著者
張 英裕 邱 奕程 劉 靜文 歐 耘秀
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
vol.66, 2019

<p>「捏&#40629;」とはいわゆる日本のしん粉細工である。本来中国伝来の民間工芸の一つであり、中国では面塑、面花、礼&#39309;、花&#31957;と呼ばれる。その材料は主に小麦粉及びもち米粉で、水と塩あるいは砂糖を入れ、かき混ぜたあとに蒸し、着色し、できた生地である。そして「捏&#40629;人」はこの多彩な生地及び小さな鋏などの道具を使い、実在である動物、植物、花、人物や空想上の神仙、龍、鳳凰、麒麟などの造形物を製作する。<br/>台湾における捏&#40629;人は昔冠婚葬祭、長寿祝い、祭典などの民間イベントに多用されており、食べることもあったが、時代の変化とともに、材料も前述した食用材料から化学材料と変わってきており、現在は観賞用だけで、食用不可となっている。</p>
著者
戴 薪辰 植田 憲
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.64, no.4, pp.4_19-4_28, 2017

今日,中国においては飛躍的な経済発展が実現したが,その一方で,伝統的生活文化が急速に消失しつつある。それは,単に物理的な側面のみならず,社会・生活の構造そのものの崩壊と言っても過言ではない。本研究は,中国上海市近郊の崇明島において形成されてきた伝統的住居「宅溝」の住まい方に着目し,それらを地域資源として再発見・再認識することを目指した調査・研究の第2報である。本稿では,非日常生活における空間特質を明確にすることを目的とした。調査・考察の結果,以下の各点が明らかとなった。(1)宅溝は人・神・霊が共住する空間と認識され,新年・羹飯の年中行事を利用してその存在を維持・更新が図られてきた。(2)公堂の空間は宅溝のなかで最も重要な空間であった。(3)結婚式では住居の複数の内と外の境が利用されるとともに強調された。(4)葬式では公堂に死者の身と霊に休息を与え,来世への準備を整える空間となった。(5)非日常生活において宅溝は儀式空間へと転換され,日常生活における空間特質とともに多義的な特質が構築された。
著者
田 梅
出版者
山口大学大学教育機構
雑誌
大学教育 (ISSN:13494163)
巻号頁・発行日
no.9, pp.65-78, 2012-03

流行語は社会の意識を反映し、価値観の変化を伝え、世相を生き生きと映した言葉であると思う。広辞苑には「流行語はある期間、興味を持たれて多くの人に盛んに使用される語」と記されている。近年、中国では人生の大きなイベントである結婚、結婚式などについての流行語が多種多彩である。その中で、「…婚族」という流行語も生まれた。2010年日中韓三大学交流のディベートテーマは「私の結婚観」である。三カ国・15名の在学生が、結婚に対する自分の考えと将来の理想像について討論した。本稿は、日中韓各大学に在学中の15名の学生の結婚観を参考しながら、現在、中国で結婚に関する流行語となっている「…婚族」を分析して、中国での結婚の現実について述べた。
著者
龔 卿民
出版者
鹿児島大学
雑誌
地域政策科学研究 (ISSN:13490699)
巻号頁・発行日
no.14, pp.71-96, 2017-03

本論は,中国湖北省の土家族の婚姻習俗の変容に関するもので,建国後の中国を2つの時代に区分し,それぞれの時期に土家族の伝統的婚姻習俗がどのような変容を遂げてきたか,またその要因と問題点について考察するものである。 湖北省の土家族の婚姻習俗が変容してきた1つの要因として考えられるのは,土家族が長期にわたり漢族と共に生活する中で漢族の文化の影響を強く受けてきたことである。もう1つの要因としては,「改革開放」以降の中国の経済的,政治的発展がもたらした社会変化による影響である。 湖北省土家族の婚姻習俗の歴史的変遷を見ていくと,中国建国初期は,国家が婚姻法を実施し,男女平等の自由婚姻を提唱したが,民国また清朝時代の漢族封建社会の文化習俗が多く残存していたうえに,湖北省土家族地域が中央政府所在地から遠く離れていたため,その地域の統治も完全ではなかった。そのため,その時期の婚姻習俗の構成要素が多く,儀礼も複雑であった。その後,国家は文化の大改革を全国規模で展開し,土家族のような少数民族の文化習俗は「四旧」として修正また廃止され,また,全国規模で節約を励行し,社会主義社会の発展をうたったので,土家族の婚姻習俗や儀礼も簡略化されていった。 「改革開放」の時代になると,政治的環境が緩和され,経済も著しく発展するなかで,少数民族の文化習俗が認可されるようになり,土家族の婚姻習俗も復活し,かつての婚姻儀礼が重視されるようになる一方,都市化や観光化など多方面の影響を受けるようになった。
著者
秦 兆雄
出版者
日本文化人類学会
雑誌
民族學研究 (ISSN:00215023)
巻号頁・発行日
vol.68, no.4, pp.511-533, 2004

