著者
長谷川 範幸 田中 光 柳町 幸 丹藤 雄介 中村 光男
出版者
一般社団法人 日本老年医学会
雑誌
日本老年医学会雑誌 (ISSN:03009173)
巻号頁・発行日
vol.47, no.5, pp.433-436, 2010 (Released:2010-11-24)
参考文献数
24
被引用文献数
3 3

高齢者は非高齢者に比し低アルブミン血症をはじめとした低栄養状態を高率に認める.低アルブミン血症は,易感染性,難治性感染症,褥瘡の難治化,手術後の縫合不全や創傷治癒の遷延化などを引き起こす.このことからも,高齢者にとって栄養状態を良好に維持することは非常に重要である.われわれは高齢者の低アルブミン血症の原因を明らかにし,その治療法に関する検討を行った.その結果,高齢者では非高齢者に比し消化吸収能は低下しておらず,蛋白質摂取量の低下及び消化吸収率の良好な肉類の摂取量低下という摂取蛋白質の変化を認め,このことが高齢者の低アルブミン血症の主因であると考えられた.高齢者の低アルブミン血症を改善する方法として,プロテインスコアが良好で消化吸収率も高い鶏卵を摂取する方法が有効であった.高齢者診療においては低アルブミン血症を認めた場合,早期から積極的な介入を行うことが望ましい.
著者
宮垣 さやか 長谷川 聡 梅垣 雄心 中村 雅俊 小林 拓也 田中 浩基 梅原 潤 藤田 康介 市橋 則明
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.42 Suppl. No.2 (第50回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.0096, 2015 (Released:2015-04-30)

