著者
松井 洋 有元 典文 中里 至正 中村 真
出版者
川村学園女子大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2001

1.目的;本研究の主な目的は5つある。それらを要約すると;1)第1の目的は、社会的迷惑行為についての構造を明らかにすることである。2)第2の目的は、日本の若者の社会的迷惑行為に対する態度を、アメリカ、トルコの若者と比較することである。3)第3の目的は、社会的迷惑行為に対する態度と恥意識との関係について検討することである。4)第4の目的は、社会的迷惑行為に対する恥意識と罪悪感の比較をおこなうことである。5)第5の目的は、社会的迷惑行為に対する態度について、中学生と高校生、男子と女子との比較をおこなうことである。2.方法;1)被験者:被験者は、日本、アメリカ、トルコの中学生及び高校生と、日本の大学生である。2)手続:質問紙法による調査を三回おこなった。3.結果と考察;1)因子分析法による検討の結果、社会的迷惑行為に対する態度は非行的態度、道徳意識、恥意識とは独立した態度であることがわかった。2)トルコの被験者は最も強い社会的迷惑行為に対する自意識と罪悪感を示した。アメリカの被験者は最も弱い恥意識と罪悪感を示した。日本の被験者はその中間であった。3)恥意識は社会的迷惑行為の抑制要因として機能することが示唆された。4)社会的迷惑行為の種類によって、恥意識と関係が深いものと罪悪感と関係が深いものがあることがわかった。5)社会的迷惑行為に対する恥意識と罪悪感は中学生と高校生、男子と女子の間に違いがあるということがわかった。
著者
伊東 明彦 人見 久城 南 伸昌 渡辺 一博
出版者
宇都宮大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

本研究では、中学生高校生を中心に彼らがどのような力概念を持っているのかを調査し、中学校や高校で行われている初歩の物理学の授業の問題点を洗い出すことができた。それらをまとめると次のようになる。1) 中学校1年生において行われている力の学習において、力とは何かを明確に定義すべきである。少なくとも、「力とは押したり引いたりすることである」、ということを生徒に理解させる必要がある。さらに、付け加えるなら、力とは物体の速さを変える働きである、ということもとらえさせたい。2) 中学生は日常生活で使っている力という語と、理科学習に置いて使われる力の区別ができていない。3) MIF的な力概念は現在でも広く中学生高校生に認められる。以上の所見から、言葉による説明だけでは生徒に力とは何かを十分納得させることは困難であるといえる。本研究ではこのような調査結果を受けて、物体に働く力を視覚的に表示できる教材「Fi-Cube」を開発した。Fi-Cubeを用いた授業実践において、これまで習得することが困難であると思われていた慣性の法則に関する理解か大きく促進され、同時にMIF的な力概念が払しょくされることが明らかとなった。Fi-Cubeを効果的に利用することによって、これまで様々な方策が講じられながら決定的な改善策が見いだせていなかった力概念の獲得に大きく一歩踏み出すことができるものと考えられる。
著者
野井 真吾 小澤 治夫 鈴川 一宏
出版者
埼玉大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

本研究の目的は,長期滞在型キャンプの開始,終了に伴う唾液メラトニン濃度の変化を明らかにするとともに,身体活動量と唾液メラトニン濃度との関連についても検討することであった.分析対象は,9.12歳の健康な男女11名であった.すべての調査は,2010年7.9月(キャンプは,2010年7月23日.8月22日に実施)の期間に実施された.その結果,子どもの夜の唾液メラトニン濃度は,長期キャンプの開始に伴って急増し,終了に伴って比較的早い時期に元の水準に復する様子が示された.また,身体活動量と夜の唾液メラトニン濃度との間には正の相関関係が窺えた.
著者
藤本 吉範 山岡 薫
出版者
広島大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1998

