著者
横田 貫一
出版者
山口大學經濟學會
雑誌
山口経済学雑誌 (ISSN:05131758)
巻号頁・発行日
vol.36, no.1, pp.p59-85, 1986-09
著者
橋爪 秀一 河野 貴美子 小久保 秀之 山本 幹男 桂川 秀嗣 鎌田 明彦 渡辺 恒夫
出版者
国際生命情報科学会
雑誌
国際生命情報科学会誌 (ISSN:13419226)
巻号頁・発行日
vol.34, no.1, pp.32-38, 2016

人類はこれまで健康に良い様々な機能、例えば、抗酸化作用、抗肥満作用、生活習慣病予防作用など、を有する食品を取捨選択してきた。その結果、全ての食品は、何らかの機能を有しており、現在、我々が食べている食品は人類の英知の結晶であると言える。しかし、食品にはこのように多くの機能があるが、では、何が最も重要で、有用であるのだろうか。また、食品を総合的に評価する方法があるのだろうか。我々の大敵は疾病であるが、殆どの疾病がストレスにより引き起こされることから、我々はストレス改善効果に注目した。また、考えてみると、食の一次、二次、三次機能に共通する概念、キーワードもストレスであると考えられる。そこで、食品のストレス改善作用を測定した結果、殆ど全ての食品は大なり小なりストレス改善作用を有していた。また、食品のストレス改善作用は、太極拳、凸凹マット足踏み、アロマセラピーなどより大きかった。これら食品のストレス改善効果は、咀嚼、ストレス改善効果を有する成分及びスパイスにより大きな効果が得られることが示唆された。更に、このストレス改善効果は、食品を含めた様々な分野のヒット製品開発及び個別用製品検索など、ビジネスへの応用が期待できる。
著者
村上 洋 瀬古 亜紀子 安積 真澄 上嶋 夏子 吉栖 肇 中野 博文 北畑 寿美雄
出版者
日本応用糖質科学会
雑誌
Journal of Applied Glycoscience (ISSN:13447882)
巻号頁・発行日
vol.50, no.2, pp.117-120, 2003
被引用文献数
4 37

ラクトビオン酸(LA)はラクトースから合成されるアルドビオン酸で,ビフィズス菌増殖活性をもち,溶解性の高いミネラル補給剤として利用可能であるなど,用途に富んだ糖質素材である.しかし,現在までは,実用に耐える大量生産方法がなく,日本では化学合成法により試薬として少量市販されているのみであった.筆者らは,ラクトビオン酸の安価な大量生産方法の開発をめざし,Burkholderia cepaciaの1菌株を用いた発酵生産条件を検討した.その結果,回分培養では,4日間の培養により,2009/Lのラクトビオン酸が生成した.また乳糖と炭酸カルシウムの逐次添加を行う流加培養では,10日間の培養により,培養液中に4009/Lのラクトビオン酸を蓄積した.いずれの場合も,原料の加水分解や副生成物の生成を伴わず,収率は100%であった.得られた発酵培養液上清にエタノールを加えエタノール濃度75%とすることで,純度100%のLAが収率98%で得られた.
著者
Yasutaka Nakamura Mikayo Nakamura Norio Kasahara Masatsugu Hashimoto
出版者
Tokyo Dental College, Japan
雑誌
The Bulletin of Tokyo Dental College (ISSN:00408891)
巻号頁・発行日
vol.61, no.3, pp.169-178, 2020 (Released:2020-09-04)
参考文献数
8
被引用文献数
1

Victim identification following disasters is an important task for the dentist. Use of records of previous dental treatment proved effective in victim identification after the crash of Japan Airlines Flight 123 in 1985. This dental identification procedure can be problematic, however. In exceptional cases, the victim may have had very little or no prior treatment, making identification by this means impossible. The purpose of this study was to establish a new method of dental identification based on morphological comparison of the oral cavity, rather than on evidence of prior dental treatment. This new method involves superimposing 3-dimensional (3-D) models created by digital impression-taking devices, use of which is becoming increasingly widespread in present-day dental treatment. A total of 75 dental models were used to obtain 3-D models. These were then used in a total of 77 superimposition tests. The results demonstrated that the degree of similarity was 98.03-41.30%, and the degree of difference 0.17-29.69%. This indicated that differences among the dental models could be identified with 100% precision. Personal identification by superimposition of such 3-D models offers a useful tool that could compensate for the shortcomings of standard dental identification.
著者
田中 穣 小松原 春菜 野口 大介 市川 健 河埜 道夫 近藤 昭信 長沼 達史
出版者
日本胆道学会
雑誌
胆道 (ISSN:09140077)
巻号頁・発行日
vol.30, no.4, pp.667-672, 2016-10-31 (Released:2016-11-10)
参考文献数
16
被引用文献数
2

