著者
田川 正朋
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2015-04-01

ヒラメでは、放流や養殖のための稚魚を生産する際に、天然魚とは異なり眼のない側にも黒い部分が出現する着色型黒化という現象が頻発し問題となっている。本研究により、ストレスによって分泌されるコルチゾルというホルモンが、着色型黒化の直接原因の一つであることが確認された。また着色型黒化の防除方法としては、飼育水槽底面を凹凸にすることが効果的であること、および、種苗生産現場でも設置が容易な凹凸面として考案した、水槽内面を網で覆う方法でも着色型黒化を強力に防除できた。
著者
足立 亨介 池島 耕
出版者
高知大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-07-18

本研究ではマングローブ物質循環の鍵を握る落葉とこれを摂食するカニの関係について考察した。フィールドおよび飼育実験などからカニは落葉の34%を摂食していると算出された。カニ腸内細菌、および生息土壌細菌のメタゲノム解析においては両者ともにcellulose degradationに属する菌が見出された。また両者において還元糖量の換算で数10-約100mg/kg soil/24hのセルロース分解酵素活性が見られた。我々のこれまでの成果を考慮すると、調査フィールド内では落葉中のセルロースの1/3程度はカニの消化液→腸内細菌→土壌細菌の3要素によって分解を受け手入ることが示された。
著者
岡本 秀貴 川口 洋平 永谷 祐子 浅井 清文
出版者
名古屋市立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2019-04-01

再生医療の分野では皮膚や骨、軟骨、網膜など比較的単純な組織では臨床応用が盛んになされている。爪や毛髪などの組織は一見単純な器官に思えるが、産生された硬性ケラチンを複雑な層状に重ねてさらに緻密な硬組織と成してそれを秩序的に一定方向に伸長させていくという非常に複雑な働きがある。本研究によって爪母細胞の元となる再生能力の高い爪幹細胞を発見できれば爪再生の研究は飛躍的に発展すると予想される。本研究期間内に1)爪組織の器官培養法の確立2)爪幹細胞の存在部位同定とその培養3)組織工学的手法を応用しての爪再生を明らかにする
著者
池田 譲
出版者
琉球大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2017-04-01

本研究では、イカ類の共感性を、ツツイカ目のアオリイカを主対象に読み解くことを試みた。その結果、アオリイカは捕食者、餌生物などの対象に対してボディパターン(体色変化)により情動を表出し、それらボディパターンを介した情動表出は同種個体間で伝染すること、情動伝染は生後発生的な過程であることを明らかにした。さらに、コウイカ目のトラフコウイカについても調べ、ボディパターンを介した情動伝染を確認した。
著者
本橋 哲也
出版者
東京経済大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2016-04-01

「食人種」にたいする差別幻想を主軸とするカニバリズム言説が西洋近代世界において果たしてきた役割について、おもに西洋文学を題材として分析することによって、現代社会においてもさまざまな場所で発言している「野蛮の言説」や人種、ジェンダー、階級等を横断する差別の力学について検討した。このような研究は単に文学や芸術テクストの読解に留まることなく、私たち自身の社会がいまだに「文明と野蛮」「西洋とそのほか」といった二項対立思考に基づいている事を明らかにすることによって、より平等な世界への思考を誘発すると考えられる。
著者
玉本 英夫 神田 直弥 湯川 崇 柴田 傑
出版者
東北公益文科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2015-10-21

貴重な無形文化財である民俗芸能の踊り(以下、踊り)は、地域の人々が協働して、踊りが演じられている場所に行って踊りを観てそして踊りに参加して踊りを覚える環境(伝承環境)を維持していくことによって伝承されてきた。今日、社会の少子高齢化と地域の過疎化に伴い、この環境の維持が難しくなったことによって、踊りの伝承が難しくなっている。本研究では、このことを鑑み、バーチャルリアリティ技術を活用し、地域の人々が協働して上記の本来的な伝承環境を維持できる仕組みを開発することによって、踊りの伝承を支援することを目指した。
著者
大塚 宜一 清水 俊明 永田 智
出版者
順天堂大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

食物アレルギーや炎症性腸疾患の病態を解明する目的で、食物の未消化産物との関連を検討した。その結果、未消化産物の明らかな抗原性は確認できなかった。一方、それぞれの消化管粘膜の生検標本を用いmicroarray法、RT-PCR法、免疫組織染法などの検討を行ったところ、新生児・乳児消化管アレルギーにおいてCCL21、CXCL13の、また、小児炎症性腸疾患においてCXCL9、CXCR3などの発現亢進を認め、それぞれの病態に食物の侵入経路であるリンパ濾胞との関わりが示唆された。
著者
大塚 宜一 清水 俊明 鈴木 竜洋
出版者
順天堂大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

