著者
DETHLEFS H・J
出版者
中央大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

本研究はレオナルド・ダ・ヴィンチの草稿を中心とし、彼が北ドイツ、特にゲーテ時代のドイツにおける芸術理論に及ぼした影響をテーマとした。当初は1810年のゲーテの色彩論の中に、レオナルドの光の理解が受容されかつ変形されているという考えだったが、研究を進める中でレオナルドの草稿に自ら目を通して研究したヴァザーリの重要性が私の目にはっきり見えて来た。以来、ヴァザーリの伝記に散見する色彩理論的発言と並び、これまで一般に蔑ろにされて、2006年にようやくドイツ語に翻訳された「建築、彫刻、および絵画論序論」に焦点を当てた。ヴァザーリは、レオナルドの文献に時折見られる一つの概念を取り上げた最初の著作家である。
著者
千足 昇平
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

単層カーボンナノチューブ(SWNT)のデバイス応用に向けた,光学物性の解明を目的とし,レイリー散乱分光計測システムを設計し構築を行った.液中に分散したSWNT,スリット構造に架橋したSWNTなど様々な形態のSWNTサンプルに対し,レイリー散乱スペクトルの取得やレイリー散乱イメージング計測に成功した.SWNTはその直径が1nm程度しかないが,十分強いレイリー散乱光強度を得ることができ,今後のSWNTデバイスの評価・分析にレイリー分光計測が有効であることが明らかとなった.
著者
福本 勉 石沢 謙哉 武藤 直紀
出版者
一般社団法人日本土壌肥料学会
雑誌
日本土壌肥料學雜誌 (ISSN:00290610)
巻号頁・発行日
vol.63, no.3, pp.325-331, 1992-06-05
被引用文献数
6

非マメ科木本植物に共生して窒素固定を行う放線菌フランキアを効率よく分離し,かつ分離フランキアの根粒着生や窒素固定能を簡便に評価する方法として,試験管内養液栽培法を検討した.1) 表面殺菌した自生オオバヤシャブシ根粒より調製した根粒磨砕液を,試験管内で無窒素 H_<OAGLAND> 培地による養液栽培法を用いて無菌的に育てたオオバヤシャブシ幼植物に接種したところ,効率よく根粒着生することを認めた.2) 試験管内養液栽培によって得たオオバヤシャブシ根粒を表面殺菌後二分し,フランキア培地で培養することによってフランキア様微生物が効率よく分離できた.改良 Qmod 培地で継代培養した同微生物は培養特性,形態的特徴および再接種試験により根粒を着生し,アセチレン還元法により窒素固定能をもつことが確認されたことからフランキアと同定した.3) 分離したフランキアの接種によって,試験管内養液栽培した無菌オオバヤシャブシ植物体に効率よく根粒が着生した.4) フランキアの純粋分離および分離フランキアの評価を行ううえで,本試験管内養液栽培法は下記のような利点があった.(1) 実験室内において無菌的な植物栽培ができ,かつ小面積で大量の試料を同時に取り扱うことができる.(2) 根粒の着生状況や植物地下部の生育状況を経時的に観察でき,かつ生育途中の管理が容易である.これらの結果から,試験管内養液栽培法による接種試験評価法はオオバヤシャブシ以外のフランキア植物からのフランキアの純粋分離や共生窒素固定系の解析に対しても広く応用できるものと考えられる.

1 0 0 0 An die Galater

著者
François Vouga
出版者
Mohr Siebeck
巻号頁・発行日
1998
著者
西藤 清秀 青柳 泰介 吉村 和昭 樋口 隆康 中橋 孝博 篠田 謙一 濱崎 一志 宮下 佐江子 豊岡 卓之 石井 香代子 石川 慎治 中橋 孝博 濱崎 一志 篠田 謙一 吉村 和久 宮下 佐江子 花里 利一 佐藤 亜聖 石川 慎治 後藤 完二 佐々木 玉季 吉村 和久 星 英司 鈴井 恭介 アサド カーレッド アサド ワーリッド
出版者
奈良県立橿原考古学研究所
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2008

