1 0 0 0 OA 腰痛とBMI

著者
岡村 秀人 小鳥川 彰浩 林 伸幸 大西 雅之 岩越 優 四戸 隆基 佐藤 正夫
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.35 Suppl. No.2 (第43回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.C1002, 2008 (Released:2008-05-13)

【目的】腰痛は、その発生により、時には日常生活に支障を来たし、更には仕事面においても長期欠勤等を引き起こす症状である。その原因は多岐にわたり、骨関節・軟部組織や心因性等様々である。医療従事者が患者教育の面で、肥満は腰痛の原因となり体重増加は症状を悪化させるとの説明をする機会も少なくない。直感的な認識として、肥満が一般的な腰痛疾患の重要な原因ではないかと考えられているが、今回、アンケート調査を基にどの程度関連性があるか検討してみた。【対象】岐阜県厚生連に所属する職員で、書面にて研究の趣旨を説明し、同意を得た1,168名(男性279名、女性889名、職種別内訳は医師81名、看護部665名、コメディカル部門157名、事務・その他265名、勤続年数11.4年±9.94年)とした。(有効回答率81.8%)【方法】アンケート調査にて、職種、勤続年数、年代、性別、身長、体重、腰痛の有無の各項目を記載し、腰痛有り(有訴)の人はRolland-Morris Disability Scaleに記入とした。肥満度の判定はBody Mass Index(以下BMI)を用い、18.5未満をやせ、18.5~25.0未満を標準、25.0以上を肥満とした。【結果】職員全体の腰痛有訴率は58.0%であった。性差でみると、男性48.0%、女性61.1%であった。職種別では医師48.1%、看護部65.9%、コメディカル部門43.9%、事務部門・その他は49.1%であった。年齢別にみると、10歳代は0.0%、20歳代56.1%、30歳代は52.7%、40歳代は65.2%、50歳代は58.7%、60歳代は60.9%であった。経験年代別では10年未満が55.6%、10年以上20年未満が56.6%、20年以上30年未満が64.0%、30年以上が65.5%であった。肥満度別の全体の割合は、やせが13.8%、標準が75.1%、肥満が11.1%であった。肥満度における有訴の割合は、やせが53.5%、標準が57.0%、肥満が66.4%であった。【結語】肥満が腰痛患者によくみられる併存所見であるという説得力のあるエビデンスは確かに存在する。しかし、体重増加が腰痛治療アウトカムの強力な予測因子であることは証明されていない。肥満と腰痛に関する多数の研究が行われており、横断的研究と縦断的研究の両面から検討がなされている。総合的にみてエビデンスは相反している。つまり、肥満と腰痛との明らかな因果関係は実証されていない。腰痛に関しては、発生原因が多様であり、肥満という危険因子のみを除外しても解決はされない。今回の結果では傾向は見られるものの、今後さらなる検討が必要である。
著者
矢内 義顕
出版者
早稲田商学同攻会
雑誌
文化論集 (ISSN:09184589)
巻号頁・発行日
vol.47, pp.1-23, 2015-09-15
著者
坂本 昭二 倉石 沙織 小田 寛貴 江南 和幸 岡田 至弘 安 裕明 池田 和臣 河野 益近
雑誌
じんもんこん2010論文集
巻号頁・発行日
vol.2010, no.15, pp.19-26, 2010-12-04

本研究では、4世紀の李柏文書から20世紀までの古文書等の様々な料紙を対象として、これらの料紙を科学的に分析したデータを用いて料紙の比較分類を試みた。まず、紙の色情報によって料紙の分類を行った。この結果、時代的に古い紙は比較的黄色味を帯びた暗い色をしているが、新しい紙では黄色味が減少して白い紙が多いことを示した。次に、蛍光X線元素分析によって料紙に含まれる元素の種類を調べ、時代的に古い紙が含む元素の種類数は多く、新しい紙に含まれる元素の種類数は少ないことを示した。特に大谷文書の多くに元素Fe, Ti, Alが含まれていることを確認した。
著者
河西 正興 渡辺 隆夫
出版者
The Ecological Society of Japan
雑誌
日本生態学会誌 (ISSN:00215007)
巻号頁・発行日
vol.27, no.4, pp.279-283, 1977-12-30 (Released:2017-04-11)

