著者
鈴木 太郎 北村 光教 天野 嘉春 橋詰 匠
出版者
公益社団法人 計測自動制御学会
雑誌
計測自動制御学会論文集 (ISSN:04534654)
巻号頁・発行日
vol.48, no.7, pp.399-405, 2012 (Released:2012-08-16)
参考文献数
15

This paper describes a GNSS (Global Navigation Satellite System) precise point positioning (PPP) technique that can be applied to mobile robots in urban environments. The multipath signals, which from invisible satellites in urban area, cause serious effect on the GNSS positioning. Our proposed technique mitigates GNSS multipath signals by means of an omnidirectional infrared (IR) camera that can eliminate the need for invisible satellites by using IR images. With an IR camera, the sky appears distinctively dark. This facilitates the detection of the borderline between the sky and the surrounding buildings, which are captured in white, because of the difference in the atmospheric transmittance rates between visible light and IR rays. Positioning evaluation was carried out only with visible satellites that have less multipath errors. The evaluation results confirm the effectiveness of the proposed technique and the feasibility of its highly accurate positioning.
著者
千葉 正博 土岐 彰 川野 晋也 中神 智和 鈴木 淳一 杉山 彰英 菅沼 理江 中山 智理 小嶌 智美 大澤 俊亮 磯山 恵一 外山 大輔 松野 良介 塚田 大樹 真田 裕
出版者
日本外科代謝栄養学会
雑誌
外科と代謝・栄養 (ISSN:03895564)
巻号頁・発行日
vol.47, no.2, pp.45-52, 2013 (Released:2013-06-07)
参考文献数
18

予定した,がん化学療法を完遂するためには,化学療法に伴うさまざまな有害事象を早期に発見し対応することが重要である.しかし,有害事象の発生と血漿遊離アミノ酸の変化との関係を検討した論文は少ない.今回我々は,小児急性リンパ性白血病患児10例の化学療法前後の血漿遊離アミノ酸濃度の変化と有害事象の発生とを比較検討したので報告する.  化学療法後の有害事象として,臨床症状でグレード3 以上は見られなかった.血液生化学検査では,グレード3 以上の発症は白血球減少が9 例,顆粒球減少が10 例,Hb 低下が5 例,血小板減少が4 例,AST 上昇が3 例,ALT 上昇が4 例に認められた.化学療法前後で血漿遊離アミノ酸濃度を比較すると,タウリン,グルタミン,シトルリン,メチオニン,イソロイシン,アルギニンが化学療法後低下する傾向が見られた.これらのうち,アルギニン,メチオニンの低下はAST の上昇と相関が見られた.
著者
古川 祥子 藤原 和哉 尾本 美代子 村山 友樹 呉 龍梅 笹木 晋 熊谷 亮 五十野 桃子 秋根 大 小林 浩幸 高屋敷 典生 鈴木 浩明 島野 仁 野牛 宏晃
出版者
THE JAPAN DIABETES SOCIETY
雑誌
糖尿病 (ISSN:0021437X)
巻号頁・発行日
vol.57, no.12, pp.913-920, 2014

症例は21歳女性.2年前から繰り返す発熱,倦怠感,頭痛,動悸,嘔気が1ヶ月前より増悪し来院.血圧186/133 mmHg,脈拍106/分,体温38.5 ℃,血液検査上HbA1c 8.2 %,血糖356 mg/d<i>l</i>と糖尿病を認め,CRP 40.21 mg/d<i>l</i>, IL-6 100 pg/m<i>l</i>と高値だった.画像上<sup>123</sup>I-MIBGシンチグラフィーで集積のある7 cm大の左後腹膜腫瘤を認め,カテコラミン・メタネフリン高値であり褐色細胞腫と診断した.ドキサゾシン,プロプラノロールの他,発熱,炎症反応高値に対しナプロキセンを使用した結果,CRP 0.15 mg/d<i>l</i>, IL-6 1.7 pg/m<i>l</i>まで低下した.同時に耐糖能は改善し,インスリン療法を術前に中止し得た.IL-6高値を伴う褐色細胞腫では,ナプロキセンが二次性糖尿病を改善し,高血糖による手術リスクを減少し得ることが示唆された.
著者
市川 拓人 鈴木 基之 伊藤 彰則 牧野 正三
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告音楽情報科学(MUS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2007, no.81, pp.33-38, 2007-08-01
被引用文献数
3

