著者
都甲 康至 田村 良一
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

本研究は、食の地域ブランドに関する定義と構成要素、消費者の脳内に形成されるブランド知識形成モデル等の基礎研究を基盤に、自治体主導の都市ブランド創生活動において食の地域ブランドづくりが果たす役割を、事例研究を通じて地域の利害関係者で構成される協議会の機能・組織、食の地域ブランドの認証制度等を考察し、結論として社会システムデザインの観点に基づく食の地域ブランド戦略デザインプロセスを提案したものである。
著者
笹倉 秀夫
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011-04-28

英・米・独・日本を対象に、法解釈上の技法を判決から析出し技法の全体構造を把握する作業と、個別の法的問題の処理にみられる法解釈の技法を、国家法人論、擬制論、社会契約論・立憲主義国家論等をめぐって析出する作業とを進めた。成果は、その都度、著書・論文にして発表した。笹倉がこれまで確認してきた、(A)法解釈の際に参照・考慮する諸事項(論点)と、(B)そうした参照・考慮を踏まえて条文を適用する際の諸技法とを区分した、法解釈作業の全体構造が、各国における法解釈分析でも有効であることを確認しえた。この点については論文執筆を進めるとともに、成果を総合すべく単著2冊の出版というかたちでの具体化を進めている。
著者
杉浦 哲朗 高田 淳 公文 義雄 竹内 啓晃
出版者
高知大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

ピロリ関連免疫性血小板減少性紫斑病の病態解析からピロリ成分が血小板に結合することを見出した。そこで、その血小板結合成分をLC-MS/ MS解析を経て、11の候補蛋白から最終的に1つの菌体膜蛋白の同定に成功した。そのHis融合蛋白を作製し血小板との反応性解析から、本蛋白が明らかに血小板を凝集し活性化することを証明した。さらに、患者検体から本蛋白検出に必須な特異性の高い抗体をウサギ免疫から獲得することができた。
著者
小澤 壯行
出版者
日本獣医畜産大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2003

本研究においては、以下の8点を明らかにした。1.近年着実に山羊飼養の「復権的傾向」が見受けられること、さらに一村一品活動の成果として各種の山羊産品が生まれつつあること。2.消費者は山羊肉に対して「臭い」等の印象を抱いているが、「適当な価格で料理法が明示されているならば」購入してみたいとの意向が強いこと。3.しかし、都内沖縄料理店を対象とした調査では山羊肉料理は都市住民には好まれず、積極的な展開をする意志が無いこと。4.学生に対する山羊肉官能試験では、山羊肉の感受性は好評であり、モモ肉に比べてロース肉の嗜好性が優ったこと。また、消費の意向でも「また食べてみたい」と回答する者が過半を占め、市場性の存在が示唆されたこと。5.山羊飼養の先進地であるニュージーランドでは、肥育牛との複合経営部門として肉用山羊が位置づけられており、その収益性よりもむしろ雑草防除的な位置づけがなされていること。6.国産ザーネン去勢種とニュージーランド産ボア雑種のロース及びモモ肉部位の官能試験を行った結果、ロース肉間の嗜好性については品種間の有意差は認められなかったこと。またモモ肉間の嗜好性については「ジューシーさ」と「歯ごたえ」において有意にボア雑種がザーネン種を上回り高い評価を得たこと。7.山羊肉利用料理の官能試験実施による受容性の検討では、(1)肉じゃが、(2)ハヤシライス、(3)酢豚風を調理した。このうち山羊肉の調理法が一番合っているとして支持を集めた料理は酢豚風で全体の約半数を占め、次いでハヤシライス、肉じゃがの順となり、濃厚な味付けが適していること。8.山羊肉の販路開拓検討案の策定については、(1)山羊肉の栄養面的特徴、(2)山羊肉の呼称として「シェーブルミート」を提唱および(3)レシピカードの作成による消費訴求を提唱すること。
著者
安齋 寛 岩田 隆太郎 砂入 道夫
出版者
日本大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

カブトムシ幼虫の腸内細菌叢は、1齢から2齢の間に腸内に定着し、その菌叢は、飼料に含まれる多糖類の種類によって変化し、特異的な菌叢が定着することが推定された。カブトムシ幼虫腸内や糞からは、キシランを分解する細菌が単離された。
著者
西出 利一
出版者
日本大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

