著者
Koichi Watanabe Liu Yang Satoru Nakamura Takuya Otani Kenzaburo Mori
出版者
Meteorological Society of Japan
雑誌
SOLA (ISSN:13496476)
巻号頁・発行日
pp.2021-017, (Released:2021-04-21)
被引用文献数
3

Aerosol number concentrations and trace gases (SO2, O3, HCHO, and H2O2) were measured over Imizu City, Toyama Prefecture, Japan on August 5, 2020, from a helicopter. The concentrations of fine particles (0.3-0.5 μm) were high at ground level and at an altitude of approximately 1200 m due to the volcanic plume from Nishinoshima. However, concentrations of aerosol particles were low at an altitude of approximately 2400 m. The volcanic plume did not significantly affect the lower free troposphere. High concentrations of SO2 were also observed. The H2O2 concentrations (0.27-0.56 ppb) were much lower than those during previous observations in the summer (2.0-6.7 ppb) and significantly lower than the SO2 concentrations (1.8-3.3 ppb). The concentrations of HCHO (2.1-2.5 ppb) were higher than those of H2O2. The oxidation of S(IV) to H2SO4 in cloud water might have been suppressed over the studied area.
著者
小沢 修司
出版者
Japanese Council on Family Relations
雑誌
家族研究年報 (ISSN:02897415)
巻号頁・発行日
vol.42, pp.11-20, 2018-03-30 (Released:2019-03-13)
参考文献数
4

ベーシック・インカム(以下、BIと記す)の概略を説明したうえで、BI構想が登場する背景について、戦後「福祉国家」のもとでの社会保障制度が機能不全を起こしていること、なかでも「福祉国家」における社会保障制度が拠って立つ社会経済の基盤である雇用や家族の姿が変化してきたという背景があることを指摘し、雇用や家族の変化がどうしてBIを要求し、BIが家族をどのように変えるのか、を論じた。その際、今日税制改正で焦点化している所得控除方式の見直しと家族のあり方の関係に着目し、所得控除方式を維持しようとする税制改正に対して「社会保障と税の一体改革」の性格を持つBIが所得控除を廃止しようとすることの意義を論じた。
著者
勝又 正直
出版者
日本社会学会
雑誌
社会学評論 (ISSN:00215414)
巻号頁・発行日
vol.61, no.3, pp.294-306, 2010-12-31 (Released:2012-03-01)
参考文献数
41
被引用文献数
1 1

ある看護系学部の社会学教員の体験から次のような経験知が得られる.看護師は患者を人間として理解し,その理解に基づいて看護しようとする.この目的のために,看護学では他の学問のさまざまな概念を用いて,患者の問題を看護診断として分類している.さらに,看護理論家は他の学問のさまざまな理論を導入して看護を1つの人間学へと高めようとしている.医療社会学は,医療の世界,あるいは医療が社会においてはたす機能に焦点をあてている.それに対して,看護は,患者を理解し看護するために,患者が属している社会に関心をもつ.看護学生に必要なのは,患者を人間として理解するための,社会学的想像力である.その社会学的想像力は,特殊な応用社会学である医療社会学よりも,むしろ普通の元来の社会学によってより養われるのである.
著者
野島 和也 鈴木 愛 川原 睦人
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集A2(応用力学) (ISSN:21854661)
巻号頁・発行日
vol.67, no.2, pp.I_219-I_228, 2011 (Released:2012-04-06)
参考文献数
10

This paper presents a numerical study of the identification of parameters for the tidal fluctuation. Tides can be expressed in the sum of regular trigonometric function which is controlled by the movement of astronomical objects. This trigonometric function is called tidal constituents. In this research, the main four constituents (M2, S2, K1, O1) are treated. The parameters, which are identified, are the amplitude and the phase difference of the four constituents. The parameter identification is carried out based on the optimal control theory. In this research, the sensitivity coefficient method coupled with finite element method is applied. As numerical study, a parameter identification in Tokyo bay is carried out.