【はじめに,目的】胸郭可動域制限は,肋間筋など胸壁に付着する軟部組織の柔軟性低下,呼吸筋の筋力低下,脊柱や肋椎関節の可動性低下などにより生じる。臨床現場においては肋間筋ストレッチングや肋椎関節の運動など,肋骨の動きの改善を目的とした胸郭可動域トレーニングが実施されており,呼吸機能の改善に有用であると報告されている。一方,呼吸時には胸椎も屈伸運動するといわれており,胸椎アライメントが呼吸機能に影響を及ぼすという報告もあるものの,胸椎後弯姿勢の改善を目的とした運動(胸椎伸展運動)が呼吸機能を改善させるという報告は見あたらない。さらには,頚部痛など整形外科疾患患者や脊髄損傷患者において,胸椎可動性の低下が呼吸機能低下に影響するとの報告もあることから,肋骨の動きの改善だけではなく,胸椎の伸展運動が呼吸機能を改善することが予想される。そこで本研究では,胸椎伸展ストレッチング(以下胸椎ストレッチ)が,脊柱アライメント,胸郭拡張性,呼吸機能に及ぼす影響を明らかにすることを目的とした。【方法】対象は喫煙歴のない健常男性15名(平均年齢24±3.4歳)とした。胸椎ストレッチ前後に胸椎アライメント,呼吸機能,胸郭拡張差,上部および下部肋間筋・胸部脊柱起立筋の筋弾性率を測定した。胸椎アライメントの測定はSpinal mouse(Index社製)を用い,安静立位での胸椎後弯角度を測定し,胸郭拡張差は腋窩,剣状突起,臍レベルの三箇所で測定した。呼吸機能はAutoSpiro(ミナト医科学社製)を用い,安静立位で対標準肺活量(%VC),一秒量(FEV)を測定した。筋弾性率は超音波診断装置(SuperSonic Imagine社製)のせん断波エラストグラフィー機能で測定し,各筋の筋腹に設定した関心領域の弾性率(kPa)を求めた。上部肋間筋は右側の鎖骨内側1/3から下した垂線上の第2肋間,下部肋間筋は右側の前腋窩線上の第6肋間,胸部脊柱起立筋は第6胸椎棘突起右側方1横指の部位にて,全て安静吸気位で測定した。胸椎ストレッチは,対象者の両肩甲骨下角の位置で背部を横断する方向に株式会社LPN製ストレッチポールハーフカット(以下ハーフポール)を設置し,その上に背臥位となりセラピストが肩関節前方から鉛直方向に3分間抵抗を加えた。統計学的解析は,第2・第6肋間の肋間筋と脊柱起立筋の3筋の弾性率,3箇所での拡張差,%VC,FEVについて,対応のあるt検定を用いて胸椎ストレッチ前後の値を比較した。なお,有意水準は5%とした。【結果】肺機能について,胸椎ストレッチ前後に%VC(前:90.0±10.1%,後:91.3±9.6%)は有意に増加したが,FEVは介入前後で有意な差は認められなかった。筋弾性率について,上部肋間筋(前:18.9±7.5kPa,後:14.7±6.4kPa),下部肋間筋(前:17.6±9.2kPa,後:13.8±7.3kPa),脊柱起立筋(前:18.1±9.9kPa,後:13.1±5.1kPa)は,介入後に有意に低下した。胸郭拡張差について,腋窩レベル(前:5.5±1.8cm,後:6.2±1.9cm),剣状突起レベル(前:6.7±1.9cm,後:7.7±2.0cm)で介入後に有意に増加し,臍レベルでは変化は認めなかった。胸椎後弯角度は,胸椎ストレッチによる変化は認めなかった。【考察】本研究の結果より,胸椎ストレッチは,肺活量を増加させ得ることが示された。胸椎ストレッチにより改善がみられると予想された胸椎アライメントは,介入による変化を認めなかった。一方で,各筋の弾性率の有意な低下から,胸椎ストレッチによって,上部および下部肋間筋,さらに,ハーフポールにより圧迫された脊柱起立筋の柔軟性が向上したことが示された。これにより,腋窩・剣状突起レベルでの胸郭拡張差が増し,上位胸椎部分の胸郭拡張運動が改善したことで肺活量が増加したと考えられる。これまでは主として肋骨の動きに関連の強い肋間筋にアプローチする手技が胸郭可動域トレーニングとして取り上げられ,これらの手技により呼吸機能が改善するという報告がされている。しかし本研究では,胸椎の屈伸運動に着目した胸椎ストレッチによっても上位胸郭可動性が向上し,呼吸機能が改善することが示された。また同時に,肋間筋のみならず,胸郭構成筋として着目されることの少ない,脊柱起立筋の柔軟性も,呼吸機能に関連していることを示唆する結果となった。【理学療法学研究としての意義】本研究では,これまで着目されることの少なかった,呼吸時の胸椎伸展運動を促すようなストレッチによっても胸郭可動性が改善することが示唆され,胸郭の可動性低下を認める拘束性換気障害に対する有用な治療手段の一つとなり得る可能性が示唆された。
著者
小原 香 坂本 由佳里 長谷川 治美 河塚 寛 坂本 宏司 早田 保義
出版者
一般社団法人 園芸学会
雑誌
園芸学会雑誌 (ISSN:00137626)
巻号頁・発行日
vol.75, no.3, pp.267-269, 2006 (Released:2006-05-22)
参考文献数
8
被引用文献数
5 18

香草のコリアンダー (Coriandrum sativum L.) の異なる成長期における器官別香気成分の変動を検討した.コリアンダーの幼苗期の葉部と茎部のにおいは極めて類似しており,高いパターン類似率を示した.しかしながら,幼苗期の葉茎部と成熟期の葉茎部のパターン類似率は低下し,さらに,幼苗期から成熟期へと成長が進むに従い,葉と茎部の香気は異なるようになり,そのパターン類似率も著しく低下した.また,果実と他の器官におけるパターン類似率の低下は顕著であった.茎葉部の主要香気成分は,油っぽい,甘い,草様の香りを有する decanal, (E)-2-decenal, (E)-2-undecenal, 2-dodecenal, (E)-2-tetradecenal の 5 成分であり,種子にはほとんど含まれていなかった.また,種子の特徴的香気成分は,花様の爽やかな香りを有する linalool や α-pinene, γ-terpinene, D-camphor, geraniol の 5 成分であり,茎葉部にはほとんど含まれていなかった.茎葉部では,成長が進むに従い,heptanal, (E)-2-hexenal や octanal の様な青いフレッシュな香気が減少する傾向があり,生茎葉を香草として使用する場合は,コリアンダー特有の青臭い香りだけでなく,フレッシュな香気を併せ持つ幼苗期の茎葉部が適していると判断された.
著者
深江 政秀 大石 純 乗富 智明 山下 裕一 長谷川 傑
出版者
日本腹部救急医学会
雑誌
日本腹部救急医学会雑誌 (ISSN:13402242)
巻号頁・発行日
vol.38, no.1, pp.023-028, 2018-01-31 (Released:2018-09-21)
参考文献数
9

