著者
高橋 勇夫
出版者
高知大学海洋生物教育研究センター
雑誌
高知大学海洋生物教育研究センター研究報告 (ISSN:03879763)
巻号頁・発行日
vol.23, pp.113-173, 2005-03-31
被引用文献数
1

The ayu Plecoglossus altivelis altivelis, is an amphidromous fish with a life span of only one year. This is one of the most important species for both commercial fisheries and sport fishing in Japan. Hatching occurs about two weeks after spawning in thelower reaches of rivers in autumn and yolk-sac larvae drift down into the coastal waters, where they remain throughout the larval and early juvenile stages. In spring, juveniles ascend the rivers, where they feed attached algae on rocks and grow over the summer. They mature the following autumn, and spawn in the lower reaches of rivers after a downstream migration by adult.Much works has been on the ecology of the ayu in a river, but little is done about the early life history of ayu before 1980s. Studies on the early life history of ayu have progressed since the 1980s when the main nursery ground of the ayu was found to be in the shallow waters such as the surf zone. In recent years, some studies on larval and juvenile ayu proved us the information on growth, migration and so on forth in the coastal waters. However, the habitat, development, mortality and so forth in the early stages are not yet fully understood. Since 1985, I have conducted the survey of larval and juvenile ayu in the Shimanto Estuary, and found that a number of the larvae and juveniles of ayu remain in the estuary, and achieve higher growth rates. This indicates the importance of the estuary as a nursery ground for ayu.In the present study, I try to detail the early life history of ayu, especially for migration, mortality and development, which are still unknown, in the Shimanto Estuary, and clear the significance of the estuary for ayu.
著者
岩本 有司 森田 拓真 小路 淳
出版者
日本水産學會
雑誌
日本水産學會誌 = Bulletin of the Japanese Society of Scientific Fisheries (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.76, no.5, pp.841-848, 2010-09-15
被引用文献数
5

先行研究が行われている有明海筑後川河口域とは環境条件が異なる広島湾北部および太田川水系 2 河川下流域においてスズキ仔稚魚の出現と食性を調査した。仔稚魚の分布密度は砂浜海岸に比べて河川内浅所において有意に高かった。仔稚魚の消化管内容物は枝角類とカイアシ類が中心であり,それらの種組成は各河川および定点の餌料生物環境に対応して変化した。<i>Sinocalanus sinensis</i>(汽水性カイアシ類)が主要餌料生物となる筑後川下流域だけではなく,太田川下流域もスズキ仔稚魚の主要な生息場であることが明らかとなった。<br>

1 0 0 0 OA ハイペシア

著者
チヤルス・キングスレー 著
出版者
春秋社
巻号頁・発行日
vol.下, 1924
著者
河野 荘子 岡本 英生 近藤 淳哉
出版者
日本青年心理学会
雑誌
青年心理学研究 (ISSN:09153349)
巻号頁・発行日
vol.25, no.1, pp.1-11, 2013-08-30

本研究は,共感性を多次元的なものと定義し,犯罪者と一般青年との比較を通して,犯罪者の共感性の特徴について明らかにしようとするものである。その結果,犯罪者は,他者の不運な感情体験や苦しみに対して同情的で,何らかの配慮をすることに方向づけられやすい一方で,他者の立場にたって物事をとらえる視点が十分に高くない「アンバランスな共感性」を持つことが示された。また,この状態では,他者の苦しみによって,自分の苦しみが増大することを抑制する自己防御システムが働きにくくなることが推測された。
著者
木村 隆 木村 尚美 古川 宇一
出版者
北海道教育大学
雑誌
情緒障害教育研究紀要 (ISSN:0287914X)
巻号頁・発行日
vol.22, pp.30-34, 2003-02-05

近年、障害児・者に対するノーマライゼーションという考えが、注目を浴びている。ノーマライゼーションは障害に対する支援により、社会に参加できることを目的としていると解釈している。しかしながら、障害を持つ子どもがいかなる支援をもってしても競争社会に参加できる自信を得ることは困難である。私たちは、自分の子どものパーシャルインクルージョンを目指して、たとえ同情的なまなざしがあったとしても、子どもが社会に参加することが許されるような環境を作りたいと希望して、同級生に対して自閉症の理解を促す目的で自閉症の絵本の読みきかせを行った。働きかけに対する解析は不十分であったが、息子の親学級の子どもたちが、自閉症という病気が存在すること、息子の特性についての理解が図られたことは意義のあることだった。