Petal Effectを示すハフニア薄膜表面の集水性を調べ、それをモデルとして親水-撥水パターン膜をスクリーン印刷法で作製しその集水性を調べた。Petal effectを示すハフニア薄膜(5cm×5cm)の集水性能を水蒸気中で2時間調べたところ、0.47~0.49g集水した。超親水性アルミナ膜と撥水性ハフニア膜を用いて、親水-撥水パターン膜を作製した。この試料の集水性能は0.47gであった。これらは比較(ガラス基板)のそれ(0.23g)の約2倍であり良好な集水性である。これらの膜では水蒸気中の水分が撥水面上から親水点や親水パターンに移動し、水滴がすみやかに形成されて良好な集水性を発現した。
著者
関根 茂樹
出版者
独立行政法人国立がん研究センター
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

肝細胞特異的Dicer欠損マウスに発生した肝細胞がんの解析から、これらの腫瘍では、腫瘍により多様ながん関連遺伝子の発現異常が起きており、多数の腫瘍に共通して認められる発現異常や遺伝子変異は同定できなかった。Dicerの欠損に伴う発現機構を、より均質な背景を有する腫瘍を発生するモデルを用いて解析するために、マウス肝細胞に特定のがん遺伝子を導入し、発がんを可能とするモデルを確立した。
著者
松村 一男 平藤 喜久子
出版者
和光大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

日本神話は戦前の軍国主義教育に利用された後遺症として、戦後は初等教育はもちろん大学においても学術的研究は行われてこなかった。しかし他の国々では人類文化史の重要な要素として神話を研究することが分子生物学をはじめとする諸科学との協同の中で目覚ましい成果を挙げている。その中に日本神話も位置づける目的で本研究は行われ、他地域の神話との比較によって日本神話が世界文化史上極めて重要な、日本が世界に誇ることが出来る文化文化遺産であることを示すことが出来たと考えている。日本神話は世界の始まりから王権の成立までの一連の流れを体系として保存しているが、それは文字使用の遥か以前からの古形に由来すると考えられる。
著者
井上 洋一
出版者
奈良女子大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

我が国の近年の事例は、ボウリング国体選手の選考を巡るものやアジアパラ競技会への選手選考を巡る事例等、日本スポーツ仲裁機構で争われたケースが散見でき、その決定手続きの外見的合理性が重要であった。アメリカでは、女性及び障害者の機会についての紛争があり、Title IXやアメリカ人障害者法を根拠に争われ認められる傾向にある。ヨーロッパでは、EU法とかかわって、プロスポーツにおいて移籍の自由などが認められてきた。
著者
石垣 琢麿 丹野 義彦 松島 公望 井村 修
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

妄想や幻覚を改善するためにハンブルク大学のMoritzらが開発したメタ認知トレーニング集団療法用(MCT)と個人療法用(MCT+)の日本語版を作成した。MCTに関する知識の普及と実践活動の相互扶助のためにMCT-Jネットワーク(Mネット)を設立した。Mネットの会員により臨床研究が行われ、統合失調症患者への有用性は確認された。
著者
土井 晶子 本山 智敬
出版者
神戸学院大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011-04-28

対人援助職を対象としたメンタルヘルス支援プログラムの策定および実施と、継続的にそれらのプログラムを実施していくためのグループ・ファシリテーター・トレーニングの開発を行った。メンタルヘルス支援プログラムはフォーカシングをベースにしたセルフケア研修と、つながりを作るためのサポート・グループで構成し、エンパワメント中心の研修が求められていることが示された。ファシリテーター・トレーニングでは、自分自身と相手との関係の質をより深く体験できることを目的とし、かかわりの「方法」ではなく、その「あり方」を体験的に身につける場として機能することの意義が示された。
著者
菊地 正悟 稲葉 裕 和田 攻 黒沢 美智子 山城 雄一郎
出版者
順天堂大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1996

平成7年12月から平成8年3月の間に、1.5歳児検診を受診した95人と3歳児検診を受診した113人の唾液中Helicobactor pylori抗体を測定した。また、平成7年度に小学校1年生であった310人と中学2年生であった300人から、平成7年6月と平成8年6月の2回唾液を採取し、唾液中H.pylori抗体を測定した。同意に保護者に、既往症、家族歴、ペットなどに関する質問票の記入を依頼した。さらに、平成8年に小児科受診者85人の血清Helicobactor pylori抗体と唾液中H.pylori抗体を測定した。唾液の測定は、英国Cortecs社製のキット、Helisalによって、血清の測定は米国Biomerica社製のキット、Pilika Plate G Helicobactorによって行った。小児科受診者85人の血清Helicobactor pylori抗体と唾液中H.pylori抗体を測定したところ血清陽性者は4人で、その唾液中抗体価は1.5以上が3人、0.5未満が1人であった。こうしたデータに基づき、1.5歳児では唾液中抗体価1.0以上を陽性、1.0未満を陰性とし、3歳児では1.5以上を陽性、1.0未満を陰性とし、1.0-1.49の児は分析から除いた。小学生と中学生については、平成7年8年とも唾液中抗体価1.0以上を陽性、2回とも1.0未満を陽性とし、2回の結果が1.0にまたがる例は分析から除いた。同胞がいる小児は1.5歳と3歳で唾液中抗体陽性率はそれぞれ8.6%、24.1%で、同胞のいない小児の0.6%、7.7%より大きく、3歳児では有意であったが、小中学生では唾液中抗体と関連を認めなかった。1.5歳児では、同室で同胞と寝ていた期間が唾液中抗体陽性者で有意に長かった。3歳児では、親が添い寝していた期間が唾液中抗体陽性者で有意に短かった。小中学生では、唾液中抗体陽性者で、小学校入学以前の共同生活の期間が有意に長かった。乳幼児の栄養や、親が噛んだ食べ物を与えたか否か、出生児や健康受診時の体格、両親の胃疾患の既往、ペットの有無は、いずれの年齢でも唾液中抗体と関連を認めなかった。
著者
坂本 隆一
出版者
核融合科学研究所
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