【目的】急性胆嚢炎に対するPTGBD後の腹腔鏡下胆摘術(以下LC)を安全に行うために,PTGBD後LC63例を対象として,その手術難易度の評価を行った.【結果】術前CRP最高値20mg/dl以上やCRP値低下までに長期間を要するもの,USでの胆嚢動脈血流Vmax値(以下Vmax値)30cm/秒以上,CTでの胆嚢壁厚5mm以上,術前PTGBD造影での胆嚢管閉塞,発症からPTGBD挿入までの時間が24時間以上,PTGBD後手術まで14日以上では術中出血量が多かった.【まとめ】急性胆嚢炎において術前の血清CRP値,胆嚢動脈血流Vmax値,PTGBD前のCTにおける胆嚢頚部壁厚,PTGBD造影の胆嚢管閉塞の有無が手術難易度の評価に有用で,発症後24時間以内にPTGBDを行い,14日以上経過してから手術を行うことが,術中出血量の軽減につながると考えられた.
著者
松田 宙 水島 恒和 西村 潤一 清水 重臣
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2017-04-01

オートファジーの減弱は、過剰な炎症応答を介して腸管炎症に影響することが知られ、オートファジー誘導が腸炎緩和に寄与するとの報告がある。そこで、天然成分ライブラリよりオートファジー活性物質をスクリーニングした内、腸管炎症緩和効果を有する3物質を同定した。最も活性の高かったサンプルAでは、腸管マクロファージにおいて、オートファジーの誘導を介した炎症性並びに抗炎症性サイトカインの産生調整が腸炎緩和に寄与したことを確認した。さらには、サンプルAに含まれるエラグ酸、ガリル酸、カテキン酸といったタンニン類がオートファジー誘導を介した腸炎緩和に主要な役割を担うことが示唆される結果を得た。
出版者
プラズマ・核融合学会
雑誌
プラズマ・核融合学会誌
巻号頁・発行日
vol.70, no.2, 1994

1アジア学術会議~科学者フォーラム~は,日本学術会議の主催により,アジア地域の9か国から,19人の各国の科学界を代表する科学者の参加を得て開催され,それぞれの国籍や専門分野を超えて,アジア地域における学術の振興という共通の目的の下,熱心な議論がなされた。本会合に参加した科学者は,学術の振興を通じた社会への貢献が重要であり,科学者の責務であるということを確認し,学術研究の成果は,人類の共通資産として,文化的,社会的,経済的発展を通じて,世界の平和と人類一の福祉に貢献するものであると信じる。また,そのためには,自然科学者と人文・社会科学者の密接な協力も不可欠である。2本会合に出席した科学者は,アジアの科学者による学術協力についての初の会合を提案し,開催した日本学術会議に感謝し,今後も,このような日本学術会議の努力が続けられることを期待する。3今日,世界は,環境悪化,人口爆発,資源の枯渇など人類の英知を結集して取り組まねばならない深刻な問題に直面しており,本会合での討議は,そのような問題の解決に向けての将来の国際協力に発展していくものである。4持続的開発は,アジア地域の各国にとって,21世紀に向けての共通の重要課題である。地理的,歴史的,文化的に密接な関係を持つアジア地域の科学者は,この問題に協力して取り組むことが重要である。事国際的な研究,技術・資源の共有等に当たっては,地域的な協力が効果的である。今後,そのような領域において,地域の発展のために協力を推進することが必要である。6学術の発展,社会の発展の基盤となる人材の育成は,科学者が地域的に協力して取り組むべき課題である。次世紀に向けて,人材の育成のため,アジアの科学者も協力することが必要である。7各科学者及び各国は,研究者の交流,共同研究,シンポジウム,ワークショップ等による情報の交換を促進するよう努力することが必要である。8学術協力は,対等互恵の原則に基づいて行われねばならない。9本会合の趣旨,提案を受け継ぎ,より密接な学術交流・協力の基盤となる将来の会合が開かれることを期待する。10アジア地域の科学者によるこのような会合を毎年開催すること,当面,日本学術会議がその事務局となること,アジア地域の学術動向についてのニュースレターを定期的に発行することを提案する。
著者
平田 泰久 小菅 一弘 MONACELLI Eric
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
ロボティクス・メカトロニクス講演会講演概要集
巻号頁・発行日
vol.2013, pp._2P1-B14_1-_2P1-B14_2, 2013

