- 著者
-
藤見 俊夫
- 出版者
- 熊本大学
- 雑誌
- 基盤研究(C)
- 巻号頁・発行日
- 2017-04-01
本研究では,洪水ハザードマップの閲覧を妨げる心理的要因について検証した.その結果,災害リスクについて楽観的であること,防災への関心が薄いこと,マップの閲覧が面倒であること,水害のリスクへの不安を回避すること,避難への自己効力感が低いことが,ハザードマップの閲覧を妨げる心理的要因であった.ハザードマップの閲覧を促すナッジ政策として,閲覧の手間を促すナッジは有効であった.被験者に社会規範や水害のリスクを強調するナッジ政策は,いずれもメッセージへの納得度が高い人については効果的であった.メッセージに納得しない人は閲覧を避ける傾向があった.