パルミラ遺跡北墓地129-b号家屋墓の発掘調査を通してパルミラ古代墓制の変遷が理解できつつある。この墓にローマ人が関与する可能性も碑文から読み取れる。この調査には3次元計測システムを活用し、倒壊していた家屋墓の復元も試み、一部視覚化が出来ている。この墓の倒壊に関わる重要な要因として地震の痕跡を墓周辺で検出した。さらにパルミラ滅亡後に1歳未満の乳児が129-b号墓周辺に故意的に埋葬されている事実も確認している。
著者
数馬 広二
出版者
工学院大学
雑誌
奨励研究(A)
巻号頁・発行日
2000

(1)馬庭念流樋口家文書『従宝暦五門弟入帳』(1755〜1765:入門者九五三名が名前記載)に記載される門人で上野国内北部域のうち宝暦5年2月入門の白井町(子持村)在住の16名、および宝暦11年新井村8名、山子田村(現在の榛東村)11名に関して調査を行った。また信濃国佐久市、小諸市に分布した馬庭念流門人に関して各市教育委員会を通じて調査した。(2)馬庭念流門人が存在した地域での学心一刀流、一刀流中西派、真之真石川流、気楽流での武術流派と馬庭念流との勢力関係を奉納額から検討した。一刀流中西派は、八幡八幡宮(やわたはちまんぐう)(高崎市八幡町:文化15年)、群馬町足門鎮守八坂神社(弘化2年)、碓氷峠熊野神社(弘化4年)伊香保水沢寺(安政三年)への奉額が確認された。真之真石川流は、榛名神社(群馬郡榛名町:文政5年)産泰神社(埼玉県本庄市四方田(しほうでん):天保10年)富田寺(ふくでんじ)(本庄市富田:弘化4年)の三枚であった。学心一刀流は榛名山神社御幸殿(みゆきでん)外側と額殿(安政五年)、大宮巌鼓神社(おおみやいわづつみじんじゃ)(慶応元年)、気楽流は碓氷峠熊野神社(文政9年)、群馬郡川島村甲波宿祢神社(かわすくねじんじゃ)(嘉永7年)に奉額した。(3)樋口家文書のうち流派勢力に関する記述のある書簡を解読した。一つは、伊香保一件直後の千葉周作の北辰一刀流の様子を馬庭念流松本定八が樋口十郎右衛門に宛てた手紙である。また樋口家文書「山口藤四郎より樋口重郎右衛門へ」書簡に山口藤四郎の葛藤と転流について著されている。
著者
尾内 理紀夫 岡部 誠
出版者
電気通信大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

効果音を対象とする無音動画の有音化の研究を行った。効果音を、繰り返し音、瞬間的な音、持続性のある音の三種類に分類し、瞬間的な音と持続性のある音について研究した。瞬間的な音はミリ秒単位で発音位置を調整し、動画内の物体の動きと効果音の発音タイミングを一致させる必要がある。そこで音付き動画から効果音の合成に使用する特徴量と音データを切り出し、動画と独立なオブジェクト化を図ることとし、瞬間的な音の貼り付け技術を確立した。爆発音など数ミリ秒から5秒程度持続する音は、広周波数帯域にわたり不規則に音成分が現れる。このため無音動画内の物体の動きに合わせて持続性のある効果音を低劣化で伸長させる技術を確立した。
著者
中村 栄一
出版者
一般社団法人 日本原子力学会
雑誌
日本原子力学会誌 (ISSN:00047120)
巻号頁・発行日
vol.25, no.3, pp.179-185, 1983-03-30 (Released:2009-04-21)
参考文献数
8

According to the construction of the Onagawa Nuclear Power Plant, a telemeter system for monitoring external environmental radiation around plant was equipped. This system has six monitoring stations and collects the γ-ray spectrum every 10min at each station. The spectrum was analyzed by response matrix method, and the artificial contributions piled up natural background were separately evaluated.
著者
大隅 清陽
出版者
山梨大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

日本古代における内陸交通の特色について、甲斐国における駅制の運用を題材に考察した。また、日本と唐の律令法のうち、馬匹生産について規定した養老廐牧令と、北宋天聖令から復原される唐令を比較することにより、日本における馬の生産のあり方の独自性を明らかにした。特に共著書『古代山国の交通と社会』では、中央政府による山岳地域での駅制の施行が、大規模な人口の移動や土地の開発などの大きな影響を地域に及ぼしたことを解明した。

