1 0 0 0 育ての心

著者
倉橋惣三著
出版者
フレーベル館
巻号頁・発行日
2008
著者
金川 弘司
出版者
北海道大学
雑誌
試験研究
巻号頁・発行日
1983

生物材料や受精卵の凍結用に冷却曲線を自動的にプログラムできる装置は数種類開発されているが、これらの装置は植氷時の制御が不十分であり、試料を入れてある冷凍室を開放して、外部から冷媒や冷体で刺激を加えたり、氷晶片を投入したりして植氷を行っているために、冷凍室の温度が変動する欠点がある。また、植氷に伴う著しい温度の上昇がみられるのが普通である。これらの温度変動が凍結しようとする受精卵に何らかの悪影響を与えるものと考えられる。今回の研究で開発した凍結装置は、恒温槽、温度制御盤および加圧式液体窒素容器からなっている。恒温槽は、断熱槽、液体窒素槽、ヘリウムスペースおよびフレオン槽からできている。フレオン槽は気相部および液相部(フレオン11)の2つに分かれ、両部の冷却は液体窒素の冷熱によって行われる。液体窒素槽からの冷熱はヘリウムスペースに密封されている熱交換用ヘリウムガスによって、一定速度でフレオン槽内に伝達される。この冷却とフレオン槽内ヒーターの作動は槽内の温度を測定するモニター用温度センサーからの読み取りを通じてヒーター電流をPID制御(比例積分微分動作制御)する温度制御盤のマイクロコンピューターによって制御され、設定した任意の温度と冷却速度が保持される。この温度と速度は数段階に分けてキー入力できるようにプログラミングされている。気相部には凝固点温度(植氷)を予め検知できるように温度測定センサーが付属されており、液相部は温度勾配がほとんどないように撹拌機によって常に撹拌されている。本凍結装置は、植氷時に工夫を加えて、冷凍室を開放したり、外部から操作することなしに植氷を行い、植氷に引続いて起る温度上昇を1.0°C以内に抑えることができた。また、下降時の温度も変動範囲が0.1°C以内に制御できた。本装置を使用して、耐凍剤としての各種糖類および急速凍結法の検討を行った。
著者
中馬 真里亜
出版者
大阪教育大学
雑誌
奨励研究
巻号頁・発行日
2013-04-01

1、研究目的国立美術館の現状分析と美術館との連携による企画展覧会を想定した教育カリキュラムを開発・実践する。2、研究方法(1)国立美術館との連携国立美術館(今年度は2館を抜粋)の設立経緯と教育普及活動の情報収集を行った。今年は京都国立近代美術館の学習支援担当者より、研究に対して多大な理解を得られ、積極的に情報交換ができた。その結果、生徒がテキストに迫る鑑賞教育を美術館で体験することによって、美術作品やその作者、学芸員からの学びを授業に還元できないか検討するに至った。そして、美術館との協同を基盤として、授業で子どもが作品について語る活動に効果が期待できるプロジェクトの計画を立てた。(2)学校・美術館・アーティストの協同京都国立近代美術館(1F講堂、3F企画展示会場、4Fコレクション・ギャラリー)を会場にして、子ども達が学芸員や作家の作品についての語り方の多様性に触れ、語り手の見方や作品への理解がどのようなテキストとなって現れるのかを知ることを目的としたギャラリートーク(館長と、5人の学芸員による10分間の作品解説)を展開する活動を実施した。実施期間美術館では企画展が開催されることになっており、その出品参加であるやなぎみわ氏が参加の意向を示した。会場に展示されてある作品の作者による45分間のアーティストトークが実現した。(3)アーティストのワークショップの授業導入美術館担当者から、授業の目的に近いと判断されるアーティストの活動の紹介を受けて、生徒活動に効果が期待できるアーティストのワークショップを授業の導入で行った。生徒が美術館の作品や実際に会ったアーティストの活動に触れながら、そのよさを、生徒自身が学校の授業に還元していくカリキュラムを実践した。3、研究成果美術館教育活動との具体的な連携を実践し、授業とのリンクの仕方を検討する上で必要な記録を得られた。今後、美術館のコーディネート力が学校教育に様々な働きかけとなる活動の具体的な方法を立案できる。
著者
林 春男
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告グループウェアとネットワークサービス(GN) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1998, no.42, pp.37-40, 1998-05-21
被引用文献数
1