破骨細胞は骨吸収において中心的な役割を演ずるが、その活性調節には細胞外Ca^<2+>濃度が関与している。骨吸収期において、破骨細胞は非常に高濃度な細胞外Ca^<2+>に曝露され、細胞内にCa^<2+>が流入することで細胞内のCa^<2+>storeからCa^<2+>が放出される。この結果、細胞内Ca^<2+>濃度は急速に上昇し、骨吸収抑制のシグナルとなる。細胞外からのCa^<2+>の流入経路としては細胞膜に発現したryanodine receptor(RyR)様Ca^<2+>チャネルの存在が細胞内Ca^<2+>濃度を測定する方法や分子生物学的手法での研究で示唆されているが、実際にそのCa^<2+>チャネルを通るイオンチャネル電流は記録されたことがない。我々は初めて破骨細胞の細胞膜に発現したRyRの性質を有したイオンチャネル電流を検出した。破骨細胞にruthenium red(RR)を投与した場合、高濃度(0.1mM)では細胞内Ca^<2+>濃度が上昇し、低濃度(0.5μM)では細胞内Ca^<2+>濃度の上昇が抑えられたことにより、破骨細胞の細胞膜にRyR様Ca^<2+>チャネルが存在することが示唆されている(Adebanjo OA et al.Am J Physiol 270:F469-F475,1996)。我々は破骨細胞の細胞膜に発現したRyR様Ca^<2+>チャネルの性質を検討するため、単一チャネル電流記録法のうちinside-out法を用いたが、細胞内液にRR0.1mMとMgCl_23mMを添加することによりRR感受性電流を惹起することができた。またこの電流は低濃度(10μM)のRRによりブロックされた。以上の結果は上記Adebanjoらの報告におけるRyR様Ca^<2+>チャネルの性質を有したチャネルの活動を初めて測定したものと考えられる。本実験で得られた電流は、保持電位-40mVで内向きに長い開口時間を有し、平衡電位は+5〜+10mVであった。イオン伝導度は20pS(電極内CaCl_2:10mM)と27pS(電極内CaCl_2:60mM)でCa^<2+>濃度依存性の性質を示し、この電流がCa^<2+>を運んでいることを示唆した。
著者
片岡 和哉 井出 千束 鈴木 義久
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2002

アルギン酸スポンジを用いた脊髄再生の研究を引き続き行った。生後4週令のWistar系の脊髄を2箇所切断し約2mmのギャップを作成し、そこにアルギン酸スポンジを移植し脊髄内軸索の再生を観察した。なにも移植しないもの、コラーゲンスポンジを移植したものをコントロールとし比較した。術後4週、8週のトルイジンブルー染色、免疫染色、電子顕微鏡等により評価した。アルギン酸スポンジを移植したものは、術後4週より、脊髄断端より伸長したアストロサイトの突起を伴って多数の脊髄内軸索の再生が見られ、アルギン酸内をシュワン細胞に取り囲まれ長く伸長していた。一方、なにも移植しないものでは、脊髄断端よりの軸索の伸長はほとんど見られなかった。コラーゲンスポンジを移植したものでは、脊髄断端よりフラーゲン内への軸索の伸長は一部見られたものの数は少なかった。また、コラーゲンtype IV、コンドロイチン硫酸の染色では、なにも移植しなかったものではグリオーシスと思われる厚い壁の様なものができていたが、アルギン酸を移植したものでは見られなかった。電子顕微鏡による観察では、アルギン酸を移植した群では伸長する軸索、アストロサイトの突起、シュワン細胞が接している所見、一本の軸索が近位ではオリゴデンドロサイトによる髄鞘をもち、遠位ではシュワン細胞による髄鞘を持っている所見も得られた。一方なにも移植しない群では脊髄断端に厚いアストロサイトの創が形成され、その表面は基底膜で覆われていた。以上のことより、アルギン酸が脊髄内軸索の再生に良好な環境を提供していることが証明された。この論文は2004年4月刊行の「Tissue Engineering」誌に掲載される予定である。
著者
平川 慶子 小池 薫 大野 曜吉 崔 范来 金涌 佳雅 佐藤 格夫 大野 曜吉 崔 范来 金涌 佳雅 佐藤 格夫 増野 智彦 栗林 秀人
出版者
日本医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

MRI装置を用いた死後画像診断におけるスペクトルデータの活用に関する基盤研究を行なった。ラット死体の骨格筋および脳組織の死後早期の代謝物質の変化について、^1H NMRスペクトルデータをパターン認識した結果、死後経過時間の推定や死因の検索に有用な解析結果を得た。また、死体のMRI画像測定データを用いて、組織内の温度分布の時間変化を可視化することができた。
著者
妹尾 栄一 大原 美知子 庄司 正実
出版者
(財)東京都医学研究機構
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2005

青年期の薬物乱用・依存の病体に対する、適切な診断評価スケールの標準化を企図して本研究を開始している。平成17年度は、青年期版の依存症質問紙開発の研究として、最も汎用されているDSM-IVの診断基準が、未成年の薬物依存症者でどの程度の妥当性を有するか、半構造化面接を用いて検証した。その結果、(1)薬物の薬理効果に由来する回答、(2)薬物を減らそうとする行動、(3)薬物使用の結果の精神症状の3つの問題領域を抽出することが出来た。今後の課題としては、使用した薬物毎の細かな質問項目の改変、多剤乱用者への設問の工夫、青年期の中でもより慢性使用の場合の後遺症の評価など、洗練すべき課題である。本研究課題の遂行で入手した海外で汎用される青年期版質問紙を参照しつつ、最終的に日本に相応しい標準化質問紙を完成する。
著者
桂川 光正
出版者
大阪産業大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

