著者
鈴木 直輝 加藤 昌昭 割田 仁 青木 正志
出版者
日本神経治療学会
雑誌
神経治療学 (ISSN:09168443)
巻号頁・発行日
vol.34, no.5, pp.518-522, 2018 (Released:2018-04-05)
参考文献数
58

Amyotrophic lateral sclerosis (ALS) is the progressive motor neuron disease (MND) in adults, characterized by the selective death of motor neurons in the motor cortex, brainstem and spinal cord. This review provides a general overview of preclinical and clinical advances in 2016 and summarizes the literature regarding emerging therapeutic approaches. The topics include research using next–generation sequencing, progress in the pathomechanism of C9ORF72–mutated ALS, therapeutic strategies on mitochondrial pathology, neuroinflammation, autophagy, growth factor supplementation, axonal pathology in ALS. Clinical trials for ALS targeting on these pathomechanisms are on–going including intrathecal administration of hepatocyte growth factor (HGF).
著者
中村 康則 青木 茂治
出版者
日本歯科大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1990

口腔カンジダ症患者から分離したC.albicans K株の1×10^7〜4×10^7cellsを4週齢の雌雄SDラットに1回静脈接種することにより四肢に関節炎を発症せしめ、外観症状(腫脹,発赤,歩行異常)の経過を観察すると共に関節部骨の形態変化について検討した。1.経過観察:(1)発症率には性差はなく、接種菌量の増量にほぼ依存して発症頻度も高くなった。(2)発症の時期は菌接種後2〜4週に集中したが、2ケ月以降に遅発する例や再発例もあった。(3)発症部位は諸々の関節に及ぶが、中でも足根部,膝,助骨,肘の頻度が高かった。また、一個体で複数部位に発症する例が約4割あり、接種菌量が増量すると発症部位の総数も増加した。(4)外観症状の回復には平均2週間位を要したが、数日間の軽症例や長期間持続するものもいた。 2.骨形態変化:(1)関節炎部位の軟X線写真からは骨の膨隆,骨吸収斑の他、関節面の凹凸もみられた。骨吸収斑は未発症の骨にも同様にみられた。(2)それら部位のCMR写真からは軟X線所見を裏付ける骨造生像や骨吸収窩像の他、皮貭骨の菲薄化、骨梁の減少も観察された。この造生骨の形成過程を踵骨の例でみると、外観症状の出現から4日位で針状の未熟骨が部分形成され、その数日後には桿状骨となり骨辺縁を取巻いていた。この間に投与した硬組織時刻描記剤テトラサイクリンの骨蛍光分布は造生骨が顕著であり、石灰化が活発であることが示された。そして、この骨変化は外観症状が顕著なもの程、高度でかつ永続した。(3)病理組織標本からは旺盛な骨芽細胞が造骨している一方で、破骨細胞の出現による骨吸収窩像がみられたが、これらの所見は関節周囲の強裂な炎症に起因すると思われた。以上の成績から、本真菌によるラット関節炎は多発性であること、遅発や再発も起こること、骨に対しては新生骨の造生と骨吸収斑の変化が主であり、これらの骨病変は自然治癒しにくいことが示唆された。
著者
清水 俊幸 安島 雄一郎 吉田 利雄 安里 彰 志田 直之 三浦 健一 住元 真司 長屋 忠男 三吉 郁夫 青木 正樹 原口 正寿 山中 栄次 宮崎 博行 草野 義博 新庄 直樹 追永 勇次 宇野 篤也 黒川 原佳 塚本 俊之 村井 均 庄司 文由 井上 俊介 黒田 明義 寺井 優晃 長谷川 幸弘 南 一生 横川 三津夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D, 情報・システム (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.96, no.10, pp.2118-2129, 2013-10

スーパーコンピュータ「京」の構成と評価について述べる.「京」はスパコンの広範な分野での利活用を目指した10PFLOPS級のスパコンである.我々は,デザインコンセプトとして,(1)汎用的なCPUアーキテクチャの採用と高いCPU単体性能の実現,(2)高いスケーラビリティのインターコネクトの専用開発,(3)並列度の爆発に抗する技術の導入,(4)高い信頼性,柔軟な運用性,省電力性の実現を掲げ,2011年にそのシステムを完成させた.HPC向けCPU,SPARC64 VIIIfxと,スケーラビリティの高いTofuインターコネクトを専用に開発し,並列度の爆発に抗する技術としてVISIMPACTを実装した.冷却やジョブマネージャ等により,高い信頼性,柔軟な運用性,省電力性を実現した.「京」は2011年6月と11月にTOP500で世界一となった.また,複数のアプリケーションで高い実行効率と性能を確認し,スパコンとしての高い実用性を示した.