本研究は、中国湖北省の農村地域における招贅婚(妻方居住婚)に関する具体的な資料を提出し、招贅婿の改姓と復姓及び帰宗現象に焦点を当て、そのメカニズムを解明し、漢人社会の宗族規範と個人の選択について検討する試みである。宗族規範に基づく漢人社会では、夫方居住の嫁娶婚が正統的な婚姻形態であり、妻方居住の招贅婚はその逆だと文化的に見なされている。招贅婚の家族において岳父と婿は契約に基づいて同じ家族を形成しているが、それぞれは異なる系譜の一員として、異なる集団及び相互に対立する利害関係を代表しているため、たとえ婿が改姓して息子としての権利と義務を引き受けても、岳父と婿は同じ父系出自のアイデンティティを共有することは難しく、両者の関係は壊れやすい。父系理念としての宗族規範は、岳父の婿に村する改姓要求を正当化する理由と動機づけになる一方、婿の出身宗族に復帰する力としても作用している。従って、社会状況が婿にとって有利に変わると、彼らはしばしば復姓や帰宗の行動をとる。また、父系理念以外に、岳父と婿の個人または出身家族と宗族をめぐる社会的、経済的及び政治的な力関係や婿自身の性格などの要素も婿の復姓と帰宗に大きく作用していると考えられる。しかし、改姓した招贅婿の中には契約通りに自分の役割を果たし、復姓と帰宗を行っていない者もいる。そこには契約に関する社会的規範ならびに婿自身の性格や岳父側が優位に立つ社会的、経済的及び政治的状況などの要素が作用していると考えられる。また、息子を持たない家族は族内の「過継子」よりもむしろ族外の招贅婿を優先的に取る傾向も見られる。このような行為を合わせて考えてみれば、招贅婚における当事者は、宗族の規範よりもむしろ状況に応じて個人の利益を最優先にして社会関係を選択操作し、行動している傾向がみられる。このような宗族規範と個人の選択の相違により、招贅婿には多様な形態が見られる。改姓しない年眼婿と、改姓した後に復姓と帰宗をした終身婿という両極の間に、いくつかの形態をその連続線上でとらえることができる。招贅婿の改姓と復姓及び帰宗をめぐる折中国成立前後の動きは、宗族規範と個人の選択のゆらぎを示す事例として興味深い。その多くは、解放前岳父側の父系理念に従って一度改姓した婿が、解放後の劇的な社会変化を利用して、出身宗族の父系理念を優先させたものである。しかし、それは、必ずしも従来の内的な要因による両者または両宗族の力関係の変化ではなく、むしろ政権交代及びそれに伴う新しい国家政策が婿に有利になり、彼らの復姓と帰宗を可能にさせ、促進させた結果である。この現象は、解放後、国家の宗族に村する諸政策が、一方で強大な宗族の力と機能を弱めたが、他方では、弱小な宗族の機能と規範を強めているという両側面があることを示している。この意味で、本稿は従来の宗族研究の中で見落とされてきた土地改革と人民公社時期における宗族の実態を別の角度から明らかにし、弱小宗族の動きにも着目する必要性を示したと言える。
著者
賈 瑞晨 佐藤 廉也 縄田 浩志 松永 光平 劉 国彬 張 文輝 山中 典和
出版者
九州大学大学院比較社会文化学府
雑誌
比較社会文化 : 九州大学大学院比較社会文化学府紀要 (ISSN:13411659)
巻号頁・発行日
vol.17, pp.17-35, 2011