本研究は、次の四つのテーマに沿って実施した。(1)租借地や租界における阿片・麻薬政策の解明、(2)阿片・麻薬類の国際管理体制の構築と運営という20世紀初頭から第一次大戦期までの国際的課題への対応についての考察、(3)1920~30年代、国際聯盟を中心とする多国間協力により実施された阿片・麻薬類の国際管理制度の中で果たした(果たすべく期待された)役割についての考察、(4)日本人の密輸・密売の実態の解明。関東州阿片制度に関わる論文を2本発表した。その他の成果は今後発表の予定である。
著者
馬場 靖憲 桐山 孝司
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1998

工業製品における「知識ベース製品開発」は論理的分析を中心とする情報技術の戦略的利用によって接近可能になる。それを可能にする具体的な方策を示した。一方、人間の感性に作用しなければならない製品開発の場合、情報技術の戦略利用は独創性のある製品を保証しない。そこで必要になるのは、異分野のスペシャリストに創造性を発揮させる「共創の場」である。それを出現させるために必要な組織・マネジメント・企業文化の条件を明らかにした。この場合、成功のための鍵は技術を超えた人間的要素にあり、人間の関係の築き方に対するノウハウは本研究の開始時に予測した以上に重要である。技術による情報伝達を選好し、その結果、立地を問わないかに見えたゲームソフト企業はさまざまな理由から特定の場に集積し、本研究が示した東京ゲームソフトクラスターを出現させている。このようなマクロ(産業クラスター)・レベルの場の構築が、人材供給、マーケット情報の交換、また専門コミュニティーの形成を通じて、ミクロ(組織)・レベルの共創を実現している事実の発見は本研究の最大の貢献と言えよう。本研究の最終段階においては、以上に示した発見を補強するために、観察対象をインターネット・ビジネス企業として、本研究と同一の視点からの明らかにした一連の発見・仮設の妥協性をより一般的な形で提示することを予定している。
著者
井上 博之 岩田 祐子
出版者
科学警察研究所
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

:直接導入型質量分析計を用いて、エクスタシー錠(MDMA含有錠剤、アンフェタミン及びカフェイン含有錠剤等)や医薬品錠剤(アセトアミノフェン、ジアゼパム等含有)中の成分を迅速に判定する手法を開発した。また、薬物添加尿についても適用可能であった。本法は、遺留試料や尿試料からの薬毒物スクリーニング法として利用可能であると考えられた。また、シルデナフィル関連化合物の分析法や覚せい剤の迅速な定量分析法を開発した。
著者
佐藤 哲彦
出版者
熊本大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

薬物政策は国によって異なっているが、本研究は日本、イギリス、アメリカ、オランダの政策の違いが何に根ざすのかを分析した。その結果、かつてのイギリスや現在のオランダの政策が薬物使用者を社会の成員として認める近代的な秩序を構想し、医療やリハビリテーションなどを中心として使用者を処遇する一方、日本やアメリカは成員の同質化を基にした社会秩序を志向し、使用者を秩序外に隔離排除する処遇をしていることが明らかになった。
著者
高安 達典
出版者
金沢大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

マウスにおけるコカイン誘導肝障害時の障害機序の解析を行った。フェノバルビタールで前処理後コカインは腹腔内投与された。肝障害の指標として血清ALT値を測定したところ,コカイン投与直前67.4,コカイン投与6時間後11300,同10時間後13600,同24時間後10600,同48時間後3920であった。肝障害は門脈領域を中心とする白血球の浸潤と,著明な肝細胞壊死像が観察された。肝臓mRNAの発現を観察したところ,iNOSが増強されていることから,iNOSによる酸化ストレス関与が示唆された。さらに,N-アセチルシステインおよびcarboxyPTIOを投与したところ,10時間後で血清ALT値は各々40%と80%に減少した。N^G-モノメチルアルギニンで31%に減少した。これらの結果は過酸化物がコカイン誘導肝障害と密接に関係し,その一端としてNOの関与した酸化ストレスも強く示唆された。次に,コカイン誘導肝障害時において,TNF-αおよびTNFレセプターp55(TNFRI)の役割を明らかにする目的で,TNFRIを欠損するマウス(KO)を用いて,その役割を解析した。その結果,ALTおよびAST値において,野生型(WT)およびKOマウスの間にコカイン投与後6および10時間で有意差が見られ,明らかにKOマウスの障害は強かった。肝臓組織のHE染色像でもALTの指標と同様の傾向が示された。更に,肝臓組織の抗MPO抗体及び抗F4/80抗体を用いた免疫染色像の結果は肝臓組織において両者とも,KOマウスの方がWTマウスよりも有意に強く染色され,何れも,ALTの指標と類似した傾向が見られた。以上の結果から,コカインによる肝障害においてTNFα-TNF receptorI系はコカインによる肝障害時に防御的に作用していることが示された。この研究はコカイン誘導肝障害時の障害機構を解析する一端を開いた。
著者
浅野 泰一 田部井 久男 伏貫 義十 正留 隆
出版者
八戸工業高等専門学校
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1999