The two sibling Drosophila species, D. simulans and D. melanogaster, are believed to coexist in nature sharing food and space. However, D. simulans prefers a semi-natural environment while D. melanogaster lives near human habitation. A weak seasonal isolation was observed between the two species, i.e., a unimodal population distribution peaking in August was found for D. melanogaster while a bimodal population distribution peaking in July and September was found for D. simulans.
著者
勝山 幸人
出版者
静岡大学人文学部
雑誌
人文論集 (ISSN:02872013)
巻号頁・発行日
vol.61, no.1-2, pp.15-50, 2011-01-31
著者
古川 薫 吉崎 修
出版者
公益社団法人 高分子学会
雑誌
高分子論文集 (ISSN:03862186)
巻号頁・発行日
vol.35, no.5, pp.291-298, 1978-05-25 (Released:2010-02-26)
参考文献数
10
被引用文献数
1 1

ε-カプロラクタムの単純な加圧重合によるナイロン6の連続製造法において, 初期組成と重合条件による反応生成物の特性との定量的相関を見いだすため本研究を行った. 粘度安定剤としては酢酸又はブチルアミン, あるいはこれらの両者を0.05モル比以下で用い, 水分量0.3モル比以下とともに密閉容器中でラクタムを重合した. 十分平衡に達した生成物の物性を分析した. 粘度安定剤とポリマー末端基との間に等反応性を仮定して主反応の平衡定数を求めた. この定数は上の組成の範囲では組成による変化はほとんど見られなかった. 平衡での直鎖状分子数ST, 数平均重合度P, および残存ラクタム量xが平衡定数と初期組成を用いて理論的に導かれた. 得られた理論値は実測値によく一致し, 粘度安定剤と分子末端基の等反応性を仮定した平衡反応の取扱いが妥当であることが示された.
著者
道上 正規 清水 正喜 矢島 啓 檜谷 治 白木 渡 宮本 邦明
出版者
鳥取大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1998

わが国では、現在では2000を越えるダムが存在しており、地盤条件あるいは降雨条件の厳しいわが国では、地震あるいは豪雨によって貯水池周辺で大きな崩壊が生じる確率は無視できず、崩壊土が貯水池に流入する可能性は低くない。多量の崩壊土が貯水池内に流入すると、イタリアのバイオントダムのように巨大な波が発生し、大災害を引き起こしかねない。このような災害は、大崩壊の発生確率とともに、貯水池数に依存しており、わが国でのその発生確率は年々高くなっていると考えられ、貯水池の流域管理が重要な課題である。そこで、本研究は、このような貯水池内での大崩壊にともなう段波形成について検討することを目的としたものであり、具体的には1)災害事例(特に眉山災害)に関する研究2)土砂崩壊の予測法に関する研究3)崩壊土砂の運動特性に関する数値解析的研究4)崩壊土塊の水域流入に伴う段波の形成と伝播遡上特性に関する数値解析的研究を実施するとともに、最終的に上記の研究を総合し、200年前島原で発生した眉山の大崩壊に伴う災害の数値シミュレーションを試み、大崩壊に伴う段波災害をある程度予測することが可能であることを実証した。
著者
金子 昇 葭原 明弘 濃野 要 山賀 孝之 財津 崇 川口 陽子 宮﨑 秀夫
出版者
一般社団法人 口腔衛生学会
雑誌
口腔衛生学会雑誌 (ISSN:00232831)
巻号頁・発行日
vol.69, no.1, pp.27-33, 2019

<p> 職域における歯科保健事業として,疾病の早期発見を目的とした歯科健診が主に行われてきた.こうした従来型の歯科健診から,行動・環境リスク発見型・行動変容支援型歯科健診への転換を目的として,日本歯科医師会で「標準的な成人健診プログラム・保健指導マニュアル」(生活歯援プログラム)が策定された.本調査ではこのプログラムに基づいた歯科健診と保健指導が,歯科健診単独に比べてどの程度優れているのか検討を行った.新潟市内の3企業の従業員129名(44.6±11.5歳)を対象としてランダムに2群に分け,介入群には生活歯援プログラムに準じた歯科健診と保健指導を,対照群には歯科健診のみを行った.保健行動を把握するための質問紙調査をベースライン時,3カ月後,6カ月後および1年後に行い,この間の行動変容を調べた.その結果,介入群と対照群のいずれにおいても「職場や外出先での歯磨き」や「フッ素入りの歯磨剤の使用」,「歯間ブラシ・フロスの使用」が有意に改善していた.ただ,介入群では1年後まですべての時点でベースライン時に比べ有意に改善していたのに対し,対照群では一部の時点で有意な改善がみられたのみであった.したがって,従来型の歯科健診でも保健行動の変容がある程度期待できるが,その期間は限定的であること,歯科健診に加え生活歯援プログラムに準じた保健指導を行うことで行動変容はより確実となり,効果が少なくとも1年間持続することが明らかとなった.</p>
著者
三浦 収
出版者
高知大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2013-04-01