ここでは災害弱者とはだれかを考える,新しい現実の創出である災害は,人々の新しい環境への再適応を強いる.その際に,特別なニーズを持つ人々があり,そうしたニーズにどこまで対応できるかが災害対応の質を決めている.従来は人々の善意にようて支えられてきた労働集約的なこうした対応をより効果的かつ効率的にすすめるためにどのような情報処理システムが必要かを議論する.This paper will discuss the problems for those who have special needs at the time of disaster. PSN in disaster needs some assistance to overcome their handicap in order to adapt themselves to a new reality created by a disaster. Computerized information management sysytem could be a great help for more effective and efficient support. An ethnographic account will be given.
著者
出川 哲朗
出版者
公益財団法人大阪市博物館協会(大阪文化財研究所、大阪歴史博物館、大阪市立美術館、大阪市立東洋陶磁美術
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

17世紀から18世紀にかけて、ヨーロッパには多数の中国の工芸品が流入して、宮殿や貴族の館に収められている。そして、これらの影響を受けた中国風の絵画や工芸品がヨーロッパで制作された。これらはシノワズリーと呼ばれる流行となっていった。ヨーロッパ各地に残されている輸出用の中国陶磁コレクションは膨大な数量であり、そのなかに、日本陶磁も含まれている。ドレスデンのアウグスト強王が収集した伊万里磁器コレクション,中国陶磁コレクション、マイセン磁器コレクションは、収蔵品台帳に記されていr。宮殿に残されている伊万里磁器が中国の輸出陶磁の流れの中で、どのような様相であったのかを知ることができる。
著者
木暮 ミカ 植木 一範 伊藤 圭一
出版者
明倫短期大学
雑誌
明倫歯科保健技工学雑誌 (ISSN:13440373)
巻号頁・発行日
vol.5, no.1, pp.15-20, 2002-03
被引用文献数
8

歯型彫刻実習において,学生が製作した実習作品の形態を客観的に評価することを目的に,非接触3次元デジタイザを用いて計測した3次元データからコンピュータ画像を作成し,これを応用した新しい指導方法を試みた.その結果,本指導方法は視覚的に削合の過不足部位が明確に表示されるため,言葉だけの指導では十分に理解し得なかった学生が容易に納得することができた.
著者
鈴木 一人
出版者
北海道大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2011

本年度は中国における宇宙開発を中心に研究を進める予定であったが、昨年度に引き続き、本年度の前半はアメリカ・プリンストン大学の国際地域研究所への長期出張が継続しており、現地で最新の国際政治学の研究に触れながら、グローバル・コモンズとしての宇宙空間のガバナンスについての研究を行った。しかし、本年度の途中で国際連合安全保障理事会の下にある1737委員会(通称イラン制裁委員会)の専門家パネルの専門家として任命されることとなり、やむなく本研究に対する補助金の廃止を申請することとなった。とはいえ、本年度も多くの研究成果が残すことが出来た。宇宙関連の政官学の主要人物が世界中から集まるアメリカのNational Space Symposiumで本研究の報告をすることが出来たほか、ヨーロッパ研究の世界最高峰と言われるEuropean Union Studies Associationで宇宙のグローバルガバナンスにおけるEUの役割について報告したほか、日本EU学会においても、共通論題の報告者として本研究の成果を発表した。また、インドのマニパル大学において、日印戦略対話の一環として、インドとの宇宙協力の問題について議論し、新興国であるインドと日本の関係について論じた。著作としては『国際安全保障』に「宇宙空間の軍事的重要性の高まりと宇宙安全保障」として、宇宙空間のガバナンス問題を取り上げ、途上国・新興国の台頭に伴うルール作りの必要性を論じた。また、外務省の外郭団体である国際問題研究所のグローバル・コモンズと日米同盟プロジェクトに参加し、その報告書の原稿(近刊予定)を執筆し、ミネルヴァ書房から出された『国際関係・安全保障用語辞典』の宇宙関連の項目を合計11項目担当した。
著者
馬場 敏幸 苑 志佳 相澤 龍彦 河村 哲二 近藤 章夫 兼村 智也 折橋 伸哉 佐藤 隆広 田中 美和
出版者
法政大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2014-04-01