ステレオ視高速カメラとバンドルファイバアレイを相補的に用いた高時間・空間分解能観測を用いて,高温プラズマ中へ入射された固体水素ペレットが溶発して形成される溶発プラズモイドの詳細観測を行った.その結果,溶発プラズモイドは最大100kHz程度の周波数で分離し, 10数μsの寿命の間に~15cm程度低磁場側に輸送されることを明らかにした.この結果は,実験的に観測されているペレット溶発位置と実効的な粒子デポジション分布の差異を説明することができる.
著者
福田 育弘 神尾 達之
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010-04-01

全体として複合文化学の方法論の基礎が確立された。福田は、当初の予定通り、フランス、パリ・ソルボンヌ大学地理学科の教授・研究者との連携によって、日仏におけるワインの文化的受容の研究を深め、2013年12月13日14日の日仏シンポジウム「ワインをめぐる人を風景」を開催した。これによってワインの受容が文化的社会的背景をもつことが明らかになった。神尾は、行為としてのコミュニケーションに基礎をおくルーマンの社会理論を、日本のネット社会に応用し、日本の若者に顕著な「つながりたい」欲望の在り方を分析した。この2人の具体的で日常的な文化現象の考察により、複合文化学の在り方やその方法論が明確になった。
著者
TAKAHASHI T
出版者
桜美林大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2002

本研究は過去12年間にアジアモンスーン域13箇所から飛揚した200台以上のVideosondeデータを解析し、豪雨をもたらす機構を雲物理学的視点から研究することを目的としている。ビデオゾンデ解析に先立ち、ドップラーレーダ等のデータ解析からモンスーン雨をもたらす雲システムの分類を行った。シノプテックな場の違い、気団の相違から各地でそれぞれ独特な雲システムが発達していた。ビデオゾンデ解析研究は雲内降水粒子の映像を記録したビデオテープの読み込みから始め、143台分の降水粒子型別粒度高度分布を求め、高度500mごとに積算し、質量及び数密度関数値を計算した。これらの基本データをもとに、まずアジアモンスーンの降水機構についての研究を行った。モンスーン雨は降水機構で"すみわけ"があること、即ち中国内陸の"冷たい雨"、熱帯海洋上の"凍結氷雨"、及び多島域での"混合型雨"である。これら降水機構の違いは雲内氷相活動の差を意味しており、雪数空間濃度に大きな地域差が見られ、雷放電頻度地域図と良く符号していた。雷放電の少ない西太平洋上で霰も氷晶も少なく、そこでは多島城と異なる"凍結氷"型で雨が降っていた。解析のハイライトは"Mix"型降雨域で雨水量が急増しているケース群の発見である。ビデオゾンデによる粒度高度分布は0℃層で霰も凍結氷も急成長していた。この原因の解明のため、微物理過程導入の三次元雲モデルを走らせた。温度・湿度場は熱帯型を与え、風には下層に直線シアーを与えている。発達した雲セルからの降水は強い下降気流を形成、下層風上に侵入した流れは次々に前方に小積雲を作る。氷晶成長に伴う潜熱放出で親雲セル内上昇流は強まり、風上側娘小積雲を引き寄せる。親雲セルから降る霰は娘雲セルから供給される十分大きく成長した過冷却水滴を捕捉、0℃層で霰が急成長、降水強度も急増した。即ち豪雨時霰急成長を通して0℃層での水の集積が行われていることが見出された。豪雨形成には霰形成の活発化と0℃層への過冷却水滴の定常的な供給を可能とする特別な力学の場が必要であり、ポラリゼーションレーダ等によるそれらの早期検知が豪雨予報改良に役立つと考えられる。
著者
小倉 幸雄 松本 裕行 塩谷 隆 富崎 松代 三苫 至 半田 賢司
出版者
佐賀大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2003

