著者
井上 奈良彦
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1999

「アカデミック・ディベート」と呼ばれる日米の教育・競技を目的とするディベートの談話構造の分析方法を再検討し暫定的モデルを提唱した。録音・録画したディベートを文字化しデータベース化した。暫定モデルを用いて実際のディベートを分析した。日本人参加者による日本語のディベートと日本人参加者による英語のディベートについては、ほぼ計画どおりの数の録音・録画をすることができた。アメリカ人による英語のディベートについては、収録対象としたディベートの試合での参加者の変動などにより予定より少ないデータ数となった。議論の論理構造(特にトゥールミンのモデル)を分析の枠組みの一つとして検討を加えた。コード化を行う場合、あるコード化単位(命題)がモデル内のどの要素に該当するかの認定はディベートが行われているスピーチ・コミュニティーの成員(研究代表者を含む)が発話者の意図性を推測して行った。このモデルを利用して時系列に沿って生成される談話構造の記述として利用し、日米のディベートの談話構造の暫定的な比較分析を行った。さらに詳細な談話構造の分析を行うため、スピーチアクトを利用した「言語学的アプローチ」による談話構造の分析の方法を援用して実際のディベートの分析に当てはめた。ここでは特にディベート参加者の間でほぼ共有されているディベートに特化した「手(move)」や「行為(act)」のレベルでの要素を設定しコード化のための基礎的な分析を行った。各スピーチや反対尋問における談話要素の時系列に沿った発話位置と要素間の階層関係を規定するとともに、それらの相互作用(議論の提示、証明、質問、応答、反論など)に注目した。分析の成果は今後学会発表、雑誌論文の投稿を行う予定である。
著者
串田 久治
出版者
大阪府立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1999

本研究は彗星と流星の観測記録ととともに生まれる「予言」記録を整理することによって、これまでの一連の研究で明らかにした古代中国の天文学と「予言」の政治学を更に補強し、古代中国の「予言」が当時の政治や社会を動かす原動力となっていたことを解明して、董仲舒の災異説の現実的役割を中国古代社会思想史上に位置付けることにある。古代中国人が五惑星の異常運行に劣らず恐れたのは彗星と流星の出現・消滅であった。その出現と消滅に、古来為政者が無関心ではいられなかったのは、自然界と人間世界との相関関係を受け入れ、天体の神秘は地上の政治に対する天の意思表示であると考える古代中国では当然のことである。このことは、中国で天文学が科学としてよりも国家占星術として発展していった事実とも符合する。ところで、董仲舒が儒教国教化のアンチテーゼとして提唱した災異説がそれ以後の社会に多大な影響を与えたことは周知の事実であるが、災異説が広く受け入れられて社会に定着するには、言説だけでは不充分である。言説を理解することと納得することとは同じではない。誰もが目にすることのできる神秘的現象によって現実にあった政治的・社会的事件・出来事が説明され、その合理性が納得されて始めて災異説の言う「天の譴責」は為政者に対して意味を持つ。しかし、前漢末、讖緯説の隆盛とともに災異説が本来の批判精神を喪失すると、彗星・流星の出現は「予言」を創出し、五惑星の異常運行にまつわる「予言」が果たしたと同じように、災異説の批判精神を見事に継承して人間社会への警鐘として機能し続けたのである。
著者
針塚 進 古川 卓
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2000