今年度はブラジルサンパウロ、ジョインビレ、カシアスドスルを訪問した。ジョインビレとカシアスドスルはこれまでの調査で判明したブラジルの金型クラスターである。ジョインビレはドイツ系移民による工業都市であり、ブラジル第一の金型集積地である。ブラジル金型工業会もジョインビレに位置する。ジョインビレの金型技術は大手配管メーカーと大手家電メーカーの部品成形およびそれらの成形のための金型作成を核として形成されていった。やがて蓄積された技術をもとにして自動車など他産業向けの金型作成も盛んに行われるようになった。ジョインビレでは金型メーカーおよび中核企業である家電メーカーの金型部門を訪問した。金型はドイツ・マイスター風の金型製作手法がとられ、製作される金型品質はグローバルレベルであった。カシアスドスルはプラスチック射出成形が盛んなイタリア系の移民都市である。金型製作はイタリアカロッチェリア風の金型手法がとられ、製作される金型品質は高かった。今年度の訪問により、これまでの企業のグローバル化および企業の成立・調達・技術系製などの経営学的・工学的知見に加え、ブラジル金型産業クラスターの成立という経済地理的観点からも大きな知見が得られた。特に興味深かった点は、金型クラスターごとに異なる形成経緯である。すなわち、コスモポリタン的な形成がなされたサンパウロABC地域は1950年代以降の自動車産業振興に伴って金型クラスターはコスモポリタン的に形成されたが、ジョインビレ地域はドイツ系移民のもちこんだ工業蓄積と共に形成され、カシアスドスル地域はイタリア系移民のもちこんだ工業蓄積と共に形成された。ブラジルの金型産業の形成・発展に「移民」のキーワードが重要であるとの点が明らかになった。これはアジア地域の地場民族による金型産業・クラスター形成とは異なるタイプの金型産業・クラスター形成であり、大きな発見であった。
著者
金 誠
出版者
札幌大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2012-04-01

本研究は植民地朝鮮における朝鮮人知識人層ならびにスポーツ選手らのスポーツ活動が総力戦体制期の対日協力行為に如何に結びついていったかについて明らかにするものであった。本研究ではとりわけ植民地朝鮮において英雄となったマラソン選手の孫基禎に着目し、民族の英雄となった孫基禎の対日協力行為を当該期の朝鮮人知識人の近代的志向性と複雑に絡まり合うなかで生起してきた行為であったと結論づけ、植民地下の朝鮮半島におけるスポーツと対日協力の問題について考察を行った。
著者
中尾 麻伊香
出版者
東京大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2010

本年度は研究目的のなかでも原爆投下以前から以後にかけて言説がどのように引き継がれ変容していったかという点を考察し、原爆投下以降を扱った先行研究との議論の接続を試みた。具体的には以下のように検討をすすめた。(1)原爆投下以降の原爆/原子力に関する言説を検討した。新聞や雑誌から、原爆/原子力に関する記述を調査し、その変遷を捉えた。この内容を2011年12月に東工大の火曜ゼミで「核をめぐる言説と日本の科学者:戦時中から戦後にかけて」というタイトルで報告した。(2)原爆調査に関する先行研究を整理し、原爆調査の歴史研究における課題を検討した。この内容を2011年9月に生物学史研究会夏の学校で「放射線をめぐる言説:原爆調査からビキニ事件まで」というタイトルで報告し、『生物学史研究』に投稿した。また、長崎原爆資料館、永井隆記念館、長崎大学医学部などで資料調査を行った。(3)1940年代後半の全国紙と地方紙にあらわれた原爆症に関する言説を検討した。原爆被害をめぐる言説が全国紙と地方紙で異なることを確認し、その背景にある力学を分析した。この内容を2012年3月にAssociation for Asian Studiesの年会で"Radiation Sickness, Popular Medical Discourse, and Social Discrimination in Early Postwar Japan"というタイトルで報告した。(4)研究目的の一つに挙げていたアーカイブへの貢献については、故・西脇安(放射線防護)の資料整理を行い、資料のアーカイブ化に尽力した。国際シンポジウム「核時代の記憶と記録-原爆アーカイブズの保存と活用-」に参加し、日米のアーキビストとの交流をはじめた。以上の研究と平行して、これまでに得られた成果をまとめ博士論文の執筆を開始した。
著者
藤森 智子
出版者
田園調布学園大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

