著者
服部 泰直 木村 真琴 山内 貴光 立木 秀樹 横井 勝弥 松橋 英市 CHATYRKO Vitalij
出版者
島根大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010-04-01

本研究では主に計算理論へのトポロジーの応用と距離空間における次元の解析とその応用に関する研究を行った。前者においては、距離空間の計算モデルである形式的球体のドメインのMartin位相に関する研究から示唆された実数直線上のSorgenfrey型位相τ(A)の解析を行い、τ(A)がSorgenfrey位相自身と同相となる必要条件等を得た。また、図形のデジタル化におけるモデル空間であるKhalimski空間の部分空間に対するn次元性の表現を求めた。後者においては、帰納的次元のHurewicz形式と超限分離次元の振る舞い、及び種々定義されてきた小帰納的次元の統一的定義の提唱とそれらの相関関係を調べた。
著者
溝部 俊樹 田中 秀央
出版者
京都府立医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

緑色蛍光蛋白(Green fluorescent protein : GFP)付加α2Aアドレナリン受容体をノックイン発現した遺伝子改変マウスの機能解析を行い、これらのマウスにおいてGFP 付加α2Aアドレナリン受容体が脳内、特に青斑核に発現し、その機能や分布は、野生型と同様であった。
著者
畑 啓介 篠崎 大 釣田 義一郎
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010-04-01

近年、マイクロRNAが癌、自己免疫性疾患と関与していることが注目されており、癌や炎症などの治療法開発やバイオマーカーとしてマイクロRNAの臨床応用が期待されている。本研究では炎症性腸疾患患者の血清や腸管粘膜におけるマイクロRNAの発現プロファイルを明らかにし、炎症性腸疾患の臨床病理学的因子との関連を調査することで、疾患メカニズムの解明と炎症性腸疾患合併大腸癌の早期発見に応用するための基礎的なデータを構築することを目的とした。昨年度に引き続き潰瘍性大腸炎手術後の回腸嚢(正常および回腸嚢炎)からの生検サンプルを用いて、マイクロアレーを用いてmRNAの発現を網羅的に調べた。また、今年度も引き続き手術標本、内視鏡時の生検、および血清サンプルの収集を行った。それと並行して、炎症性腸疾患合併大腸癌症例のパラフィン包埋サンプルを利用し、あるマイクロRNAと発現が負に相関することが報告されているタンパクの発現を免疫染色により調査した。このマイクロRNAは孤発性の大腸癌やそのほかの臓器の癌において上昇していることが報告されている。まず実験に先立ち、孤発性の大腸癌症例を陽性コントロールとして、マイクロRNAの発現に関してはリアルタイムPCRを用いて、タンパク発現に関しては免疫染色を用いて、条件設定を行った。その後、内視鏡時の生検標本および手術時の切除標本を用いてそのタンパク発現を免疫染色により調査した。その結果、そのタンパク発現は正常大腸粘膜では発現が強くみられたのに対して、炎症性腸疾患合併大腸癌では一部で発現が弱くなっている傾向がみられた。
著者
小川 仁 柴田 近 佐々木 巖
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

臨床研究においては当科での回腸嚢炎の発症頻度を明らかにするとともに、従来明らかではなかった発症後の長期経過とくに抗菌薬治療に対する感受性の変化を明らかにした。基礎研究においてIL-23が腸管上皮細胞に対して細胞内シグナル伝達機構を活性化させるとともにサイトカインの放出を促すことを明らかにし、また大腸癌の一部においてもIL-23Rの発現を認めIL-23が増殖・浸潤を刺激する事を明らかにした。
著者
村松 慶一
出版者
山口大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

