著者
野田 恵剛
出版者
中部大学
雑誌
国際関係学部紀要 (ISSN:09108882)
巻号頁・発行日
vol.28, pp.159-204, 2002-03-25
著者
佐々木 掌子 尾崎 幸謙
出版者
日本パーソナリティ心理学会
雑誌
パーソナリティ研究 (ISSN:13488406)
巻号頁・発行日
vol.15, no.3, pp.251-265, 2007
被引用文献数
1

本研究は,新たなジェンダー・アイデンティティ尺度を作成し,その信頼性・妥当性を検討することを目的とした。これまでの尺度ではジェンダー・アイデンティティを具体的な性役割や性指向などで測定してきたが,本尺度はEriksonのアイデンティティ理論に則り,ある性別へのアイデンティティ感覚を構成概念とした。対象は大学生である(女性205名,男性207名)。4因子を想定して尺度作成をし,2因子モデル,4因子モデル,高次因子モデルの適合度指標を比較したところ,高次因子モデルがもっとも適合度がよかった。採択されたのは,高次の2因子の下位に各々2つの因子が配されるモデルであった。また,妥当性の検討のために,性役割,性別受容,自尊心といった尺度との相関や,性同一性障害をもつ者(男性から女性への移行者male to female “MTF” 120名,女性から男性への移行者female to male “FTM” 155名)との比較が行われ,妥当性が確認された。
著者
藤野 清次 Tee Garry J. Weiss Rudiger
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. HPC,[ハイパフォーマンスコンピューティング]
巻号頁・発行日
vol.74, pp.7-12, 1998-12-11
参考文献数
59

学術用語"eigenvalue"は, 固有値問題などに現れる「固有値」に対する用語として現在英語圏でよく使われている.しかし, "eigen"という冠頭の言葉は, もともとドイツ語で「固有の」または「特有の」という意味を表す言葉である.そこで, 「固有値」に対する学術用語として"eigenvalue"が現在英語圏で何故使われているかを入手資料を元に考察する.
著者
野中 亮
出版者
京都大学文学部社会学研究室
雑誌
京都社会学年報 : KJS = Kyoto journal of sociology
巻号頁・発行日
no.6, pp.41-59, 1998-12-25

The purpose of this paper is to reflect upon what the statements refered to the Aum Shinrikyo Affair manifested. On 20 March 1995, 'the Aum Shinrikyo Affair' was happened. In Japan, it was the first case of terror with poison gas, and the first case of terror by cult which caused a calamity that assailed many people. The number of dameged sufferers in this terror is over 5, 000, and eleven persons were killed. Japanese mass medias naturally reported this calamity everyday, but these reports become too excessive gradually. Syoko Egawa -- she was famous for her reportage of the Aum Shinrikyo Affair -- was the most famous 'Aum Watcher'. 'Aum Watcher' means the watch for Aum Shinrikyo, she was regerded the leader of Aum Watchers. In this paper, Syoko Egawa's reportages of the Aum Shinrikyo Affair are used as materials for consideration of the Japanese religious - cultural characteristics. The final purpous of this paper is the reflection on the Japanese religious - cultural characteristics with her texts. We contrust The books by Syoko Egawa with the books by Hiromi Shimada -- he was a university professor, but he was made to give up his job for his statement refered to the Aum Shinrikyo Affair. He estimated Aum Shinrikyo's religious life and practices very highly. His statement was opposed to the statement by Egawa Syoko who criticized the Aum Shinrikyo's conduct of their organization. But it was not discussion that settled this controversy, the event itself -- murder by the Aum Shinrikyo. This incomplete controversy still requires thorough discussion of us. Through this work we show that to consider the problems related to the Aum Shinrikyo Affair is, at the same time, to consider the problems related to the Japanese religious - cultural characteristics.
著者
秋田 成就
出版者
法政大学
雑誌
社會勞働研究 (ISSN:02874210)
巻号頁・発行日
vol.12, pp.142-178, 1960-12-15
著者
佐藤 翔
出版者
筑波大学
巻号頁・発行日
2013