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著者
中島 研吾 牧島 一夫 本原 顕太郎 駒宮 幸男 神山 忍 青木 秀夫 広報誌編集委員会 平賀 勇吉 藤原 晴彦 相原 博昭 岡 良隆
出版者
東京大学大学院理学系研究科・理学部
雑誌
東京大学理学系研究科・理学部ニュース
巻号頁・発行日
vol.37, no.5, pp.3-9, 2006-01

「多圏地球システムの進化と変動の予測可能性」国際シンポジウム/物理・天文の21 世紀COE 若手交流シンポジウム報告/第8回公開講演会報告/「楽しむ科学コンクール」の創設/理学部1号館で消防訓練/小形正男先生の日本IBM科学賞受賞をお祝いして/理学部チームがソフトボールでベスト4/ホームカミングデイ/石川統先生ご逝去 : あまりにも早い別れ/藤井忠男先生のご逝去を悼む/最後まで全力投球のまま急逝された川島誠一郎先生
著者
佐藤 光雄 西野 健二 青木 一夫
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.21, pp.49-53, 1997
被引用文献数
2

In those days, there is many broadcasting format. Adjusting this situation, Our Fuji Television designed and operate brand new production studio which is possible to product not only ordinary NTSC but also HDTV. We think, main purpose of this studio is NTSC, but it is possible to adapt to HDTV and EDTV. We decided to use D2 Serial signal (SMPTE 259M) or HD SDI as incoming and outgoing video signal from studio to create completedigital process system of whole station which is included transmission and camera system. But in order to be easy to transform video format, we installed HD digital video mixer and D1 video router as main equipment of this studio.
著者
青木 光 高金 弘 萬谷 嘉明 藤岡 知昭 久保 隆 大堀 勉
出版者
社団法人 日本泌尿器科学会
雑誌
日本泌尿器科學會雑誌 (ISSN:00215287)
巻号頁・発行日
vol.78, no.9, pp.1503-1512, 1987-09-20 (Released:2010-07-23)
参考文献数
17

18歳~21歳 (平均19.8歳) の健康成人男子ボランティア5名により, 勃起時に露出型関電極酸素電極法による静脈洞内脱分極電流値変動と陰茎周径変化を同時記録し, 勃起各相における両者の関係を確認した後, 以下の2つのイヌ実験モデルを用いた検討をおこなった.第1番目のイヌ実験モデルでは, 静脈洞内に各種注入速度で血液を灌流し, この際に生じる脱分極電流値変動を露出型関電極 (八木式) で記録し, 脱分極電流値が, 静脈洞内へ流入する動脈血の流入速度に対応した変動を示すことを確認した. 次いで, 第2番目のイヌ実験モデルでは, 陰茎モデルを作製し, ヒト陰茎において確認された勃起各相の静脈洞内脱分極電流値変動と陰茎周径変化の関係を陰茎モデルにて再現した. これら, 再現時の陰茎モデル血液流出路および血液流入路の状態は, ヒト陰茎における勃起各相の血流動態に一致すると考えられ, 以下の結果が得られた.1) 弛緩状態にあるヒト陰茎海綿体静脈洞内には, 少量の血液が流入しているにすぎなかった.2) ヒト陰茎勃起 tumescence phase では, 陰茎海綿体静脈洞への流入血液量が急激増加した. またこの phase では, 流入血液量の増加にともない, 静脈洞からの流出血液量も増加した.3) ヒト陰茎勃起 erection phase では, 血液流出路の受動的閉塞による流入血液量への抵抗が静脈洞への流入血液量を徐々に減少させた. しかし流入血液量と流出血液量が等しくなった時点で安定し, この値は非勃起時よりも高値であった.4) ヒト陰茎勃起 detumescence phase は, 陰茎海綿体静脈洞への流入血液量の減少が生じるとともに, 血液流出路に生じた閉塞が解除され, 流出血液量が増加した.
著者
青木 真純 勝二 博亮
出版者
一般社団法人 日本特殊教育学会
雑誌
特殊教育学研究 (ISSN:03873374)
巻号頁・発行日
vol.46, no.3, pp.193-200, 2008-09-30 (Released:2017-07-28)
被引用文献数
1 1

