著者
長谷川 秀樹
出版者
千葉大学大学院社会文化科学研究科
雑誌
千葉大学社会文化科学研究科研究プロジェクト報告書 (ISSN:18817165)
巻号頁・発行日
no.85, pp.17-23, 2002-03

千葉大学社会文化科学研究科研究プロジェクト報告書第85集『新しい地域文化の形成』所収
著者
長谷川 聡 大島 洋平 宮坂 淳介 伊藤 太祐 吉岡 佑二 玉木 彰 陳 豊史 伊達 洋至 柿木 良介
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2011, pp.De0029, 2012

【はじめに、目的】 生体肺移植は,健康な二人の提供者(ドナー)がそれぞれの肺の一部を提供し,これらを患者(レシピエント)の両肺として移植する手術である.生体肺移植ドナーは肺の一部をレシピエントに提供することで呼吸機能が低下することは知られているが,手術における呼吸器合併症の発症や術後の呼吸機能,運動耐容能および健康関連QOLの中期的経過に関する報告は世界的にもあまりみられない.本研究の目的は,生体肺移植ドナーが手術を受けることによる術後の呼吸機能および身体機能,生活の質に与える影響を明らかにし,本手術施行におけるドナーの予後を検証することである.【方法】 2008年6月から2010年12月までの期間に当院で施行された生体肺移植術におけるドナー28名(男性9名、女性19名)を対象とした.尚,全症例に対して,術前後のリハビリテーションを実施した.術後の短期成績として,術後呼吸器合併症の発症を検証した.さらに,呼吸機能の評価として,術前, 3ヶ月,6ヶ月に努力性肺活量(以下FVC),1秒量(以下FEV1),肺拡散能(DLCO)を測定した.また,術前,術後1週,3ヶ月における6分間歩行距離(以下6MWD),および咳嗽時疼痛をNumerical Rating Scale (NRS)を用いて測定し,術後経過を検証した.手術における健康関連QOLに与える影響を検証するために,術前,術後3ヶ月,6ヶ月にMOS 36-item Short Form Health Survey (SF-36)を用いてQOL評価を行なった.測定値の各評価時期における平均値を算出するとともに,反復測定一元配置分散分析およびScheffe's法による多重比較検定を用い,各時期における平均値の比較を行なった.統計学的有意水準は危険率5%未満とした.【倫理的配慮、説明と同意】 対象者には口頭および文章にて本研究の主旨および方法に関するインフォームド・コンセントを行い,署名と同意を得ている.本研究はヘルシンキ宣言に沿った研究であり,京都大学医学部医の倫理委員会の承認を得ている.【結果】 術後呼吸器合併症(肺炎・無気肺)の発生症例は無かった.FVCは,術後3ヶ月,6ヶ月においてそれぞれ術前の79.4±6.4%,86.1±7.0%の回復であった.FEV1は,術後3ヶ月,6ヶ月においてそれぞれ術前の81.8±7.8%,85.7±9.7%の回復であった.DLCOは,術後3ヶ月,6ヶ月においてそれぞれ術前の80.0±1.0%,85.2±9.7%の回復であった.呼吸機能は,術後3ヶ月において有意に低下しており,術後6ヶ月経過しても完全には回復しなかった.術後3ヶ月における6MWDは,術前の101.2±7.7%まで回復し,咳嗽時疼痛はNRSで0.4±1.1とほぼ消失し,術前と比較して統計学的な差を認めなかった.QOLに関しては,SF-36の下位尺度は,術後3ヶ月では十分に改善せず,術後6ヶ月では,全項目で国民標準値を超えていたが,術前の得点にまでには改善しない項目がみられた.【考察】 呼吸機能は術後6ヶ月の時点においても術前と比較して機能低下は残存するものの,切除肺区画量から算出される予測機能低下よりもはるかに良好な値であった.運動耐容能は術後1週で,呼吸機能の回復よりも高い回復率を示し,術後早期から良好であり,さらに術後3ヶ月の時点で術前レベルに回復することが明らかとなった.これらの結果より,ドナーは少なくとも術後3ケ月経過すれば,呼吸機能低下の残存に関わらず,運動耐容能の結果からも術前の生活レベルには復帰できるが,健康関連QOLの観点からみるとまだ不十分であり,6ヶ月経過してもQOLの改善は完全ではないことが示唆された.本研究の結果より,術前後のリハビリテーションを実施した生体肺移植術ドナーは,術後呼吸器合併症を発症することなく,安全に術前の運動耐容能を取り戻すことが出来るが,健康関連QOLは術後半年経過しても完全には回復しておらず,継続的かつ包括的な治療介入が必要であることが示唆された.【理学療法学研究としての意義】 生体肺移植手術は,脳死肺移植手術とともに,難治性の呼吸器疾患患者の生命予後を改善する非常に有用な先端医療であり,本邦においても今後様々な施設において手術施行例が増加すると思われる.レシピエントに対するリハビリテーションにおける臨床研究は,無論,重要であるが,ドナーに関しても,臨床研究を進めるとともに,手術における身体機能やQOLへの影響を検証し,我々理学療法士がエビデンスに基づき適切に介入していく必要がある.本研究はこのような新たな視点を示した点で意義深く,重要な研究である.
著者
安田 秀幸 野北 和宏
出版者
一般社団法人 軽金属学会
雑誌
軽金属 (ISSN:04515994)
巻号頁・発行日
vol.71, no.1, pp.22-29, 2021-01-15 (Released:2021-02-15)
参考文献数
35