3 0 0 0 OA 編集後記

著者
星 博幸
出版者
名古屋地学会
雑誌
名古屋地学 (ISSN:13450514)
巻号頁・発行日
vol.83, pp.36, 2021 (Released:2021-03-06)
著者
喜馬 佳也乃 坂本 優紀 川添 航 佐藤 壮太 松井 圭介
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
日本地理学会発表要旨集 2018年度日本地理学会春季学術大会
巻号頁・発行日
pp.000328, 2018 (Released:2018-06-27)

1.はじめに 「聖地巡礼」とはアニメや漫画の舞台となった場所をファンが訪問するコンテンツ・ツールズムの一形態である.大石(2011)によると,こうした「聖地巡礼」行動の歴史は2002年に制作された『おねがい☆ティーチャー』に端を発し,この背景には情報を共有するためのインターネット,そして現地の写真とアニメの描写を比較するためデジタルカメラとHDDレコーダーといったデジタル画像処理技術の普及が必要であったとされる.2010年代以降,アニメや漫画といったサブカルチャーコンテンツの一般化が進展する中,SNSとスマートフォンの普及により,ますます情報の共有,発信が盛んとなってきている.これに伴い「聖地巡礼」行動も隆盛を極め,地域活性化の一資源として注目されるに至っている.本研究では,こうした「聖地巡礼」行動の一大訪問先となった茨城県大洗町において,そこを訪れる巡礼をファンの属性や訪問回数,訪問先などを分析し,「聖地巡礼」を行うファンの変化を明らかにする.2.大洗町とアニメ「ガールズ&パンツァー」 アニメ「ガールズ&パンツァー」は,架空のスポーツである戦車道に取り組む少女たちを描いた作品である.登場人物のほとんどを美少女キャラクターが占めるいわゆる「萌え」作品であると同時に,戦車といったミリタリー要素,そして「スポ根」と表現されうるストーリー展開を併せた点が特徴とされる.2012年10月から深夜帯で放送され,2015年には劇場版が上映された.2017年12月以降も劇場作品が制作され続けており,続編の多さからも人気作品であることが伺える. 大洗はこの作品の主人公の所属する高校が立地し,作中にもアニメ本編,劇場版ともに戦車による試合の会場として登場する.大洗町のマリンタワーやアウトレットといったランドスケープが登場する以外にも,市街地の商店街内を戦車が駆け巡るなど,広範囲にわたって描写される.作中の背景描写は実際の大洗町を詳細に描いたものであり,ファンを引き付ける要素となっている.3.大洗町を訪れるファンの分析 大洗町を訪れるファンのほとんどは男性であり,年齢は10代から50代まで幅広い.劇場版の放映後に大洗を訪問したというファンが半数以上を占めている.訪問地は訪問回数と一部相関関係が見られ,商店街はほぼ全員が訪れる一方,アウトレットやマリンタワーには来訪頻度が少ないファンが訪れる傾向にある.商店街はアニメに直接描写された場所であるが,来訪頻度が高いファンには行きつけの店や馴染みの店としての意味も付与され,アニメの舞台として特別な場所という意味付けから,日常の一部にシフトしていったものと捉えられる.ファンの男性たちを顧客として受け入れる商店街の態度は,村田(2000)の疎外する場所とは逆の状況が生まれているとも指摘でき,こうした受容の結果,「聖地巡礼」を契機とした移住者の存在も確認される.
著者
宮原 誠 三井 実 加藤 俊一
出版者
Japan Society of Kansei Engineering
雑誌
日本感性工学会論文誌 (ISSN:18845258)
巻号頁・発行日
vol.12, no.2, pp.327-333, 2013 (Released:2013-04-18)
参考文献数
7
被引用文献数
1

We have confirmed the fact that the sound quality of copied digital signal is, in some cases, better than the sound quality of the original CD”, then we have considered the concerned factors and characteristics to improve the sound quality. Since no sound quality measurement tool exist, discovered two objective key perceptual assessment phrases of losing “floating atmosphere in the air-like resonance” and losing “chest penetrating impression” (Appendix 1) are used for the evaluation of the sound quality. The improvement of sound quality is up to +3 in the 7-grade comparison scale.
著者
岡田 涼
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.56, no.4, pp.575-588, 2008-12-30 (Released:2013-02-19)
参考文献数
100
被引用文献数
4 5

