著者
小林 靖明 川上 朋也 松本 哲 義久 智樹 寺西 裕一 下條 真司
雑誌
第28回マルチメディア通信と分散処理ワークショップ論文集
巻号頁・発行日
pp.238-241, 2020-11-04

現在,VRChat やどうぶつの森などのアバターを使ってコミュニケーションをとるコンテンツが普及しつつある.アバターに関しての研究はすでに行われているがそのどれもが自己に関係したアバターの研究であり,他己に関係したアバターの研究はあまりなされていない.アバターは自己表現の一種であるとともにコミュニケーションコンテンツではコミュニケーションツールの一種ともとれる.このことからコミュニケーションに対して良いとできるアバターの存在を調査する.
著者
檮木 純二 Junji Yusuki 藍野学院短期大学 Aino Gakuin College
雑誌
藍野学院紀要 = Bulletin of Aino Gakuin (ISSN:09186263)
巻号頁・発行日
no.15, 2002-03-15

平成12年2月29日最高裁判所第3小法廷は,エホバの証人を信仰する患者の輸血拒否事件において,患者が絶対的輸血拒否を中し出ているにも拘わらず,手術中に,医師が相当と判断し,患者の意思を無視して行った輸血行為に対し,医師の説明義務違反を不法行為として捉え,損害賠償の請求を認めた。この事例は,病院が相対的無輸血の方針であるのに,絶対的無輸血を明示している患者に,その事を説明せず,手術中に医師の判断で輸血を行い,術後もその事を説明せず,公になるおそれが発生した段階で,患者に知らせたことに対し,患者が自己決定権の侵害ないし契約の債務不履行を理由に訴えた事例である。第1審の東京地方裁判所は,絶対的無輸血の契約は公序良俗に反すること及び医師の裁量権を認め,原告の訴えを棄却した。それに対し,控訴審の東京高等裁判所は,そのような契約が成立していたとは認めなかったが,医師の説明義務違反を自己決定権ないしインフォームド・コンセントの法理に違反するとして,原告の訴えを認めた。そこで,最高裁判所の判断が待たれていたが,最高裁判所は,上記のように,医師の説明義務違反は人格権を侵害し,不法行為を構成すると判断した。 この判決は,いわゆる患者の自己決定権ないしインフォームド・コンセントの法理を認めた判決として,画期的な意義のある判決として評価されてよい。
著者
冨田 祐輝 松屋 合歓 成田 智子 斎藤 良彦 西野 一三 福留 隆泰
出版者
日本神経学会
雑誌
臨床神経学 (ISSN:0009918X)
巻号頁・発行日
pp.cn-001547, (Released:2021-05-20)
参考文献数
12
被引用文献数
1

一家系に3人のPOMT2遺伝子変異による常染色体性劣性遺伝の肢帯型筋ジストロフィータイプ14(limb girdle muscular dystrophy 14,以下LGMDR14と略記)の患者を経験した.症例1と症例2はPOMT2遺伝子にc.1568A>Cのホモ接合性変異,症例3は同遺伝子にc.1568A>Cとc.869C>Tのヘテロ接合性変異を有していた.c.1568A>Cは病因として新規の遺伝子変異だった.全例で進行性の歩行障害を認め知的障害を合併しており筋萎縮は大腿屈筋群に強いなど,既報告と類似していた.網膜色素変性症や近視などの眼症状は既報告では少なかったが,LGMDR14を示唆する所見と考えられた.
出版者
日経BP社
雑誌
日経コンストラクション (ISSN:09153470)
巻号頁・発行日
no.231, pp.44-45, 1999-05-14

93年の選挙で当選した町長が,意図的に競争入札の指名から外したのは裁量権の乱用である。建設会社が町を相手に起こしていた訴訟の判決が,98年1月28日に宮崎地方裁判所都城支部であった。裁判所は,町長が指名を回避したことには十分に合理的な理由があるとし,原告の訴えを退けた。
著者
豊島 萌生 保坂 寛
出版者
公益社団法人 精密工学会
雑誌
精密工学会誌 (ISSN:09120289)
巻号頁・発行日
vol.87, no.6, pp.588-592, 2021-06-05 (Released:2021-06-05)
参考文献数
16

To realize a small-sized floating-type wave energy converter, a vibrational power generator that utilizes the gyroscopic effect and a geared acceleration is presented. First, equations of motions of the spin accelerating mechanism are derived. Next, it is shown by the numerical analyses that the spinning velocity of the gyro-flywheel is accelerated by the rotating vibration, a steady-state small vibration with the frequency twice the input frequency exists in the flywheel spin, and the generated power is 10 W at the conditions that the flywheel diameter is 600 mm, the weight is 20 kg, the input frequency is 0.2 Hz and the amplitude is ±10 deg. Finally, an experimental apparatus of the spin accelerating mechanism with a flywheel of φ300 mm is developed to show that the experimental and calculated spin and precession velocities agree well.
著者
木股 知史
出版者
日本文学協会
雑誌
日本文学 (ISSN:03869903)
巻号頁・発行日
vol.47, no.11, pp.12-21, 1998