In this study, we propose a steering control method for a cycling wheelchair. The commercially available cycling wheelchair is a pedal-driven system like a bicycle and the paraplegia and hemiplegia patients can move the wheelchair based on the pedaling force, if they can move their legs slightly by themselves. The user can also change the motion direction of the cycling wheelchair by using the steering handle. However, the right and left turnings are perceived differently while operating the steering handle and the steering operation is required a large torque because of the hardware problems of the cycling wheelchair. To overcome these problems, we propose a new hardware of the cycling wheelchair and its steering motion control method by using servo brakes. The proposed method is applied to the developed new cycling wheelchair and the experimental results illustrate the validity of the system.
著者
櫻井 光行
雑誌
嘉悦大学研究論集
巻号頁・発行日
vol.59, no.1, pp.1-19, 2016-10-26

本稿は、ブランドの役割を製品の物理的特性を超えた付加価値の提供と捉えるならば、日本の優良ブランドの多くはブランドと言えるのだろうかという問題意識から出発している。日本企業が成長を図るためには、製品のコモディティ化からの脱却、持続的競争優位の構築・維持、関係性マーケティングの推進を通じて、消費者にとって象徴的な意味を提供するブランドが不可欠である。 そのようなブランドの形成要因は機能的な特徴よりも消費体験にあると考えられる。意味を持つブランドとは、消費者の記憶の中でブランド・スキーマと自己スキーマが結びついたブランドであり、どのような体験がその結びつきを強めるのかを考察した。認知心理学や消費文化論のレビューを通じて、ブランド形成要因解明のための3つの視角が導出された。ブランドと自己の結びつきは、①ライフ・ヒストリー(特に若年期)において自己スキーマに関わる精緻化や強い感情を伴う経験を通じて形成される、②準拠集団によってブランドの意味がつくられ、自己動機を媒介として形成される、③社会的に共有された意味(消費者は受動的)と個人の経験からつくられる意味(能動的)の2つから生まれる。
著者
加納 誠二 土田 孝 中川 翔太 海堀 正博 中井 真司 来山 尚義
出版者
公益社団法人 地盤工学会
雑誌
地盤工学ジャーナル (ISSN:18806341)
巻号頁・発行日
vol.6, no.2, pp.243-259, 2011-06-30 (Released:2011-07-01)
参考文献数
11
被引用文献数
1 1

2009年7月24日から25日にかけての連続した降雨により,東広島市志和町内うち地区の残土処分場で崩壊が発生し,流動化した土砂が流下して住宅1戸が全壊した。本論文は本災害の原因について考察したものである。災害発生箇所は何回かの地形改変を経て残土処分場となっていたため,三次元レーザー測量による崩壊後の地形の把握,軽量動的コーン貫入試験による崩壊土砂堆積厚さの調査,過去の測量地図,航空写真の解析を行って,地形改変履歴を明らかにし崩壊直前の地形を推定した。崩壊した残土斜面の底部には帯水層が存在し豊富な地下水が流れており,崩壊後の現地調査と降雨後の地下水位の上昇を考慮した安定解析により,地下水位が帯水層から約9m 上昇し斜面全体の安全率が1 以下となり,すべり崩壊が発生したと推定された。降雨によって飽和度が高まっていた崩壊土砂は,地下水の流出とともに流動化し約9°の傾斜を500m 流下したと考えられる。
著者
杉山忠平著
出版者
未来社
巻号頁・発行日
1975
著者
杉山忠平著
出版者
未来社
巻号頁・発行日
1967
著者
島津 太一
出版者
聖路加看護学会
雑誌
聖路加看護学会誌 (ISSN:13441922)
巻号頁・発行日
vol.23, no.2, pp.41-44, 2020-01-31
著者
中川 仁 青木 清 大東 俊一
出版者
日本心身健康科学会
雑誌
心身健康科学 (ISSN:18826881)
巻号頁・発行日
vol.7, no.1, pp.49-59, 2011-02-10 (Released:2011-05-10)
参考文献数
20
被引用文献数
2