This paper proposes a technique for evaluating the nucleation sequence and grain refinement phenomena during solidification of a metallic alloy. Time-resolved and in-situ transmission imaging using a monochromatized X-ray in a synchrotron radiation facility, SPring-8, showed wave-like nucleation events, in which nucleation sequentially occurred along the temperature gradient, in an Al-4mass%Si alloy with addition of TiB2 (Al-3mass%Ti-1mass%B alloy). The position and time of nucleation events were measured to analyze the nucleation wave. The wave motion, which was calculated from the measured data, was used to evaluate the difference of nucleation temperature for each dendritic grain from the wave front. The standard deviation of the temperature difference in the Al-4mass%Si alloy with TiB2 particles was evaluated to be as small as 0.25 K. The addition of TiB2 reduced the standard deviation to more than one tenth. This study shows that the dispersion or the standard deviation is a representative figure for evaluating the potency of nuclei.
著者
湯上 良
出版者
国文学研究資料館
雑誌
国文学研究資料館紀要 = The Bulletin of National Institure of Japanese Literature Archival Studies (ISSN:18802249)
巻号頁・発行日
no.13, pp.51-60, 2017-03-16

現在、イタリアの国有アーカイブズは、各地の国立文書館に移管され、非国有アーカイブズに関しても、各地の文書保護局が所在調査や監視、保護のための助言や災害時の救助などを行っている。すなわち、公文書・私文書を問わず、保存や保護、公開の体制が整備されていると言える。 イタリア統一当初からアーカイブズの重要性が認識されていたが、長く複雑な歴史的背景をもつため、非国有アーカイブズの保護に関しては、私有権の問題も絡み、困難な状況にあった。統一から半世紀が経過した時期に、非国有アーカイブズを取り巻く状況が危機ものとなり、学界や教育の分野から徐々に改善に向けた取り組みがなされていった。 ファシズム体制末期に、国が非国有アーカイブズに対しても公的保護を行う機関を創設する法律が成立し、体制が整備されたが、具体的な施策の実施が困難であった。しかしこの法律は、逆説的ではあるが、体制崩壊後のアーカイブズの散逸や廃棄を防ぐのに一定の役割を果たした。 戦後、非国有アーカイブズの保護における所有者と国との関係は、協調的な形に変化した。許可のない廃棄等には厳しい姿勢を取りつつも、保護に前向きな所有者に対しては、保存処置にあたっての税制の優遇措置や、財政的な助言を与えるなど、権利と義務を通じた形で非国有アーカイブズの保護に国が積極的に関与した。その結果、豊かなアーカイブズ遺産が現代に受け継がれているのである。State-owned archives in present-day Italy are kept in a number of National Archives (Archivi di Stato) located throughout the country, while the location and supervision of non-state-owned archives are managed by the Superintendence of Archive (Soprintendenza Archivistica), likewise located throughout the country, which furthermore offer advice for preservation, and rescue archives in case of natural disasters. In this way, both public as well as private archives are preserved, protected, and made accessible to the public.The importance of archives was already recognized right after the Italian unification. Due to a number of complex historical circumstances, non-state-owned archives remained in a precarious state, exacerbated by issues of private ownership. Some fifty years after the unification of Italy, the fate of non-state-owned archives became all the more ominous, leading academic and educational institutions to begin activelyformulating strategies to ameliorate the situation.Around the end of fascist rule (1922-1943), the Italian government created laws for the establishment of public institutions aimed at preserving non-state-owned archives. The actual establishment of these institutions, however, was fraught with much difficulty. These laws served to prevent a number of archival documents from being scattered or lost after the fall of the fascist regiment.After the war, the relationship between the nation and the owners of non-state-owned archives became one of mutual cooperation: discarding archived material without permission became a serious offense; the government attempted to assist the owners of these archives by offering tax exemptions to defray some of the costs for preserving these documents, as well as offering financial advice. The Italian government strives to fulfill its duty to protect non-state-owned archives by ensuring the rights of their owners. It is thanks to such efforts that Italy is now blessed with such a rich array of archives.
著者
湯上 良
出版者
日本アーカイブズ学会
雑誌
アーカイブズ学研究 (ISSN:1349578X)
巻号頁・発行日
vol.28, pp.30-42, 2018-06-30 (Released:2020-02-01)

