著者
米浪 直子 尾関 百合子 伊藤 知子
出版者
京都女子大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

野菜類は細菌に汚染されていることが多く、水洗浄だけでは完全に取り除くことは難しいことが報告されている。食中毒を予防するためには、HACCPの考え方をできる限り取り入れ、各給食現場に応じた衛生管理を行うことが必要である。それゆえ、本研究では、(1)HACCPに基づいた野菜の調理作業工程と一般的な調理作業工程について、いくつかのポイントで細菌検査を行った。(2)酢の物の調理作業工程のモデル実験で、きゅうりの洗浄、加熱処理、食酢の添加による殺菌効果について検討を行った。(3)生野菜の細菌数に及ぼすマスタードドレッシングの効果について検討した。以上のことから中心温度75℃1分以上の加熱処理を重要管理点としたHACCPシステムに基づく衛生管理の重要性が確認された。
著者
大竹 晋
出版者
筑波大学哲学・思想学会
雑誌
哲学・思想論叢 (ISSN:02873702)
巻号頁・発行日
no.21, pp.67-80, 2003-01-31 (Released:2013-12-18)

小稿は先に発表した二つの菩提留支研究、拙稿A「菩提留支の失われた三著作」(『東方学』102)拙稿B「『金剛仙論』の成立問題」(「仏教史学研究」44,1)および、それを踏まえた『大乗起信論』研究、拙稿C「[?][?]行派文献と『大乗起信論』」 ...
著者
山田 徹生 明石 英幹 山本 義久
出版者
水産増殖談話会
雑誌
水産増殖 = The aquiculture (ISSN:03714217)
巻号頁・発行日
vol.60, no.1, pp.153-159, 2012-03-20

マダイ量産種苗の放流用外部標識として利用できる鼻孔隔皮欠損を高頻度で作出する温度条件を明らかにする目的で,種苗量産施設を用いて飼育実験を行った。3実験の飼育温度は,孵化日(0日齢)から全長約5 mm まで20°Cを維持した後,5 mm から8 mm まで昇温し,それぞれ21°C,23°Cおよび25°Cで40日齢を過ぎるまで飼育した。また,これとは別に野外の比較的粗放な種苗量産池を用いた飼育実験を自然水温下(23°C)で行った。その結果,0日齢から36日齢までの間,20°Cから21°Cで飼育することにより約80~90%の割合で鼻孔隔皮欠損個体を作ることができることを明らかにした。これに対して,他のより高い温度における鼻孔隔皮欠損割合は1~34%と低かった。今回の実験は相対的に高水温と考えられるので,鼻孔隔皮欠損以外の形態異常にも注意する必要がある。
著者
松岡 寛子
出版者
日本印度学仏教学会
雑誌
印度學佛教學研究 (ISSN:00194344)
巻号頁・発行日
vol.61, no.3, pp.1241-1247, 2013-03-25

『タットヴァ・サングラバ』「外界対象の検討」章vv. 4-15 (TS_B 1967-78)においてシャーンタラクシタは諸極微の集合体を所縁とみなすシュバグプタの見解を全面的に否認する.ここに繰り広げられる論争の争点が「諸極微の集合体の顕現をもつ知は諸極微の集合体から生じたものではない.実在を対象としないから.二月のように」という『観所縁論』v. 2abにおけるディグナーガの主張にある点は従来の研究において看過されてきた.本稿ではこの点に着目し,シュバグプタ著『バーヒャールタ・スィッディ・カーリカー』vv. 38-40及び上記のvv. 4-15の検討を通じて,ディグナーガのその主張を,シュバグプタがいかに批判し,シャーンタラクシタがいかに擁護しているかを次のとおり明らかにした.まず,シュバグプタの極微集合所縁説の特徴は,(1)諸極微は集合することによってはじめて直接知覚をもたらすものとなることと,(2)集合した諸極微は複数であるにもかかわらず,黄等の単一体として誤認されることという二点にまとめられる.一方,シャーンタラクシタは彼の極微集合所縁説を否認するため,(1)諸極微の物体という属性と無部分という属性とが理論的に両立不可能であることを指摘して(1)諸極微が集合することを否定し,(2)「諸極微である」と知覚判断されない限り諸極微は直接知覚の対象としては確定され得ないことを指摘して(2)単一体という錯誤知の根拠が集合した複数の諸極微であることを否定する.さらに後者を補完して(3)知覚可能なものが諸極微の集合体であるとする推理を否定し,『観所縁論』v. 6に同じく,知覚可能なものは知の内部の能力にほかならないことを証明する.このようにシャーンタラクシタは『観所縁論』v. 2abの解釈の展開に積極的な役割を果たした.
著者
矢野 宏
出版者
日経BP社
雑誌
日経ベンチャ- (ISSN:02896516)
巻号頁・発行日
no.245, pp.158-160, 2005-02