軽度の痴呆化した高齢者が対人関係場面において、他者の情動理解をどのようにするのかを明らかにするため、対人関係投影法テストを作成した。この対人関係投影法テストは、痴呆化によって衰える「記名力」や「記憶力」を測定するためのテストではなく、対人関係場面における、人の情動理解力を測定するものである。そのために、対人関係場面を描いた図版を11枚作成した。このテストの標準化のため、20代の若者、在宅高齢者、介護老人保健施設入所者を対象にデータを収集し、被験者が投影するであろう情動の種類と内容の標準反応を特定化した。テストの標準化は継続研究となった。さらに、情動理解と情動表出を検討するため施設入所高齢者を対象とした対人交流場面を以下のように構成した。(1)「動作」法による(リラクセーションを中心とする)相互的関わりを行う場面。(2)「行為」による(回想法グループ活動において高齢者が回想した場面に基づいたロール・プレイング)相互的関わりを行う場面。(3)標準的なコミュニケーション場面(動作も行為も積極的には用いない、回想法グループ活動場面、動物や風景の写真を見ながらの会話場面)。(4)写真刺激による回想法的場面。以上の結果は、次の通りである。(1)で動作法によって高齢者のうつ状態が減少した。(2)では回想法にロール・プレイングなどの行為化を導入したことで情動理解や情動表出が増加した。(3)では実施前後において、高齢者のテスト反応に変化が見られなかった。(4)では軽度痴呆化状態の高齢者は、「ひまわり」「海」「赤ちゃん」等の写真に対してポジティブな情動反応を示したが、「犬」などのペットになるような動物等には余り示さなかった。
著者
山田 真司 山田 典子
出版者
青森県立保健大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

唾液アミラーゼ活性によるストレス測定値それ自体,および測定値の前後変化と質問紙による主観的な質問項目(疲労感,興味,楽しさなど)との関連については一つの質問項目を除き乏しかった.従って,これらの主観的な感覚は複数の要素から構成されたものであり,唾液アミラーゼ活性によるストレス測定値のみによって代替することは困難であると思われる.ストレス測定値と関連の高かった質問項目は「これから計測するストレス値は高いだろう」というものであったことから,唾液アミラーゼ活性によるストレス測定値に示される客観的な身体状況が主観的にも的確に評価できているという結論が導かれた.
著者
小野寺 康之
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

ホウレンソウからは,雄株および雌株の他に雌雄双方の機能を備えた間性株も見出される.これらの多様な「性」はホウレンソウにおける効率的F1採種に必要な受粉制御技術を確立する上で重要な形質である.本研究では,性決定遺伝子座の構造解析を試みた.先ず,Y遺伝子座の解析からは,この遺伝子座を含む周辺領域は減数分裂期の相同組み換えが抑制された雄特異的領域であることが示唆され,この領域は少なくとも840 kbp以上である可能性が示された.さらに,この領域の一部の配列を決定した結果,大部分が新規のレトロエレメントで占められていた.その一方で,タンパク質コード候補遺伝子は僅かに4個しか見出されなかった.
著者
清水 裕子 上田 伸男
出版者
宇都宮大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1997

快適性・感性の評価を客観的に行う方法を確立し、衣服の快適性・感性に影響を与える要因相互の関係を明らかにする目的で、客観的指標として脳波を取り上げ、解析を行った。また、衣服だけではなく、食物のおいしさ、好ましさと生理特性との関係を明らかにするために、検討した。結果は以下のとおりである。(1)極端な冷房による不快感と脳波の関係を検討した。冷房が苦手な被験者群と冷房が苦手でない被験者群との間では、主観評価、皮膚温について有意な違いがみられた。脳波については有意差ではなかったが、冷房の苦手な被験者群の方が、全般的にα波の出現は少ない傾向がみられた。(2)人体を圧迫する衣服に関しては、素材の異なる2種類のガードルで、サイズが合ったものと、ワンサイズ小さいものの合計4種類のガードル着用による快適感・覚醒感・圧迫感の調査と脳波の測定を行った。ガードル着用時のα波のパワーの比率は、日常的にガードルを着用していない被験者の方が全般的に減少しており、非着用者にはガードル着用による精神的な緊張がみられ、主観調査と共に、日常の着用状態による違いがみられた。(3)衣服の快適性の客観的な評価に、脳波の時間的空間的相関を検討する武者利光らの感性スペクトル解析法を用いて検討を行った。絹、綿、麻、ポリエステル新合繊を用い肌触りの異なる衣服を作成し、これらブラウスの着心地のよさとの関係を調べた。感性スペクトルは個人による差がかなり大きいが繊維による違いが認められた。(4)好きな食べ物と嫌いな食べ物を被験者に食べさせ、脳波、心電図、皮膚表面温度、鼓膜温度、心理評価を行った。脳波の変化としては、嫌いな食べ物を食べることにより、α波の低下、心拍数の増加がみとめられた。以上のような研究の結果、脳波測定と解析を用いて、衣服や食物に関した快適性の客観的な評価を行うことができることが示唆された。とくに、寒さを防ぐための衣服の効果、衣服による拘束のような不快感、食物の好悪に関した快・不快に直接反映されることがわかった。
著者
立川 光 中原 壽喜太
出版者
香川医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1995