最近、心臓移植や小腸移植の実験研究をみると、キメリズムと免疫寛容の導入についての研究が特に注目されている。平成21年度はキメリズム現象、つまりドナーからレシピエントへの細胞移動についてこれまでの実験を発展させ、新たな結果が得られた。最も興味深い研究は骨髄移植によるキメリズムの誘導である。つまり、臓器移植前にレシピエントに骨髄移植を行いキメリズムの成立、確認した後に目的臓器を移植すれば何の免疫抑制剤を投与しなくても移植臓器が免疫反応を受けることなく生着する。これは移植骨髄のドナーに特異的な免疫寛容であり、小腸など抗原性が高い臓器ですら安定した生着が報告されている。この骨髄移植が免疫寛容を導くならば、四肢に含まれる骨髄は血行を保ったまま移植されることになるため免疫寛容を導かないのかという期待がもたれる。平成21年度はレシピエントに放射線全身照射を行った後にドナーの後肢を同所性に移植した。ドナーにはLacZ Tgラット、レシピエントにはInbred Lewisラットを用いた。この組み合わせだと、何も処置をしなければ移植後4日で移植後肢は拒絶される。MHCでは大きなバリアーがあるペアーである。ドナー骨髄からキメリズムを誘導するために顆粒球刺激因子を投与し、またGVHDを抑制する目的でFK506を28日間投与した。この結果については2009年度のJournal of Orthopedic Researchにすでに報告したが、約20%に高いキメリズムと免疫寛容が得られたが、非致死的な慢性GVHDが認められた。この結果は放射線の量や薬物の使用量によって異なったが、いずれにしろレシピエントに対しては大きな負担となるのは間違いないプロトコールであった。平成21年度は、全身照射量や非骨髄破壊的な前処置について検討すべき結果となった。
著者
高山 哲朗
出版者
慶應義塾大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2010

腸管NK細胞にはNKp44とNKp46の細胞表面分子により大きく二つの集団に分類され、正常腸管においてはこれらの細胞集団が均衡により腸管免疫の恒常性が保たれていることを示した。一方、クローン病においてはこれらの著しい不均衡が生じており、病態に関与している可能性を示した。また、腸管NK細胞の活性化には腸管マクロファージとの相互作用が重要であることを見出し、ここにかかわる因子としてIL-23とTL1Aの存在を見出した。これらの結果はNKp46+NK細胞がクローン病の病態に関与する可能性を示唆するものと考えられた。
著者
水島 恒和 伊藤 壽記 竹田 潔 中島 清一
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

炎症性腸疾患(IBD)患者の炎症部では、マクロファージ様の形態を呈し、単球系マーカーのCD14 と樹状細胞マーカーの CD11c 両者が陽性である CD14+CD11c+細胞が増加していた。IBD 患者の非炎症部において、CD14+CD11c+細胞は非 IBD 患者と著変を認めなかった。CD14+CD11c+細胞は、腸管粘膜固有層において CD14-CD11c+細胞,CD14-CD11c-細胞に比し、有意に Th17 細胞を誘導していることが明らかになった。
著者
三上 洋平
出版者
慶應義塾大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2010

申請者らは、炎症性腸疾患の炎症部位で腸炎惹起性CD4+メモリーT細胞のクローン間競合(clonal competition)により病態形成がなされていると仮説し、以下の項目を示した。(1)炎症惹起性メモリーT細胞間のTh1/Th17干渉現象の存在と病態形成への寄与(2)腸炎状態で、腸管内でTh17→Th17/Th1→Th1(Alternative)という分化経路の存在(3)制御性T細胞はこのAlternative pathwayを抑制する事以上よりAlternative pathwayの阻害が新規治療標的の候補であると考えられた。
著者
高後 裕 蘆田 知史 藤谷 幹浩 大竹 孝明 前本 篤男 上野 伸展
出版者
旭川医科大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010-04-01

