著者
的場 ちさと 今増 啓介 末光 治雄 松尾 孝美
出版者
自動制御連合講演会
雑誌
自動制御連合講演会講演論文集 第57回自動制御連合講演会
巻号頁・発行日
pp.1793-1798, 2014 (Released:2016-03-02)

Goisらは,3結合修正型Van der Pol発振子を用いて,心臓リズムを表現する数学モデルを提案し,その3つの振動子の結合が切れることにより,心疾患が起きることを数値シミュレーションにより示している.本報告では,正常状態,心室粗動,洞性除脈の心電図を発生するパラメータを探索するとともに,このモデルから,アンサンブルカルマンフィルタおよび粒子フィルタを構成し,これらの疾患を結合パラメータの推定値から検出できることを示す.

1 0 0 0 OA 白兵戦及格闘

著者
YM 編
出版者
誠志堂
巻号頁・発行日
1907
著者
青木 仕
出版者
特定非営利活動法人 日本医学図書館協会
雑誌
医学図書館 (ISSN:04452429)
巻号頁・発行日
vol.35, no.4, pp.219-227, 1988 (Released:2011-09-21)
参考文献数
15

Eponymy is the practice of affixing a scientist's name to his or her discovery or invention.Five hundred fifty-nine eponyms were analyzed from among three hundred ninety one cases selected from lists of syndromes which appeared in the Supplment of “The Japanese Journal of Clinical Medicine” in 1977 and 1982 and 1987.The following results were obtained:1) Eponyms were the most frequent (85) in the 1950's. The frequency of eponyms increased markedly from 11 in the 1870's to the 1950's but has been decreasing since then.2) Eponyms were the most frequent-179 (32%)-in the U. S. A.3) From the basis of the numbers of eponyms, the center of world medical science seems to have moved from England to France, Germany, and the U. S. A. in the 20th century.4) In Japan 2 eponyms appeared for the first time between 1901 and 1920.
著者
佐々木 修 釘宮 敏定 田所 正人 田浦 幸一 新里 健 草場 照代 松隈 玄一郎 船越 衛一 河野 茂 原田 孝司 宮崎 正信 宮原 嘉之 大園 恵幸 錦戸 雅春 松屋 福蔵 齊藤 泰 高木 正剛
出版者
一般社団法人 日本透析医学会
雑誌
日本透析医学会雑誌 (ISSN:13403451)
巻号頁・発行日
vol.31, no.1, pp.37-43, 1998
被引用文献数
1

近年, 透析患者の増加に伴い, 動脈硬化性疾患の合併は大きな問題となっている. 腹部大動脈瘤 (abdominal aortic aneurysm, AAA) や閉塞性動脈硬化症 (arteriosclerosis obliterans, ASO) は, その治療として外科手術を要することがあり, 透析患者の生命予後, quality of lifeの観点からも重要な疾患である. 今回我々は, 当院における透析患者のAAA4例およびASO3例の血行再建術症例の臨床的検討を行った.<br>AAAの症例は年齢45-61歳で, 全例高血圧を伴い, 透析導入後6か月-6年であった. 2症例が腹痛ないし背部痛を訴えたが, 2症例は腹部腫瘤触知が発見の契機であった. 4例ともinfrarenal typeで, 3例にY graft, 1例にstraight graft置換を施行し, 全例とも予後は良好である.<br>3例のASOは年齢51-67歳で, 2例で高血圧を伴い, 発症は透析導入後5年4か月-19年3か月とAAAに比し長期間の症例が多かった. いずれの症例も, 下肢痛・間歇性跛行・足趾壊死などの症状, 所見を認めた. 2例は左側のiliac~popliteal arteryの閉塞で, 自己大伏在静脈によるfemoro-popliteal bypass術を施行, 他の1例は右側のcommon~external iliac arteryの閉塞で, femoro-femoral cross over bypass術を2回施行した. 術後1例は予後良好であるが, 2例はASO以外の死因で死亡した.<br>近年, 手術手技の向上および周術期の透析管理の進歩により, 透析患者に対し安全に手術が施行し得るようになってきたが, ASOの症例は, 必ずしも予後が良好でない場合もあり, 治療法選択, 手術時期に対するさらなる検討が必要と思われた.
著者
石川 陽介 森下 一樹 寺島 裕雅 山城 真里子 木村 州作 片山 幸広 出田 一郎 平山 統一
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2012, pp.48101276, 2013