確率変数の取る値の空間を一般化する研究は,理論の上からも,応用数学の立場からも重要なテーマであろう.それをファジィ集合の空間に取り,極限定理を調べるのが本研究の目的である.この空間では,位相の入れ方によって可分性が壊れることがあるので注意を要する.本研究の一つの成果は,大数の法則,中心極限定理それにマルチンゲール収束定理は,可分性が壊れる一様位相を入れた空間でも成り立つことを突きとめたことである.方法としては,単調性を用いる方法と,分割を細かくするときのパラメータに関するエントロピーの可積分性を出して,経験分布の理論に持ち込む手法を取った.大偏差原理については,可分性がより大きな影響を与えるが,Levyの距離による位相についてまでは,自然な条件の下でCramer型の大偏差原理が成り立つことを得た.Skorohod位相と一様位相の場合は,やゝ強い条件の下で成り立つことを得た.また,この条件をみたす具体例を求めたが,これはM.Arcones : Large deviations of empirical processesの一つの定理の反例になっている.また自然な条件の下で,Sanov型の大偏差原理が成り立つことも得た.速度関数を具体的に求める問題は,簡単な場合しか出来ていないが,一つの例では,2つの測度の相対エントロピーになることが分かった.次に,研究分担者の松本裕行とともに,一次元ブラウン運動B(t)とその時刻tまでの最大値M(t)について,cM-Xがマルコフ過程になるのは,c=0,1,2の場合のみであることを得た.これは,15年度からの継続の研究であるが,Levyの定理(c=1の場合)とPittmanの定理(c=2の場合)を補完するものである.
著者
西山 晃 田村 智彦 市野 素英 堀田 千絵
出版者
横浜市立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

細胞分化には、各系譜に特異的な転写因子による適切な遺伝子発現が必須であり、その破綻が免疫不全やがんなどの疾患を引き起こしうる。転写因子IRF8は単球を含む血球細胞分化に必須であり、慢性骨髄性白血病の重要な制御因子と考えられている。本研究ではIRF8の機能解析を通じて血球細胞の分化機構を明らかにし、ひいては白血病の新規治療法の可能性を探ることを目標とした。IRF8の遺伝子導入等の複数のマクロファージ分化系で遺伝子発現を網羅的に解析した。その結果、共通に発現が誘導される転写因子を同定し、それらの遺伝子導入によりIRF8を介さないマクロファージ分化を達成した。
著者
山口 恒夫 高橋 知音 鷲塚 伸介 上村 惠津子 森光 晃子 小田 佳代子
出版者
信州大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

自閉症スペクトラム障害(以下ASD)と注意欠陥多動性障害(以下ADHD)の傾向に関わる困り感と支援ニーズを把握するための質問紙を実施し、その特徴及び信頼性、妥当性を検討した。ASD困り感質問紙ADHD困り感質問紙は、既存の自己評価質問紙の項目に加え、事例報告論文、当事者の手記等から行動特徴、困難経験を表す記述を抜き出したものを項目化し、それらの困り感を4段階評定で問う質問紙であった。分析の結果、十分な信頼性が示され、外的変数との関連から妥当性に関する証拠も得られた。
著者
村上 興匡 鷲見 定信 村上 興匡 武田 道生 小熊 誠 佐藤 壮広 小熊 誠 武田 道生 佐藤 壮広
出版者
大正大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

沖縄から本土への移住者の文化習慣の変化と、沖縄で進行しつつある本土的な文化慣習が普及する変化(「本土化」)とを比較することで、現在の沖縄で起きている変化は、単に本土の文化慣習が沖縄に移入しているわけではなく、それに先だって、まず本土へ移住した沖縄系移住者が、自らの文化慣習を本土に適応させて新たな形を作り出すということがあり(「沖縄化」)、それが再び沖縄に移入されるという形で、文化変容が起きていることが明らかになった。
著者
吉田 美幸 楢木野 裕美 鈴木 敦子
出版者
福井医療短期大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011-04-28

本研究は、検査・処置を受ける幼児後期の子どもの調整能力発揮への支援プログラムを開発し、その効果を明らかにすることを目的とした。文献検討および、医療処置のなかでも点滴・採血を受ける幼児後期の子どもの自己調整機能とその発揮に向けた関わりに対する看護師への面接調査結果を基にプログラムを作成した。プログラム研修を看護師に実施し、研修前後の看護師のケア実践について調査した。その結果、研修後の看護師は、幼児後期の子どもの自己調整機能の発揮に向けた意図的な観察や実践をし、子どもと共にケアを探求する姿勢へと変化していく一方、多忙な中でのプログラム活用方法への検討の必要性が示唆された。