著者
西山団体研究グループ 桂高校地学クラブ
出版者
地学団体研究会
雑誌
地球科学 (ISSN:03666611)
巻号頁・発行日
vol.24, no.6, pp.208-221, 1970 (Released:2017-07-26)

The stratigraphy of the Osaka Group in surveied area is as follows; [table] This stratigraphy is well accorded with that of the other hills which made of the Osaka Group; for example, Senriyama,Ibaraki and Hirakata Hills. Tomistoma sp. and many plant fossils yielded in this area as shown in Table 2. The paleocurrent directions deduced from cross beddings and inclination of gravels were obtained. The results are summarized in Figs. 9 and 10. Paleocurrent directions are clearly divided into two groups ; that is, from northeast to southwest and from southeast to northwest. The former may be products of the ancient river Akuta and the latter may be from the ancient river Yodo. These two directions are found at same cliff in several places.
著者
竹永 章生 伊藤 真吾 露木 英男
出版者
Japanese Society for Food Science and Technology
雑誌
日本食品工業学会誌 (ISSN:00290394)
巻号頁・発行日
vol.34, no.11, pp.705-713, 1987-11-15 (Released:2011-02-17)
参考文献数
21
被引用文献数
1 1

貯蔵中におけるきな粉の脂質の酸化防止に対する脱酸素剤の効果について検討するため,丸大豆からきな粉を調製し,これを試料として,脱酸素剤とともにガスバリヤー性の高いフィルム(KON/PE)に封入し(脱酸素剤区),25℃, 5℃, -25℃に150日間貯蔵し,きな粉TLの酸化指数および脂質組成の経時的変化について実験を行った.さらに,対照区として,含気包装した場合についても同様の実験を行い,比較・検討した.(1) 含気包装の対照区の場合,きな粉TLの酸化指数の経時的変化は,各貯蔵温度で,AV, POV, COVの増加,逆にIVの減少がみられ,この傾向は,貯蔵温度の高いほど顕著であった.一方,脱酸素剤区の場合では,25℃貯蔵の場合にPOVが経時的増加を示したが,その他の指数には大きな変化は認められず,さらに5℃, -25℃ではほとんど変化は示さなかった.(2) TLの脂質組成の経時的変化についてみると,対照区の25℃, 5℃貯蔵の場合,CL組成比の減少,逆にNL組成比の相対的増加が認められたが,脱酸素剤区の各貯蔵の場合および対照区の-25℃貯蔵の場合では,上記のような変化はほとんど認められなかった.(3) NLおよびCLの脂質組成の貯蔵に伴う変化については,対照区では,NL中のTG組成比の減少,逆にFFA, DG組成比の相対的増加,またCL中のPC, PE組成比の減少,逆に他の複合脂質組成比の相対的増加が認められた.一方,脱酸素剤区でも対照区の場合と同様の傾向が認められたが,その変化は小さいものであった.(4) TL, NLおよびCLの脂肪酸組成の変化についてみると,対照区でポリエン酸組成比の経時的減少,逆に飽和酸組成比の相対的増加の傾向が認められた.一方,脱酸素剤区では,脂肪酸組成には大きな経時的変化は認められなかった.
著者
竹田 潔
出版者
日本臨床免疫学会
雑誌
日本臨床免疫学会会誌 (ISSN:09114300)
巻号頁・発行日
vol.28, no.5, pp.309-317, 2005 (Released:2005-11-05)
参考文献数
30
被引用文献数
7 8

自然免疫系においてファミリーを形成するToll-like receptor (TLR)が病原体の構成成分を特異的に認識し,免疫応答の引き金を引くことが明らかになった.11種のTLRの各メンバーがそれぞれ異なる病原体構成成分を認識し,遺伝子発現を誘導する.TLRを介したシグナル伝達経路では,TIRドメインを有するアダプター群(MyD88, TRIF, TIRAP, TRAM)が重要な役割を担っていて,この使い分けによりTLRごとに異なる遺伝始発現が誘導される.そして,TLRを介した自然免疫系の活性化は,過剰になると,慢性炎症性腸疾患の発症につながることも明らかになった.そのため,自然免疫系の活性は様々なメカニズムで負に制御されている.その分子機構の一端として核に発現するIκB分子(Bcl-3, IκBNS)がTLRを介したサイトカイン産生を選択的に抑制していることが明らかになった.
著者
安藤 智信
出版者
大谷学会
雑誌
大谷学報 (ISSN:02876027)
巻号頁・発行日
vol.50, no.4, pp.28-46, 1971-03
著者
長谷川 武光 鳥居 達生
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.26, no.6, pp.985-993, 1985-11-15
被引用文献数
1