1 0 0 0 OA 官報

著者
大蔵省印刷局 [編]
出版者
日本マイクロ写真
巻号頁・発行日
vol.1924年04月04日, 1924-04-04

1 0 0 0 OA 官報

著者
大蔵省印刷局 [編]
出版者
日本マイクロ写真
巻号頁・発行日
vol.1924年07月07日, 1924-07-07
著者
山中 正樹
出版者
桜花学園大学
雑誌
桜花学園大学人文学部研究紀要 (ISSN:13495607)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.A29-A37, 2004-03-31

川端康成の「みづうみ」の独自性は、他の川端作品にはない「追跡者」(=<行為者>)としての主人公が描かれているという点にあると言われる。それゆえ「みづうみ」には、後期の川端の思想が如実に表れているのだと評価されて来た。しかし、「みづうみ」の意義はそこに留まるものではない。主人公銀平の意識の在り様とその変容こそが重要なのであり、それは作中の<時間>と<空間>の問題として考えることができる。本稿は、この<時間>と<空間>という観点から、銀平の意識の変容をとらえ、そこから「みづうみ」を再評価しようとするものである。

1 0 0 0 みづうみ

著者
川端康成著
出版者
新潮社
巻号頁・発行日
1955
著者
渡部 貞清
出版者
美学会
雑誌
美學 (ISSN:05200962)
巻号頁・発行日
vol.27, no.2, pp.51-68, 1976-09-30

Baroque architectures have the most unique symbolic space which is related to human deep psychological qualities (fantasticality, irrationality, ambivalence, etc.) and the import of which is prescribed by the architectural symbolic forms. Accordingly, when we try to make the emotional shadows and deep twills of these forms clear, we cannot depend upon the classical concinnitas theory which obviously takes the idealistic position. We must cut into the enigma of creative acts and search for the ontological meaning of baroque architectures which existed to be lived in. Along this line we study eight singular symbolic forms successively ; inner spatialization of outer space ; articulation of perceptional phenomenon ; ambivalence ; inarticulation ; plasticity ; physiognomic quality ; contrapposti ; dynamic semblance.
著者
高田 達之 鳥居 隆三 土屋 英明 木村 博 木本 安彦 細井 美彦 入谷 明
出版者
滋賀医科大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2001

本研究は(1)サルES細胞を用いた遺伝子改変技術の確立と(2)そのES細胞由来の遺伝情報を有する産仔を得る、という2つの主目的からなっている。まず(1)の課題に関して、我々は世界に先駆けて遺伝子導入が困難とされたカニクイザルES細胞への蛍光蛋白GFP遺伝子の導入に成功した。そしてこのGFP発現カニクイザルES細胞(GFP-ES)がin vitro, in vivoにおいて内、外、中胚葉に分化し、多分化能を維持していることを明らかにした。さらにGFP-ES細胞を4-6細胞期のカニクイザル正常発生胚に注入すると、割球と混じり合って増殖し、キメラ胚盤胞を作る能力があることを証明した。すなわち目標であったサルES細胞を用いた遺伝子改変技術を確立することができた。さらにこの過程でsiRNAのサルES細胞への効率良い導入方法の開発にも成功し、サルES細胞において容易な遺伝子発現抑制方法を確立することができた。すなわちサルES細胞における遺伝子改変技術として、過剰発現系とその逆の発現抑制という2つの技術を確立することに成功した。次に2番目の課題に関して、このGFP-ES細胞を4-6細胞期の正常発生胚に注入後、レシピエント個体の卵管に移植し、キメラザルの作出を試みた。その結果、4頭の妊娠に成功し、1頭の正常仔の出産に成功した。この個体の皮膚、および血液における、明確なGFPの発現は認められなかったが、ゲノムにおけるGFP遺伝子の存在をPCR法により調べたところ、キメラであることが明らかになった。すなわち世界で初めてES細胞を用いたキメラザルを誕生させることに成功した。以上、本研究の結果、サルES細胞に遺伝子改変を行い、これを用いて遺伝子改変ザルを作製するための細胞工学的、発生工学的方法を開発し、必要な技術基盤を確立することができた。
著者
McBride Darl C.
出版者
日経BP社
雑誌
日経コンピュ-タ (ISSN:02854619)
巻号頁・発行日
no.579, pp.72-74, 2003-07-28

