著者
森 雅秀 永ノ尾 信悟 高島 淳 冨島 義幸 原田 正俊 山部 能宜 松本 郁代 鷹巣 純 矢口 直道 西本 陽一
出版者
金沢大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2011-04-01

本研究は、アジアにおける仏教儀礼の形成と展開、変容をテーマに、さまざまな領域の研究者による共同研究の形式で進められた。参加した研究者はインド学、仏教学、歴史学、人類学、美術史、建築史、宗教学等の分野で、多角的な視点から研究をおこなった。そのための枠組みとして王権論、表象論、空間論、技術論、身体論という5つの研究領域を設定した。とくに顕著な研究成果として灌頂に関する論文集があげられる。代表的な仏教儀礼のひとつである灌頂を取り上げ、その全体像を示すことに成功し、儀礼研究の新たな水平を開いた。また研究の総括として、儀礼と視覚イメージとの関係についての国際シンポジウムを開催した。
著者
前島 隆司
出版者
金沢大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2014-08-29

視床下部及びモノアミン・コリン作動性神経系により形成される睡眠・覚醒制御システムについて、個々の神経系を結ぶ入出力回路の作動機序と機能的役割の解明をめざし、錐体オプシンを用いた光遺伝学的手法を導入し実験を行なった。マウスをモデル動物とし、視床下部オレキシン神経及び縫線核セロトニン神経の神経活動を光遺伝学的に操作し、睡眠・覚醒状態の変化を観察する実験系の立ち上げを行なった。長波長型及び短波長型錐体オプシンをそれぞれ励起波長の重ならない蛍光タンパク質eGFP及びmCherryで標識し、Cre-loxP部位組み換え反応により発現されるようアデノ随伴ウイルスベクターにクローニングした。実験には細胞特異的にCreリコンビナーゼを発現する遺伝子改変マウスを用い、オレキシン神経及びセロトニン神経への遺伝子導入のため、それぞれOrexin-Creマウスの視床下部外側野とSERT-Creマウスの背内側縫線核内にウイルスベクターを投与した。いずれの錐体オプシンもセロトニン神経特異的に発現し、最適波長の光照射により過分極応答を誘発させることをそれぞれ組織学及び電気生理学的手法により確認した。また視床下部においては一部非特異的発現が認められたが、オレキシン細胞においても錐体オプシンの活性化により過分極応答が誘導された。次に、脳波・筋電計測下の生体マウスにおいて、錐体オプシンを導入した神経核に対し光ファイバーを通して直接光照射を行ない、睡眠・覚醒状態の変化を観察する実験システムを構築した。予備的ながら光照射期間において睡眠・覚醒状態の変化を観察した。今後実験系の修正を適時行いつつ実験を重ね、厳密な対照実験との比較から慎重に結論を導出したい。錐体オプシンを用いた光遺伝学的手法は神経回路の機能的役割を解明するための一助となると期待される。
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1399, pp.106-108, 2007-07-09

水色やピンクといった春夏特有の流行色に合わせやすい白色のパンツは、女性にとって定番商品の1つと言えるだろう。だが、白の生地を使った服を着ると、下着のラインなどが透けて見えることがある。特に春夏の衣料は秋冬に比べて布地が薄く、光を通しやすい。このため、白色のパンツの購入に前向きになれない女性は少なからずいた。体にフィットする「美脚パンツ」だとなおさらだ。
著者
裏出 令子 裏出 良博 柏木 香保里 ラザルス ミハイル
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

肝臓特異的なER-60のノックアウトにより、肝臓での膜糖たんぱく質の構造形成が部分的に遅滞することを見いだした。このため、高脂肪食による高度肥満にすると、ER-60の欠失により肝臓で小胞体ストレスが惹起されやすくなることを示した。脳特異的なER-60の欠失により、ER-60によるアルツハイマー病の原因タンパク質であるアミロイドβの毒性抑制作用の検証を試みるとともに、ER-60とアミロイドβとの複合体の構造解析に成功した。
巻号頁・発行日
vol.写真(〔不明〕),
著者
橘 誠 神保 恭一 中田 幸二 羽田野 甫 玉乃井 愛仁 大塚 喬
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. US, 超音波
巻号頁・発行日
vol.96, no.546, pp.1-7, 1997-02-28
被引用文献数
5

回転機械の異常振動や装置設備の漏洩等の異常現象を、音響によって検出するために開発されたパラボラ集音器を対象に、差分法シミュレーションを行った。パラボラ反射器へ取り付けるマイクロホンの位置と向きなどによる、音波伝搬特性の変化を明らかにした。トーンバースト音源に対するマイクロホン受音面の音圧波形を求め、デジタル信号処理を用いた実験と比較検討した。さらに、シミュレーションの結果は、1コマずつ時間を追ってビデオに録画し、動画として表示できるようにした。
著者
有岡 祐子 山田 泰広 伊藤 弘康
出版者
名古屋大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2014-04-01

iPS細胞の樹立過程が発生の逆戻り過程、すなわち「終末分化細胞→組織幹細胞/前駆細胞→多能性幹細胞」を辿っているかは明らかにされていない。本研究では、対象組織を毛包細胞として、毛包細胞からのiPS細胞樹立過程を解析した。iPS細胞樹立過程において、一部毛包幹細胞マーカー(Lgr5)を発現する細胞集団の存在を認めた。しかし、これらは本来の毛包幹細胞とは性質が異なっていた。一方で、Lgr5を一過性に発現する細胞集団は、その後効率よくiPS細胞へと初期化されることを見出した。
著者
田中 敏幸
出版者
慶應義塾大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