台湾は1895年からの50年間、朝鮮は1910年からの35年間、日本の統治下に置かれた。学校教育に依拠した日本語普及は低い就学率のため低迷し、それを打破するために社会教育が推進された。台湾では1930年に国語講習所が、朝鮮では1934年に簡易学校が開設された。これらは同様の施設ではないが、学校教育を補完する点で共通している。1910年代以降の教育令をはじめ、政策上の共通項のある両植民地であるが、社会教育においては独自性もみられる。統治末期の日本語普及率の差異は大きく、その要因は政策のみならず日本統治以前のそれぞれの社会における書き言葉や共通語の有無など、政策以外のところにも求められる。
著者
西端 慎一 井上 栄 雑賀 寿和 佐橋 紀男 鈴木 修二 村山 貢司 横山 敏孝 斎藤 洋三
出版者
一般社団法人 日本アレルギー学会
雑誌
アレルギー (ISSN:00214884)
巻号頁・発行日
vol.48, no.6, pp.597-604, 1999
被引用文献数
14

東京都の3地区(あきる野市,調布市,大田区)の住民を対象に,アンケート調査と検診(スギ特異的IgE検査)によるスギ花粉症有病率調査を行い次の結果を得た.1)東京都における平成8年度のスギ花粉症有病率は,あきる野市で25.7%,調布市で21.1%,大田区で17.7%であった.2)年齢別有病率では30〜44歳がもっとも高く,あきる野市では40%を越えた.3)平成8年度の東京都全体のスギ花粉症推計有病率は19.4%で,昭和60年度の約2倍であった.4)最近約10年間での有病率の増加は,地区別では花粉数の多いあきる野市で高く,年齢別では14歳以下の低年齢層で高い傾向がみられた.
著者
中島 正愛 BECKER Tracy BECKER Tracy
出版者
京都大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2012

今世紀中盤までにはその襲来が確実視される南海トラフの巨大地震や首都直下地震に対する備えとして、地震動のスペクトル特性に寄らずに地震動入力を低減する効果が期待される、3次元凹型曲面摩擦機構を有する多段階剛性免震装置の免震建物への適用が提案されている。多段階剛性免震装置による共振応答低減効果を評価すること、通常の免震建物と新型免震装置を有する免震建物それぞれに対して極限挙動を定量的に評価した設計方法を提案すること、を本研究の目的とする。研究2年目である本年度は、多段階剛性免震装置の設計法、具体的にはそれぞれの剛性領域での最適挙動を確保するために付与すべき各段階(中小地震時、大地震時、極大地震時)の剛性の決定方法を、関連する実験や数値解析による知見を参照して考案した。とりわけこの免震装置を特に高層建物に適用する場合を考え、高層免震における懸念材料である、転倒モーメントによって生じる免震装置への高圧縮軸力に対する性能、同じく免震装置への引張力に対する性能、極大地震下における免震層変形に対する性能、同じく上部構造の損傷に対する性能を検討した。この結果、多段階剛性免震装置の特徴である引張・圧縮力に対する安定した挙動を踏まえれば、極大地震時に対応する剛性はできるだけ大きいほど全体としての性能(安全性)が向上することを突き止めた。また、高層建物に免震を適用することをためらう米国にその得失を提示するために、典型的な高層免震建物に対する詳細設計・解析を実行した。その結果、変位応答としてみれば免震化による効果は極めて限られているが(せいぜい20%)、加速度応答としてみたときには50%~70%の応答低減が可能になることを明かにし、とりわけ安全性ではなく機能性の向上という視点に立てば、高層構造物であっても免震効果は決して低くない、という所見を得た。