近年, 友人関係の形成や維持を動機づけの観点から捉えた研究が増えてきている。しかし, これまでの友人関係研究との理論的な統合がなされていないため, 友人関係に対する動機づけという視点の独自性が明確ではない。本論文では, 友人関係研究と近年の動機づけ研究の知見とを統合し, 適応の支えとなる親密な友人関係が形成, 維持される過程を動機づけの観点から捉えるモデルを構築することを目的とした。最初に, 友人関係と適応や精神的健康との関連を示した知見を概観し, これまでの友人関係研究では, 親密な友人関係を築いているか否かの個人差が説明されていないことを指摘した。次に, 友人関係に対する動機づけを捉える概念を, 達成目標理論, 社会的目標研究, 社会的認知理論, 自己決定理論の観点から検討した。その後, 友人関係に対する動機づけを起点として, 適応の支えとなる親密な友人関係が形成, 維持されるプロセスを捉えるモデルを提唱した。このモデルから, 友人関係に対する動機づけ研究の独自性は, 適応の支えとなる親密な友人関係を築いているか否かの個人差を説明し得る点であることが示唆された。
著者
若松 祐三 中村 雄一 重信 隆彰 石山 重行 草野 健 前之原 茂穂
出版者
一般社団法人 日本農村医学会
雑誌
日本農村医学会学術総会抄録集 第57回日本農村医学会学術総会 (ISSN:18801749)
巻号頁・発行日
pp.314, 2008 (Released:2009-02-04)

〈緒言〉昨今の食事の欧米化、運動不足に伴い肥満人口が増加している。体脂肪率、BMIは肥満の判定に有効な手段だが、メタボリックシンドロームの病態基盤である内臓脂肪量評価との関係性を調べることにより、当センター検診CTにおける内臓脂肪量評価の基準(内臓脂肪の面積をcm2で表したものを「内臓脂肪量」と定義し内臓脂肪量100cm2未満 正常、100cm2以上150cm2未満 多い、150cm2以上 非常に多い)の妥当性を確認する。なお当センターでは平成19年1月よりMS診断の補助としてCTによる内臓脂肪測定を開始している。今回平成19年4月より1年間おける受診者の測定結果と体脂肪率、BMI、との関係について検討した。対象及び方法)平成19度人間ドック受診者11712名中 CTによる内臓脂肪測定を行った1631名(男性:1042名 女性:589名)を対象とした。使用機器は東芝製Asteion4、内蔵脂肪解析ソフトはN2システム Fat Scan、TANITA 身長体重計を使用した。臍の高さ、呼気時のCT撮影、Fat Scanで処理したCT断面図により腹壁の筋肉を境にして外側を皮下脂肪、内側を内臓脂肪とした。内臓脂肪の面積をcm2で表したものを「内臓脂肪量」と定義し内臓脂肪量が100cm2未満を_I_群、100cm2以上150cm2未満を_II_群、150cm2以上を_III_群とし、その3つの群と、体脂肪率、BMIとの関係を調べ、内臓脂肪量の至適基準を検討する。結果)内臓脂肪量をGold standardとしてBMI、体脂肪率を検討した。BMI正常者の内臓脂肪量の平均は82.148cm2標準偏差43.007、またBMI異常者では平均136.168cm2標準偏差55.560となった。体脂肪率正常者の内臓脂肪量の平均は男性102.871cm2標準偏差47.771、女性は54.377cm2 標準偏差29.894となった。体脂肪率異常者の男性の平均は144.199cm2 標準偏差57.423、女性は平均97.978cm2 標準偏差43.576となった。さらに男性の体脂肪率25%未満、女性の体脂肪率30%未満を体脂肪率正常者、それ以上を体脂肪率異常者とした場合、男性の体脂肪率正常者は_I_、_II_、_III_群それぞれ82.7%、61.4%、43.7%となり、女性の体脂肪率正常者はそれぞれ63.4%、16.3%、13.5%となっている。_I_群の場合でも体脂肪率異常者が存在し、また男性の内臓脂肪量100cm2以上の_II_,_III_群にも体脂肪率正常者が存在している。次に内臓脂肪量各群とBMIとの関係について検討した。BMI25未満を正常者、25以上を異常者とした場合、正常者は_I_群では79.7%で_II_群、_III_群になるとそれぞれ48.7%、26.3%と減少傾向にある。これは皮下脂肪などの全構成要素か含まれた為だと考えられる。 BMI、体脂肪率は、肥満の度合いを知る為の簡便な方法ではあるが、必ずしも内臓脂肪量を正確に反映してるとは言えない。内臓脂肪量の正確な測定法としては、CTがもっとも適していると思われる。さらにメタボリックシンドロームとの関連も検討して報告する。
著者
山垣 亮 木村 優佳 山崎 堯嗣
出版者
一般社団法人 日本質量分析学会
雑誌
Journal of the Mass Spectrometry Society of Japan (ISSN:13408097)
巻号頁・発行日
vol.69, no.2, pp.23-29, 2021-04-01 (Released:2021-04-15)
参考文献数
8
被引用文献数
1