経済成長に伴う貨幣経済の急速な浸透によって、中国内陸部の農村における物質・社会生活は激しく変容している。こうした背景のなかで、本稿は中国・黄土高原の農村における一つの結婚式を取り上げ、その縁談成立から挙式までの詳細を記述することによって、現代中国農村における伝統と変容の一断面を明らかにし、考察の材料を提供することを目指した。結果として、貨幣経済の浸透によって結婚式は豪華かつ派手になったことにより、婿方の出費は膨大となり、借金の返済が出稼ぎ流動を促す大きな要因となっていることが明らかになると同時に、一方で嫁取り婚・夫方居住や男児偏重の傾向、さらには村の互酬的な人間関係が基層的な社会関係として持続している様相が浮かび上がった。
著者
中野 道彦
出版者
静岡県工業技術研究所
雑誌
奨励研究
巻号頁・発行日
2008

イムノクロマト法は、簡便であるにもかかわらず、特異性が高く正確な検出方法である。そのことからベッドサイド診断に適した方法として、近年、重要性が高まっている。一般に、イムノクロマト法は、抗原-抗体反応に伴って反応試験紙上の特定の場所に金コロイドが集積し、その集積による赤紫色の呈色を目視で判断する。このとき、目視可能な呈色は、試験片のごく表層に集積した金コロイドのみを反映しているに過ぎないため、厚み方向の集積量を判断に生かすことができていないといえる。そこで、厚み方向全体にわたる金コロイドの集積を計測することで、イムノクロマト法を高感度化することを試みた。模擬試料として、C反応性タンパク質(CRP)を検出するイムノクロマト法キットを用いた。金コロイドを測定するために、試験紙上の金コロイド集積部を上下から挟み込むようにして設置する電極を作製した。異なる濃度のCRP溶液をそれぞれキットに添加したあと、金コロイド集積部を、作製した電極で挟み、その電極間の静電容量を測定した。対照実験として、金コロイドの集積を反射光強度で測定する光学測定器でも同様に測定した。その結果、反射光強度の場合は、測定下限がCRP量0.5ngであったのに対し、今回作製した電極では、0.1ngであった。反射光強度測定は目視と同程度であるため、今回作製した電極を用いることで、目視よりも高感度に測定できるようになったといえる。一方で、金コロイドの集積を測定する新しい方法として、微小電極の使用についても試みた。ガラス基板上に微小電極(電極間距離:約30μm)を作製し、その電極間に金コロイドを集積させて、電気抵抗および静電容量を測定した。金コロイド溶液を純水で希釈して、その希釈率に応じた電気抵抗/静電容量を測定したところ、いずれの値も金コロイドの希釈率に依存して変化した。
著者
嶋崎 恒雄
出版者
日本認知科学会
雑誌
認知科学 (ISSN:13417924)
巻号頁・発行日
vol.16, no.1, pp.148-153, 2009 (Released:2010-06-11)
参考文献数
20

The present article is a comment on the feature “Symmetry: The search for the foundation of thinking, language, and communication” apppeared on Congnitive Studies, 15(3), 2008, from a viewpoint of experimental psychology on the fields of learning and thinking studies. It includes discussion on the biological significance of the experiments both with animal and human, and show the asymmetry of human and animal are not only due to the difference of the biological significance of the experimental situations with referencing data on the retrospective revaluation experiment with human participants. After the discussion, the possibility that the fundamental factor that separates human from infrahuman is the self-concept and self-consciousness is indicated. And in conducting comparative studies on cognitive mechanism and ability, the construction of the model of the self on non-human, such as computer, will be inevitably needed.
著者
佐藤 宏拓穣
出版者
日本武道学会
雑誌
武道学研究 (ISSN:02879700)
巻号頁・発行日
vol.39, no.2, pp.27-37, 2006

本研究は,昭和前半期における武道教員養成の実態を,國士館専門学校の場合を明らかにする。昭和前半期における武道教員の養成は,文部省に認可されていた東京高等師範学校(以下,高師と略記する),大日本武徳会武道専門学校(以下,武専と略記する),そして國士館の3校が行っていた。國士館は,昭和4(1929)年,文部省により専門学校として設置が認可された。昭和8(1933)年,剣道・柔道に対して文部省は,中等学校教員資格の免許を無試験で与えられることになった。