著者
馬場 悠男
出版者
公益財団法人 日本学術協力財団
雑誌
学術の動向 (ISSN:13423363)
巻号頁・発行日
vol.25, no.2, pp.2_34-2_37, 2020-02-01 (Released:2020-06-26)
参考文献数
27
著者
種子田 春彦 大條 弘貴 大塚 晃弘
出版者
一般社団法人 日本生態学会
雑誌
日本生態学会誌 (ISSN:00215007)
巻号頁・発行日
vol.66, no.2, pp.447-464, 2016 (Released:2016-08-24)
参考文献数
126
被引用文献数
3

植物体内の水輸送は、個体が適切な水分含量を保ちながら光合成生産を行うために重要な現象である。通水コンダクタンスはこうした水輸送の速度を決める要素のひとつであり、植物種間や環境によって大きく変化する。そこで、通水コンダクタンスを調べることは、植物の水利用戦略を考えるうえで重要な情報を与える。本稿は、根、茎、葉の3つの組織における通水コンダクタンスの測定手法について、それぞれの組織の水の流れ方と手法の利点と欠点を中心に解説した。
著者
本岡 隆文 山本 正弘
出版者
公益社団法人 腐食防食学会
雑誌
Zairyo-to-Kankyo (ISSN:09170480)
巻号頁・発行日
vol.60, no.9, pp.394-401, 2011-09-15 (Released:2012-02-22)
参考文献数
28
被引用文献数
2 3

原子力及び生体材料に適している金属材料について,水酸化ナトリウム溶液における腐食挙動を調査し,熱力学データから予測される安定化学種との対応を検討した.試験材はジルコニウム,チタニウム,タンタルとニオブである.これらを0.1~6.1 mol/dm3水酸化ナトリウム溶液に48時間浸漬した後,重量減量測定,X線回折分析とXPS分析を実施した.また,動電位分極測定を水酸化ナトリウム溶液で実施した.腐食速度はNb>Ta>Ti>Zrの順序で大きかった.分極曲線では,Ti,Ta,Zrは不働態化すること,Nbは腐食が激しいことが示された.X線回折の結果,Nbはニオブ酸塩として溶解したことがわかった.XPSスペクトルは,Zr,TiはZrO2,TiO2,の酸化皮膜を表面に形成していることを示した.SEM写真では,試験材は均一腐食していることが示された.熱力学データから予測される安定化学種と腐食試験と表面分析結果より想定される安定化学種に異なりが見られたことから,アルカリ域での熱力学データの充実が望まれる.
著者
藤谷 光順 桜井 伸二
出版者
日本アダプテッド体育・スポーツ学会
雑誌
障害者スポーツ科学 (ISSN:13486055)
巻号頁・発行日
vol.12, no.1, pp.33-42, 2014

The purpose of this study was to report the supporting approach for the improvement of the athletic performance of a Paralympic swimmer. The subject was a gold medalist in the 50 m breast stroke event in the 2008 Beijing Paralympic Games, and was classified in SB3 according to a congenital limb deficit. Four synchronized under-water video cameras (60 fps and 1/1000s) were used to record the maximum 50 m breast stroke swimming motion. Three-dimensional coordinates of anatomical landmarks of the swimmer were obtained using DLT procedures. Filming and analysis were executed three times every two months. Video-imaged and motion analysis results were relayed back to the athlete and coach every time. Suggestions for the athletic performance improvement derived from the motion analysis were as follows: (1) increase stroke length and decrease stroke rate, (2) conform stroke motion in non-breath stroke to the motion in on-breath stroke, and (3) decrease drag force in recovery phase, and shorten stroke length of right arm in late in-sweep phase. The filming and supporting activities based on data acquisition and analysis were continued to the 2012 London Paralympic Games for improving the athletic performance so as to achieve the best results for athletes.
著者
池上 敦子 野々部 宏司 梅谷 俊治 田中 勇真
出版者
成蹊大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

本研究は,勤務表作成者が潜在的に抱えている制約条件や評価尺度を勤務表に反映できる仕組みを構築することで,納得感を得る勤務表を短時間で作成できる環境実現を目指す.ナーススケジューリングにおいては,各ナースの実行可能スケジュールを含むネットワークを利用して最適解の列挙を行い,それらの関係性をグラフ表現することにより良解空間の把握を可能にした.教員のスケジュールにあたる学校の時間割作成についても,複数の最適化モデルを構築して求解速度を比較評価した.そして,潜在的に考慮されている制約条件や評価尺度を把握し,時間割に反映しやすいモデルを検討した.
著者
菅原 ますみ 北村 俊則 戸田 まり 島 悟 佐藤 達哉 向井 隆代
出版者
一般社団法人 日本発達心理学会
雑誌
発達心理学研究 (ISSN:09159029)
巻号頁・発行日
vol.10, no.1, pp.32-45, 1999-05-20 (Released:2017-07-20)
被引用文献数
1