We optimized the suppression method of peptide adsorption of neuropeptide Y (NPY) in the experimental tubes for the sensitive quantitative LC-MS analysis. A large peptide of Orexin-B and small tryptic digested bovine albumin (BSA) peptides suppressed effectively the adsorption of NPY in 35–50% acetonitrile with 0.1% trifluoroacetic acid aqueous solution. Orexin-B adsorbed on the experimental tubes competitively to NPY, and the tryptic digested BSA peptides suppressed the aggregation of NPY inducing the adsorption or the deposition of NPY on the tube in the solution.
著者
岡野 雄一 寺住 恵子 堀 耕太 加藤 陽一 大塚 尚実 山家 純一 桑原 謙 奥本 克己 井 清司
出版者
一般社団法人 日本外傷学会
雑誌
日本外傷学会雑誌 (ISSN:13406264)
巻号頁・発行日
vol.30, no.4, pp.444-449, 2016-10-20 (Released:2016-10-20)
参考文献数
7

外傷診療において出血は最大の致命因子であり, 特に四肢からの出血はpreventable deathの原因とされる. 熊本赤十字病院 (当院) では, 戦術的戦傷治療 (Tactical Combat Casualty Care ; TC3) の概念から, 2014年度よりドクターヘリに止血用タニケット (Combat Application Tourniquet®, 以下CAT®) を搭載し, 圧迫止血困難な四肢外傷例に対しCAT®を使用している. 今回CAT®使用例を調査し, その有効性について検討した. CAT®使用例は10例で, 全例CAT®使用にて止血でき, その後の再出血や合併症なく救命センターに搬送され, 全例転帰良好であった. 現場と救命センターでのRevised Trauma Score (以下, RTS) を比較した結果, 有意にRTSの改善がみられた (7.0±0.3 vs 7.6±0.2 ; p=0.021). CAT®は戦傷外傷用の止血帯であり, 小型で携行でき, 装着も簡便であるのが特徴である. 本研究にてRTSが改善したのは, CAT®の止血効果が高いことが要因の一つと考えられた. 今後はCAT®の周知と習熟が課題と考える. CAT®は止血効果が高く, 病院前救急診療に有用な器具である.
著者
中村 雅俊 長谷川 聡 梅原 潤 草野 拳 清水 厳郎 森下 勝行 市橋 則明
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.43 Suppl. No.2 (第51回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.0153, 2016 (Released:2016-04-28)

