著者
大喜多 紀明
出版者
大妻女子大学人間生活文化研究所
雑誌
人間生活文化研究 (ISSN:21871930)
巻号頁・発行日
vol.2017, no.27, pp.1-13, 2017-01-01 (Released:2020-04-02)
参考文献数
15

本稿では,スタジオジブリが製作した長編アニメーション作品『崖の上のポニョ』に関する構造分析を行った.本稿の検証によれば,当該作品は,裏返し構造により構成された2編の異郷訪問譚が接合した構造であることが確認できた.
著者
守屋 誠司 加藤 卓 進藤 聡彦
出版者
一般社団法人 数学教育学会
雑誌
数学教育学会誌 (ISSN:13497332)
巻号頁・発行日
vol.57, no.3-4, pp.211-219, 2016 (Released:2020-04-21)

割合問題解法のツールとしてのボックス図(乗除数量関係図)の効果を調査した。これは従来の2本数直線表現に比べて,「基になる割合である1」,「基になる量」,「比べられる量」,「比べられる量の割合」の4つの関係が,視覚的に明示できる特徴をもつ。このボックス図を用いて,割合を未習の5年生2名に対して5時間の教授介入を行った。その結果,ボックス図自体の使用は比較的容易であり,それを用いることで割合の文章題にも正しく立式できるようになることが示唆された。さらに,全国学力・学習状況調査問題の算数B問題として出題された正答率が著しく低い問題にも,正答することができた。
著者
高橋 秀幸 宮沢 豊
出版者
東北大学
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
2007

MIZ1遺伝子に関して、MIZ1-GFP融合タンパク質を発現するシロイヌナズナ形質転換植物体の作出を行い、miz1変異を相補する系統を得た。これを用いMIZ1-GFP融合タンパク質の発現部位および細胞内局在を解析した結果、根においてMIZ1-GFPは水分屈性に必須の役割を果たすと考えられるコルメラ細胞とその周縁部、ならびに屈曲部位の皮層細胞の細胞質に存在することが明らかになった。さらにMIZ1の機能解明を進めるために、MIZ1過剰発現系統を作出して、その表現型を解析した結果、MIZ1遺伝子発現レベルの改変により水分屈性能の亢進がもたらされることが示された。また、miz2の変異原因遺伝子がARF-GEFをコードするGNOMであることを明らかにし、他のgnom変異体との比較解析から、水分屈性の発現にはGNOMのGEF活性が必要であること、水分屈性は重力屈性と比べGNOM機能の要求性がより高いことを明らかにした。これに加え、ヒメツリガネゴケに見いだされるMIZ1相同遺伝子の解析を行った。その結果、ヒメツリガネゴケゲノム上にはMIZ1相同遺伝子は3つ存在し、それぞれPpMIL1-3と名付け、それらの発現を確認した。また、シロイヌナズナMIZ1では見いだされないイントロンが、ヒメツリガネゴケにおいてはMIZドメインコード領域に近接した5'側に存在すること、miz1で変異の生じていたグリシン残基は、PpMIL1-3のいずれにおいても保存されていることもわかった。また、PpMIL1およびPpMIL2のノックアウト個体の作出に成功した。さらに各PpMILsがシロイヌナズナmiz1変異を相補するかを明らかにするためのコンストラクションを行った。
著者
北見工業大学 広報誌編集委員会
出版者
北見工業大学
雑誌
北見工業大学広報誌 オホーツクスカイ
巻号頁・発行日
no.27, pp.1-23, 2018-05

◆LS北見銅メダル獲得おめでとうございます!笑顔と感動をありがとう! 2鈴木夕湖選手(LS北見)に特別栄誉賞を授与◆鈴木総一郎新学長就任 5◆[特集]社会へはばたく学生 6~データで見る就職状況~◆研究広報シリーズ〈21〉 11ロボット工学~技術とその可能性~◆特別企画 16オホーツク地域と環境 Part2◆科研費研究紹介・3 18◆誌上公開講座・22 19社会インフラ整備から防災、環境 Part2 ―北見工業大学の取り組み―◆新学科スタート企画 22・金出武雄先生特別後援会◆諸報 23

1 0 0 0 OA 3. 骨格筋

著者
岩部 真人 山内 敏正 門脇 孝
出版者
一般社団法人 日本糖尿病学会
雑誌
糖尿病 (ISSN:0021437X)
巻号頁・発行日
vol.56, no.7, pp.413-416, 2013 (Released:2013-08-08)
参考文献数
5
著者
久枝 和昇 高山 弘太郎 仁科 弘重 東 幸太 有馬 誠一
出版者
日本生物環境工学会
雑誌
植物環境工学 (ISSN:18802028)
巻号頁・発行日
vol.19, no.1, pp.19-26, 2007 (Released:2008-04-02)
参考文献数
11
被引用文献数
2 3