当初は画像の各関心領域の演算を超高速画像処理専用ボードを用いてハードウェアで処理させる方針であったが、ソフトウェアによる方式にした。このため、フラフィカル ユーザーインターフェースの部分を作りやすい言葉(Visual Basic)で解析ソフトを開発中である。各画像を大域的領域に分割する組み合わせはほぼ無限大になるが、最適な手順を選択する方法として、ニューラル・ネットワーク、あるいは遺伝的アルゴリズムを用いることを検討し始めた。臓器レベルの画像だけでなく細胞レベルの動態機能解析にもとりかかり、カルシュウム・シグナリングなどの応用に期待がよせられている。
著者
宮下 志朗
出版者
放送大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

16 世紀にアントウェルペン(アントワープ)に移住したフランス人によって作られた、ヨーロッパ随一の印刷・出版工房を中心として、「文芸の共和国」をキーワードに、広い視野で文学・芸術を見るという目的は、一定の成果を収めることができた。プランタンが出版した『フランドル語・フランス語対照ことわざ辞典』にラブレーの短文が引用されていることを新たに発見した。アントウェルペンで活動したブリューゲル(《フランドルのことわざ》の作者だ)とラブレーとが、「ことわざ」を媒介として、間接的ながらつながった。このことをブリューゲル展のカタログで日本語と英語で発表し、確実な反響を得たのが一例といえよう。また、本研究の実践態として、この 10 年間、ラブレーの翻訳に傾注してきたわけだが、2012 年に『第五の書』を上梓して、この苦しい作業を終えたのも、大きな成果だと思う。そして、この《ガルガンチュアとパンタグリュエル》全 5 巻の翻訳に対して、「第64回読売文学賞」「第18回日仏翻訳文学賞」という2つの価値ある賞を受けることができた。研究者としては、科研費による研究の意義をしっかりと確認することができた。
著者
中村 幸男 Nguen Cong Minh 東平 光生 川村 匡弥
出版者
明治大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011-04-28

本研究は、単体的複体から定まる代数であるStanley-Reisner環を中心として、単体的複体の持つ離散数学的な性質とStanley-Reisner環の持つ代数的な性質の関連を調査することを目的としたものである。成果としては、Stanley-Reisner イデアルの通常べき、及び記号的べきによる剰余環のk-Buchsbaum性に関するものがある。
著者
森野 聡子
出版者
静岡大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

本研究は、ウェールズ語の「グウェリン」こと民衆が、19世紀末においてウェールズ国民のアイコンとして構築されたイデオロギー的背景を考察した。グウェリンはジェントリ・資本家に対する労働者階級ではなく、前産業社会の農村共同体に生きる素朴な民衆という文化概念であり、ポスト産業社会に入った連合王国の構成員としてウェールズ人が体現すべき国民象として創造された。また、民衆の話し言葉をもとにウェールズ語の標準化や正字法の確立がめざされ、民衆向け雑誌を通じウェールズの歴史が編制され、ウェールズ文学作品が紹介されるなど、グウェリン言説がウェールズにおける国語・国文学の制度化に果たした役割も明らかになった。
著者
真島 秀行
出版者
お茶の水女子大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