通常の学級に在籍する聴覚優位で書字運動に困難がみられた小学校3年生男児に対して漢字書字支援を実施した。はじめに学習漢字を対象児の既知文字に構成要素として分解させた後、音声言語リハーサルと部分再生による支援を実施した。音声言語リハーサルでは分解した構成要素を音声言語で復唱させた。部分再生では音声言語リハーサルに加え1〜2画程度の部分的な書字による補完を求めた。その結果、いずれの支援でも半数以上の漢字を書字できるようになった。しかし、書字エラーをみると、音声言語リハーサルでは構成要素自体の書字に誤りが多かったのに対し、部分再生では、構成要素の書字は可能であったが、それらの配置や結合部でのエラーが多かった。したがって、対象児に負担がかからない程度の補完的な書字活動を取り入れることで、音声言語リハーサルでは改善されなかった漢字細部の誤表記を修正できることが示唆された。
著者
桝田 和彌 青木 萌 寺澤 沙希 飯野 久和 Kazuya MASUDA Megumi AOKI Saki TERASAWA Hisakazu IINO
出版者
昭和女子大学近代文化研究所
雑誌
学苑 = Gakuen (ISSN:13480103)
巻号頁・発行日
no.938, pp.26-31, 2018-12-01

Recently, studies of intestinal microbiota have been conducted using mainly next-generation sequencers to perform comprehensive bacterial DNA analyses. When using this molecular biological approach, intestinal bacterial DNA is extracted from fecal samples. But the influence of the fecal sample storage condition and the methods of DNA extraction on the analysis have not been investigated as far as we know. In this study, we evaluate the effects of different freezing conditions and storage periods of microbial DNA in fecal samples using PCR-DGGE analysis. Fecal samples were stored at −20 ºC, −80 ºC and −80 ºC followed by a liquid nitrogen treatment and kept for 3 months and 1 year, respectively. Microbial DNA extracted from these fecal samples was examined using PCR-DGGE analysis to monitor total intestinal microbiota: Bacteroides, Bifidobacterium, Lactobacillus and Clostridium groups. DGGE profiles demonstrated that the total bacterial flora was stable and no significant changes were found due to storage conditions or periods. In genus specific detection of samples stored for three months, DNA bands were detected in all samples except for in part of the Clostridium group. In the case of fecal samples stored for one year, both at −80 ºC and also treated with liquid nitrogen, amplified genus specific bands were present in all samples. A different band pattern was observed only in the amplicon of the liquid nitrogen treated samples from the Clostridium group. On the other hand, in microbial DNA extracted from samples preserved at −20 ºC it was impossible to amplify specific fragments. Since some bacterial groups in fecal samples were affected by the freezing method, storage conditions and period, it appears that rapidly freezing fecal samples may be the most effective way to maintain intestinal microbiota.
著者
大内 一成 小林 大祐 中洲 俊信 青木 義満
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 B (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.J100-B, no.12, pp.941-951, 2017-12-01

近年,スポーツ界ではICTを活用したトレーニング,戦術分析の導入が進んでおり,画像認識技術を用いた試みも行われているが,ラグビーでは試合に出場する選手の数が1チーム15人と多く,接触/密集プレーが頻繁に発生するため,画像による分析は技術的にハードルが高く,これまで積極的に取り組まれていない.筆者らは,特徴量設計方式によるボール検出/追跡と,ディープラーニング方式による選手検出/追跡を行うハイブリッド型映像解析により,一つのカメラ映像からボール/選手の移動軌跡を精度良く二次元フィールド上にマッピングする技術を開発した.また,ディープラーニングによる自動的なプレー分類を行い,これまで人手で行われていた主要プレーのタグ付け作業の自動化を検討した.本技術は,ラグビーに限らず様々なスポーツへの活用が可能である.
著者
川崎 寛也 赤木 陽子 笠松 千夏 青木 義満
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.21, pp.1029, 2009