1 0 0 0 噂の真相

出版者
噂の真相
巻号頁・発行日
1978

1 0 0 0 壮快

著者
マイヘルス社
出版者
講談社
巻号頁・発行日
1974
著者
中西 明美 衛藤 久美 武見 ゆかり
出版者
JAPANESE SOCIETY OF HEALTH EDUCATION AND PROMOTION
雑誌
日本健康教育学会誌 (ISSN:13402560)
巻号頁・発行日
vol.20, no.3, pp.207-220, 2012
被引用文献数
1

目的:中学生を対象に「食に関するメディアリテラシー尺度」を作成し,その信頼性と妥当性を検討することを目的とした.<br>方法:2011年6~7月に,東京都及び埼玉県の公立中学校の生徒2,064名を対象に質問紙を用いた横断研究を実施した.項目案は,一般的なメディアリテラシーや食行動の要因に関する先行研究を参考に,「批判的思考」と「自律的判断」の2側面で構成されると仮定し,29項目作成した.尺度の信頼性は,内的整合性のクロンバックαと再検査法により確認した.妥当性は,「間食選択動機」調査票,一般的なメディアリテラシー尺度,メディア利用状況との関連性によって検討した.<br>結果:有効回答数は1,456名(70.5%)であった.探索的因子分析の結果,「食品表示活用」,「食品広告・販売促進からの影響」,「食に関するメディアからの情報の批判的認識」,「栄養バランスの判断」の4因子16項目が得られた.さらに,確証的因子分析の結果,高い適合度(GFI=0.96,AGFI=0.95,CFI=0.96,RMSEA=0.05)が得られた.各因子の信頼性では,クロンバックα係数(α=0.76~0.83)と再検査法による信頼性(r=0.48~0.67,いずれも,p<0.01)を確認し,良好な結果が得られた.妥当性では,重回帰分析の結果,「食品広告・販売促進からの影響」は,平日のテレビ視聴時間,テレビに対する保護者の肯定的意見と負の関連が見られた.一方,他の3つの因子は,テレビに対する保護者の批判的意見と正の関連が見られた.<br>結論:中学生の「食に関するメディアリテラシー尺度」の信頼性と妥当性が確認された.
著者
澤 進一郎
出版者
熊本大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2012-04-01

本研究では、植物感染性センチュウを用いた分子遺伝学的研究手法の確立を行った。さらに、センチュウ感染過程における、植物細胞の脱分化、多核化、再分化過程における分子機構に焦点を当て、その分子機構にせまるべく、エフェクタータンパク質のプロテオーム解析、また、候補遺伝子を用いたY2Hスクリーニングを行った。
著者
水谷 信夫
出版者
農業技術研究機構九州沖縄農業研究センター
雑誌
九州沖縄農業研究センター報告 (ISSN:13469177)
巻号頁・発行日
no.39, pp.15-78, 2001-12 (Released:2011-03-05)

卵寄生蜂カメムシタマゴトビコバチの寄主選好性や種間競争など、寄主カメムシや他種卵寄生蜂との相互作用を解明し、本寄生蜂がダイズ圃場でホソヘリカメムシの有力な天敵となり得る理由を考察した。さらに、本寄生蜂を誘引する物質を発見し、ダイズカメムシ類の防除技術への応用を試みた。以下に主な結果を記載する。本寄生蜂は、茎や莢よりも葉で寄生率が高く、寄主として他種カメムシ卵よりもホソヘリカメムシ卵を選好した。これら本寄生蜂の寄主探索行動と寄主種に対する選好性が、野外で寄生種による寄生率の差をもたらす最も重要な要因と考えられた。また、ホソヘリカメムシ卵では、幼虫の生存率が高く、羽化した雌蜂の寿命が長く蔵卵数が多いことから、本寄生蜂のホソヘリカメムシ卵に対する選好性は適応的な行動であることが明らかとなった。本寄生蜂は、寄生率の高いホソヘリカメムシ卵よりも、寄生率の低いイチモンジカメムシ卵で他種卵寄生蜂との幼虫間の種間競争に強く、種間競争の結果が、野外で寄生種による寄生率の差をもたらす主要な要因ではなかった。本寄生蜂は、ホソヘリカメムシ合成集合フェロモンの1成分である(E)-2-hexenyl (Z)-3-hexenoateに誘引された。本物質をダイズ圃場に処理することにより、ホソヘリカメムシを誘引せず、雌蜂の密度を高めることができた。雌蜂の絶対的な密度が高くなる秋ダイズでは、本物質を処理することにより寄生率が高くなり、防除素材としての利用が考えられた。
著者
東野 輝夫 梅津 高朗 安本 慶一 内山 彰 山口 弘純 廣森 聡仁
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2014-05-30