本稿の目的は、イタリア半島内の旧体制国家で作成された膨大な文書遺産をどのような人材の育成の仕組みと方法を通じて継承しようとしていたのか、明らかにすることである。特に文書管理の専門家であるアーキビストに求められる能力や選抜の方法、学校組織の変遷や教育、そして20世紀初頭の代表的なアーキビストを通じて、アーカイブズ理論の発展について明らかにする。元々、古文書読解を主とした目的として、各地に古文書学校が設立された。しかし、アーキビストの職務が専業化するにつれ、求められる能力も高度化し、資格を取得するための門戸も狭められていった。一方で、アーカイブズ学を幅広い視点から高度に理論化し、実践的な能力を養うため、大学にも講座が設けられた。
著者
千葉 茂 田村 義之
雑誌
カレントテラピー (ISSN:02878445)
巻号頁・発行日
vol.22, no.7, pp.678-683, 2004-06

雑誌掲載版臨床の第一線においては,主な診断名を念頭に置いた「睡眠時の異常現象の診断フローチャート」に従って鑑別診断を進めるとよい.このフローチャートでは,1)原因薬剤,2)原因となる基礎疾患,3)大きないびき,無呼吸,あえぎ声,4)下肢のぴくつき,5)尿失禁,6)覚醒後の寝ぼけ,7)徘徊,暴力的行動,8)寝言,叫び声,大声,9)悪夢,10)発作性の不安などが重視されている.睡眠中の訴えについては診療場面では軽視されやすいが,むしろ医師の側からその訴えについて積極的に尋ねていくことが正確な診断につながる
著者
田中 いずみ
出版者
富山大学医学会
雑誌
富山大学医学会誌 (ISSN:18832067)
巻号頁・発行日
vol.19, no.1, pp.35-40, 2008-12

目的:本研究の目的はリハビリテーションを行う精神疾患患者の事例から,どのような状況でエンパワーメントとディスエンパワーメントが起こるのかを明らかにすることである。研究方法:総合病院の精神科外来でSSTを行っている,統合失調病型障害の患者,男性,28歳であった。データ収集について面接法,観察法の他に,診療録を資料として用いた。分析方法には生活史法を援用し,事例研究を行った。結果:ディスエンパワーメントが起こった局面では,それに関わる状況として〔病気の苦しみ〕〔生活の困難さ〕〔病気の認めがたさ〕〔孤立した状況〕が見出された。エンパワーメントが起こった局面では,それに関わる状況として〔看護師とのつながり〕〔病気の苦しみ〕〔病気の認めがたさ〕〔家族との絆〕〔目標の設定〕〔SSTへの参加〕〔SSTメンバーとの対話〕〔問題の意識化〕〔情報の選択〕〔行動の拡大〕〔対処能力の向上〕が見いだされた。
著者
多田羅 光美 國方 弘子
出版者
日本保健科学学会
雑誌
日本保健科学学会誌 (ISSN:18800211)
巻号頁・発行日
vol.16, no.1, pp.5-13, 2013-06-25 (Released:2017-10-27)
参考文献数
19