[緒言]CTの性能は向上しているが,腸閉塞の治療成績は向上していない。[目的]腸閉塞の診療における造影CTの読影法を検討した。[方法]2011年4月から2015年10月の4年7ヵ月間に入院した腸閉塞162例のうちで造影CTが行われた115例を後ろ向きに検討した。[結果]腸管虚血群39例と腸管非虚血群76例を比較した。腸管虚血の多変量解析では腸管壁造影低下(Odds比4.49,P<0.01)が有意であった。有用性が期待された項目は腹膜刺激症状(Odds比14.9,P=0.05),BE(Odds比30.5,P=0.07),腸間膜浮腫(Odds比0.01,P=0.07)であった。[結語]腸管虚血の診断には腸管壁造影低下がもっとも有用である。腸管虚血の否定には腸間膜浮腫が有用と思われる。
著者
福田 智子 駒木 敏 田坂 憲二 黒木 香 矢野 環 川崎 廣吉 竹田 正幸 波多野 賢治 岩坪 健 古瀬 雅義 藏中 さやか 三宅 真紀 西原 一江 日比野 浩信 南里 一郎 長谷川 薫
出版者
同志社大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

平安中期成立かといわれる類題和歌集『古今和歌六帖』約4500首を対象に、独自に開発した文字列解析システムを用いて、すべての和歌の出典考証を行った。また、複雑な書き入れに対応したテキストデータ作成のため、タグ付け規則を案出した。そして、六つの伝本のテキストファイルを作成した。それらを対象に、諸本の同一歌を横並びで比較対照でき、しかも、底本を自由に選択できる校本システムを開発した。さらに、伝本の原態、特殊な漢字表記、朱筆書き入れに関する基礎資料を作成した.
著者
長谷川 成一
出版者
河出書房新社
巻号頁・発行日
pp.122-154, 1997-09-22

『東北の歴史再発見 : 国際化の時代をみつめて / 渡辺信夫編』(河出書房新社, 1997)所収
著者
長谷川 真士
出版者
The Society of Synthetic Organic Chemistry, Japan
雑誌
有機合成化学協会誌 (ISSN:00379980)
巻号頁・発行日
vol.78, no.11, pp.1066-1075, 2020-11-01 (Released:2020-11-07)
参考文献数
59
被引用文献数
1

In general, cyclization is the most crucial step in the synthesis of macrocyclic compounds formed out of repeated units of a π-system. However, a particular combination of aromatic wall unit and appropriate angular linkage can efficiently give cyclic compounds such as calix[n]arene and its analogues. This straightforward method allows material chemists to supply these compounds on multi-gram scale. Nevertheless, a more resourceful strategy is also required, because this simple approach is less feasible outside of specific combinations. Recently, we have newly developed a straightforward one-pot synthetic approach using a palladium coupling for a series of thiacalix[n]thiophene, thiacalix[n]dithieno[3,2-b:2’,3’-d]thiophene (thiacalix[n]DTT), and selenacalix[n]selenophenes, which are cyclic homologues of divalent chalcogen-bridged (S or Se) cyclic oligothiophene derivatives. A palladium-catalyzed reaction of (Bu3Sn)2S or (Bu3Sn)2Se with dibromothiophene, dibromoselenophene, or diboromo-DTT derivatives led to effective cyclization in good yield. In the presence of appropriate substituents, this method seems to kinetically favor the formation of macrocycles. The molecular and physical properties, including X-ray analysis, absorption spectra and redox properties, of the resultant macrocycles were also described. Unlike conventional calixarenes, they possess electron-donating ability, exhibiting multielectron redox processes due to electron delocalization. Thiacalix[n]DTT derivatives (n=4-6) acted as a cavitand for C60 molecules; the cyclic 4-mer formed a 1:2 complex in the solid state, while the 5- and 6-mer formed 1:1 complexes in solution. Furthermore, thiacalix[4]thiophene and selenacalix[n]-selenophene having tert-butylphenyl groups exhibit gelling behavior in toluene, despite the absence of any hydrogen binding sites. Intermolecular chalcogen (S or Se) interactions facilitate the self-assembly that results in this gel formation.
著者
中山 大成 長谷川 和範
出版者
日本貝類学会
雑誌
Venus (Journal of the Malacological Society of Japan) (ISSN:13482955)
巻号頁・発行日
vol.74, no.1-2, pp.19-26, 2016-04-13 (Released:2016-04-15)
参考文献数
12