養成過程にある理学療法士の心身ストレスを性格類型との関連から明らかにすることを目的として,理学療法士養成校の学生84名と新人理学療法士102名に対し,ストレスについてアンケート調査とYG性格検査を行った.このアンケート結果を因子分析して,ストレス因子を抽出した.重み付けした因子得点を従属変数として,臨床経験の有無およびYG性格類型を独立変数として分散分析を行った.その結果,4つのストレス因子が抽出された.気分の変調因子は臨床経験と性格類型のそれぞれに,対人関係因子は性格類型についてのみ主効果が見られた.また,将来の見通し因子は交互作用がみられたが,食欲不振因子は関連がみられなかった.これらのことより,新人理学療法士のB·C類では気分の変調に陥りやすいことが考えられた.また,E類以外の新人理学療法士は将来についての葛藤に悩まされる可能性があることが示唆された.なお,対人関係は性格による違いはなく,食欲不振は誰にでも生じ得るストレスであることが明らかになった.
著者
山添 康
出版者
日本毒性学会
雑誌
日本トキシコロジー学会学術年会 第37回日本トキシコロジー学会学術年会
巻号頁・発行日
pp.1, 2010 (Released:2010-08-18)

薬効解析が最も鋭敏な作用を指標に薬理作用を選抜するのに対して,過剰な薬物によって生じた混 乱にうごめく群衆の中から毒性箱の鍵を開けた者を見つけ出すような毒性機序の解析は指標を見つけ にくく,複雑で,多面的なアプローチを必要としている。このため毒性学における,化学物質の毒作 用の記述から機序の解明そして予測への歩みはゆっくりとしたものであった。 近年,機能タンパク発現機序の解析,in vitro手法の開発,分析手段の発展,網羅的手法の導入によっ て同時に起こる複数の生体内変化を,時間的推移を含めて知ることができるようになった。これら手 法の導入で毒作用の全体像を迅速に理解し,鍵を見つけることが可能になりつつある。 化学物質の毒作用にはしばしば種差が認められ,その現れ方にも相対的な感受性の差,標的臓器の 違い,さらには特定に種のみあるいはヒトでのみ毒作用が出現するような違いがある。このような違 いは,機序解析のツールとして利用されてきたが,一方でヒトにおける安全性評価を難しくしている 要因の1つでもある。 上記の手法の導入で,現在,動物種間の毒性感受性の違いを,特定機能の能力差として理解できる ようになってきている。毒性要因は,大きく薬理と動態に区別できるが,化学物質が起こす明瞭な種 差には両者がともに関与していることが多い。そこで分子レベルで毒性との関連解析が進んでいる薬 物および脂質の代謝動態の研究から幾つかの毒性事象を例に取り上げ,代謝能力の違いと毒性の種差 がどのように関連するのかを考察したい。
著者
横井 毅 織田 進吾
出版者
公益社団法人 日本農芸化学会
雑誌
化学と生物 (ISSN:0453073X)
巻号頁・発行日
vol.55, no.6, pp.412-420, 2017-05-20 (Released:2018-05-20)
参考文献数
25
被引用文献数
1

薬物代謝の情報は,医薬品開発におけるリード化合物の選択に,毒性発現の解明に,治験における有用性と安全性の確保に,臨床における個別薬物療法の実践において重要な役割を担っている.近年の医薬品開発を取り巻く状況は,目覚ましい変化の渦中にある.こうした状況下で,薬物代謝や薬物動態の研究成果は,非臨床および臨床研究を広範に支えており,創薬の効率化と加速化に貢献している.本稿では,薬物代謝・薬物動態研究の視点から,今日の医薬品開発研究に関する最近の進歩を中心に解説する.
著者
三吉 明
出版者
北星学園大学
雑誌
北星論集 (ISSN:03871886)
巻号頁・発行日
no.3, pp.143-156, 1966