緩減少かつ定符号の関数にf(x)に対する無限援動積分J(a ∞)=∫^^∞__af(x) cosωx dx (∫^^∞__af(x) sinωx dx)に対する自動積分法を示す.この積分は符号が交代する無限級数の形で表されるが その収束が非常に遅いので困難な問題とされている.収束を速めるため Sidiの一般化リチャードソン補外法を加速法として適用する.カロ速の入力数列は関数f(x)のチェビシェフ展開を利用して不定積分J(a x)を求めておくことにより能率的に計算されるこのとき3項漸化式の最小解を安定に求める算法が効果的に利用される.数値例によって本自動積分法が能率の高い方法であることが示される.
著者
N. シャガラジャ 細野 明義
出版者
日本酪農科学会
雑誌
酪農科学・食品の研究 (ISSN:03850218)
巻号頁・発行日
vol.43, no.1, pp.A-1-A-6, 1994 (Released:2015-10-31)
参考文献数
13

“イドゥリ”は南インドにおいて主食的に食べられている伝統的発酵食品である。米粉, 黒ヒヨコマメの粉を捏ね合わせ, 一夜自然発醇させ, バター (batter) が2ないし3cmに膨らんだ段階で発酵を停止させ, それを蒸して食べる蒸しパン様食品である。発酵には乳酸菌が関与し, 発酵によって特有の発酵臭と酸味が醸成される。発酵に関与する乳酸菌は人為的に接種するのではなく, 材料に混入した乳酸菌によって発酵が行われる。しかし, 混入乳酸菌の菌叢はほぼ一定しており, ヘテロ発酵型乳酸菌やPediococcusが見出されるのが特徴である。 本総説ではイドゥリの製造時における細菌の変化と構成菌叢について述べると共に, 主叢をなす乳酸菌のアミノ酸分解物, スパイスそれにアフラトキシンに対する抗変異原性に関する最近の知見を中心にまとめたものである。
著者
飛永 浩一朗 南條 真奈美 野上 英二 小八重 明美 横田 美穂 河野 洋介 村井 史樹 高村 三富美 川村 浩 坪根 愛 押川 達郎 井手 睦
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.32 Suppl. No.2 (第40回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.C0945, 2005 (Released:2005-04-27)

【はじめに】体幹筋は脊柱の固定作用や安定化に重要な役割を持ち、特に姿勢保持に脊柱起立筋の筋持久力は大切である。それを評価する背筋の姿勢保持テストとしてKraus-WeberテストとSorensenのTrunk holdingテストが代表されるが、二者を比較した報告はみられない。今回、その姿勢保持時間と筋活動量について比較検討した。【対象】腰痛既往歴のない健常成人男性10名、女性10名を対象とした。平均年齢男性27.5±4.7歳、女性23.8±2.3歳であった。【方法】測定はMMT(腹筋と背筋)、SorensenのTrunk holding test(以下THT)とKraus-Weber test(以下KWT)で背筋群を測定する腹臥位の2方法(以下:体幹挙上テスト・下肢挙上テスト)を実施した。各テストにおける持続時間は各姿勢保持困難となるまでの時間を計測した。次にTHTと体幹挙上テストと下肢挙上テストの3方法において脊柱起立筋の筋活動量を求めた。筋電計にはNicolet社製VikingNT表面筋電計を用い、表面電極は第1・2腰椎棘突起間両外側3cmに貼り付け、各肢位の安定が得られた後の10秒間の積分筋電図から40m秒当たりの平均筋活動量を算出した。各被験者に対し測定を二回行い、再現性を確認した。統計学的処理には各運動の持続時間を比較するためt検定、THTと体幹挙上テストと下肢挙上テストの筋活動量の関係をみるためにPearsonの相関分析を用い、いずれも有意水準は5%とした。【結果】1)THTでは女性が男性より有意に持続時間が長かった(P<0.05)のに対して、体幹挙上・下肢挙上テストでは持続時間に有意な男女差は認められなかった。2)THTと体幹挙上・下肢挙上テストでの持続時間は男女とも有意にTHTの方が長かった(P<0.01)。平均筋活動量はTHT、下肢挙上テスト、体幹挙上テストの順に高い値を示した(P<0.01)。また、THTと体幹挙上テストもしくは下肢挙上テストの筋活動量の間に有意な相関が認められた。【考察】THTは背筋全体、体幹挙上テストは上部背筋、下肢挙上テストは下部背筋の筋持久力のテストである。今回の結果より持続時間が男女ともKWTよりTHTの方が有意に長かったこと、運動開始時の筋活動量はKWTの方がTHTより有意に高かったことの2点より、KWTよりTHTの方が背筋にかかる負荷は小さいことが推察された。さらに、測定肢位がTHTは静的保持姿勢であるのに対しKWTは動的保持姿勢であるため姿勢保持に必要とされる背筋以外の筋群の活動量は異なりそれらが姿勢保持時間に影響したと考えられる。つまり、同じ背筋の筋持久力評価であっても測定開始からの背筋への負荷量は異なり、評価している筋肉の量あるいは走行が違っていることが示唆されたと言えよう。今後は目的に応じて二種の評価法の使い分けを行っていきたい。
著者
菊池 絵梨子 下田 益弘
出版者
一般社団法人 日本小児腎臓病学会
雑誌
日本小児腎臓病学会雑誌 (ISSN:09152245)
巻号頁・発行日
vol.23, no.2, pp.85-91, 2010-11-15 (Released:2011-05-25)
参考文献数
5
被引用文献数
2 4