【はじめに】大動脈瘤に対する手術療法においてステントグラフト内挿術(endovascular aneurysm repair;以下、EVAR)は2006年7月に腹部用、2008年3月に胸部用が薬事承認となった。EVARは低侵襲の手術であり、術後リハビリテーション(以下、リハビリ)介入が必要ない場合も多く存在するという見解もある。しかし、大動脈疾患患者は虚血性心疾患患者と比較し、高齢でしかも併存症、合併症を有していることが多いという報告もある。また、我々が調べ得た範囲では本邦でのEVAR 術後のリハビリに関する報告は散見されるのみであった。当院でのEVAR術後のリハビリの現状をまとめ、理学療法介入の必要性について検討した。【方法】2011年10月1日から2012年9月30日までの間に当院にて腹部大動脈瘤(abdominal aortic aneurysm;以下、AAA)又は胸部大動脈瘤(thoracic aortic aneurysm;以下、TAA)に対するEVAR目的に入院された患者で、術後リハビリ依頼があった連続48例(男性36例、女性12例、平均年齢78.85±5.72歳)とした。当院でのEVAR術後の設定在院日数(術当日含む7日間)の1.5倍である11日以上を要した例を遅延例とし、それ以外の例を順調例とし、診療録より後方視的に検討した。【倫理的配慮、説明と同意】当院では、倫理的配慮として入院時に御本人、又はその御家族に個人情報保護に関する説明をしており、個人が特定されないことを条件として院内外へ公表することに同意を得ている。【結果】EVAR 48例中、手術部位別ではAAA38例(男性30例、女性8例、平均年齢78.66±6.15歳)、TAA10例(男性6例、女性4例、平均年齢79.60±3.53歳)であった。順調例は43例(AAA37例;平均年齢78.49±6.14歳、TAA6例;平均年齢80.33±3.45歳)であり、遅延例は5例 (AAA1例;年齢85歳、TAA4例;平均年齢78.50±3.35歳) であった。入院前ADLはBarthel Index(以下、BI)が100点を自立、95点以下をADL低下とし、順調例は自立39例(AAA33例、TAA6例)、ADL低下4例(AAA4例、TAA0例)、遅延例は自立2例(AAA1例、TAA1例)、ADL低下3例(AAA0例、TAA3例)であった。離床開始日は全体2.17±0.75日で、順調例2.07±0.25日(AAA37例;2.05±0.23日、TAA6例;2.17±0.37日)で、遅延例3.00±2.00日(AAA1例;2日、TAA4例;3.25±2.17日)であった。術後平均在院日数は全体8.96±5.08日(中央値8.00日)、順調例7.84±0.83日(中央値8.00日)、遅延例18.60±11.76日(中央値12.00日)であった。遅延理由としては、術後合併症(仮性動脈瘤、下肢虚血による大腿切断等)や転院調整によるものであった。転帰は自宅復帰39例(AAA34例、TAA5例)、転院9例(AAA4例、TAA5例)で、転院率はAAA10.5%、TAA50.0%であり、TAA患者の転院率が高かった。転院の理由としては継続加療(リハビリ)目的が2例、療養目的が7例であった。入院前ADLが低下していたAAA4例 (術後平均在院日数8.00±0.71日)の転帰は自宅復帰2例、転院2例であり遅延例は認めなかった。一方、TAA3例(術後平均在院日数22.00±14.14日)は全て遅延例であり、転院していた。【考察】EVARは低侵襲な手術であり、術後リハビリ介入が必要ない場合も多く存在するという見解もある。本研究においては特にTAAの患者で入院前ADLが低下している症例では術後在院日数の長期化や自宅復帰困難な症例を多く認めた。一方、AAAは術後順調例が多く、殆どの症例が自宅復帰可能であったが、少数の症例では入院前ADLが自立しているにも関わらず、術後在院日数が長期化する症例も存在していた。EVAR 術後におけるAAAの多く(38例中34例;89%)は自己完結型の治療が可能であるが、TAAには転院を必要とする例(10例中5例;50%)が多いため、TAAにおいては地域完結型の包括的心臓リハビリを提供する必要性があり、TAAでは術前を含めたより早期かつ密接な理学療法介入が必要であると考えられた。AAAにおいては入院前ADL状況から術後経過を予測することは困難であり、希に合併症などにより在院日数の長期化も認めるため、手術部位に関わらず理学療法介入は必要である。【理学療法学研究としての意義】EVAR術後は手術部位に関わらず、全ての症例に対してより早期かつ密接な理学療法介入によって適切なアウトカムの設定や円滑な地域完結型の包括的心臓リハビリの提供が出来る可能性が示唆された。
著者
滝本 佳予 西島 薫 森 梓 金 史信 小野 まゆ
出版者
一般社団法人 日本ペインクリニック学会
雑誌
日本ペインクリニック学会誌 (ISSN:13404903)
巻号頁・発行日
pp.14-0039, (Released:2015-11-20)
参考文献数
13