新生児一過性好酸球性腸炎(NTEC)、食物過敏性直腸炎(FPIP)、小児炎症性腸疾患の粘膜をMicroarray、RT-PCR、免疫組織染色法を用い解析した。NTEC, FPIPではCCL11、CXCL13の関与が、小児クローン病ではCXCL-9,-10,-11、小児潰瘍性大腸炎ではMMP-1,3,7,10の関与が示唆された。両者で発現亢進が確認されたCXCL13は、B細胞を誘導するリンパ濾胞形成因子であり、新生児期からの食物に対するIgA産生や寛容誘導に深く関わっている。その発現亢進は、小児に欠かせない免疫応答であると考えられる一方、炎症増強に関わっている可能性が示唆された。
著者
大塚 宜一 清水 俊明 藤井 徹 工藤 孝広
出版者
順天堂大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2015-04-01

H.pyloriに感染した小児と成人の胃粘膜に発現する免疫・癌関連分子を、microarrayなどを用いて網羅的に比較検討した。対象は各種消化器症状に対して消化管内視鏡検査を施行した患者とし、H.pylori感染小児群、非感染小児群、感染成人群、非感染成人群の各々6症例、合計24症例の胃粘膜(前庭部・胃体部)を検討した。その結果、成人感染群でより強い発現のもの(OLFM4)、成人・小児感染群で同等に発現するもの(PIM2,REG3A,LCN2,CXCL13)が確認された。発癌の機序として、H.pylori感染に伴う小児期からの癌関連分子の発現の亢進及び慢性炎症性変化の関与が示唆された。
著者
中西 祐子
出版者
武蔵大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2015-04-01

戦後日本のアメリカ移住女性たちが、移住後、日系ネットワークをどのように活用しているかを考察するために、サンフランシスコ・ベイエリア内における各種日系ネットワーク関係者へのインタビューと、アメリカ移民全体の傾向を把握するためにThe New Immigrant Surveyの公開データの二次的分析を行った。日本人女性たちの間には起業を支援するようなエスニックな経済資本は見られなかったが、日常生活を支えるエスニックな社会関係資本の利用が見られた。彼女たちの互助的ネットワークは、日本では家族・親族が担ってきた育児期の相互支援や高齢者介護に至るまで「強い紐帯」的な役割を果たしていた。
著者
仁平 義明
出版者
白鴎大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011-04-28

本研究の目的は,発達障害者の方がむしろ優れている課題を発見することによって,発達障害者の職域の拡大を支援することにあった。そのために非臨床群の大学生を対象とした二つの実験的なアナログ研究が行われた。二つの別々な研究結果からは,ある種のエラーの発見にはADHD傾向者の方がむしろ優れていることが共通して確認された。この結果は,とくにADHD傾向者は,校正作業を含む職業に適している可能性を示唆していた。
著者
花見 健太郎 田中 良哉
出版者
産業医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2019-04-01

神経系及び神経伝達物質が免疫系のみならず、骨代謝へも影響を与えている事が近年報告されている。我々は、関節リウマチ患者炎症性滑膜の樹状細胞にドパミンが豊富に存在する事、ドパミンD1様受容体阻害薬が滑膜炎症及び関節破壊を抑制しうる事をSCIDマウスを使ったヒト関節リウマチモデルにおける検討で明らかにし、更にはドパミンD2受容体シグナルが細胞内cAMP-c-Fos-NFATc1を抑制する事で 破骨細胞形成を抑制する事を報告しており、神経伝達物質が、関節リウマチの新規治療方法となり得る可能性が考えられる。本研究では、神経伝達物質による関節リ ウマチに対しての新規治療法の開発を目的とする。
著者
緒方 政則 川崎 貴士 佐多 竹良 小原 剛 南立 宏一郎 緒方 政則
出版者
産業医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2004

