著者
矢木 大介 村田 健史 笠原 禎也 後藤 由貴
出版者
情報知識学会
雑誌
情報知識学会誌 (ISSN:09171436)
巻号頁・発行日
vol.24, no.2, pp.178-183, 2014-05-24 (Released:2014-12-01)
参考文献数
6

月探査衛星かぐやで観測した電界波形データには, 特徴的なバイポーラ型波形が多数確認されている. このバイポーラ型波形を観測データから自動抽出し, 波形の特性を求めるアルゴリズムを開発中であるが, 観測データの総容量が約190GBにも及ぶため, 情報通信研究機構(NICT)のサイエンスクラウド上でPwrakeを用いて並列処理による高速化を図った. 本論文では効率を評価した結果を報告する.
著者
清家 篤 山田 篤裕
出版者
慶應義塾大学
雑誌
三田商学研究 (ISSN:0544571X)
巻号頁・発行日
vol.41, no.4, pp.115-144, 1998-10-25

高齢者の引退決定過程に与える,年金,退職管理制度,就業経験,個人属性などの影響にかんする計量分析を行った。分析方法は,就業状態への生存率を被説明変数とするハザード分析である。データは,個人やその個人のかつて勤めていた企業の属性などについての情報などに加えて,個人の引退プロセスや職業経験などにかんする回顧的情報を含むマイクロデータ(財団法人高年齢者雇用開発協会『定年到達者の仕事と生活に関するアンケート調査(1992年)』)を使った。ハザード分析では,カプラン・マイヤー法によるノンパラメトリック分析と,加速モデルによるパラメトリック分析の両方を行った。主な発見事実は次のとおりである。(1)年金の受給可能性は,公的年金,企業年金,私的年金のいずれも引退時期を早める効果を持っている。しかし,その効果の大きさは各々相違している。(2)管理職・専門職等の経験は引退時期を遅らせる効果を持っている。ただしこれは学歴などをコントロールすると必ずしも有意には計測されない。定年前の退職は引退時期を早める効果を持っている。その他の退職管理をめぐる雇用慣行については必ずしも有意な効果は確認できない。(3)現在の良好な健康状態および高度な教育が,引退時期を有意に遅らせる効果をもつ一方で,就業形態のフレキシビリティーのなさは引退時期を有意に早める効果をもっている。(4)いったん会社を退職した後の休養期間は,引退の時期を遅らせる効果を持っている。これは休養による人的資本・健康資本に対する再投資効果や雇用保険受給のための自発的休養効果ではないかと推測されるが,確認には更なる分析を必要とする。
著者
松浦 さと子 北郷 裕美 金山 智子 小川 明子 林 怡蓉 寺田 征也 志柿 浩一郎 川島 隆 松浦 哲郎 畑仲 哲雄 畑仲 哲雄 日比野 純一 橋爪 明日香 稲垣 暁
出版者
龍谷大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2012-04-01

1992年に制度化されたコミュニティ放送局は、2016年代に入り300局を超えた。それらは、地域の地理的環境や文化的・社会的・政治的・経済的背景に適応すべく多様な運営スタイルで放送が担われている。しかし共通しているのは災害対応への期待が高いことである。特に2011年以後は「基幹放送」としてその責任が重くのしかかる。国際的なコミュニティラジオが「コミュニティの所有、運営、非営利非商業」と定義されていることに対し、日本のコミュニティ放送は、資源動員、法人形態、ジャーナリズムや番組審議会等、独自の成立条件を形成してきた。本研究では長期のフィールドワークと日本初の悉皆調査によってそれらを明らかにした。
著者
佐々木 朋裕
出版者
新潟大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2011

金属材料の固相接合法の一種である超音波接合を対象として,接合界面組織の金属学的評価に加えて,デジタル画像相関法による接合中の材料および接合工具の相対運動解析を行った.さらに,接合界面近傍の塑性変形領域におけるひずみ場の可視化を試みることにより,超音波接合プロセスにおける接合材の動的挙動を定量的に評価した.相対運動挙動の観点から超音波接合過程を考察し,振動を付加する工具と接合する材料の相対運動が接合組織に及ぼす影響を明らかにした.
著者
吉川 大弘 古橋 武 内川 嘉樹
出版者
一般社団法人 電気学会
雑誌
電気学会論文誌D(産業応用部門誌) (ISSN:09136339)
巻号頁・発行日
vol.114, no.4, pp.387-392, 1994-04-20 (Released:2008-12-19)
参考文献数
10
被引用文献数
1 1