研究目的は,精神障がい者の希望を引き出す精神科看護職の看護活動の構造(希望を引き出す看護活動)について,構造方程式モデリングを用いて,その構成概念を概念上の一次元性ならびに外的基準との関連から明らかにすることである。方法は,単科精神科病院に勤務する看護職95名を対象に,属性と希望を引き出す看護活動調査票を用いた。希望を引き出す看護活動は3下位概念をもち,3下位概念を反映する80項目からなる調査票を作成した。80項目の項目削減をした後,残った項目を用いて,3下位概念を一次因子,希望を引き出す看護活動を二次因子とする二次因子モデルを仮定し,モデルのデータへの適合度を確証的因子分析で検討した。また,経験年数と希望を引き出す看護活動との関連を検討した結果,精神科看護職経験年数と希望を引き出す看護活動は低い正の関連を示した。
著者
北野 守人 吉部 亮 野間 靖弘 平塚 哲晃 望月 武
出版者
社団法人 日本理学療法士協会関東甲信越ブロック協議会
雑誌
関東甲信越ブロック理学療法士学会 (ISSN:09169946)
巻号頁・発行日
vol.30, pp.216, 2011

【はじめに】<BR>平成21年 全国高等学校野球選手権大会 東・西東京大会(以下夏季大会)からメディカルサポートチームは東京都高等学校野球連盟(以下都高野連)の依頼により「大会期間中の高校野球選手のコンディショニング、スポーツ障害予防の啓発を図る」ことを目的に発足した。そこで、東京都での高校野球メディカルサポートの活動内容と結果を報告し、今後の課題を考察する。<BR><BR>【対象と内容】<BR>夏季大会は準々決勝以降の14試合(2会場)、春季東京都高等学校野球大会(以下春季大会)・秋季東京都高等学校野球大会(以下秋季大会)は準決勝以降の3試合(1会場)に出場した選手を対象に実施した。理学療法士4名はベンチ裏で待機しチームからの依頼や傷害発生時等の必要と判断した場合にサポートを行なった。その内容は、アイシング・コンディショニング・テーピング・今後の指導・急性外傷への応急処置等であった。平成22年 夏季大会準決勝から看護師1名が参加し、救護室で主に観客に対し熱中症や傷害発生時等にサポートを行なった。また、後進育成のため理学療法養成校から学生助手を採用している。実際に行なったサポート内容は全て記録用紙に記載し、大会ごとにメディカルサポート報告書を作成し都高野連に提出した。<BR><BR>【結果】<BR>2年間における理学療法士の総サポート件数は、36試合で167件(平成21年 夏季大会 16試合 36件、平成22年 春季大会 12件、平成22年 夏季大会 88件、平成22年 秋季大会 31件)であった。サポートで多い順は、アイシング80件、コンディショニング42件、テーピング・今後の指導17件。1試合平均は約5件であった。部位別のサポートでは上肢が約47%、下肢が約44%、頭部・頚部・体幹が約9%であった。また、看護師の対応件数は熱中症35件、外傷7件、救急搬送7件であった。<BR><BR>【考察と今後の課題】<BR>夏季大会において、メディカルサポート実施件数が前年の2.4倍に増加した。これは、都高野連の広報活動や前年度の実績に加え、夏季大会の抽選会前に実施した理学療法士による公演活動などがメディカルサポートの認知向上に寄与したと考えられる。今後更にメディカルサポートを浸透させるため、大会期間中だけではなく大会に向けたコンディショニング・障害予防へ、より深く関われるよう年間を通じて啓蒙活動を行うことが重要である。また、部位別のサポート結果から上肢へのサポートが多く、今後も競技特性に沿ったスポーツ障害への研鑽継続のためメディカルサポートチーム内での情報交換・講習会を行なっていく。よって、高校野球選手のコンディショニング・スポーツ障害予防のため都高野連・指導者・審判団・メディカルサポートチームが更に協議し、組織的な医療連携を構築し協動で選手のサポートをしていくことが重要である。
著者
新庄 直樹 Shinjo Naoki
出版者
宇宙航空研究開発機構
雑誌
宇宙航空研究開発機構特別資料: 航空宇宙数値シミュレーション技術シンポジウム2003論文集 = JAXA Special Publication: Proceedings of Aerospace Numerical Simulation Symposium 2003 (ISSN:1349113X)
巻号頁・発行日
vol.JAXA-SP-03-002, pp.48-52, 2004-03-25

