- 著者
 
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             花房 規男
             
             阿部 雅紀
             
             常喜 信彦
             
             星野 純一
             
             和田 篤志
             
             菊地 勘
             
             後藤 俊介
             
             小川 哲也
             
             神田 英一郎
             
             谷口 正智
             
             中井 滋
             
             長沼 俊秀
             
             長谷川 毅
             
             三浦 健一郎
             
             武本 佳昭
             
          
 
          
          
          - 出版者
 
          - 一般社団法人 日本透析医学会
 
          
          
          - 雑誌
 
          - 日本透析医学会雑誌 (ISSN:13403451)
 
          
          
          - 巻号頁・発行日
 
          - vol.55, no.12, pp.665-723, 2022 (Released:2022-12-27)
 
          
          
          - 参考文献数
 
          - 22
 
          
          
          - 被引用文献数
 
          - 
             
             
             10
             
             
          
        
 
        
        
        日本透析医学会統計調査(JSDT Renal Data Registry:JRDR)の2021年末時点における年次調査は,4,508施設を対象に実施され,施設調査票に関しては4,454施設(98.8%),患者調査票に関しては4,251施設(94.3%)のほぼ例年通りの回答を得た.わが国の透析患者数は年々増加し,2021年末の施設調査結果による透析患者数は349,700人に達し,人口百万人あたりの患者数は2,786人であった.患者調査結果による平均年齢は69.67歳で,最も多い原疾患は糖尿病性腎症(39.6%),次いで慢性糸球体腎炎(24.6%),第3位は腎硬化症であった(12.8%). 2021年の施設調査結果による透析導入患者数は40,511人であり,2020年から233人減少した.患者調査結果による透析導入患者の平均年齢は71.09歳であり,原疾患では糖尿病性腎症が最も多く40.2%で,昨年より0.5ポイント少なかった.第2位は腎硬化症(18.2%)で,昨年同様慢性糸球体腎炎(14.2%)を上回った.2021年の施設調査結果による年間死亡患者数は36,156人であり,年間粗死亡率は10.4%であった.主要死因は心不全(22.4%),感染症(22.0%),悪性腫瘍(8.4%)の順で,昨年とほぼ同じ比率であった.2012年以降,血液透析濾過(HDF)患者数は急増しており2021年末の施設調査票による患者数は176,601人で,維持透析患者全体の50.5%を占めた.腹膜透析(PD)患者数は10,501人であり2017年から増加傾向にある.腹膜透析患者のうち20.3%は血液透析(HD)やHDF との併用療法であり,この比率はほぼ一定していた.2021年末の在宅HD患者数は748人であり,2020年末から3人減少した.2021年は,施設調査として災害対策調査,また本年も引き続き,新型コロナウイルス感染症,悪性腫瘍,生体腎移植による腎提供の既往が調査された.これらのデータはそれぞれの疾患・患者に関する基礎資料となり,その結果から,より治療効果の高い日常臨床パターンの提案が期待される.