For computer aided design (CAD)/design automation (DA) for printed circuit board (PCB), automatic placement of parts has been strongly needed. It is, however, very difficult to realize the automatic placement, since the parts have wide variety in size and these parts should be placed under various constraints.This paper studies a method of placement on the PCB using genetic algorithm (GA). This paper also studies an application of a new representing method for maintaining diversity of chromosomes to the GA. Simulations are done to show the feasibility of the new automatic placement method. A chromosome is converted into multiple phenotypes by the methods.
著者
吉川 大弘 古橋 武 内川 嘉樹
出版者
一般社団法人 電気学会
雑誌
電気学会論文誌D(産業応用部門誌) (ISSN:09136339)
巻号頁・発行日
vol.115, no.5, pp.642-651, 1995-04-20 (Released:2008-12-19)
参考文献数
10
被引用文献数
1 3

There have been growing demands for automatic placement of parts on printed circuit boards (PCBs). Since the parts have wide variety in size and these parts should be placed under various constraints, the automatization of parts placement is a very difficult task. The authors proposed a method using the genetic algorithm (GA) for the automatic placement on highly dense PCBs. The study was, however, done on an imaginary board. Many factors, such as gaps between parts, lining up of parts of same type, etc. were not considered.This paper presents three new coding methods for the automatic placement on the PCBs. The three proposed methods incorporate rotating angle of parts, gaps between parts, forming of parts of same type in lines as well as dense placement of parts. Actual PCBs are used for showing and comparing the effects of the new coding methods. The results show that the proposed methods are feasible for the automatic placement of parts on highly dense PCBs.
著者
大曲 由起子 鍛治 致 稲葉 奈々子 樋口 直人 髙谷 幸
出版者
大阪経済法科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

本研究では、国勢調査オーダーメイド集計を用いて、1980~2010年までの在日外国人の社会経済的地位の動態を分析した。その結果、在日コリアンに関して1950~60年代生まれコーホートに置いて職業ニッチの変化が生じていること、民族経済が脱産業化したという説は過大評価である可能性が高いことを明らかにした。同時に、ニューカマーについては進学格差が縮まりつつあるが、これはリーマンショックによる帰国の影響が強いことも示唆された。また、中国籍に関しては学歴の高い新中間層と技能実習生に分化しており、出生コーホートごとに日本への包摂様式がかなり異なる。
著者
吉田 修 北川 将之 上田 知亮 石坂 晋哉 油井 美春 長崎 暢子 志賀 美和子 木村 真希子 舟橋 健太 中溝 和弥 田辺 明生 三輪 博樹 伊藤 融 小川 道大 小西 公大 近藤 則夫 森 悠子 和田 一哉 佐藤 仁美
出版者
広島大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2012-04-01

20人弱の日本のインド政治・社会研究者がインドにおける州への分権化・自治の進展について共同・分担して分析を行った。その研究結果は2014年度アジア政経学会西日本大会で発表するとともに同学会誌『アジア研究』第62巻第4号に特集として掲載され、インド政治が一国家の枠内にありながら州を単位とした比較政治の対象でもありうること、また政治的に進展した分権化が全国レベルでの緩やかな統合を可能にしていることが、インド研究の政治学全体への貢献として提示できることが示された。この成果はインドの「社会経済変化研究所」で国際セミナーを開催することでインド国内にもインパクトを与え、今後の国際共同研究に道を開いた。
著者
櫻木 新
出版者
芝浦工業大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2011

本研究は日本語における記憶表現に焦点を当てる。分析哲学では他の多くの分析と同様に、記憶概念の研究は'remember'をはじめとする英語の記憶表現の検討を通して行われてきた。本研究では、日本語の記憶表現が詳細に検討され、英語の対応表現と比較された。また分析哲学において前提とされている一部の記憶概念が、'remember'の用法など英語の用法を前提としたものであることが明らかにされた。
著者
小沢 一雅
出版者
大阪電気通信大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