The PRIMEPOWER HPC is a new Fujitsu HPC server, which combines the vector parallel processing technology of the VPP Series with the symmetric multi-processor (SMP) technology of the PRIMEPOWER UNIX server. The PRIMEPOWER HPC enables an SMP node configuration consisting of up to 128 high-speed (5.2 GFLOPS) scalar CPUs to be built. As up to 128 processing nodes can be crossbar-connected via a high-speed optical interconnection unit, the maximum configuration of the parallel multi-node system attains a logical performance of 85.2TFLOPS and 64 Tbytes of main memory. Features for high performance include high-speed CPUs, high-speed (133 gigabytes per second) snoop performance, and a barrier synchronization unit, while features for high reliability include redundancy of the node crossbar switch units and partitioning. This paper describes the parallel processing method and hardware features of the PRIMEPOWER HPC.
著者
渡邊 玲 三末 和男 田中 二郎
雑誌
研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI)
巻号頁・発行日
vol.2015-HCI-162, no.21, pp.1-8, 2015-03-06

木構造の可視化手法である Treemap は大規模なデータを空間的に効率良く表すことが出来る.しかしながら,Treemap は可視化手法として必ずしも普及していないため,人によっては表現された情報を読み取ることができない.読み方の解説にも一定の時間を要するため,一般の人に向けたプレゼンテーション等では使用しにくいという問題がある.このような問題に対して,我々は Treemap を短時間で解説する手法の開発を目指している.短時間での解説を実現するために,よく知られた木構造の可視化手法であるノードリンクダイアグラムと Treemap をアニメーションで対応付けることにした.アニメーションは,ひとつの固定されたデータを表現するものではなく,ユーザデータによるテイラーメイドを可能にした.開発した解説手法の有用性を評価するために,静的なテキストによる解説との比較実験を実施した.現時点では,アニメーションの有効性を示す客観的な結果は得られなかったが,被験者の主観的評価では若干の優位性が見られる.今後被験者数を増すことで,より明確な結果が得られるものと期待している.
著者
最上 洋[作詞]
出版者
ビクター
巻号頁・発行日
1936
著者
辻本 綾子 辻本 義和
出版者
日本ペット栄養学会
雑誌
ペット栄養学会誌 (ISSN:13443763)
巻号頁・発行日
vol.22, no.Suppl, pp.suppl_37-suppl_39, 2019-06-30 (Released:2019-07-24)
参考文献数
2

糖尿病の猫には炭水化物を制限した高蛋白・低炭水化物食を処方するが、基礎疾患や併発疾患を有する場合があり、その際にはそれらに対する食事療法を優先すべきであるとされている。しかし腎臓病用療法食は低蛋白食で脂質と炭水化物の割合を増やしており、理論上は血糖値が増加しやすい組成となっている。従って一般的にはインスリン投与量は増量した方が良いと推察されるが、今回、腎臓病用療法食に変更し十分な水和をしたことで、血糖値が上手くコントロールできるようになり、インスリン投与量を減量できた猫の2症例を報告する。
著者
高杉 美佳子 加藤 雅子 前田 典子 島田 和子
出版者
公益社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.57, no.3, pp.121-127, 2010-03-15 (Released:2010-05-01)
参考文献数
32

14種の乾燥ハーブ熱水抽出物のヒスタミンおよびロイコトリエン(LT) B4放出抑制作用,DPPHラジカル消去活性,デオキシグアノシン酸化阻害活性を検討し,ポリフェノール量およびフラボノール類量を定量した.ペパーミント,ローレル,バジル(F),ローズマリーは,ラット腹腔細胞からのヒスタミンの放出を50%以上抑制し,ポリフェノール量の多い乾燥ハーブ熱水抽出物ほどヒスタミン放出量が低下する傾向が認められた.また,タイム,スペアミント,マジョラム,セージ,オレガノ,ペパーミント,タイム(F),ローズマリー(F),ローズマリーは,LTB4の放出を約50%以上抑制した.ヒスタミンおよびLTB4放出を抑制した乾燥ハーブ熱水抽出物には,ポリフェノールが多く含まれ,DPPHラジカル消去活性およびデオキシグアノシン酸化阻害活性が高い傾向が認められた.この結果は,ハーブ熱水抽出物によるヒスタミンおよびLTB4放出抑制作用では抗酸化作用を有するポリフェノール類が関与している可能性を示唆しており,その作用機序の一つとして,ラジカルの消去が考えられる.