本稿では,ピッチ抽出を行わないハミング入力楽曲検索システムについて検討する.ピッチ抽出は,どれほど高精度なものでもピッチ抽出誤りを避けることができず,検索精度を低下させる原因となっている.本システムでは,従来用いられているデルタピッチの代わりに,2つの対数周波数領域パワースペクトルの相互相関関数を音程特徴量として用い,さらに楽曲中に存在しているであろう全音程の確率モデルを用意しておく.連続する2つの音符が観測された時,この特徴量と確率モデルを用いて,全音程についての尤度を計算する.このシステムの利点は,統計的なモデル化を行うことにより,ピッチ抽出誤りのような致命的な誤りを起こしにくいということである.そして実際に検索実験を行ったところ,ピッチによる検索精度を最大4.9%上回る結果となった.This paper describes a query-by-humming (QbH) music information retrieval (MIR) system without pitch extraction. In pitch extraction based system, pitch extraction errors inevitably occur that degrades performance of the system. In this system, a cross-correlation function between two logarithmic frequency spectra is extracted as a tonal feature instead of deltaPitch, and probabilistic models are prepared for all tone intervals assumed to exist in the music. When two signals corresponding to two contiguous notes are given, likelihoods are calculated for all possibility of tone intervals. The advantage of this system is that it is hard to occur a fatal error such as a pitch extraction error because extracted features are modeled stochastically. From a experimented result, the top retrieval accuracy given by the proposed method have exceeded the system based pitch extraction by 4.9 %.
著者
舟根 和美 川端 康之 鈴木 龍一郎 藤本 瑞 北岡 本光 木村 淳夫 小林 幹彦
出版者
日本応用糖質科学会
雑誌
応用糖質科学 : 日本応用糖質科学会誌 (ISSN:21856427)
巻号頁・発行日
vol.1, no.2, pp.179-185, 2011-04-20

Bacillus circulans T-3040株由来の環状イソマルトオリゴ糖グルカノトランスフェラーゼ(CITase,EC2.4.1.248)は,デキストランから環状イソマルトオリゴ糖および環状イソマルトメガロ糖(両者あわせてサイクロデキストラン,CI)を合成する酵素であり,中でもグルコース8分子から成るCI-8を最も多く生産する。部位特異的変異導入によりN末端領域(Ser1-Gly403)に在るAsp145,Asp270,Glu342が触媒活性に重要な役割を果たすことが示唆された。C末端領域を4つ(R1,Tyr404-Tyr492;R2,Glu493-Ser596;R3,Gly597-Met700;R4,Lys701-Ser934)に分け欠失変異導入を行った結果,R2およびR3はCITaseに必須,R1およびR4は糖質結合モジュールであり,R1はCI-8生産特異性と酵素の安定化にも関与することが示唆された。CI-Taseは,生産菌をデキストランを炭素源として培養した場合に生産誘導されると考えられていたが,T-3040株のCITaseはデンプンを炭素源として培養した場合にも生産誘導された.これまでのCI生産にはショ糖からデキストランを生産する菌株を必要としていたが,1菌株でデンプンからCIを生産する系が存在することが示唆された。
著者
鈴木 弘治 佐藤 吉哉
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1437, pp.98-100, 2008-04-14

問 米国のサブプライムローン問題などに端を発した金融不安や世界同時株安など、消費を冷え込ませる問題が相次いでいます。足元の消費をどう見ていますか。 答 あんまりよくないですね。このところ景気は停滞気味です。商品が売れにくくなっている。しかも、その底流には、少子高齢化という構造問題がある。影響を受けているのは、特に衣料品です。
著者
鈴木 武晴
出版者
山梨英和大学
雑誌
日本文芸論集 (ISSN:02874679)
巻号頁・発行日
vol.18, pp.32-62, 1988-09-30
著者
藤澤 宏幸 鈴木 克憲 浦島 貴子 金子 文成 綿谷 美佐子
出版者
公益社団法人日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.21, no.7, pp.425-429, 1994-11-30
被引用文献数
5

本研究の目的は, 運動肢位によってことなるとされる最大筋トルクが, 筋活動量の変化によるものか, または上腕骨長軸と筋走行の成す角度および筋長が変化するため(運動力学的要因)なのかを明らかにすることである。健常男性6名の右肩関節を対象に, 肩関節内外旋運動時の最大筋トルクと回旋筋群の筋電図を, 肩関節90度外転位および90度屈曲位の二つの肢位で測定した。外旋運動時の最大筋トルクは90度外転位で有意に大きかったが, 内旋運動時の最大筋トルクに有意な差はなかった。筋活動量は両肢位で有意な差がなかった。以上の結果より, 運動肢位による外旋運動時の最大筋トルクの変化は, 運動力学的要因が主因と思われた。
著者
桂 三枝 鈴木 亮
出版者
日経BP社
雑誌
日経マネー (ISSN:09119361)
巻号頁・発行日
no.329, pp.84-86, 2010-04