未明の火事で妻子4人と140年続いた店を失った小川与よ志し和かずは、その日の午後、現場検証に立ち会った。 焦げくさい臭いが鼻をつく。2階の屋根までも焼け落ち、ぬかるんだ足元には割れた瓦が散乱していた。柱や壁も真っ黒に焼け焦げ、住み慣れた家は見るも無残な姿をさらしていた。 2001年8月31日。子供達の夏休み最後の日だった。
著者
川野 羊三
出版者
名古屋大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2003

遠方クェーサーが視線上の銀河によって強い重力レンズ効果を受けているレンズ系が70以上報告されている。これまでの詳細な観測と理論的研究により、レンズ銀河が光で見える様にほぼ楕円形で矛盾がないことが分かっている。しかしながら、いくつかのレンズ系では単純にフィッティングしたのでは像の明るさがうまく再現できない。その原因については未だ決着ついていないが、ダストなどによる影響、銀河のサブストラクチャ、使っていたレンズモデルが単純すぎる等議論されている。そこで、私はより複雑なモデルを使いさらに詳細なフィッティングを4つのレンズ系に対して行った。天文学的な不定性により3つについては結論できないが、B1422+231はサブストラクチャによりレンズ効果がなくても銀河群の摂動をよりとりいれることにより説明できることが分かった。よって、これまでサブストラクチャレンズ効果とされてきたレンズ系もレンズモデルの見直しやさらなる詳細化が必要になる。また、他のレンズ系に対してもこれまで見落とされていたフィッティングの誤りを明らかにした。そして、その陥りやすい誤りについても簡単に起因を説明できることが分かった。また、PLFというモデルを使った線形方法を使うことで簡単にハッブル定数などレンズ系から算出できることも分かった。最近示された同様の方法との比較と改善案についても明らかにした。この結果については、2004年1月アトランタで行われたアメリカ天文学会で発表した。また、日本天文学会誌PASJにも受理され4月に発行される予定である。
著者
慶野 英生 杉山 清泉 西沢 正 鈴木 輝明
出版者
日本水産工学会
雑誌
水産工学 (ISSN:09167617)
巻号頁・発行日
vol.42, no.1, pp.1-7, 2005-07-15
被引用文献数
4

1)冬季波浪によるアサリへの影響を検討するため、個体識別したアサリを用いて、砂上への露出頻度と潜砂行動、肥満度および体内グリコーゲン含量との関係について調べた。2)殻長25mm程度の大型アサリは、水温8℃以下の冬季に露出を受けると、露出頻度およびその累積回数に対応して潜砂行動に影響が現れ、その影響は回復せず、その後も持続する。3)冬季波浪により露出や砂中での上下移動を繰り返したアサリは、冬季の低いグリコーゲン含量がさらに低下し、潜砂不能となったり砂中から這い出す場合がある。4)冬季の露出により、砂上に這い出した個体のグリコーゲン含量は、約10mg/gと他の個体に比べて顕著に低かった。5)冬季の露出1回当たりの体内グリコーゲンの減少量は0.05mg/gと試算され、アサリが這い出しを起こす限界値を約10mg/gと仮定すると、這い出し個体が出現する限界累積露出回数は約50回であった。6)冬季波浪によるアサリの死亡過程には、波浪による露出や砂中での上下移動の繰り返しによって活力を低下させ、潜砂できなくなった結果、岸側などへ運ばれ、へい死するシナリオに加えて、同じく波浪による露出や砂中での上下移動の繰り返しによって衰弱し、砂中にいた個体が自ら砂上へ這い出すことにより、結果的に岸側などへ運ばれ、へい死するシナリオが想定される。

1 0 0 0 OA 角の三等分

著者
佐々木信次郎 著
出版者
黒沢旭日堂
巻号頁・発行日
1912
著者
北森 俊行
出版者
公益社団法人 計測自動制御学会
雑誌
計測と制御 (ISSN:04534662)
巻号頁・発行日
vol.36, no.7, pp.459-463, 1997-07-10 (Released:2009-11-26)
参考文献数
5
被引用文献数
1 1
著者
小澤 文幸 竹内 勝彦
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2014-04-01