ヒトおよびマウス腸管を用いた腸内細菌叢の解析から、腸管内とバイオフィルム内の細菌ポピュレーションが異なること、健常人と炎症性腸疾患患者におけるバイオフィルム内の細菌ポピュレーションが異なることが示唆された。宿主由来および腸内細菌由来活性物質の作用解析から、プロバイオティクス由来の腸管保護活性物質が、腸炎による腸管障害を改善することが明らかになった。また、この作用は上皮細胞膜トランスポーターによる細胞内への取り込みや上皮細胞接着分子との結合により仲介されることが明らかになった。以上の研究結果から、プロバイオティクス由来の活性物質を用いた新規腸炎治療開発の基盤的成果が得られた。
著者
朴 秀賢
出版者
北海道大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2010

bFGF依存性に増殖する成体海馬歯状回由来神経前駆細胞(ADP)の培養系を用いて、我々は既にGSK3βが糖質コルチコイドアナログであるdexamethasone(DEX)によるADPの増殖抑制に関与していることを見出していた。また、更にその詳細なメカニズムについて検討したところ、ROCK2がGSK3βの活性調節に関与していること、bFGFとDEXがROCK2の発現を相反的に調節することも見出していた。そこで、実際にin vivoにてROCK2が成体海馬歯状回神経細胞新生に関与しているか否かについて検討すべく、(1) in situ hybridizationを用いてROCK2が実際に成体ラット海馬歯状回神経前駆細胞で発現しているかどうか、(2) in vivoでROCK2が実際に成体ラット海馬歯状回神経前駆細胞の増殖に関わっているかを調べることを目的に、レトロウイルスベクター及びレンチウイルスベクターを用いたROCK2の強制発現系の構築、をそれぞれ行い、後述の通りの一定の成果を得た。
著者
吉永 進一 赤井 敏夫 橋本 順光 SHORE Jeff
出版者
舞鶴工業高等専門学校
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2004

本科研において子孫宅に残された平井文書の撮影が大きな目標であったが、予算面の制約から全資料の撮影を完了することはできなかった。しかし撮影資料をデジタル化したことは研究のスピードアップにつながった。またシカゴ万国宗教会議などのアメリカにおける講演関係の新聞記事、日本での雑誌記事といった基礎的史料に関してはデジタル化して報告書付録DVDに収録することができた。これらのデジタル資料は、電子文書保存の国際標準仕様であるJIS Z6017に準拠して作成され、ダブリンコア仕様のメタデータを添付されており史料的価値は高い。この三年間において、吉永は平井文書みならず、仏教雑誌、『道』誌、『新公論』誌などの平井関係の資料を調査し、平井金三の全生涯について伝記的な研究を行うことができた。これによって、多様な領域で活動した平井の全体像を描くことが可能になった。橋本順光は平井を神智学や在米中国仏教徒との関連で論じ、西洋主導の近代世界の中で東洋の文化的自立を目指す運動のひとつとして評価した。赤井敏夫は明治期仏教における神智学の影響について書誌学的な研究をおこなった。Jeff Shoreは平井の手稿についての調査を、研究協力者の野崎晃市は平井とユニテリアンに関する研究を行い、同じく協力者の橋本貴は資料のデジタル化に関する論考を執筆した。以上の研究から、明治二〇年代の仏教復興が国際化と連動した動きであり、平井や鈴木大拙など、仏教とキリスト教の対立構図を脱して東西宗教思想の比較と融和に向かう動きがあったことが検証できた。今後の研究課題としては、第一に貴重な歴史資料である平井文書の撮影を完了することが急務である。第二に、アメリカでの仏教受容を検証するためには平井のアメリカ側への影響を実証的に調査する必要があると思われる。第三には、平井と道会などの日本生れのキリスト教との関係についてはさらなる考究が必要であろう。
著者
中島 求 高木 英樹
出版者
東京工業大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

本研究ではまず,スイマーマネキンと水中物体3自由度駆動装置からなる,スイマーマネキンロボットを開発した.次に本ロボットに実際のスイマーの泳動作を入力し,非定常流体力の測定実験を行った.そしてスイマーマネキンを表現するシミュレーションモデルを作成し,実験再現シミュレーションを行い,シミュレーションモデル中のパラメータを調整することにより,高精度で実験を再現することができる,流体力モデルを実現した.
著者
藤田 博仁 橋本 明 加美 嘉史 山田 壮史郎
出版者
愛知県立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2003