めまいはその原因が複雑かつ多岐に渡るため、正確な診断を行うためには専門的な知識と経験を持った医師の診断が必要であるが、現在めまいの専門医は非常に少ないのが現状である。本研究ではめまいに伴う異常眼球運動(眼振)を動画像処理に基づいて解析するめまいの診断支援システムの実現を目的とする。提案手法には、まばたきの検出、瞳孔位置の特定、回旋性眼球運動の回転角算出が含まれており、まばたきなどのノイズ強く、かつ水平・垂直・回旋の 3つの運動の解析を可能にしている。
著者
Masato Kotani Fumihiko Katagiri Tsuyoshi Hirai Jiro Kagawa
出版者
(社)日本内分泌学会
雑誌
Endocrine Journal (ISSN:09188959)
巻号頁・発行日
vol.61, no.11, pp.1137-1140, 2014 (Released:2014-11-28)
参考文献数
14
被引用文献数
2 14

The hypothalamic hormone kisspeptin (metastin) regulates human reproduction by modulating gonadotropin-releasing hormone (GnRH) secretion. Kisspeptin is detected in peripheral blood, although GnRH is not. In this study, we measured plasma kisspeptin levels in four male cases with hypogonadism and seven normal male controls using enzyme immunoassay (EIA) to elucidate the clinical implications of kisspeptin levels in male hypogonadism. The results showed a variety of plasma kisspeptin levels: 6.0 fmol/mL in a male with isolated hypogonadotropic hypogonadism (IHH), 43.2 fmol/mL in a male with Kallmann’s syndrome, 40.7 fmol/mL in a male with azoospermia, 323.2 fmol/mL in a male with hypergonadotropic hypogonadism, and 12.3 ± 2.5 fmol/mL (mean ± SD) in seven normal controls. Except for the case with IHH, the plasma kisspetin levels were elevated in the three cases with Kallmann’s syndrome, azoospermia, and hypergonadotropic hypogonadism. The reason why the three cases had high values was their lesions were downstream of the kisspeptin neuron in the hypothalamic-pituitary-gonadal axis, suggesting that elevated kisspeptin levels were implicated in hypothalamic kisspeptin secretion under decreased negative feedback of gonadal steroids. The result that the plasma kisspeptin levels were decreased by gonadotropin therapy in the case with Kallmann’s syndrome supported this hypothesis. In conclusion, to measure plasma kisspeptin levels could be useful for better understanding of male hypogonadism.
著者
藤巻 和宏
出版者
早稲田大学
雑誌
若手研究(A)
巻号頁・発行日
2008

複数の寺院や図書館等で、中世南都の宗教的事象に関わる文献資料類の調査をおこなったが、調査データを整理し、活用してゆく際に、「宗教言説史」という枠組みを構築することを目指していた。これは、文学・史学・宗教学…といった近代的な学問分類に束縛されることなく対象を取り扱うために必要な作業であり、未完成ながらも、この三年間である程度の方向性を示すことができたと考えている。
著者
堀田 和彦
出版者
東京農業大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

本研究の目的は農商工連携におけるナレッジマネジメントを活用した共創的関係構築の条件を解明することにあった。これまで、食品・外食企業と農業分野の連携は、継続性の乏しい不安定で未完成な連携からいかなる条件によって連携組織のすべてがwin-win の状態になる共創的・価値創造的な関係へと進化していったのか、その解明が十分なされているとはいい難い。本研究ではまず、はじめに、農業、食品・外食企業、消費者各々に内在する潜在的ニーズと現実とのミスマッチの実体と連携組織内での問題の解明方向を明らかにし、次に連携が未完成なものから共創的関係に進化する要因をナレッジマネジメント活用の視点から明らかにした。
著者
安木 三郎
出版者
園藝學會
雑誌
園芸学会雑誌 (ISSN:00137626)
巻号頁・発行日
vol.53, no.1, pp.52-58, 1984
被引用文献数
1 3

従来, ランの胚あるいは子房培養により幼植物を得るには, 受粉•受精後の胚, あるいはそれを含む子房を無菌培養するという方法が行われてきた. それは, ラン科植物では一般に, 受粉後に胚珠形成が開始されるためと, 受粉後で受精前の胚珠を培養する場合, 試験管内受精させる必要性があるためである. また, 一般にランでは, 受粉から受精まで数ケ月を要する.<br>本実験では, ドリティスを用いて, 受粉後20, 40, 60日目の未発達な胚珠, あるいは胚珠を含む子房をそれぞれ無菌培養し, 幼植物を得ることに成功し, ランの種子繁殖で最も一般的に行われている完熟種子の無菌培養法と比較して, 受粉から幼植物を得るまでの期間が約150日短縮された. また, 受精前に胚珠または子房の無菌培養を開始しても, 受粉していればランの幼植物 (2<i>n</i>) が得られ, 受精が培養中試験管内でも起こり得ることが分かった.<br>子房培養の場合, 受粉後40日目の子房を材料とし,1.0ppm NAAを含む培地を用いることにより安定して多量の幼植物が得られた. 子房は滅菌後両端をナイフで切り取り, 先端 (花弁の付いていた方) を下に向けて培地に置床した. 胚珠培養の場合, 子房を切り開き, 胚珠を取り出して材料とした. 受粉後60日目の胚珠を10ppmNAA, あるいは10ppm BAとココナツ溶液25%を含む培地で培養することにより多くのプロトコーム及び幼植物が得られた. また胚珠培養の場合, 幼植物を多量に得るには, ココナツ溶液 (35%) かショ糖 (2%) が不可欠であることが分かった.<br>本実験により, ドリティスにおいては, 受粉後60~65日に受精が起こるが, それより前の受粉後20, 40, 60日目の子房, あるいは胚珠を培養することにより幼植物が得られることが確認された.