超音波断層法 (US) は,腎形態を評価する上で静脈性腎盂造影 (IP) に替わるファーストラインの検査となった。腎疾患には低形成腎を始めとして腎サイズの異常を呈する疾患が少なからず認められる。腎長径には年齢ごとの正常値が存在するが,静脈性腎盂造影 (IP) が汎用された時代には簡便な方法として同時に撮影される椎体の厚さとの比が用いられていた。今回われわれは,195名の腎尿路奇形を有さない児に対しUSを施行し,腎長径と身体的パラメータの関係を明らかとするとともに,USで同時に撮影したL4~5の棘突起間距離を用いた腎長径の評価法について検討した。結果,腎長径は身長と最も高い相関を示した。また,腎長径はおおむねL4~5棘突起間距離の4~6倍となることが示された。L4~5棘突起間距離はUSで容易に測定でき,変換式や身長別正常値表も必要としないことから,腎サイズを簡易的にスクリーニングする上で有用な評価法となる可能性がある。
著者
近藤 慶二 八木 保
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.112, 1994-02-01

浅野先生は昭和30年岡山大学医学部の卒業で,インターン修了後同第2内科(平木教授)に入局,33年からは米国スローン・ケタリング癌研究所に留学し約2年間腫瘍酵素学を学び教室に帰っている.もっぱらアイソザイムについて癌診断面の研究をし,また胃の血流や膵疾患とアミラーゼの関係などで後輩の指導にもあたっていた. 昭利42年岡山市民病院の内科部長,51年院長となり老朽化した病院を今のような立派な近代的な病院にした人でもある.
著者
苅谷 愛彦 高岡 貞夫 齋藤 めぐみ
出版者
専修大学自然科学研究所
雑誌
専修自然科学紀要 (ISSN:03865827)
巻号頁・発行日
vol.51, pp.1-10, 2020-03-05

北アルプス南部・上高地西方の「西穂池」は,第四紀花崗閃緑岩の岩盤重力変形で生じた主稜線上の線状凹地に存在する小規模な水域である.西穂池を擁する線状凹地の地形発達過程および環境変化にかかわる議論に資する目的で,線状凹地底部においてハンドオーガーによる掘削を行った.その結果,長さ(深さ)210cmに達するほぼ連続的な柱状コアの回収に成功した.このコアから7点の[14]C年代試料と3点のテフラ試料を採取し,年代モデルの構築や示準面の挿入を試みた.西穂池の周辺では4200cal BPころまでに凹地が形成された可能性があり,3500cal BPころ以降に植生が侵入して腐植や泥炭の集積が現在まで続いている.このコアは過去4200年間以上の斜面変動や植生変遷を論じるための重要な資料となる.