児童期の子ども (平均年齢l0.52歳) の間題行動発生に関わる先行要因について, 対象児童が胎児期より開始された縦断サンプル (約400名) を用いて検討をおこなった。10歳時の注意欠陥および攻撃的・反抗的な行動傾向 (externalizingな問題行動) の予測因子として, 子ども自身の乳幼児期からの行動特徴, 家庭の社会経済的状況, 親の養育など多くの要因が有意な関違を持っており, 多要因の時系列的な相互作用によって子どもの問題行動が発達していくプロセスが浮かび上がってきた。また, 発達初期に同じような危険因子を持っていたとしても, 良好な父親の養育態度や母親の父親に対する信頼感などの存在によってこうした問題行動の発現が防御されることも明らかになった。これらの結果から, 子どもの精神的健康をめぐるサポートの在り方について考察をおこなった。
著者
白石 昌也
出版者
東洋史研究會
雑誌
東洋史研究 (ISSN:03869059)
巻号頁・発行日
vol.46, no.2, pp.p382-414, 1987-09

This is a part of a series of my papers concerning the final stage of the Vietnamese students' movement in Japan in the early 20th century. In this paper, I intend to analyze the following points, using Japanese and French official documents as well as Vietnamese memoirs: (1) how the French authorities discovered that Phan Boi Chau was staying in Tokyo; (2) what and how the French required of the Japanese government concerning him; (3) how the Japanese responded to it; and (4) what attitudes Phan Boi Chau showed against the Japanese and the French authorities.
著者
小泉 浩一
出版者
学校法人 敬心学園 職業教育研究開発センター
雑誌
敬心・研究ジャーナル (ISSN:24326240)
巻号頁・発行日
vol.3, no.2, pp.91-99, 2019

<p> 本稿の目的は、現代における難民や労働者を含む、定住外国人の受け入れに関わる原初的な事例として、インドシナ難民の受け入れに関するわが国の対応と支援の実際について、各種文献より明らかにするものである。</p><p> インドシナ難民の受け入れは、定住受け入れ枠の拡大とともに公的支援ばかりではなく、日本赤十字社や宗教法人等を中心とした民間支援が拡大していくことになる。わが国のインドシナ難民受け入れに関わる施策等の変遷とともに、公的支援および民間支援の実際についてまとめ、考察を加えた。</p><p> 今日のわが国の難民受け入れや、国外退去処分を受けた外国人の長期収容の問題、定住外国人労働者の増加など、「人権」等に即した支援を志向するうえで、インドシナ難民受け入れに関する事例を、あらためて検討すべきであろう。</p>
著者
富井 幸雄
出版者
法学新報編集委員会
雑誌
法学新報 (ISSN:00096296)
巻号頁・発行日
vol.123, no.8, pp.125-182, 2017-01

アメリカの移民退去手続は刑事司法手続に類似しており、移民裁判所(法務省)での聴聞を設けている。九・一一直後に法務長官の発したクレッピィ通達は、移民判事が安全保障上の特別の利益があると判断したなら、この退去聴聞にメディアを含む一般人の傍聴を禁止できるとした。これは、表現の自由を保障したアメリカ憲法修正第一条に反さないか。最高裁は一九八〇年のリッチモンド新聞社事件で、経験と論理のテストを打ち立てて、それが満たされる刑事裁判の公開や傍聴は公的アクセスとして同条で保障されると判断した。このテストが行政手続に分類される退去聴聞にも適用されて、同条の保障が及ぶか。最高裁の判例はないけれども、連邦控訴裁判所は、二〇〇二年のほぼ同時期にクレッピィ通達を合憲とも違憲とも判断している。移民法は安全保障法としての側面があり、外国人テロリスト送還裁判所を創設したり、政府側に聴聞にかけられている外国人がアクセスできない秘密の証拠を使用したりする手続を法定している。国際テロ対策が課題となるなか、安全保障と人権のバランスが出入国管理に要求される視点はわが国にも示唆的である。
著者
吉田 朗 下タ村 光弘
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.24, pp.265-270, 1989-10-25 (Released:2020-08-01)
参考文献数
8
被引用文献数
1

In this paper, we investigate effects of central area parking policy on shopping trips, especially from the viewpoint of a mean of encouraging the depressed urban center. We build choice model for transportation mode and destination, which involves some variables of parking service; i.e.capacity and location of parking facility, parking fee, walking time to destination. Using this model, we present the effect of parking policies and suggest the necessity to be included in over-all urban transport planning.