警察白書によれば,覚醒剤事犯大きな社会問題の一つであり,現在は1950年代の第一次乱用,1980年代の第二次乱用に続き第三次乱用期とされ,早急に解決しなければならない社会問題とされている。この問題を解決するためには,捜査現場において様々な生体試料から,覚醒剤メチルアンフェタミンを簡便,迅速,正確に検出し,陽性であれば,被疑者を即現行犯逮捕することが最も効果的であり,この目的に沿った科学捜査用覚醒剤簡易計測器を開発することへの要望が高まっている。近年,新規な有機物計測法として注目を集めているSPRに基づく生体膜相互作用解析装置は,測定原理の多様性から科学捜査用のドラッグセンサ化が容易な最新のセンシング技術として有効であると考えられる。裁判化学用の機器に求められる条件は,得られた計測データが裁判における証拠にされるるので測定結果は2重,3重の確からしさに基づく信頼性の高い方法でなけれなならない。本研究では測定結果の信頼性を高めるために,まず試料からメチルアンフェタミンンを分離した後に免疫反応を行わせ,この際生じる表面プラズモン共鳴現象による入射光の角度変化を検出することによって,尿中に含まれる覚醒剤を簡便・迅速・選択的に計測するための基礎技術の検討を行った。その結果,覚醒剤の保持時間は,尿中に共存する可能性の高いカフェインやエフェドリンの保持時間と明らかに異なり,保持時間を計測項目に取り入れることにより,覚醒剤のSPR計測結果の信頼性が一層高り,測定値の信頼性の向上という観点から裁判化学用機器におけるSPRクロマトグラフィの有効性が明らかのなった。
著者
小野 英哲
出版者
東京工業大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1996

本研究では、塗床,張り床における床下地面および床仕上面凹凸の評価方法に関する研究を行った。始めに直径・深さの異なる2種の凹部を設けたアクリル製床下地に、メタクリル樹脂・エポキシ樹脂・ウレタン樹脂をそれぞれ3種の塗厚で施工し、硬化後に塗床表面に生じた凹凸量を測定し、床下地の凹部直径・深さおよび塗厚との関係を示した。次にエポキシ樹脂について官能検査を行い、塗床表面の凹凸量に関する視覚的観点から気になるか・気にならないかの尺度を構成し、この尺度を用いて床下地凹量の限界値を推定できる可能性を示した。さらに、床凹凸試料上をキャスターが走行した際にキャスターに生じる鉛直方向の加速度による床凹凸試料の序列の相関を、キャスターの仕様(重量,車輪の径,走行速度,車輪のかたさ)間で検討し、加速度により床凹凸に相対的序列をつけることが可能であること、加速度の観点から床凹凸を評価する際には床凹凸の断面形状のみでなく、かたさの要因も含めて評価する必要があることを示した。さらに欠陥に起因する床の不具合を調査し、欠陥のないコンクリート床下地の重要性を確認した。次に、コンクリート床下地表層部分の欠陥を発生させる施工における不適正の現状を把握し、さらに不適正に起因する欠陥を実験的に検証した。以上より、適正な計画,管理下における床下地コンクリート施工の重要性を再確認および指摘した。
著者
高橋 浩二郎 柳原 延章 豊平 由美子
出版者
産業医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

交感神経系のモデル実験である培養ウシ副腎髄質細胞を用いて植物由来化合物のカテコールアミン(CA)動態について検討した。その結果、蜜柑の果皮成分のノビレチン、タバコの葉の成分ニコチン及び大豆成分のゲニステインは、それぞれCA生合成-分泌や再取り込みに影響を及ぼすことが明らかとなった。これらの化合物は、日常生活において食物や嗜好品として摂取しており、その薬理学的な影響については今後注意深く見守らなければならない。
著者
岡 美智代 恩幣 宏美 川村 佐和子 村上 みち子 山名 栄子 上星 浩子 高橋 さつき 越井 英美子
出版者
群馬大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