『日経マネー』さんですか。私は自分自身がおカネ儲けしようと考えたことがなくてね。今、自分が幾らおカネ持ってて、財布に何ぼ入ってて、家にどれぐらい貯蓄があるのか、一切知らないんですわ。──もともとおカネに頓着されないほうだったんですか。 芸人はカネのこと言うたらあかんみたいなことを、入ったときから言われてました。売れる前はおカネなかったですしね。
著者
瀬尾 文洋 鈴木 秀宣 上原 一浩 矢内原 巧 中山 徹也
出版者
社団法人日本産科婦人科学会
雑誌
日本産科婦人科學會雜誌 (ISSN:03009165)
巻号頁・発行日
vol.32, no.8, pp.1089-1097, 1980-08-01
被引用文献数
1

妊娠中における血中遊離型(F)及び抱合型(C)エストロゲン(E)の動態については未だ明らかにされていないため以下の実験を行った.対象としては正常妊婦及び分娩時の母体末梢血,並びに膀帯動静脈血を用いた.更に妊娠中毒症,胎児発育遅延(IUGR),無脳妃妊娠,胎盤性sulfatase 欠損症等の異常妊娠におけるF及びC.Eの変化も合蛙て検討した,被検血漿中よりエーテルにて抽出した分画をF分画として,次いでβ-Glucmronidase/Arylsulfatase を用いて加水分解を行い,Fとして抽出したものをC分画とした.本加水分解による回収率は85%であり,かつC.V.は5%と一定していた.Sephadex LH-20カラム.クロマトグラフィを用いて,estrone(E_1),estradiol(E_2),estriol(E_3)を分離し,各々を抗E_3-16,17-dihemisuccinyl-BSA血清を用いたRIAにて測宛した.(実験成績)(1)正常妊婦末梢血中E値は妊娠週数に伴いF及びCともに増長する.妊娠経過に伴うC.Eに対するF.Eの比(C/F)は各Eにより異たる.E_1では妊娠中期までは一定した上昇傾向を示さず妊娠末期に上昇する.E_2では俺は全期を通じて一定しているが,妊娠末期に軽度上昇を示す.E_3では妊娠経過に伴い前期で4.5,中期で6.5,末期では8.5と著しく上昇し,Cの増量が著しい.(2)妊娠中毒症及びIUGRではF及びC・Eとも低下し,Cの減少が目立つが,両老間に推計学的有意差は認められなかった.無脳児妊娠及び胎盤性sulfatase欠損症においてはF.EのみたらずC.Eも極めて低値であった.(3)母胎血中と臍動脈血中E値を比較すると,臍動脈血中総E値は母体血中値より高く(7倍).特にE_3値は母体血に比べ18倍の高値を示し,その大部分(98%)はCであった.E_1はCおよびFとも母体に高く,E_2値はFが母体に,Cは臍動脈に高かった.臍帯動脈間の血中各E値を比較するとCでは3Eにほとんど差はなく,Fが臍静脈にE_1, E_2, E_3共に各々5, 8, 1.7倍高値であった.
著者
秋澤 孝則 中神 和清 鈴木 一 野口 英世 寺田 秀夫
出版者
公益社団法人 日本化学療法学会
雑誌
CHEMOTHERAPY (ISSN:00093165)
巻号頁・発行日
vol.37, no.7, pp.896-902, 1989-07-25 (Released:2011-08-04)
参考文献数
20

最近抗生物質投与に伴う副作用として出血傾向が注目されている。そこで我々は, 新しく開発されたカルバペネム系抗生物質イミペネム (IPM) と同剤の尿中回収率を高めるシラスタチンナトリウム (CS) との合剤であるチェナム® (以下IPM/CS) の, 血小板機能・出血凝固機能に対する影響について検討した。対象は肺炎10例, 肺化膿症1例の計11例の呼吸器感染症である。IPM/CSは原則として1日IPM量として1gを7日間点滴静注し, その前後で血小板数, 出血時間, 血小板粘着能, 血小板凝集能, 血小板ATP放出能, プロトロンビン時間, 活性部分トロンボプラスチン時間, 血漿フィブリノーゲン, フィブリン分解産物, トロンボテスト, 第II・VII-IX・X凝固因子を測定した。各検査結果がIPM/CS投与後で増悪した症例は認められず, このことよりIPM/CSは, 1日1g7日間程度の投与では血小板機能, 出血凝固機能に影響を与えることの無い, 安全な抗生物質であると考えられた。
著者
能登谷 晶子 鈴木 重忠
出版者
The Japan Society of Logopedics and Phoniatrics
雑誌
音声言語医学 (ISSN:00302813)
巻号頁・発行日
vol.25, no.2, pp.140-146, 1984
被引用文献数
8 5