沖縄県恩納村瀬良垣から金城浩之氏によって採集された日本産イトカケガイ科の1種をイボヤギヤドリイトカケ属(新称)Epidendrium A. & E. Gittenberger, 2005の新種として記載する。また,本種の属位を決定するにあたり,従来北西太平洋でAlora属に含められていた近似種と比較するとともに,それらの属位についても見直しを行った。Epidendrium parvitrochoides Nakayama n. sp. エンスイイトカケ(新種・新称)(Figs 8–10)殻長は3~5 mmの小型で薄く,円錐形。茶褐色。各層に胎殻は平滑で円筒形,体層,次体層とも下方に角張るが底盤を形成しない。次体層は6層内外で,殻表は縦肋と螺肋が交差し格子状の彫刻をなす。殻口は四角く外唇薄く著しい張り出しにはならない。臍孔は大きく開く。タイプ標本:ホロタイプ,殻長 5.8 mm; 殻径4.0 mm,NSMT-Mo 77925;パラタイプ1,殻長4.8 mm; 殻径 3.1 mm, NSMT-Mo 77924;パラタイプ2,殻長4.3 mm; 殻径 2.8 mm,NSMT-Mo 77923。タイプ産地:沖縄県恩納村瀬良垣,水深20~25 m。分布:タイプ産地のみからしか知られていない。付記:Epidendriumイボヤギヤドリイトカケ属(新称)はE. sordidum A. & E. Gittenberger, 2005ヒロベソイボヤギヤドリイトカケ(新称)をタイプ種としてGittenberger & Gittenberger(2005)によって創設され,従来Alora属とされていた種の幾つかがここに移された。後にGittenberger & Gittenberger(2012)はAlora属とEpidondrium属の違いについて改めて議論し,遺伝子配列の比較から系統的に隔たったものであることを示した。殻の形態では両者の区別はやや困難であるが,貝殻の全般的な形状や殻質などの違いによって区別が可能であると考えられる。これらの形質に基づいて,日本産の従来Alora属に含められていた種を再検討した結果,まず土田(2000)や Nakayama(2003)によってAlora billeeana(DuShane & Bratcher, 1965)イボヤギヤドリイトカケとして図示された種はE. aureum A. & E. Gittenbereger, 2005(Figs 1–2)に訂正される。この種と同時に記載されたヒロベソイボヤギヤドリイトカケも今回初めて沖縄から産出が確認された。E. reticulatum(Habe, 1962)センナリスナギンチャクイトカケは,貝殻の形態から本属に含めたが,本属の知られているすべての種がイボヤギ類に着生する(Gittenberger & Gittenberger, 2005)のに対して,本種はヒドロ虫類のセンナリスナギンチャクに付着する(Habe, 1962)ことから,今後の詳しい検討が必要である。Alora annulata (Kuroda & Ito, 1961)テラマチイトカケは寄主などの情報が不明であるが,原殻の形態的特徴と近年の他の文献等に倣い暫定的にAlora属に残す。Alora kiiensis Nakayama, 2000キイテラマチイトカケは明らかに異旋する大型の原殻をもつことなどから,タクミニナ科のTuba属に移される。本新種はE. billeeanumやイボヤギヤドリイトカケよりも小型で,螺層が角張りを持ち,殻口が方形であることで明瞭に異なる。ヒロベソイボヤギヤドリイトカケとは縫合が浅く,彫刻が弱いことで区別される。センナリスナギンチャクイトカケは殻形が最も近似するが,周縁が丸く,螺肋がより強くて数が少なく,格子状の彫刻を示すことで区別される。
著者
長谷川 久弥 川暗 一輝 井上 壽茂 梅原 実 高瀬 真人
出版者
日本小児呼吸器疾患学会
雑誌
日本小児呼吸器疾患学会雑誌 (ISSN:09183876)
巻号頁・発行日
vol.19, no.1, pp.80-84, 2008-06-30 (Released:2011-06-07)
参考文献数
8