『たけくらべ』の結末に描きこまれている「水仙の作り花」については、(1)信如の境遇についての暗示的表現 (2)信如の内面(美登利に対する感情)の暗示的表現 (3)信如と美登利の関係性についての暗示的表現 (4)投影された美登利の内面の暗示的表現 (5)テクストの外から持ち込まれた語り手の介入的メッセージの暗示的表現、というように多義的に理解することができる。多義性をまとめあげるために、<恋愛>という枠組が必要とされ、そのことが理解を拘束していることを検討する。
著者
奥田 進一
出版者
拓殖大学政治経済研究所
雑誌
政治・経済・法律研究 = Politics, economics and law (ISSN:13446630)
巻号頁・発行日
vol.20, no.1, pp.47-59, 2017-09

2011(平成23)年3月11日の東日本大震災に伴う巨大津波による福島第一原子力発電所事故に関しては全国で約30以上の訴訟が提起されているが,そのほとんどが政府および東京電力の責任の有無と損害賠償請求に関するものである。そのような中で,「いわき市放射性物質除去請求事件」(東京高裁平成25年6月13日・判例集未登載)に引き続き,福島地裁郡山支部において平成29年4月14日に,農地所有権に基づく妨害排除請求権を行使して,農地の除染による原状回復を請求した事件に対する判決が下された。本件判決は,放射性汚染物質の除去と物権的請求権に基づくその排除請求の可否という,新規事例の積み重ねという点からも重要な事件であるとともに,除染方法の詳細な特定を欠くことや確認の利益性の不存在などを理由として原告の訴えを却下した裁判所の判断に大いに疑義があるところ,とくに紹介して評釈を加えるものである。
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1505, pp.24-27, 2009-08-31

ソフトバンクモバイルの藤原和彦・取締役常務執行役員兼CFO(最高財務責任者)と、ソフトバンクの君和田和子・経理部長兼内部統制室長は、今年に入ってIFRSの影響を調べるうち、1つのことに気がついた。 「売上高の計上方式が変わるかもしれない」 現在、通信会社は携帯端末とその使用通信料を別々の売上高として計上している。
著者
玉井 守
出版者
Okayama Medical Association
雑誌
岡山医学会雑誌 (ISSN:00301558)
巻号頁・発行日
vol.104, no.11-12, pp.1007-1014, 1992 (Released:2009-03-30)
参考文献数
29

C3H mice were subcutaneously (s. c.) injected with a tumorigenic dose (1mg/mouse) of 3-methylcholanthrene (MC) and tumor development was observed for 18 weeks. OK-432 or Ge-132 was intraperitoneally administered either after MC injection (post-treatment) or both before and after MC injection (pre- and post-treatment).Pre- and post-treatment with OK-432 significantly inhibited the development of tumors from 10 to 12 weeks after MC injection as compared with a control group. In all of the groups, the incidence of tumors was 100 percent 18 weeks after MC injection. With respect to Ge-132, both post-treatment and pre- and post-treatment administration reduced tumor growth in a similar manner to pre- and post-treatment of OK-432.After pre-treatment with OK-432 or Ge-132 for two weeks, the percentage of large granular lymphocytes in peripheral blood and the natural killer activity of splenic cells in mice were increased.These results suggest that the immune status plays an important role in the defense mechanisms against chemically-induced tumors.
著者
橋本 まさ子
出版者
桐丘学園 桐生大学・桐生大学短期大学部
雑誌
桐生大学紀要 (ISSN:21864748)
巻号頁・発行日
vol.28, pp.55-61, 2017 (Released:2020-06-18)
参考文献数
22

おはぎ・ぼたもちには,行事食としての地域差は残っていたが,今後は,食したいときに購入する日常食および 和菓子として,手軽に入手できる米の加工品の1つになっていくものと推測される.地域・家庭での行事食としては, わずかな伝承にとどまるようにうかがえる. 日本人が作り上げてきた,穀類(米)の消費のためにも今後このような食品の加工方法を検討する必要性があると 思われる.
著者
静岡市企画部文書課 編
出版者
静岡市
巻号頁・発行日
vol.史料 第2, 1965
著者
小野 史典 木本 茉莉奈
出版者
日本認知心理学会
雑誌
日本認知心理学会発表論文集 日本認知心理学会第14回大会
巻号頁・発行日
pp.26, 2016 (Released:2016-10-17)

我々は自分の心の中の思いなどが相手に見透かされてしまっているのではないかと思ってしまうことがある。こうした自分の内的状態が相手に漏れているかのように考えてしまう現象は透明性の錯覚と言われている。本研究では,5杯の飲み物(4杯は同じ味だが1杯は異なる味)を準備し,行為者はなるべく無表情で飲み物を飲み(行為者セッション),観察者はその様子が録画されたビデオを見て,異なる味の飲み物を推測した(観察者セッション)。さらに,行為者は観察者の正答率を推測した。実験の結果,観察者の実際の正答率に比較して,行為者の推測した正答率が高くなった(透明性の錯覚)。また,別の参加者に対して,あらかじめ正答を教え,ビデオを見た後に観察者の正答率を推測してもらったところ,観察者の実際の正答率よりも高くなった。この結果は,行為者の内的状態を知っていること自体が透明性の錯覚において重要な要因になることを示唆している。