【はじめに,目的】頸部や肩関節の疾患は労働人口の30%以上が患っている筋骨格系疾患であると報告されている。その中でも,上肢挙上時の僧帽筋上部の過剰な筋収縮や筋緊張の増加は肩甲骨の異常運動を引き起こし,頸部や肩関節の痛みにつながると報告されている。そのため,僧帽筋上部線維の柔軟性を維持・改善することは重要であり,その方法としてストレッチングがあげられる。一般的にストレッチングは筋の作用と反対方向に伸ばすことが重要であると考えられている。僧帽筋上部線維の作用は肩甲骨の拳上・上方回旋と頸部伸展・反対側回旋・同側の側屈であるため,ストレッチング肢位は肩甲骨の拳上・上方回旋を固定した状態で,屈曲・同側回旋・反対側の側屈が有効だと考えられる。僧帽筋上部線維に対するストレッチングの効果を検証した報告は散見されるが,効果的なストレッチング肢位を検討した報告は存在しない。そこで本研究では,筋の伸長量と高い相関関係を示す弾性率を指標に,僧帽筋上部線維の効果的なストレッチング肢位を明らかにすることを目的とした。【方法】対象は上肢に神経学的及び整形外科的疾患を有さない若年男性16名の非利き手の僧帽筋上部線維とした。先行研究に従って,第7頚椎と肩峰後角の中点で,超音波診断装置(SuperSonic Imagine社製)のせん断波エラストグラフィー機能を用い,弾性率を測定した。弾性率測定は各条件2回ずつ行い,その平均値を解析に用いた。弾性率は筋の伸張の程度と高い相関関係を示すことが報告されており,弾性率が高いほど,筋は伸張されていることを意味している。測定肢位は,座位にて肩甲骨の挙上・上方回旋を徒手にて固定した状態で対象者が痛みを訴えることなく最大限耐えうる角度まで他動的に頸部を屈曲,側屈,屈曲+側屈,側屈+同側回旋,屈曲+側屈+同側回旋を行う5肢位に,安静状態である頸部正中位を加えた計6肢位とし,計測は無作為な順で行われた。統計学的検定は,頸部正中位と比較してストレッチングが出来ている肢位を明らかにするため,頸部正中位に対する各肢位の弾性率の比較をBonferroni補正における対応のあるt検定を用いて比較した。また,頸部正中位と比較して有意に高値を示した肢位間の比較もBonferroni補正における対応のあるt検定を用いて比較した。【結果】頸部正中位に対する各肢位の比較を行った結果,全ての肢位で有意に高値を示した。また有意差が認められた肢位間での比較では,屈曲に対し,その他の全ての肢位で有意に高値を示したが,その他には有意な差は認められなかった。【結論】肩甲骨の挙上・上方回旋を固定した状態で頸部を屈曲することで僧帽筋上部線維をストレッチング出来るが,屈曲よりも側屈する方が効果的にストレッチングすることが可能であった。また,側屈に屈曲や同側回旋を加えても僧帽筋上部線維をさらに効果的にストレッチング出来ないことが明らかになった。
著者
長谷川 大和 勝田 仁之
出版者
日本物理教育学会
雑誌
物理教育 (ISSN:03856992)
巻号頁・発行日
vol.61, no.3, pp.137-140, 2013-09-06 (Released:2017-02-10)

高等学校物理では,力学的エネルギー保存則を学んだ後に運動量保存則を学ぶ。これらを学習後に取り組む典型的な問題として,動くことのできる斜面台上での物体の運動がある。このような問題では,台と物体で及ぼし合う垂直抗力がそれぞれ仕事をすることになり,これらがちようど打ち消し合うことを説明しなければ,力学的エネルギーの和が保存されることに対して生徒は違和感を持つ可能性が生じる。この問題の高等学校での取り扱いについて考察する。
著者
羽地 亮
出版者
The Philosophy of Science Society, Japan
雑誌
科学哲学 (ISSN:02893428)
巻号頁・発行日
vol.41, no.2, pp.2_89-2_100, 2008 (Released:2009-08-31)
参考文献数
17

The present review concerns Yukihiro Nobuhara's masterpiece, Philosophy of Consciousness: Introduction to the Study of Qualia. This book should be highly acclaimed due to the fact that from an intentional / representational point of view, a modern orthodox naturalistic standpoint, the problems of qualia are examined conceptually by assimilating bodily sensations to perception, as well as that the author pursues these problems by suggesting the possibility of a strategy in which we assign explanatory priority to linguistic content and explain how mental content results from that. However, I believe that philosophy of mind should be naturalized and studied in greater detail on the basis of the results of neurological studies by distinguishing between sensory and affective phenomena.
著者
村上 雅裕 安田 恵 新村 健 天野 学
出版者
日本社会薬学会
雑誌
社会薬学 (ISSN:09110585)
巻号頁・発行日
vol.39, no.2, pp.87-92, 2020-12-10 (Released:2020-12-30)
参考文献数
6

In awareness-raising activities for medical cost reduction, many drug-related words, including loan words, are used. The use of loan words may reduce the effectiveness of activities to raise awareness among elderly people with difficulty understanding these words. We examined the recognition of drug-related words among the elderly aged 65 or over. The word “generic drugs” had the highest recognition rate, at 94.7%, and those for “general drugs” and “leftover medications” also exceeded 70%. In contrast, the recognition rates for loan words, such as “authorized generics” and “biosimilars”, were markedly low, at 1.5%. The results suggest that the recognition of some words is poor among nonprofessionals, even if they are commonly used by professionals. In activities to raise awareness of medical cost reduction among elderly people, it may be important to use simpler words, and provide more detailed explanations, such as showing actual products.