患者、看護職、医療費削減という3方向に効果のある患者教育プログラムを学ぶための、看護職向けの学習システムの開発と評価を目的とした研究を行った。その結果、6ステップからなるEASE(イーズ)プログラムの学習システムを開発した。またその学習システムの効果として、患者のセルフマネジメント行動の向上、看護職の適切な発話内容が明らかになった。医療費の試算では、676億6144万円の削減効果が見いだされた。
著者
田渕 祥恵 小板橋 喜久代 柳 奈津子 小林 しのぶ
出版者
群馬大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

リラクセーション法(呼吸法)による睡眠改善効果を検証することを目的に基礎研究を実施した。健常成人を対象に腹式呼吸法を実施する対象者(実験群)と実施しない対象者(対照群)を無作為に振り分け、腹式呼吸法の有用性について検討した。その結果、5日間の腹式呼吸法の練習を実施した後、就寝直前に腹式呼吸法を実施した場合には入眠潜時(就床から入眠までの時間)が短縮されることが示唆された。
著者
四宮 博人 切替 照雄 浅野 喜博
出版者
愛媛大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

申請者が同定したp65/L-plastin は, 白血球に特異的に発現され,アクチン細胞骨格の再構築(p65-actin-scaffold) に関与している。p65-actin-scaffold は菌体刺激によって随時形成され, これを中心に形成される高次タンパク質集合体が, 感染防御的細胞応答の基盤として機能すると想定している。p65/L-plastin とともに細胞骨格のダイナミクスに関与するタンパク質,およびp65-actin-scaffold と高次タンパク質集合するタンパク質としてNADPH オキシダーゼ p47^<phox> などについて, 特異抗体を用いてp65-actin-scaffold との共存関係を調べた。また, マクロファージ内でのそれらの局在変化と貪食・細胞接着や殺菌活性の増強との関連を評価した。ルミノール結合ビーズを用いて, 貪食依存性の活性酸素酸性定量法を確立し, 細胞骨格の再構成が活性酸素産生において重要であることを明らかにした。p65/L-plastin, WASP, VAV に関して, それぞれの欠損は貪食・細胞接着依存性の活性酸素産生の障害をきたすことを考え合わせ, p65-actin-scaffold を中心とする細胞骨格系のダイナミクスが, 白血球の感染防御活性の発現において重要な役割を担うと考えられた。
著者
木暮 ミカ 河野 正司 飛田 滋 植木 一範 伊藤 圭一 大沼 誉英
出版者
明倫短期大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

本研究は、従来の教員によるヒューリスティック評価と同程度に保ちつつ、評価の個人差やバラツキを排除した客観性の高い判定・評価が可能な実技実習自動評価システムを開発し、学生が各自のペースで効率的かつ確実に実技を習得できるようにすることを目的とする。平成22-23年度は、歯型彫刻の評価を「量的・解析的評価」と「感性評価」に分割し、前者を判別フィルタとサポートベクターマシン(Supportvectormachine:以下,SVM)による画像処理システムからの自動評価、後者を教員の目視による官能評価で判定し、この2つを統合する採点方法を考案した。これにより客観性の高い評価が得られると同〓に、SVMを用いることで従来のヒューリスティック評価に近い判定が可能となった。平成24年度は、この採点システムを試験的に本学の実習に導入し、目視評価法と実習成果物撮影評価装置による自動評価を同〓に行い、評価の妥当性、公平性、作業効率・満足度などの点で比較検討することで本システムの評価・改善を行ってきた。また必要に応じて歯科技工士学科長、実習を担当する准教授2名、講師1名、助教2名、CAD/CAM実習を担当する講師1名および日本歯科大学の教員1名の8名からなる評価委員会メンバーにより、本システムの有用性を検証した。
著者
崎間 敦 等々力 英美
出版者
琉球大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

伝統的沖縄食介入試験の成果をもとに、高血圧の一次予防を目指した伝統的沖縄食による降圧効果についての無作為割付試験を行った。対象者は沖縄県在住の職域あるいは一般住民を対象とした。132 名を登録し、研究を継続しえた 110 名(平均年齢 51±14 歳、女性62 名)を解析対象とした。伝統的沖縄のパターン食の情報介入により血圧が低下し、推定ナトリウム摂取量の減少を伴った。さらに、塩味覚閾値が低い群では血圧が低値であった。これらより、パターン食の情報介入は高血圧の一次予防および非薬物療法に有用であることが示唆された。