昨今,邪馬台国時代に前方後円墳が築かれはじめたとする見解がマスコミを主流として喧伝されている。本研究は,こうした動きを支えている感覚的な理解のあり方の妥当性を数理的な分析によって検証する。まず,畿内を中心として各地に遺存する最古級前方後円墳(古墳時代草創期を画する)の全体から導かれる特性値を抽出する。一方,邪馬台国が記述されている魏志倭人伝の30ヶ国の人口から導かれる分布特性(べき乗則の特性)を抽出する。この2つの特性値を基礎にした比較分析,およびシミュレーション研究を通じて標記の見解に妥当性がないことが示唆される結果を得た。
著者
水野 正好
出版者
奈良大学大学院
雑誌
奈良大学大学院研究年報 (ISSN:13420453)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.65-79, 1997-03

倭国女王卑彌呼の宮都が邪馬臺国にあることは『三国志』魏志の明記するところである。從前、この邪馬臺国は、魏志に頻出する女王国と混同され、同一視される場合が多いが、邪馬臺国と女王国は区別されるべき、別個の存在であることは魏志を熟読することで理解される。女王国の謂いは「女王の統治する国」の意であり、「女王の都する国」の意をもたぬことは歴然と窺えるところである。
著者
安藤 敏夫 内橋 貴之 福森 義宏 福間 剛士 古寺 哲幸 紺野 宏記 ウオング リチャード 村上 聡 小椋 光 豊島 陽子 神取 秀樹
出版者
金沢大学
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2012-05-31

三つの課題に取り組んだ。課題1では、既に確立した高速AFMを利用して多様な蛋白質系で起こる動的プロセスを観察し、機能メカニズムに迫るとともに、従来技術では困難な天然変性蛋白質の構造解析が高速AFMで可能であることを実証した。課題2では、振動を起こさずに広域を高速走査する技術やイメージング中に試料を操作可能なインターラクティブ高速AFMを開発し、その有効性を実証した。また、カンチレバー走査方式の高速AFMと蛍光顕微鏡との複合機を開発し、蛍光像と高速AFM像の同時取得を実現した。課題3では、非接触観察可能な走査型イオン伝導顕微鏡の高速化に向け要素技術を開発し、約100倍の高速化に成功した。
著者
新家 光雄 仲井 正昭 劉 恢弘 稗田 純子 趙 研 東 健司 上杉 徳照 石本 卓也 今野 豊彦 佐藤 和久 赤堀 俊和
出版者
名城大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2012-04-01

β型低弾性率Ti-29Nb-13Ta-4.6Zr合金(TNTZ)およびTi-Cr系合金につき、特にユビキタス元素である酸素(O)に注目し、従来では脆化をもたらすと考えられてきた高O濃度としたり、CrおよびO量を制御することにより、ω相、α”マルテンサイトあるいは双晶を適切に誘起すること、さらには超塑性歪加工、微粒子衝突やキャビテーションピーニングを施すことにより、両合金の高強度・高延性化、高疲労強度化、自己ヤング率調整機能の付与を達成した。TNTZでは、単結晶を用いて変形挙動を解析し、同合金単結晶が塑性的には異方性を示す、弾性的には等方性を示すことを見出した。
著者
小口 理一
出版者
東北大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2012-08-31

本研究では、2次元クロロフィル蛍光装置を利用し、光阻害耐性に変異を持つ植物の探索を目的とした。薬剤処理で変異を誘発した個体とcontrolの野生型とを、2次元でのクロロフィル蛍光が測定可能なクロロフィル蛍光測定装置を用いて比較することで、光阻害の程度が有意に野生型と異なるものを探索した。これまでに約7000個体で、スクリーニングを行い、118個体の変異体候補が探索されてきた。この得られた変異体候補を用いて、詳細な形質評価を行う事で、どのような遺伝子が光阻害耐性に関わっているのかを明らかにし、光阻害および光防御のメカニズムをより詳細に明らかにして行く事ができると考える。