筑波大学博士 (図書館情報学) 学位論文・平成25年3月25日授与 (甲第6645号)
著者
南 憲治
出版者
神戸親和女子大学
雑誌
神戸親和女子大学研究論叢 (ISSN:13413104)
巻号頁・発行日
vol.41, pp.121-126, 2008-03

小学校の3・4・5年生168名を対象に,73項目からなる「ひとり言尺度」を実施した。各質問項目に記されているそれぞれの状況においてどの程度,ひとり言を発するかについて4件法で回答を求めた。因子分析の結果,ひとり言が発せられる状況として4つの因子が抽出された。これらのひとり言が発せられる4つの状況から考えて,小学生はひとり言を発することによって,自分の気もちや行動を調整していることが示唆された。また,5年生は4年生よりもひとり言をより多く発していることも示された。
著者
丸島 和洋
出版者
慶應義塾大学
雑誌
史学 (ISSN:03869334)
巻号頁・発行日
vol.75, no.2, pp.181-209, 2007-01

論文はじめに一 天文~弘治期の諏方郡支配 1 武田氏の諏方侵攻と「諏方郡司」 2 「高島城代」の設置二 奉書式朱印状の創出と「諏方郡司」 1 「諏方郡司」の不正 2 永禄~天正期の「諏方郡司」 3 当該期「諏方郡司」の権限三 武田領国における「郡司」 1 「郡司」の検出 2 「郡司」が奉じる龍朱印状おわりに
著者
栗原 弘
出版者
名古屋文理大学
雑誌
名古屋文理大学紀要 (ISSN:13461982)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.13-22, 2004-04-01

平安中期の代表的な政治家の一人であった藤原行成は妻・母親・外祖父の遺骨を川に流している.葬法そのものが非常に珍しいのだが,それにもまして重要なことは右の三人の出自はすべて源氏であって,藤原氏の行成が他氏の身でありながら三人の墓を喪失させていることである.本稿はこの問題を家族史の立場から考察した.
著者
林谷 秀樹 近江 佳郎 小川 益男 福富 和夫
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
日本獸醫學雜誌(The Japanese Journal of Veterinary Science) (ISSN:00215295)
巻号頁・発行日
vol.50, no.5, pp.1003-1008, 1988
被引用文献数
2 29

1981年6月から1982年5月までの1年間に関東地方で死亡し, 1動物霊園に埋葬された犬4915頭の死亡データを用いて, Chiangの生命表作成法に従って, 犬の生命表を作成した. これは家庭飼育犬について作成された最初の生命表と思われる. 生命表作成の基礎となる犬の死亡確率の姿は人のものと基本的パターンがよく類似しており, 今回作成した犬の生命表は犬の集団の死亡秩序をかなり正確に表しているものと思われた. 生命表から算出された犬の平均余命は, 0才で8.3才, 1才で8.6才, 5才で6.1才, 10才で3.5才, 15才で1.6才であった. また, 犬の健康水準の指標としては飼い主の人為的な影響を受けやすい0才の平均余命(e<SUB>0</SUB>)より1才の平均余命(e<SUB>1</SUB>)のほうが望ましいと思われた. 犬種別(雑種, 純血種に大別), 地域別(人口密度1万人以上のA地域と1万人未満のB地域に大別)にも生命表を作成し, 得られたe<SUB>1</SUB>を比較した結果, 犬種間では雑種は純血種に比べ, また地域問ではA地域はB地域に比べe<SUB>1</SUB>は有意に長かった. 以上のことから, これらの犬種間, および地域間においては平均余命の長さを規制している要因になんらかの違いのあることがうかがわれた.
著者
樋口 雄三 吉村 ひろ子
出版者
国際生命情報科学会
雑誌
Journal of International Society of Life Information Science (ISSN:13419226)
巻号頁・発行日
vol.26, no.1, pp.49-52, 2008-03-01