本研究はホームレスの自立支援を目的とする、ホームレス自立支援センターの業務統計を定量分析し、自立の効果測定と就労自立の実態を明らかにすることを試みた。ホームレス自立支援事業は、2000年以降国がホームレスの自立についての支援モデルを提示し、自立支援センターを拠点に実施している。調査研究の対象となった名古屋市は事業開始後3年が経過しており、就労による退所者は221人であったが、そのうち171人を分析の対象とした。その結果、以下のことが明らかになった。(1)3年間に国が効果的と主張する就労による自立は、自立支援センター退所者全体の34%に過ぎなかった(この割合は東京・大阪でもほぼ同様であった)。(2)退所後の追跡調査では時間の経過と伴に自立生活継続者の割合が低下し、「失踪」者の割合が増加し、経済的自立が「就労」から「生活保護」に移行する割合も増加していることが明らかになった。(3)ホームレスの自立を就労に求め、就労先を雇用市場に求めるだけでは、経済的自立に結びつかないことが明らかになり、自立支援モデルの再考が必要になった。(4)就労、住宅確保による自立支援センター退所は、自立のきっかけを掴んだに過ぎず、真の自立支援は退所後の地域生活を持続可能な状態にすることである。生活保護制度下では自立助長に関するケースワークは法外の事実行為とされ、生活保護による効果より最低生活の保障により重点が置かれていた。しかし、自立支援事業は自立支援を目的にしているため、効果はデーターで明確に示されるようになった。このことによって、事業効果の低さに関心が向くことは当然であるが、併せて自立の理念や内容について問われることになる。本研究によってもたらされた成果の範囲は事業効果の測定までで、持続可能な地域生活のあり方についての実証的研究にまでは至らなかった。この点については次回の機会に委ねたい。
著者
前原 由喜夫
出版者
京都大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2008

本年度は昨年度から行ってきた協同実行機能課題に関する実験を継続すると同時に,成人の「心の理論」における作動記憶の役割に関する研究成果を英語論文にまとめた。また,新たな成人の「心の理論」課題も開発して国際学会で発表した。さらに,小学校で注意欠陥多動性障害(ADHD)児童の療育の実施とスーパーバイズを行い,共同研究者とともにADHD児童の社会的場面における実行機能の改善に焦点を当てたトレーニング課題を論文化する準備を進めてきた。実行機能は人間の目標志向行動を支える認知機能の総称であり,前頭葉にその脳機能が集中しているとされ,今まで数多の研究が行われてきたが,他者との協力場面における実行機能の働きについては検討されてこなかった。そこで,協同実行機能課題に関する研究では,他者との協力場面における実行機能の働きをコンピューターとの協力場面における実行機能の働きと比較することによって検討した。実験の結果,相手が人間のときのほうが自分の反応をうまく抑制できていることが判明し,対人状況での共感性が高い人ほど自分の反応のコントロールも十分にできていることがわかった。この結果は,対人協力状況における実行機能の働きが,従来調べられてきたコンピューターを相手にして1人で課題を遂行するときの実行機能の働きと異なる特徴を備えている可能性を示唆している。ADHDは実行機能の障害が原因だと広く考えられてきたため,実行機能課題を繰り返し訓練して注意制御能力の改善を実現した研究はいくつか存在する。しかし,注意制御能力が改善されても多動性や衝動性といった問題行動の改善が見られていない。そこで,上述の協同実行機能研究の知見を踏まえて,対人協力場面で実行機能を駆使する必要のあるトレーニング課題をADHD児童に実施し,行動制御能力の改善を試みる研究を行った。
著者
大鐘 敦子
出版者
関東学院大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