社会性を持つ二生吸虫は、繁殖を担うカーストと繁殖個体を敵から守る兵隊カーストに分業することで効果的にコロニーを維持している。本研究では、これらの2つのカーストの比率がどのような要因により決定されているのかを検討した。その結果、二生吸虫のカースト比率は外敵との競争圧の影響をあまり受けていないことが明らかになった。おそらく、コロニー内の個体密度や栄養状態または遺伝的要因等の他の要因がカースト比率に影響を与えているものと考えられる。
著者
西澤 一 吉岡 貴芳 伊藤 和晃
出版者
Japanese Society for Engineering Education
雑誌
工学教育 (ISSN:13412167)
巻号頁・発行日
vol.58, no.3, pp.3_12-3_17, 2010 (Released:2010-06-08)
参考文献数
18
被引用文献数
1 2

This article introduces extensive reading (ER) as an approach to improve fundamental communication skills in English of reluctant EFL learners : average Japanese engineering students. It is distinct from concurrent translation approach from a perspective that the learners use English instead of Japanese to grasp the meaning of what they read and enjoy reading. In the ER program at Toyota National College of Technology, many students developed more positive attitude toward English, increased their reading speed, and achieved higher TOEIC scores, which was compared to those of the students before this ER program was introduced. Comparison between three groups of the students showed strong correlation between their TOEIC scores and the reading amount.
著者
宮谷 宣史 Yoshichika Miyatani
雑誌
神学研究 (ISSN:05598478)
巻号頁・発行日
no.52, pp.47-60, 2005-03-31
著者
川森 博司
出版者
国立歴史民俗博物館
雑誌
国立歴史民俗博物館研究報告 (ISSN:02867400)
巻号頁・発行日
no.50, pp.p385-406, 1993-02

本稿は,日本と韓国の事例の比較の視点から,異類婚姻譚の類型を整理し,日本の異類婚姻譚を東アジアという視野の広がりの中で考察していくための足がかりを作ることをめざしたものである。類型の分類においては,人間と異類の婚姻が成立するか,成立しないか,ということを第一の基準とし,次に「異類聟譚」と「異類女房譚」に分けて,諸類型の記述をおこなった。婚姻が成立する類型の主なものは,異類が人間に変身して人間との結婚を成就するという形をとるもので,日本においては「田螺息子」の話型があるが,それ以外にはあまり見られない。韓国においては,異類聟譚,異類女房譚ともに,この類型のものが相当数伝承されている。一方,婚姻が成立しない類型は,異類聟譚においても,異類女房譚においても,日本の異類婚姻譚の主要な部分をなしている。日本の異類聟譚においては,人間の女が計略を用いて異類の男を殺害して,婚姻を解消する「猿聟入」や「蛇聟入・水乞型」の伝承がきわめて数多く伝えられている。この形の伝承は韓国には見られないようである。また,日本の異類女房譚では,異類の女の正体が露見したために結婚が解消される形の「鶴女房」や「蛇女房」などが幅広く伝承されている。この類型は韓国にも存在するが,日本の場合ほど顕著にはあらわれない。韓国では,婚姻が成立しない類型においても,一時的な異類との交渉の結果,非凡な能力をもった子どもが生まれる形のものが多く見られる。ただし,これらの点について比較をおこなうとき,『韓国口碑文学大系』においては,昔話と伝説を一括して収録しているのに対し,日本の昔話の資料集は,伝説と区別して,昔話を収集していることを考慮しなければならない。本稿でおこなった類型の整理は,個々の話型についての分析をおこなっていくための土台となるものであり,また,「説話を通して文化を読む」ための基礎作業である。