患者は42歳の男性。連日深夜までの勤務による過労から倒れ、MRIにより小脳における脳梗塞と診断され、さらに脳血管造影検査により、後下小脳動脈に2個所の脳動脈瘤が確認された。ベサトールSR、アムロジンなどによる治療を受けたが、手術は行わず、退院して経過観察とされていた患者に対して霊的施療を6回行った。霊的施療は患者には全く接触せず、無侵襲で霊的エネルギーで施療したが、施療後の脳血管造影検査により脳動脈瘤の消失が確認された。その後の定期検査においても異常は認められていない。
著者
谷内 悠
出版者
日本宗教学会
雑誌
宗教研究 (ISSN:03873293)
巻号頁・発行日
vol.88, no.1, pp.99-121, 2014

本稿では、「なぜ宗教的なものが科学に基礎づけられることで自らを正当化しようとするのか」という問題について、分析哲学の手法を用いて考察する。その際、創造論、とりわけ自らを「科学である」とする創造科学やID論を事例として取り上げる。それらが科学性を主張するのは、公教育を巡る建前であるだけでなく、科学の優位を前提する社会通念の反映でもあり、ここに宗教と科学の間の現代的な捻れがあると読み取れるのだ。そこで筆者はまず、宗教と科学を概念図式及び言語ゲームとして捉え、個々に分析した。そしてそれらを状況に応じて選択する母体として「メタ概念図式」を措定し、さらに概念図式及び言語ゲームとメタ概念図式との間にある循環関係も考慮した「二重の概念図式理論」を提起する。それを創造論に適用することで、宗教と科学の捻れを解消するに至った。この理論は、ウィトゲンシュタイニアン・フィデイズムのような概念相対主義を乗り越える試みでもある。
著者
安念 潤司
出版者
成蹊大学法学会
雑誌
成蹊法学 (ISSN:03888827)
巻号頁・発行日
no.24, pp.p181-204, 1986-03
著者
梶原 洋
出版者
東北福祉大学芹沢銈介美術工芸館
雑誌
東北福祉大学芹沢銈介美術工芸館年報 (ISSN:21862699)
巻号頁・発行日
no.12, pp.43-50, 2021-06-23

1933 年に伊東信雄により樺太で発見された2 領のアイヌ鎧は、主としてその構造が古墳時代の挂甲に類似していることから、平安初期(9 世紀)の所産と推定されていた。しかし、11 から12 世紀に生まれ、鎌倉時代以降に盛んに用いられた「腹巻鎧」との構造的な類似性をもつと推定される。そして、鎧自体の特徴は、北東アジアのチュクチ族などの前合わせ式鎧と共通していて、その伝統に倣った上で、日本式鎧の縄目縅、菱縫などの製作技法を取り入れて作られた可能性が高い。また、サハリンに残されたアイヌ鎧に見られる巴文が、南北朝以降の型式であり、新たに確認された松皮菱文は、武田氏に関連することから、15世紀に蠣崎氏(武田氏)を中心とした道南の和人勢力とアイヌ民族との間で繰り広げられた戦いとの強い関連も推定される。したがって、この鎧は、平安時代9 世紀の所産ではなく、室町時代の15 世紀頃に奥州以北などで製作され、サハリン(樺太)にまでもたらされたとの説明が最も有力となり、従来の年代感は訂正されなくてはならないだろう。
著者
神野 秀雄
出版者
愛知教育大学
雑誌
治療教育学研究 (ISSN:09104690)
巻号頁・発行日
vol.26, pp.1-9, 2006-02

本論文は,初来所時31歳(男性)の高機能自閉症(IQ:92)に関する事例報告である。Aさんは女子学生5,6名を回答者にして「クイズサークル」を年数回実施し,それを5年間続けて終了した。Aさんは,クイズサークルの「会長」として来所していたが,まもなく学生たちにAさん自身のことを「先生」と呼ばしめるようになり,大学の非常勤講師としてクイズサークルを主宰しているという揺るぎない妄想に変化していった。このように学生たちには尊大な態度を示したが,一方筆者(セラピスト)には,強迫行為や強迫観念など"気になること"や"悩みごと"をクライエントとして相談し,カウンセリングによりいくらかでも悩みを軽減できる神経症的な心の構造を示した。本事例の発達経過をみると,Meltzer,D.のいう自閉(autistic)から後自閉(post-autistic)に移行・成長した経過を経たと思われ,その視点から妄想や強迫症等について考察した。