フローベールの最晩年の短編『ヘロディアス』は、「フローベール的文体の極致」としばしば指摘され、膨大な科学的資料に基づいて創作されている。本研究ではこの『ヘロディアス』の文体の錬金術の創造過程を自筆草稿における生成批評研究(内的生成)およびヘロディアス=サロメ神話の間テクスト性の研究(外的生成)を並行して行い、これまでで最も総合的な解明を試みて、『ヘロディアス』を19世紀最大のファム・ファタル神話形成の起源の一つとして新たに位置づけた。
著者
中村 隆
出版者
山形大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

A:「クルックシャンクにおけるホガース模倣」ポールソンの先行研究に異説を唱え、クルックシャンクはホガースに始まる英国の諷刺喜劇の図像的伝統に終焉をもたらした挿絵画家ではなく、ホガース的なエンブレム図像の正統な継承者の1人であるということを論証した。B:「クルックシャンクの連作版画『酒瓶』(The Bottle,1847)の社会文化史的解明」禁酒主義の思想を体現する『酒瓶』で用いられたのは「蝋刻電鋳版画」(glyphography)という版画媒体だった。精密さという点で銅版画よりも劣るこの方式をクルックシャンクが敢えて採用した理由は、安価な版画を直接労働者階級に届けるためである。労働者階級における飲酒の悪弊を根絶しようとした絶対禁酒主義者(teetotalist)としてのクルックシャンクの目論見がこの版画媒体を選択させたのである。
著者
長谷川 拓哉
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

本研究は、既存鉄筋コンクリート造建築物から採取した供試体の強制乾燥試験を行って標準乾燥収縮ひずみを推定する方法により、ひび割れの原因を推定する手法の検討を行った。その結果に基づき次の提案を行った。(1)標準乾燥収縮ひずみ推定を目的としたコア供試体の強制乾燥試験手法(2)仕上材・環境条件を考慮した乾燥収縮ひずみの予測手法(3)(1)、(2)をふまえた既存建築物のひび割れ原因の推定手法
著者
田中 宏明 山下 尚之 吉谷 純一 中田 典秀 八十島 誠
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

遊離体と抱合体のエストロゲンの前処理を簡易化し、回収率を大幅に改善させる分析法を開発した。2008年1月と9月の降雨時期に 英国テムズ川流域で調査を行った結果、E2 やグルンクロン酸抱合体のエストロゲンが放流水や河川水で検出され、合流式下水道越流水の影響が無視できないことが明らかとなった。また我国で検出されないEE2 が流入下水や下水処理水で検出された。グルクロン酸抱合体よりも硫酸抱合体が、またE2 やE1 よりもEE2 は分解が遅いことが実験で明らかとなった。
著者
小杉 賢一朗 水山 高久 里深 好文 堤 大三 宮田 秀介 勝山 正則 佐山 敬洋 藤本 将光
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2010-04-01

土石流に対するハード対策・ソフト対策を的確かつ効率よく実施する為に,豪雨に伴う表層崩壊の発生と崩土の土石流化のメカニズムを解明し,予測手法を開発した。表層崩壊については,地形のみでは発生メカニズムを十分に説明できず,基岩内部の地下水流動を把握する必要があることが明らかとなり,電気探査や空中電磁探査に基づく予測手法が提示された。さらに,基岩からの湧水が土石流の規模を増大させる可能性があることが確かめられた。
著者
塚脇 真二 古内 正美 高原 利幸 平吹 喜彦 竹林 洋史 石川 俊之 奥村 康昭 本村 浩之 富田 瑞樹 荒木 祐二 大八木 英夫 ハン プゥ
出版者
金沢大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

観光産業の爆発的な発展とともに大気や水の汚染、森林の破壊といった環境汚染・環境破壊が顕在化し、遺跡への影響や住民の健康被害が懸念されるカンボジアのアンコール遺跡区域を対象に、大気、水、森林の3分野から総合的な環境調査を2年間にわたって実施した。その結果、同区域の環境汚染や破壊が危機的状況になりつつあることや観光産業との密接な関連があることを確認し、成果をとりまとめ国際シンポジウムとして同国で公表した。