今年度は次のような研究を実施した。(1)屋内空間における高精度トラッキング技術と都市街区や公共交通機関におけるトラッキング・状況理解技術の開発を行った。特に、駅構内(大阪駅など)や列車内の混雑度や乗客の行動を複数人のスマートフォンを用いて高精度に推定する技術などを開発し、その結果をユビキタス系難関国際会議PerCom2018などで発表した。また、(2)都市街区の移動ノードやデータの偏在性、モビリティの偏向性がもたらす課題とそれに対する堅牢で柔軟なフレームワークの構築手法を考案し、その成果が分散システムに関する難関国際会議IEEE ICDCS2018に採録された。さらに、(3)都市街区に多数配置されたマイクロモジュール間の通信機能や超分散型の時空間情報集約機能(自律的ロードバランス、モビリティの自動把握・調整など)をEdge Computingベースで構築し、DCOSS 2017国際会議やMobile Information Systems誌で発表した。また、災害支援のための包括的プラットフォームに関する成果をSMARTCOMP 2017国際会議での招待講演や分散システムに関する国際会議IEEE ICDCS2017で発表した。現在、(4)複数のマイクロモジュールを対象環境に配置し、十数名のモバイルユーザにより人や車のモビリティ収集実験を行うと共に、大阪大学吹田キャンパスでの実証実験を目指した取り組みを開始した。実証実験では、数十台の固定カメラやLIDAR、ドライブレコーダー、スマートフォンなどを併用した包括的プラットフォームを開発し、携帯電話網が部分的に機能しなくなった場合を想定し、(a) 安否確認メッセージなどの伝達、(b) 写真などの災害関連情報の収集、(c) 各エリアでの人流センシングに基づいた実時間空間情報の把握と可視化、などに必要な要素技術の開発を行っている。
著者
宮崎 英樹 笠谷 岳士
出版者
独立行政法人物質・材料研究機構
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2012-04-01

過去のものとなったテレビジョン撮像管技術を現代のナノ材料・ナノ計測技術で蘇らせ、表面近傍の光学像を分解能62nm、無染色で撮像する電子走査型超解像光学顕微鏡を開発した。光電子放出に伴う蓄積帯電電荷を読み出すアイコノスコープ方式と、蛍光点を走査して試料を照明するフライングスポットスキャナ方式の構築を目指した。前者については研究期間内に完成形を示すことはできなかったが、後者は市販の走査電子顕微鏡に組み込めるユニットの開発まで成功した。生きた細胞の観察を可能とする環境セルを開発し、位相物体が無染色で撮像できる原理がパーセル効果に由来することを明らかにし、実際に生きたままのヒト肺細胞の観察に成功した。
出版者
Tokyo Geographical Society
雑誌
地学雑誌 (ISSN:0022135X)
巻号頁・発行日
vol.4, no.10, pp.485-485, 1892
著者
星加 良司
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

本研究は、日本の実定法の体系に初めて明文化された「合理的配慮」の概念について、(a)その導入に当たっての理論的・実践的課題を明らかにするとともに、(b)企業等において合理的配慮が有効かつ円滑に運用されるための研修プログラムの内容開発を行った。この成果は、(a)について書籍『合理的配慮』(有斐閣)、(b)について研修教材『障害者と共に働く職場づくり(基礎知識編)』及び『同(ケーススタディ編)』(株式会社富士通ラーニングメディア編)として公表される。