2歳2ヵ月から6歳7ヵ月まで聴能訓練と文字言語を並行して指導した, 聴力レベル98dBの一重度聴覚障害幼児の言語発達を検討し, 音声言語に及ぼす文字言語の効果について考察した.<BR>主な結果は以下のようであった.1) 文字言語は音声言語より習得が容易であった.2) 文字言語から音声言語への移行が認められ, 5歳0ヵ月に音声言語の発達は文字言語のそれに追いついた.3) 本例が6歳7ヵ月までに獲得した受信語彙数は, 音声・文字言語とも約4, 000語に達した.同時期の音声発信語彙数は約3, 000語であった.4) 本例の6歳代におけけ語彙, 文, 機能語の発達は同年齢の健聴児の発達レベルにほぼ相当した.<BR>以上の結果より, 先行して習得された文字言語は, 音声言語の発達を促進したと考えられ, 早期からの文字言語の導入は, 聴覚障害幼児の言語発達遅滞の改善に有効であることがわかった.
著者
須貝 太一 鈴木 智哉 南谷 靖史 能勢 泰祐
出版者
The Institute of Electrical Engineers of Japan
雑誌
電気学会論文誌. A, 基礎・材料・共通部門誌 = The transactions of the Institute of Electrical Engineers of Japan. A, A publication of Fundamentals and Materials Society (ISSN:03854205)
巻号頁・発行日
vol.131, no.5, pp.401-407, 2011-05-01
被引用文献数
3 1

In this study, we investigated a water treatment method spraying the droplets of wastewater into pulse discharge space. The water treatment was carried out by applying voltage with different pulse widths to determine the optimum pulse width, and the optimum pulse voltage determined on the basis of the results of the study was analyzed. The rise time of the voltages with pulse widths of 40, 60, and 80 ns was about 12, 19, and 32 ns, respectively, and the discharge current in the case of the faster rise time was higher. The number of streamer discharges is believed to increase with a decrease in the rise time. The energy efficiency in the case of the pulse width of 40 ns is higher than that in the case of the other pulse widths. This is because almost all of active species are generated by early streamer discharge, and longer discharging time by longer pulse width makes more ineffectual energy by thermal loss. These results show that the pulsed voltage of faster rise time and shorter pulse width is optimum for the treatment.
著者
Manalo Emmanuel 鈴木 雅之 田中 瑛津子 横山 悟 篠ヶ谷 圭太 Sheppard Chris 植阪 友理 子安 増生 市川 伸一 楠見 孝 深谷 達史 瀬尾 美紀子 小山 義徳 溝川 藍
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2015-04-01

3年目である本年は、21世紀型スキルの促進ということに焦点を当てて研究を行った。この結果、様々なワークショップや授業を開発した。具体的には、大学教員の質問スキルの向上を目指すワークショップの開発、小学校教員による効果的な学習法指導の開発、高校生の批判的思考と探究学習を促進する実践の提案などを含む。さらに、教育委員会と連携した実践なども行った。こうした研究の結果、研究代表者であるEmmanuel Manaloと分担研究者である植阪友理を編者に含む、英語の書籍を刊行した。この書籍は、自発的な方略を促進するためのあり方を具体的に提案するものであった。この本の論文はいずれも、査読付きであり、このうち9本は本プロジェクトに関わるメンバーが執筆している。のこり10本は海外の研究者が執筆している。海外の著者にはアメリカのUCLA (University of California Los Angeles) やPurdue University、スイスの ETH Zurich、ドイツの University of Munster (Germany) 、University of Hong Kongなどといった一流大学の研究者が含まれており、国際的な影響力も大きなものとなったと考えられる。さらに、日本心理学会、教育工学会などといった国内学会において発表を行った。さらに、EARLI (European Association for Research in Learning and Instruction) やSARMAC (Society for Applied Research in Memory and Cognition) といった国際学会においても発表した。