材に分けて粉砕,乾燥した後,Ge半導体検出器によるγ線スペクトロメトリー法でそれぞれの放射能濃度を測定した。両測定値の関係を調べた結果,調査に用いた全ての樹種において,それぞれの部位の放射能濃度(<i>y</i>)と表面汚染密度(<i>x</i>)との関係を関数(<i>y</i>=A<i>x</i><sup>B</sup>)で表すことができた。従って,樹木の表面汚染密度による樹木内部の放射能濃度の簡易推定は可能であると考えられる。
著者
鈴木 誠史
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SP, 音声 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.291, pp.25-30, 2002-08-22
参考文献数
29

筆者は、1955年に郵政省電波研究所(現独立行政法人通信総合研究所)に入所して、情報通信、音声情報処理の研究を始めた。これらの分野の黎明期であったため、限られた情報源から、広い関連分野を学びながらの実験的研究を進めた。音声研究を主としたが、その方向性は手探り状態だった。中田和男氏がMIT留学から帰国後、ホルマント合成方式の合成器を制作し、母音.半母音・子音の合成音による言語音知覚の実験を行った。引き続き、母音、数字語の認識装置を試作した。ハードウェアによる限界を知り、1960年頃からは、計算機処理による分析、認識を開始した。これらの研究は、研究法が定式化していない時代としては、正鵠を得ていたと思う。1965年頃には連続音声認識、神経回路による分析などを手がけた。FFTを導入するとともに基礎的研究を指向した。音声、通信、信号処理の境界領域のプロジェクト的研究も行った。ヘリウム音声の性質の解明.了解性改善、騒音や雑音で妨害された音声の品質向上などがあげられる。研究テーマが早すきたり、技術が追いつかなかったことも多い。ほとんどの研究が初めてチャレンジするもので、研究・開発に際しての考え方等は、今の研究者の参考になるであろう。
著者
鈴木 舞音 上原 崇史 金子 洋平 堀 洋輔 馬場 隆彰 齋藤 孝道
雑誌
コンピュータセキュリティシンポジウム2014論文集
巻号頁・発行日
vol.2014, no.2, pp.767-774, 2014-10-15

ソフトウエアのメモリ破損脆弱性を悪用する攻撃,いわゆる,メモリ破損攻撃が次々と登場し問題となっている.メモリ破損攻撃とは,メモリ破損脆弱性のあるプログラムの制御フローを攻撃者の意図する動作に変えることである.一般的には,Buffer Overflow攻撃とも呼ばれている.OSやコンパイラでの防御・攻撃緩和機能が開発されてはいるが,それらを回避する更なる攻撃も登場している.そこで,本論文では,メモリ破損脆弱性の分類を行い,制御フローを不正に書き換えるまでの攻撃に関して調査し,分類する.