全身の痛みを中心とする多彩な症状を訴え心因性多飲を合併する患者に対し,薬物療法・認知行動療法と併せて行った,患者の語りの傾聴と対話を重視した診療が有用であった1例を報告する.症例は68歳の女性,全身の痛みを訴えて当科を紹介受診した.併存合併症として心因性多飲による低ナトリウム血症と意識混濁,むずむず脚症候群,過敏性腸症候群,睡眠障害,失立失歩があり,ドクターショッピングを長年続けた後の受診であった.患者の語りの傾聴と対話により,まず心因性多飲が改善した.次いで痛みの訴えを線維筋痛症・中枢感作性症候群と診断し薬物療法・認知行動療法を実施したところ,ドクターショッピングをやめ症状も軽減した.“説明不能な”痛みの訴えはペインクリニックではたびたび遭遇する.器質的原因が明確ではない疾患の症状を一元的にとらえ,診断治療を行う役目を果たすためには,患者との語り合いにも問題解決への可能性があることが示唆された.
著者
井出 文紀
出版者
近畿大学商経学会
雑誌
商経学叢 (ISSN:04502825)
巻号頁・発行日
vol.63, no.1, pp.133-151, 2016-07

[概要] 2015年10月, TPP 交渉の大筋合意が発表された。World Bank [2016]によるとマレーシアとベトナムの両国は TPP 参加により最も利益を受ける国であるとされている。しかしながら,両国は,井出[2014b]でも指摘したように,国有もしくは公企業の役割と位置づけの大きさ,政府調達における国内企業ヘの優先的な配分,市場開放が十分にされていない分野の存在など, TPP参加に伴う国内制度ヘの影響も大きい。本稿では, TPP交渉ヘの参加とその大筋合意を受け,両国国内でどのような影響が予想されているのか,またそれに対してどのような反応が起きているのか,メディア等の報道状況ならびに現地の反対運動の状況,政府の影響分析調査などを基に考察する。[Abstract] The Trans-Pacific Partnership (TPP) is a comprehensive regional free trade agreement (FTA) among 12 countries: Australia, Brunei, Canada, Chile, Japan, Malaysia, Mexico, New Zealand, Peru, Singapore, the United States, and Vietnam. According to World Bank [2016], Malaysia and Vietnam would be among the TPP member countries benefiting most. However, TPP has also significant impact to the local industries or development policies in Malaysia and Vietnam. This paper examines the conclusion of TPP Negotiations and reactions in both countries from local media, government studies, and "Anti-TPPA" movement.
著者
Toshitaka GAMO Kiminori SHITASHIMA
出版者
The Japan Academy
雑誌
Proceedings of the Japan Academy, Series B (ISSN:03862208)
巻号頁・発行日
vol.94, no.1, pp.45-55, 2018-01-11 (Released:2018-01-11)
参考文献数
35
被引用文献数
9

Vertical profiles of potential temperature, salinity, and some chemical components were obtained at a trench station (29°05′N, 142°51′E; depth = 9768 m) in the Izu-Ogasawara (Bonin) Trench in 1984 and 1994 to characterize the hadal waters below ∼6000 m depth. We compared portions of both the 1984 and 1994 profiles with nearby data obtained between 1976 and 2013. Results demonstrated that the hadal waters had slightly higher potential temperature and nitrate and lower dissolved oxygen than waters at sill depths (∼6000 m) outside the trench, probably due to the effective accumulation of geothermal heat and active biological processes inside the trench. The silicate, iron, and manganese profiles in 1984 showed slight but significant increases below ∼6000 m depth, suggesting that these components may have been intermittently supplied from the trench bottom. Significant amounts of 222Rn in excess over 226Ra were detected in the hadal waters up to 2675 m from the bottom, reflecting laterally supplied 222Rn from the trench walls.
著者
木富 悠花 犬飼 義明
出版者
根研究学会
雑誌
根の研究 (ISSN:09192182)
巻号頁・発行日
vol.20, no.2, pp.61-71, 2011 (Released:2013-11-20)
参考文献数
56