西田明則は江戸時代後期、若い頃に関流の数学の勉強をし、明治時代に国防のために尽くし、その和算蔵書がお茶の水女子大学にある。それらの本、関孝和の伝記と業績の研究を行った。関孝和は江戸初期の日本の数学者で、世界で初めて所謂「終結式と行列式」を研究したことで知られている。関の死後300周年の機会に、筆者は関家、特に養父や最初の仕官に関する重要な記録と事実を発見し、関孝和の履歴書を書けるようになった。関の円周率の計算、行列式についても新たな見解を提示した。
著者
下道 郁子
出版者
東京音楽大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

旧制第一高等学校の寮歌の研究を通して、戦前の日本人の音楽的感性が変化し、洋楽スタイルを指向したこと、また西洋音楽の受容と理論の学習が、これらの変化を進める要因となったことが考察された。そして教養教育による人間教育という教育理念の旧制高等学校においては、学友会や運動部による対抗試合等の課外活動が活発であり、この活動が寮歌という、音楽的にも社会的にも価値ある文化遺産を生み出したことが理解された。
著者
大石 久史 高橋 智
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

本研究では、(1)膵内分泌細胞特異的大Maf群転写因子欠損マウス(MafA/MafB二重欠損マウス)を得るために必要な、floxed MafB マウスの作製。(2)In vivo imagingを使ったβ細胞の可視化による新生β細胞の定量的スクリーニング法の確立。(3)マウス肝組織からのインスリン産生細胞の誘導において、MafAとMafBの効果を比較し、MafAがより効率的に誘導可能であること の3つを明らかにした。
著者
重松 陽介 畑 郁江
出版者
福井大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

タンデムマススクリーニング全国実施にあわせ、スクリーニング指標とそのカットオフ値の妥当性を保証するための精度管理法を検討し、旧来の指標での偽陰性例を回避し、偽陽性率を減じるために、CPT-2欠損症やメチルマロン酸血症を中心として新たな指標を開発した。更に、偽陰性回避で生じる再採血率増加を防ぐために、有機酸代謝異常症スクリーニングでは、初回濾紙血を用いた新たな二次検査法として濾紙血中有機酸高感度測定法を開発した。脂肪酸酸化異常症スクリーニングでは、精密検査法として血清でのアシルカルニチン分析の診断精度を実証し、また末梢リンパ球を用いた脂肪酸酸化能検査法を改良しCPT-1欠損症診断にも対応した。
著者
黒石 いずみ 内田 青蔵 藤谷 陽悦
出版者
青山学院大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

英国田園都市住宅における、20世紀初頭にかけての社会状況と建築空間デザイン理念、郷土主義・社会主義的視点からの近代化批判、女性や家族生活への啓蒙的提案、庶民生活の合理化等の社会背景の影響と空間表現を考察し、その日本での継承過程を検証した。特にドイツやアメリカの住生活思想との融合、「内側から住まいを考える」視点の変容と現代的意味を論考した。インテリアにおける生活様式の表象理論と研究手法の理解を活用し国際的研究交流を行った。
著者
古澤 文江 中村 健治 田中 広樹
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010-04-01

熱帯降雨観測衛星TRMMにはマイクロ波帯を使う降雨レーダPRが初めて搭載され、直接降水を観測することにより、精度の高い24時間毎の降水特性の空間分布を導出することが可能となった。1997年11月に打ち上げられ2015年4月に観測を終えるまでの長期データが蓄積されたので、降水特性と地表面特性の長期変動(トレンド)のTRMM観測領域全域の分布を捉えることができた。地方時刻毎に月毎に長期グリッドデータを作成し、降水量、強度、頻度、強い降水、対流性降水と層状性降水の割合、降雨頂高度、雪が雨に変わる融解層高度、晴天時の地表面射出率などの変動を調べ、地表面状態の変化と降水特性の変動の相関を明らかにした。
著者
永井 大介
出版者
群馬大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