We have been conducting research on the improvement of productivity in large-scale greenhouse tomato production. One of the factors that largely influence the tomato productivity is the rate of CO2 fixation by photosynthesis. The amount of CO2 fixed by the whole plant canopy varies considerably and is known to depend on canopy structure.To date, few studies have analyzed photosynthesis in plant canopies within the context of improving productivity for large-scale tomato production. Consequently, obtaining data and developing analytical methods that are relevant to production is important.The present study investigated the rate of photosynthesis within a plant canopy and the vertical distribution of the amount of CO2 fixed by plants with the aim of increasing CO2 fixation and yield. This was done by analyzing the photosynthetic rate in individual leaves, examining plant canopy structure and measuring light intensity within the plant canopy.It was found that the leaves located in the upper parts of canopies were exposed to higher light intensities, experiencing light saturation and had higher rates of photosynthesis at the point of light saturation than leaves in the middle and lower parts of the plant. It was assumed that this was due to the occurrence of senescence and the development of shade-leaf characteristics in the leaves of the lower parts of the plant. The results implied that removal of the leaves under 150 cm or farther from the apical meristems could increase CO2 fixation and productivity of the plant canopy.The analytical methods developed in the present study can be applied to assess the efficacy of seasonal management methods such as cropping patterns, utilization of lateral buds, and leaf thinning, for maximizing yields.
著者
松田 陽介
出版者
日本菌学会
雑誌
日本菌学会大会講演要旨集 日本菌学会第52回大会
巻号頁・発行日
pp.20, 2008 (Released:2008-07-21)

森林生態系に生育する多種多様な植物の根系には,菌根菌と呼ばれる土壌菌が定着しており,個々の宿主植物-菌根菌の間で菌根共生系を構築している.さらに隣接する植物個体間においても,菌根菌の菌糸の繋がり,いわゆる菌根菌ネットワークの構築が示唆されはじめている.本発表では森林生態系における菌根菌ネットワークの実態を明らかにするため,演者らがこれまでに調査してきた菌根共生系を概観し,土壌中における菌根菌の菌糸の繋がりとそれに関わる菌根菌について紹介する.森林の林冠を構成するモミを対象として,10×30 mのプロット内に生育する成木とその実生に形成された菌根の種類とその形成に関わる菌の分類属性を調べた.いずれの根系にも外生菌根が形成され,数十種の菌根菌の定着が示唆された.成木,実生ともに最優占する種はベニタケ属の一種であった.2次林に生育するキンランを3調査地から7個体,ギンランを2調査地から3個体採取した.それらの根には典型的なラン菌根が形成されており,キンランの菌根形成率は14%から63%,ギンランのものは57%から68%であった.菌根から得られた菌由来の塩基配列はキンラン4個体がイボタケ科,3個体がロウタケ科,ギンラン3個体はイボタケ科と最も類似していた.無葉緑性であるギンリョウソウを採取し,その根を観察した.いずれの個体にも,モノトロポイド菌根の形成が確認された.さらにその形成に関与する菌は,ベニタケ属,チチタケ属に属するベニタケ科,さらにイボタケ科に属するものと示唆された.二次林の林床に生育するイチヤクソウの根系を観察した.それらには採取時期を問わず,アーブトイド菌根の形成が確認されたが,菌鞘の形成は確認されなかった.この菌根の形成に関与する菌の特定は現在進行中である.これまでに得られた上記の植物の定着に関与する菌群は,いずれも外生菌根菌に属している.以上のことから,異なる菌根タイプを形成する植物群であっても,類似の菌根菌群の定着の関与が考えられた.これらのことを踏まえ,菌根菌ネットワークの生態的な意義について過去の関連研究も踏まえて議論したい.
著者
朝比奈 正二郎
出版者
東京昆蟲學會
雑誌
昆蟲
巻号頁・発行日
vol.45, no.3, pp.433-434, 1977
著者
RAPER K B
雑誌
J. Agricul. Res.
巻号頁・発行日
vol.50, pp.135-147, 1935
被引用文献数
1
著者
植松安太郎著
出版者
創樹社
巻号頁・発行日
1977
著者
柴田 奈緒美 小倉 あい 高原 啓也
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集 平成29年度大会(一社)日本調理科学会
巻号頁・発行日
pp.178, 2017 (Released:2017-08-31)

【目的】落し蓋は少ない煮汁で味を全体に早く染み込ませ,煮崩れを防ぐ為,煮物調理にて有用である。本研究は肉じゃがを例とし,各種落し蓋での肉じゃがの仕上がりに及ぼす影響を検討した。更に,より簡易的で本格的な調理方法として2枚のクッキングペーパーにかつお節を挟んだ落し蓋(かつおぶた)の有効性も検討したので,併せて報告する。【方法】じゃがいも300g(50.9±2.79g/個),人参40g(10.1±0.24g/個),玉ねぎ100g(串切り),豚バラ肉100g(幅30mm)を油で炒めた後,だし汁と落し蓋をした状態で23分間煮込み,肉じゃがを調理した。落し蓋はリードクッキングペーパー(ライオン㈱製,以後,リード),木蓋,アルミホイル,対照として落し蓋を用いず加熱した方法(以後,開放)の計4種とした。調理後,じゃがいもと煮汁中のグルタミン酸量,塩分量および人参の破断強度を測定した。また,2枚のリードの間にかつお節6.0gを挟んだ落し蓋(以後,かつおぶた)を用いて調理したものと,顆粒だしとリードを用いて調理したものを対象とし,官能試験を行った。【結果】木蓋をした人参は他の調理法と比較し有意に柔らかくなったが(p<0.05),最も煮崩れをしていた。一方,開放の人参が最も硬く,じゃがいもの上部と下部の部分による濃度差があった。リードを使用すると,木蓋より人参は有意に硬くなるが,煮崩れが抑制されると共に,じゃがいもに呈味成分が均一に浸透していた。官能試験では,肉じゃがの香り・味のしみ込みが,かつおぶたを用いた方が顆粒だしより良い評価を得た。よって,かつおぶたは,別途だしをとる手間が省け,落とし蓋の効果も果たすことから,調理時間の短縮化・簡便化と共に美味しさを担保した肉じゃがを調理可能なことが示唆された。