先天性中枢性肺胞低換気症候群 (オンディーヌの呪い, 以下CCHS) は睡眠時に低換気を呈する稀な疾患である。今回, 本邦におけるCCHSの実態把握のため, 全国アンケート調査を施行した。23施設から37例のCCHS症例の回答が得られた。主な結果は以下の通りである。症例背景: 男児18例, 女児19例, 在胎週数39.2±2.1, 出生体重2917±360g, 年齢4ヶ月-34歳。診断方法: 臨床症状37/37 (睡眠時低換気37/37, 覚醒時低換気9/37), 血液ガス分析25/37, 炭酸ガス換気応答14/37, 遺伝子解析 (PHOX2B) 13/37。合併症: Hirschsprung氏病13/37, 中枢神経合併症15/37, 他。転帰: 病院内死亡3/37, 入院中1/37, 在宅人工換気33/37 (死亡4/33, 施行中29/33), 治癒0/37。呼吸管理法: 気管切開21/37, 鼻マスク9/37, フェースマスク5/37, 横隔膜ペーシング1/37。今回の検討で本邦におけるCCHSの現状を把握することができた。CCHSの診断, 管理等は様々な方法が行われており, 統一されたものはなかった。今後, 症例の蓄積をすすめ, 適切な診断, 管理法を検討していく必要があるものと思われた。
著者
岩田 健太郎 北原 エリ子 高橋 哲也 長谷川 信 横田 一彦
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.796-801, 2020-07-15

高橋 本日は,新型コロナウイルス感染症(以下,COVID-19)の患者に直接対応されている最前線の先生方にお集まりいただきました.最初に自己紹介を兼ね,それぞれの現場で何が起こっているのか,これまでの経緯をお話しください. 岩田 当院ではCOVID-19患者を受け入れて以降,受け入れ初期,緊迫期,安定期という3段階で進んできました.緊迫期は院内感染と並行して健康観察に伴う職員の離脱が増え,病院全体が不安に覆われていました.それから日々情報がアップデートされ,目の前の変わりゆく変化に常に対応していかなければいけない時期でもありました.この時期は災害と同じだったと技師長とよく話しています.その後,COVID-19の実態がある程度見えてきて,現在は安定に向かいつつあります.
著者
長谷川 裕峰
出版者
叡山学院
雑誌
叡山学院研究紀要 (ISSN:03892182)
巻号頁・発行日
no.38, pp.39-70, 2016-03
著者
安彦 智史 長谷川 大 プタシンスキ ミハウ 中村 健二 佐久田 博司
出版者
一般社団法人 情報システム学会
雑誌
情報システム学会誌 (ISSN:18842135)
巻号頁・発行日
vol.13, no.2, pp.41-58, 2018 (Released:2019-06-04)

プライベートチャットアプリケーションのID 交換を目的とした掲示板 (ID 交換掲示板 において違法・有害な情報を含む書き込みが増加傾向にある. ID 交換掲示板では,多様な隠語表現を用いたやり取りが行われており意図的に崩された日本語が多く含まれるため,従来の手法では有害性評価を行うことが困難である.そこで本研究では,ID交換掲示板における隠語表現を分類し,特に表層的な表記揺れが生じる環境下でも有害性判定を行える手法を検討する.
著者
市原 利彦 川瀬 正樹 長谷川 隆一 中島 義仁 丹羽 雄大 佐々木 通雄 西村 正士
出版者
一般社団法人 日本救急医学会
雑誌
日本救急医学会雑誌 (ISSN:0915924X)
巻号頁・発行日
vol.24, no.7, pp.448-452, 2013-07-15 (Released:2013-10-16)
参考文献数
10