本研究では、複数のレアメタル捕集材料を段階的に組み合わせた効率的な都市鉱山リサイクルを目的に、様々な高選択的・高回収レアメタル捕集材料の開発を検討した。高選択的捕集材料については、メラミンシアヌレート超分子が金属混合水溶液中から選択的にPdを捕集できることを見出した。高回収捕集材料では、トリチオシアヌル酸とメラミンの水素結合を介した自己集合を利用することにより、使用する材料1 gに対してPdを1.25 g捕集できる事を明らかにした。さらに有機溶媒中でのレアメタル捕集を目的に、テトラアミンとジオールの水素結合を介した自己集合により、PdとCuを高収率(99%)で捕集できることを明らかにした。
著者
吉田 甫 栗山 和広 添田 佳伸 宇田 廣文
出版者
立命館大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2000

この研究では、割合概念を対象にして、インフォーマルな知識を分析し、さらに学習中に遭遇する認知的障害の内容を同定することを目的とした。割合概念は、小学5年生で教えられる概念であるので、学習する前の子どもとして、小学4年と5年それぞれおよそ200名、学習後の子どもとして6年生150名をそれぞれ対象にした。インフォーマルな知識としては、割合の意味に関するもの(100をベースにしていることと部分-全体に関わること)、量的な表象に関すること、および割合概念としての第2用法に関する知識などを検討した。割合の意味と量的な表象に関しては、割合を学習する以前の子どもでも、40〜80%の子どもが、かなり性格に、部分-全体に関する知識やその意味などを理解しており、さらに量的な大きさについても、学習が終わった6年生とまったく差がないほどの豊かなインフォーマルな知識をもっていることが、見いだされた。さらに驚いたことに、割合の第2包容、中でもある量の90%を求めるといった公式に依存しなければ解決することは不可能と思われる問題でさえも、準正等も含めれば、学習する以前の40%もの子どもが、適切に解決することができた。学習中に遭遇する認知的障害については、まず割合の公式で用いられる「比べる量」と「基にする量」といった用語を理解していない子どもが多いことが示された。割合の公式を利用するさいにもっとも重要な用語を理解していないことから、当然のごとく、彼らは割合を解決することができなかった。さらに、%を「比べる量」と「基にする量」と混同する子ども、20〜30%も存在した。こうした困難性のためか、学習が終わった子どもで、教室で指導された割合の公式を使って問題を皆生する子どもは、わずか7%しないないという驚くべき事実も、見いだされた。
著者
奥村 知之 塚田 一博 嶋田 裕
出版者
富山大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

食道癌細胞株にmiR-203発現ベクターを導入したところp63発現増強を伴うp75NTR陽性細胞数は増加した。p75NTR陰性細胞ではp63が減弱しインボルクリンが増強した。コロニ―形成能は低下しマウス皮下移植腫瘍は有意に縮小し重層扁平上皮構造を示し中心に基底膜分子ラミニンとp75NTRの発現を認めた。食道扁平上皮癌細胞株においてmir203導入によりp75NTR陽性細胞の自己複製が維持されつつ分化が誘導され腫瘍抑制効果を認めた。mir203導入により癌幹細胞の悪性度が低下した可能性が考えられ、癌幹細胞を標的とした新規治療への応用の可能性が示唆された。
著者
坂口 けさみ 芳賀 亜紀子 徳武 千足 市川 元基 金井 誠 大平 雅美 近藤 里栄 島田 三恵子 米山 美希 上條 陽子
出版者
信州大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011-04-28

現在わが国では少子化が大きな課題となっており、その背景には男性である夫の家事育児への関わりが少ないことが指摘されている。本研究は、父親の家事育児行動の実態と育児意識および父親意識を高める要因について実態調査を行うとともに、全国の自治体を対象に父親の子育て支援に関するWeb調査を実施した。さらに、父親への子育て支援教育プログラムを妊娠中および出産後の2回開催し、その評価を行った。