ピリジンを母核とするPNPピンサー型配位子は,遷移金属錯体上で,塩基の作用により脱プロトン化を起こし,脱芳香族化ピリジン骨格を有する配位子に変化することが知られている.この配位子は強い塩基性を示し, ルイス酸である中心金属との酸-塩基協同作用により種々の結合の不均等開裂を起こす.本研究では,遷移金属に対して強いπ受容性を示すホスファアルケンを配位子骨格に組み込み,錯体反応性の大幅な向上を試みた.その結果,アンモニアのN-H結合切断や二酸化炭素の触媒的ヒドロシリル化に高い反応性を示す錯体を合成単離することができた.
著者
桂 幸司 寺田 一樹 力丸 裕 横川 隆一 渡辺 好章 Lin Liang-kong
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. US, 超音波 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.655, pp.25-30, 2003-02-14
被引用文献数
2

2台の高速度ビデオカメラを用いて飛行中のコウモリの軌跡を3次元で解析し,テレメーターマイクを用いて観測した超音波パルスの変化とコウモリと標的までの距離との関係について検討した.その結果,エコーロケーションシステムについて,特にCF,FM,パルス間隔,CF_2周波数,ドップラーシフト補償について,多くの情報を得ることができた.
著者
大嶋 正裕 長嶺 信輔 引間 悠太 遊佐 敦 山本 智史 Wang Long
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2014-04-01

従来、高い空隙率で微細な孔構造をもつ発泡体を生産するには、超臨界状態のCO2やN2を発泡剤として利用する射出成形手法が採用されてきた。本研究では、 熱可塑性樹脂の内部にマイクロメータ・スケールの平均径の微細気泡を有する発泡体を製造するための工業的成形手法として、昇圧装置を使わずに、CO2やN2をボンベから直接射出成型機に導入し発泡剤として利用する、あるいは空気をコンプレッサーを使って成型機に直接導入し発泡剤として利用する、低装置コストで低運転コストな新規な射出発泡成形装置を開発した。
著者
鈴木 正康
出版者
富山大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

蛍光センサ色素や生体由来の分子識別素子を複数回重ねてマイクロコンタクトプリンティングすることで、一つのチップ上に複数種の極微小オプティカルバイオケミカルセンサを構築すると共に、作製したオプティカルバイオケミカルセンサを用いて化学物質の2次元的な分布の経時変化を画像化することに成功した。
著者
丁 海文 河野 広隆 渡辺 博志 鈴木 雅博
出版者
公益社団法人日本コンクリート工学会
雑誌
コンクリート工学年次論文報告集 (ISSN:13404741)
巻号頁・発行日
vol.21, no.2, pp.1117-1122, 1999-06-21
被引用文献数
1 4

自己収縮の温度依存性を調べるために高温の一定温度養生の供試体と水和熱による温度履歴を受けるコンクリートブロック供試体で検討を行った。自己収縮ひずみは各温度履歴に対し依存する傾向を示した。始発から一定温度で養生した条件では養生温度が高くなるほど初期の膨張が大きく,自己収縮の終局値は小さくなる傾向を示した。また,水セメント比が小さくなるほど高温の影響が大きかった。ブロック供試体は水和熱による高温の温度履歴にもかかわらず初期の膨張がなく,自己収縮も大きくなった。自己収縮ひずみのマチュリティによる表現は難しいと考えられた。
著者
伊藤 安 三浦 弘之 石田 義夫 加藤 光雄 安部 竜郎 宮崎 昌久
出版者
Japanese Society for Food Science and Technology
雑誌
日本食品工業学会誌 (ISSN:00290394)
巻号頁・発行日
vol.11, no.5, pp.191-194, 1964-05-15 (Released:2010-01-20)
参考文献数
7

肉質を軟化せしめる目的で,屠殺前の老廃ホルスタイン牛(体重約370kg)にパパインを静脈注射(1,500単位)し,屠殺解体後の肉質について対照区と比較したところ,官能試験の結果からは軟化効果のあることわかった。またその裏付けとして行なった理化学的分析の結果からも,パパイン注射が肉質に好ましい結果を与えることが明らかとなった。