米ザSCOグループの動きがコンピュータ業界に波紋を投げかけている。UNIXの知的財産(知財)をLinuxに流用したとして3月に米IBMを提訴。6月にはIBMに対するUNIXの供給を停止した。マクブライド社長は7月に来日して、日本の大手コンピュータ・メーカーを訪問。
著者
小林 康
出版者
大阪大学
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
2001

これまで解剖学的、あるいは断片的な生理学的知見より脳幹のアセチルコリン作動性ニューロンの核である脚橋被蓋核(PPTN)が報酬に基づく学習や動機付けの形成に必要であることが明らかにされてきた。眼前のいくつかの場所に一定時間、光点を順番に呈示すると、ヒトやサルは光点を一定時間注視し、新しい光点があわわれると、その光点を標的として衝動性眼球運動(サッカード)とよばれる非常に速い眼球運動で視野移動を行う。注視中に新しい標的が現れてからサッカードが起きるまでの反応時間は空間的注意や動機付けと関係していることが良く知られているが、たとえばサルが「どの点に向かって」、あるいは「いつサッカードするのか」ということは誤差信号や報酬による学習によって系統的に修正され得るものと思われる。学習には外部から与えられる誤差信号、報酬と内的状態(報酬や誤差信号の履歴による動物の動機付けや空間的注意)が重要な要素となるはずであるが、これら要素の相互関係は明らかにされていなかった。サルの視覚誘導性サッカード課題において、課題成功後に与えられる報酬量を増加させると課題の成功率が上昇すると同時に課題開始時に点灯する注視点へのサッカードの反応時間が減少すると同時にPPTNニューロンの注視点点灯時の持続的応答が上昇するという実験結果を得た。この反応は課題の遂行度合い〔成功率〕という動機付けや課題に対する注意を反映する指標と密接に関係していると思われる。さらにこれらのニューロンはサッカード運動時や課題後の報酬に対して直接あるいは予測的に反応することを明らかにした。この結果は単一PPTNニューロン上で誤差信号、報酬信号、動機付けに関する情報が収束することを示しており、誤差信号や報酬に基づく学習の際に必要な、異種感覚情報の統合にPPTNを含む神経回路が重要な役割を果たしていることを示していると思われる。
著者
市川 伸一
出版者
日本公衆衛生学会
雑誌
日本公衆衛生雑誌 (ISSN:05461766)
巻号頁・発行日
vol.32, no.5, pp.p253-257, 1985-05
被引用文献数
2
著者
中所 武司
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. KBSE, 知能ソフトウェア工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.114, no.292, pp.1-6, 2014-10-30

変化の激しい時代には,業務の知識を有するエンドユーザ主導のアプリケーション開発とその保守が重要になると考え,その技法を研究してきた.エンドユーザである業務の専門家が,自ら必要とするWebアプリケーションを,3層アーキテクチャを前提として開発するためには,フロントエンドのビジュアルなユーザインタフェースとバックエンドのデータベースの設計に加えて,アプリケーション固有のビジネスロジックの設計が重要である.エンドユーザには,ユーザインタフェース(UI)を起点とした業務処理内容の理解が容易と思われるので,ビジネスロジック処理(BL)やデータベース処理(DB)を{UI→BL→DB→BL→UI}という一連のワークフローの中に位置づけて定義するABC開発モデル(Application = Business logic + CRUD)を検討してきた.これまで,持続可能な社会実現の一環として,日常生活の中でのエコ活動に有用なシステムをその担当者白身が開発・運用できれば大きな効果が期待できるという観点から,この分野を例題として,ケーススタディを実施してきた.今回,これまでに得た知見を発展させるために,より広い適用分野として,マッチングドメインに注目し,考察する.