手術侵襲・麻酔薬が、自然免疫において中心的な役割を持っている食細胞(単球・マクロファージ、好中球)の機能に与える影響を検討することが今回の研究目的である。食細胞の機能活性化はミトコンドリアによるエネルギー産生によるところが大きい。ミトコンドリアの呼吸鎖により産生されるATPは、食細胞機能を活性させることが近年報告されている。そこで、ミトコンドリアのエネルギー産生、活性化、形態に与える手術侵襲・麻酔薬の影響を検討することにした。麻酔薬が単球、好中球のミトコンドリア機能に与える影響について検討した。様々な濃度の局所麻酔薬(リドカイン、メビバカイン、ブプバカイン、ロビバカイン)とともに、健常成人から採取した末梢血から分離した単球、好中球を数時間培養した。培養後、貪食能、細胞内ATP濃度測定、蛍光標識されたマーカーによるミトコンドリア機能評価、ミトコンドリア形態評価をおこなった。リドカインは、貪食能を有意に低下させた。更に、リドカインは、細胞内ATP濃度や、ミトコンドリア膜電位をコントロールに比べて、有意に低下させ、アポトーシスをひきおこした。他の局所麻酔薬は、このような作用は認められなかった。リドカインは、ミトコンドリア機能を低下させて、自然免疫を抑制する作用があることがわかった。更に、静脈麻酔薬について、同様の研究を行った。プロポフォールは、濃度依存性に好中球ミトコンドリア機能を低下させる傾向が見られたが、有意な差は認められなかった。また、手術中の胸部硬膜外麻酔により、上腹部開腹術で、周術期の自然免疫能低下を抑制するかどうか調べた。手術侵襲により、TNF産生能、貪食能は有意に低下したが、殺菌能は低下しなかった。胸部硬膜外麻酔でも、全身麻酔と同様に、手術侵襲による自然免疫能低下がおこった。好中球アポトーシス及びミトコンドリア機能に関しては、個人差が大きく、現在も研究中である。
著者
加計 正文
出版者
自治医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2015-04-01

膵β細胞からのインスリン分泌にはブドウ糖濃度の上昇が重要で、ブドウ糖代謝がKATPチャネルを閉鎖することでインスリン分泌が惹起されると考えられていたが、本研究ではそれ以外の機序として、TRPM2蛋白(チャネル)が関与していることを見出している。TRPM2チャネル開口にはブドウ糖代謝も重要であるが、GLP-1という腸管ホルモンによっても開口し、インスリン分泌をさらに増強する。これらの機序は新しく、特に健常者でのインスリン分泌機構にはTRPM2の方がより重要であることを示唆している。KATPチャネルによる従来の分泌機序に対して、修正が必要であることを提案するインパクトのある研究である。
著者
小野 岳史 木下 学
出版者
防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2019-04-01

極微量のLPSの3日間投与により、炎症反応を抑制しつつ貪食細胞活性が大幅に増強すること、大腸菌敗血症の予後が劇的に改善することをマウスで見出した。これはLPSプレコンディショニングというべき現象で、マラリア原虫感染の予後についても改善し得る可能性が予備実験で示唆された。本研究では、LPSプレコンディショニングによるマラリア感染の重篤化阻止を目標として、1) LPSプレコンディショニングがネズミマラリア原虫致死株感染における重篤化抑制機構の解明、2) LPSプレコンディショニングによる脳マラリア発症阻止の検討、3) 弱毒性LPSによる安全なLPSプレコンディショニング導入の探索、の3点を行う。
著者
竹野 裕正 中本 聡 八坂 保能
出版者
神戸大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

この研究では,核融合直接発電での電荷分離に利用するカスプ型直接エネルギー変換器の性能向上に,高周波電界を利用する.最初のイオン捕集電極前面の網電極による実験結果から,磁場平行方向の電界が有用であることを見出した.これに基づいて電子捕集電極前に円環対電極を設置して実験を行い,電子電流を増大させうる条件があることを見出した.この現象の物理的理解のために電子の軌道計算を行ったところ,電子の走行時間の差が実験結果に対応すると考えられる.物理機構の究明には至っていないが,性能改善の可能性が見出された.現象の応用を目指した研究を継続して行く.
著者
徳永 文稔 小出 武比古
出版者
大阪市立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2001