イネはいわゆる“ひげ根状根系”を形成し,地上部の基部茎葉節から数多くの不定根 (冠根) を発生させる.根の発生はオーキシンにより正に,またサイトカイニンにより負に制御されるが,その分子機構は未解明のままである.そこで著者らの研究グループでは冠根数が著しく減少するイネcrl変異体を材料とし,その中でも冠根原基形成の最も初期段階であるinitiationの過程が阻害されるcrl1, crl4およびcrl5変異体を用いた解析を行ってきた.その結果,CRL4/OsGNOMはオーキシン極性輸送に関与する因子をコードし,基部茎葉節への適切なオーキシンの輸送とinitiation領域での局所的なオーキシンの蓄積を確立することで冠根原基の発生を促すことが考えられた.またCRL1/ARL1およびCRL5はオーキシンシグナル伝達を制御するARFに直接的に発現を誘導され,最終的に冠根形成を正に制御する遺伝子であるということが示唆された.このうちCRL5はサイトカイニンシグナル伝達を負に制御することにより冠根形成を促すことが判明し,オーキシンシグナル伝達とサイトカイニンシグナル伝達を仲介する重要な機能を担うことが示された.
著者
中井 吉英
出版者
一般社団法人 日本心身医学会
雑誌
心身医学 (ISSN:03850307)
巻号頁・発行日
vol.39, no.4, pp.301-307, 1999
参考文献数
7
被引用文献数
1

1 0 0 0 OA 寺社書上

出版者
巻号頁・発行日
vol.[63] 西久保寺社書上 全,
著者
志賀 裕二 下江 豊 千種 誠史 楠 進 森 雅裕 栗山 勝
出版者
日本神経学会
雑誌
臨床神経学 (ISSN:0009918X)
巻号頁・発行日
vol.58, no.6, pp.385-389, 2018 (Released:2018-06-27)
参考文献数
19
被引用文献数
1

症例は28歳の男性.サイトメガロウイルス(cytomegalovirus; CMV)感染後に四肢しびれ感,両手の脱力が出現し,末梢神経障害を認めた.血清IgM抗CMV抗体,IgM抗GM2,抗GalNAc-GD1a抗体が陽性で,脳脊髄液で蛋白細胞解離を認め,神経伝導検査で脱髄型ニューロパチーを示した.CMV感染後急性炎症性脱髄性多発ニューロパチー(acute inflammatory demyelinating polyneuropathy; AIDP)と診断し,免疫グロブリン大量療法で軽快退院した.神経伝導検査は4ヶ月後に正常化した.CMV感染後AIDPで報告されているランビエ絞輪蛋白モエシンに対する抗体が治療前血清で陽性を示し,4ヶ月後,神経伝導検査が正常化するとともに同抗体が陰性化し,病態への関与が考えられた.
著者
野元 裕輔 月江 友美 栗田 正 関 香奈子 鈴木 仁 山﨑 一人
出版者
日本神経学会
雑誌
臨床神経学 (ISSN:0009918X)
巻号頁・発行日
vol.56, no.5, pp.348-351, 2016 (Released:2016-05-31)
参考文献数
10
被引用文献数
2 5

症例は48歳の男性.2014年7月,左腎細胞癌の根治手術受けた.5ヵ月後,Th10以下の感覚障害が出現,脊椎MRI T2強調像でC7からL1まで長軸方向に広がる髄内高信号病変を認め精査目的で入院した.症状は急速に進行し対麻痺に至った.ステロイドパルス療法は奏功しなかった.第24病日の造影MRIでTh8~9レベルに髄内腫瘤性病変を検出,腫瘤摘出術が施行され腎細胞癌脊髄内転移と診断された.術後のMRIでは髄内長軸伸展病変は消失,第112病日に軽快退院した.腎細胞癌の脊髄内単独転移は極めて稀であるが,MRI上髄内長軸伸展病変をみた場合,根治手術後であっても転移を疑う必要があると思われた.