ナイフによる穿通性外傷の中で内胸動脈損傷は鋭的損傷の多い欧米では少なくないが,国内の報告は少ない。今回受傷機転が刺創の21歳の男性が独歩で来院し,救急外来(emergency room: ER)でショックとなり,primary surveyのみでCT等の検査を施行することなく手術に踏み切った。肺損傷を伴った内胸動脈損傷(完全断裂)による左側の大量血胸であり,胸骨正中切開のアプローチにて緊急手術を行い,救命できた症例を経験した。内胸動脈損傷によるショックに対する治療法は種々なものがあり,手術治療,血管内治療(塞栓術),保存的など施設により対応は異なる。本症例に対し,二次救急医療施設における外傷対応の一貫として,JATECの概念の導入により適切な初期治療を行い,preventable trauma deathを回避できたことからその意義は大きいと考えられる。
著者
長谷川 眞紀 大友 守 水城 まさみ 秋山 一男
出版者
一般社団法人 日本アレルギー学会
雑誌
アレルギー (ISSN:00214884)
巻号頁・発行日
vol.58, no.2, pp.112-118, 2009
参考文献数
10
被引用文献数
2

【背景・目的】化学物質過敏症は診断の決め手となるような客観的な検査所見が無く,病歴,QEESI点数,臨床検査(他疾患の除外)等から総合判断として診断している.診断のゴールド・スタンダードは負荷試験であるが,これも自覚症状の変化を判定の目安として使わざるを得ない.そういう制約はあるが,我々の施設ではこれまで化学物質負荷試験を,確定診断の目的で施行してきた.【方法】当院内の負荷ブースを用い,ホルムアルデヒド,あるいはトルエンを負荷した.負荷濃度は最高でも居住環境指針値とした.また負荷方法は従前はオープン試験によったが,最近はシングル・ブラインド試験を施行している.【結果】これまで51名の患者に延べ59回の負荷試験を行った.オープン試験を行った40名のうち,陽性例は18名,陰性例は22名であった.陰性判定理由は症状が誘発されなかった例が11名,実際の負荷が始まる前に(モニター上負荷物質濃度上昇が検出される前に)症状が出た例が11名であった.ブラインド試験は11名に施行し,陽性が4名,陰性が7名であった.【結語】化学物質負荷試験は現時点でもっとも有力な化学物質過敏症の診断法であり,共通のプロトコールを作成し行われるべきである.
著者
金子 真由美 後藤 雅広 三尋木 健史 飛田 昌男 長谷川 峯夫
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集 平成18年度日本調理科学会大会
巻号頁・発行日
pp.82, 2006 (Released:2006-09-07)

【目的】マヨネーズを厚焼たまごとハンバーグに添加すると、食感及び食味を改善する効果があることはすでに報告した。本研究では、親子で楽しく作ることができるホットケーキについて、マヨネーズ添加による食感及び食味改良効果を探求することを目的とした。【方法】市販のホットケーキミックス、卵、清水を攪拌し、基本配合のホットケーキ生地を調製した。基本配合に対し、一般的な卵黄型マヨネーズを、清水と置き換えて全量の2.5_から_12.5%まで5段階にて添加した。調製した生地は円形の型を使用し、ホットプレートにて焼成した。焼成した試料は放冷後、体積、破断特性およびテクスチャーを測定した。基本配合及びマヨネーズを2.5、7.5、12.5%添加した4種類のホットケーキを用いて、順位法により官能評価を行い、最適な添加量を求めた。【結果】ホットケーキの体積は、マヨネーズ添加量の増加に従い増加した。破断応力およびテクスチャーの硬さは、マヨネーズ添加量の増加に従い減少した。順位法による官能評価では、マヨネーズを添加した3種類のホットケーキは、基本配合と比べ有意に「ふんわりしている」「サクッとしている」「おいしい」と評価された。「ふんわりしている」「サクッとしている」の項目は、マヨネーズ添加量に依存する傾向が認められた。しかし、「おいしい」については添加量7.5%が最も好ましいと評価された。以上の結果から、マヨネーズ添加により、ホットケーキの食感をより好ましくすることが示された。