新生蛋白質が正しい折れたたみを受けることは、蛋白質の正常な機能発現のために必須である。折れたたみ異常(ミスフォールド)蛋白質が分泌されると生体にとって有害になるので、これらは分泌前に識別され、小胞体内腔からサイトゾルへ逆行輸送したのちにプロテアソーム分解される。この細胞機構は小胞体関連分解(endoplasmic reticulum-associated degradation、ERAD)と呼ばれる。我々は、各種ミスフォールド蛋白質のERAD機構を解析し、小胞体マンノシダーゼIによるN型糖鎖のプロセシングがERADに重要であることを明らかにしている。本研究で我々は、東京都臨床研の吉田らによって発見された糖蛋白質に会合する新規ユビキチンリガーゼSCF^<Fbx2>(Skp1-Cu11-Fbx)複合体のERADにおける役割を解析した。その結果、Skp1との結合部位であるF-box領域を欠く変異体(Fbx2ΔF)は、優性ネガティブ変異体として働き、典型的なERAD基質蛋白質であるのう胞症繊維症のCFTRΔ508Phe欠失変異体やT細胞受容体α鎖のERADを抑制することを見いだした。さらに、CFTRΔ508Phe欠失変異体はプロテアソーム活性抑制時にアグリソームと呼ばれる核近傍セントロソーム部位に凝集体を形成することが知られているが、正常型Fbx2を共発現するとCFTRΔ508Pheのアグリソーム形成率が減少することが分かった。一方、Fbx2の欠失変異体はアグリソーム形成の抑制効果はなかった。これらの結果から、Fbx2は小胞体型のN型糖鎖をもつ蛋白質がサイトゾルに暴露された際にこれらの蛋白質を折れたたみ異常と認識し、ユビキチン・プロテアソーム分解に導くユビキチンリガーゼであることが示された。
著者
野島 順三 市原 清志
出版者
山口大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

全身性エリテマトーデス(SLE)患者における動脈血栓塞栓症発症機序の解明を目的に、抗リン脂質抗体が末梢血単核球による組織因子(TF)発現や炎症性サイトカイン産生にどのような影響を及ぼすのか検討した。その結果、抗リン脂質抗体が単球とリンパ球の相互作用によるTF発現やTNF-α、IL-1β、IL-6の産生を増幅させることを確認し、これがSLE患者における動脈血栓塞栓症の重要な病因となることを明らかにした。
著者
重松 伸司
出版者
追手門学院大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2003

I.平成17年度(第三次)の研究目的として、以下の研究課題についての補充調査を設定する。1.ペナンに拠点を置き、明治後期に横浜・神戸に在住したアルメニア人実業家A.M.Apacar氏について、その交易ネットワークと形成過程の資料・実地調査。2.シンガポールのアルメニア人コミュニティについて、文書記録の収集と墓碑銘の補充調査。II.上記の研究課題について、平成17年度には以下の現地調査、資料調査及び共同研究を行った。1.マレーシア・ペナンにおける旧アルメニア街の家屋配置とその遺跡保存の実地調査(平成18年1月7日〜1月9日)。なお、この調査はNPO「奈良町づくりセンター」主催の国際シンポジウム「アジアの町づくりを考える」(タイ、マレーシア、ミャンマー、英国、アメリカ、日本など約30名参加)に随伴して旧アルメニア街の実地調査に参加した。本調査では上記課題1の資料は確認できなかったが、新たにアルメニア街の実測と一部家屋の保存調査を行った。2.シンガポールのアルメニア教会における墓碑銘調査及びシンガポール国立公文書館における旧在アルメニア人の聞き取り調査記録の補足調査(平成18年3月12日〜3月16日)。本調査では、まずアルメニア教会内に現存する全アルメニア人墓地(後列18基、前列16基、風化約5基)の全墓碑銘について写真収録、アルメニア国花Vanda Miss Joaquimの発見者Agnes Joaquimの墓碑銘及び事蹟に関する資料同定を行った。3.シンガポール国立公文書館所蔵の文書資料Communities of Singapore (Part 1)-Oral History Interviewsに収録されたアルメニア人3名の聞取り記録の複写・分析を行った。4.以上の調査に関連する口頭報告としては、トヨタ財団助成式記念シンポジウム「隣人を知るプロジェクト」の招聘講演(平成17年10月2日)で調査活動の一部を報告した。5.また、ペナン在住のアルメニア研究家Clement Liang氏および東南アジアの日本人街研究家大場昇氏と共同で「マレーシアにおける日本人街・アルメニア人街」の講演会を行った(12月7日)。
著者
藤見 俊夫
出版者
熊本大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2017-04-01

本研究では,洪水ハザードマップの閲覧を妨げる心理的要因について検証した.その結果,災害リスクについて楽観的であること,防災への関心が薄いこと,マップの閲覧が面倒であること,水害のリスクへの不安を回避すること,避難への自己効力感が低いことが,ハザードマップの閲覧を妨げる心理的要因であった.ハザードマップの閲覧を促すナッジ政策として,閲覧の手間を促すナッジは有効であった.被験者に社会規範や水害のリスクを強調するナッジ政策は,いずれもメッセージへの納得度が高い人については効果的であった.メッセージに納得しない人は閲覧を避ける傾向があった.