<BR>【目的】中華炒め調理は、鉄製の中華鍋を用いた高温短時間加熱にあおり操作が加わり、一般人には制御が難しい技術である。我々は、中華炒め調理中の鍋温度、具温度の経時変化を赤外線サーモ動画像により取得するシステムを構築した。本研究では、中華炒め調理中の温度変化に及ぼすあおり、攪拌操作の影響を知るために、熱画像と可視画像から得られた特徴量の有効性を検討した。<BR>【方法】調理専門者(中国四川料理店料理長)に回鍋肉(豚肉200g、キャベツ300g、ピーマン40g、長ネギ30g、市販合わせ調味料)を調理してもらい、赤外線サーモグラフィ(TVS-500、Avio社製)により熱動画像と可視動画像を撮影した。画像の炒め領域から以下3通りの解析を行った。(1)鍋底領域と縁領域を指定して温度変化を取得し、(2)鍋、お玉の動き、具の重心の動きをグラフ化、(3)鍋に占める具面積の時間的推移を求めた。さらにあおりのみでお玉を使用しないモデル調理を行い、温度変化を比較した。<BR>【結果】(1) あおり前後では鍋底、縁、具すべて温度変化が大きく、領域別温度変化のタイミングは鍋縁領域、具、底領域の順に高温となった。(2)鍋とお玉の動きは交互に現れた。具はあおり時に大きく移動し、続くお玉による攪拌により、常に動いている状態であった。(3)鍋における具の占有率は、あおりにより下がり、お玉による炒めで上昇した。あおりのみでお玉を使用しない調理では、調理途中の具温度のばらつきが大きく、仕上がり温度も低かった。中華炒め調理におけるあおり操作は高温の鍋縁に具を移動させ、焦げる前に反転させる役割、お玉はあおりによりかたまった具を広げ、高温の鍋底に接触させて温度を上昇させる役割であることが本システムを活用することで明らかになった。
著者
青木 雅博
出版者
一般社団法人 レーザー学会
雑誌
レーザー研究 (ISSN:03870200)
巻号頁・発行日
vol.30, no.1, pp.22-27, 2002-01-15 (Released:2009-08-05)
参考文献数
48

Modulator integrated lightsources are among the essential components of today's DWDM systems because of their compactness, high-speed operation, low frequency chirp and high cost efficiency. A recent progress in a R&D on modulator integrated lightsources is reviewed focussing on the technical issues and approaches.
著者
佐藤 貢司 青木 文男 芝﨑 克一 土田 哲平
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.69, no.1, pp.43-46, 2019-01-01 (Released:2019-01-01)

高齢化社会を迎えた日本においては,就労人口の減少や都市部と地方における地域格差など「人」を中心とした多くの課題がある。食料自給率の低い日本では一次産業は重要な産業であり従事する人の確保のために効率化や高収益化が求められている。近年の漁業においてはマグロなど養殖技術が検討され,高収益化を目指した新たな取り組みもされている。本稿では特許分析を中心とした情報分析を用いて今後の養殖において必要となる技術の推定を試みた。個体判別のための誘導や個体に傷をつけない捕獲技術なども必要であると推定された。
著者
高橋 由泰 青木 輝勝 安田 浩
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告電子化知的財産・社会基盤(EIP) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2001, no.85, pp.25-32, 2001-09-08
参考文献数
6
被引用文献数
4

CDやDVDなどの安価で大容量のメディアを用いたコンテンツ流通は,現在コンテンツ流通の主たる方法になっている.このような蓄積型コンテンツ流通システムにおいて超流通を採用すると,消費者のコンテンツへのアクセシビリティの改善などの効果が期待できる.しかしながら蓄積型コンテンツ流通では電子透かしを利用することが難しいため,不正流通させた不正ユーザを特定できないという問題がある.これはメディアが書き込みできないCDやDVDであるために,後から電子透かしを入れにくく,また目えぃあの容量が限られているために,購入者全員分の透かしをあらかじめ全て入れておくことも難しいためである.本稿では画像をオブジェクトに分割することによって,個々のユーザが見る画像を変化させるという個性化技術を提案し,そのソフトウェアを実装した.本稿ではこの個性化技術を用いることにより蓄積型コンテンツ流通において超流通を採用しても,不正ユーザの特定が可能となることを示す.Adapting the super-distribution into the content distribution can produce many merits; reducing cost, inproverment of the accessibility of consumers to content. However when the digital content is distributed with CD or DVD, it becomes difficult to adapt the super-distribution. That is because it is impossible to insert the buyer information into those media, as they are read-only and are made by pressing. Therefore if an illegal copy is distributed widely, there is no way to find who distributed the illegal copy by the content without buyer infomation. In this paper the new "characterization method" is proposed. It can insert the buyer information into the content distributed with read-only media. Therefore the content server can identify the illegal user, even when the content is distributed with the super-distribution.