著者
大岸 智彦 井戸上 彰 加藤 聰彦 鈴木 健二
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.50, pp.165-166, 1995-03-15

近年、異機種間通信の重要性が高まり、各種のOSI通信システムが開発されている。これらの通信システムは、テスタを用いてシステム内の各層の振る舞いを試験する適合性試験を経て、運用が開始される。しかしながら、運用中においても試験で検出されなかった誤りにより、通信障害が生ずる場合がある。このような誤りを検出するには、通信を長時間観測しデータを解析する必要がある。筆者らは、回線上を流れるデータを監視/解析することにより、通信システムのプロトコル手順に従わない誤り箇所(プロトコル誤り)を検出するインテリジェントOSI7層リンクモニタを提案している。本稿では、本モニタにおいてプロトコル誤りを検出するための方針及び実現方法について述べる。
著者
田中 耕太郎
出版者
山口県立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

育児の領域では、児童手当が政党間の理念の対立と制度変更を経て税の体系に一元化され、育児期間の年金算入と年金分与も女性の老後保障をめぐる立場の違いを超えて社会に定着してきたが、そこでは連邦憲法裁判所判決が決定的な影響を与えた。これに対して、若い親世代に対する育児手当と育児休業、保育所等の整備については、大きな流れはできつつあるものの、なおそのあり方をめぐって意見の対立と政策の模索が続いている。
著者
川野 因 樫村 修生 田中 越郎
出版者
東京農業大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2004

平成16年度は大学男子陸上長距離選手41名を対象に選手の希望と5月期のヘモグロビン濃度をもとに鉄剤非摂取(N、13名)群と鉄剤摂取群に、さらに鉄剤摂取群はランダムにヘム鉄摂取(H、14名)群とクエン酸鉄摂取(C、14名)群に分けた。市販の鉄剤は5月期から7月期までの2ヶ月間に一日7mgの鉄量を摂取させ、調査期間は5月から9月までの4ヶ月間のうち、5月から7月が鉄剤摂取期、7月から9月期の2ヶ月間は鉄回復期とし、血液状態及び栄養素等摂取量を調査した。一日あたりの食事由来の鉄摂取量は5月期、7月期、9月期において、時期および鉄剤摂取の有無による有意な差は見られなかった。5月期の体内鉄状態は低ハプトグロビン濃度(hp)で示される「溶血」発現選手が41名中21名であり、すべての群で同様に出現していた。貧血発現者は5月期から7月期での期間中でそれぞれ4名、9月期に7名が観察された。H群とC群で9月期の増加が認められた。鉄飽和率はN群で5月期に比べ7月、9月に低下したものの、H群、C群では有意な変動が見られなかった。H群でhp濃度の増加が見られ、低hpを示す選手の割合も減少した。鉄補足なしのN群で貧血出現者が最も少なかったことから、体内鉄状態の良い選手は少ない鉄摂取を効果的に活用できる可能性が、一方、体内鉄状態が不足する者は鉄剤を使って摂取量を増やしても十分な赤血球合成ができない可能性が示唆された。平成17年度は食教育に力点を置き、パフォーマンス向上に向けた選手の日常食生活の気づきを促すことを目的として、半年間に渡る栄養教育を実施した。期間は5月から9月までの4ヶ月間であり、月2回の講義による食・栄養知識の提供、月1回の食物摂取状況調査、月1回の間食や日曜日の食事の取り方調査を実施するとともに、栄養教育の結果評価には食・栄養テスト、食事摂取実態調査を行った。その中でも、5月の調査時に最も摂取不足が見られた牛乳・乳製品と果物、野菜類摂取に焦点を当てて、教育・指導した。5月期に比べ6月期、7月期と選手の栄養・食品に関する知識は増加し、牛乳・乳製品の選択頻度も増加した。しかし、9月期の食品選択状況は5月期にまで低下した。意識や習慣の定着には3ヶ月間という教育期間・時間が短い可能性が考えられた。
著者
内田 英夫 沖山 文敏 渡嘉敷 健 山下 恭弘
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EA, 応用音響 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.382, pp.25-30, 2001-10-19
参考文献数
4

川崎, 長野, 沖縄の環境騒音のLAeq長期連続測定結果を用いて, 曜日, 月, 年の要素によってどのような違いがあるかを明らかにし, この要素で2グループに分けた場合にグループ間で統計的に有意な差があるかを分散分析で検定した.この結果から, 「騒音に係る環境基準の評価マニュアル」に従って、「騒音が1年を通じて平均的な状況を呈する日」に測定するには、道路沿線では昼の時間帯は土・日曜日を除いた日に、夜の時間帯では日・月曜日を除いた日が良いとなった。しかし、商店街の幹線道路などの場所によって異なる場合もあった。また、住居地域では曜日によってグループ化される結果にはならなかった。
著者
村橋 毅
出版者
日本薬科大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2006

本研究課題では、開発した包括的二次元HPLCがディーゼル排出粒子中の成分の分析以外にも幅広く使用できることを確かめるため、近年に話題となっている化合物の分析に適用した。(1)平成19年度は大気中の発がん性/変異原性多環芳香族化合物の分析法を開発した。(2)平成20年度は内分泌かく乱物質の代謝生成物の分析法を開発した。(3)平成21年度は生薬中の残留農薬分析法を開発した。(4)平成22年度は魚介類中の内分泌かく乱物質の分析法を開発した。
著者
藤腹 明子 得丸 定子 清水 茂雄 田宮 仁
出版者
飯田女子短期大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1999

本研究の目的としては、まず日本的「いのち」教育の必要性と意義、さらにはその教育の在り方について、仏教を基調として論拠をもって明確にすることであった。そのために、日本における「いのち」教育の歴史的な系譜の整理と確認、あるいは欧米のみならずアジア各国の義務教育レベルでの実情を把握し、その上で、幼児、義務、専門、生涯等の各教育段階に即したカリキュラム、テキスト、教材等を、指導時期・場所(媒体)・方法論と併せて作成することを当初の目的とした。研究分担者の田宮や得丸らが粗織した「新潟大・上越教育大 いのちの教育を考える会」で、13年度に「いのち教育実践のための研修講座」を上越教育大で開催し、学校教育現場における「いのち教育」の実態や問題点、教員の抱えているニーズを把握することができた。また、医学や看護学教育に携わる教員、仏教者、ビハーラ僧、患者や一般の方から「いのち教育」に対する期待やニーズ等を知り得たことは、今後の研究に向けての課題や示唆となった。3年間の研究を振り返ってみると、当初の目的をすべて果たすまでには至らなかった。しかし、当初の目的であった、本研究の成果を形にするということでは、上記の公開講座の企画・実施、さらには学校教育における小学生高学年向けの「いのち教育」の教材作成等について、それなりの成果を得たのではないかと考えている。今後は、本研究を通して知り得た「いのち教育」に関する知識・情報・技術・教育方法等を、研究分担者それぞれが、看護教育、学校教育の場において活用していくとともに、今後は、家庭や社会における「いのち教育」のあり方や必要性の検討についても取り組んでいきたいと考えている。
著者
小原 豊志
出版者
山口大学
雑誌
奨励研究(A)
巻号頁・発行日
1997

今年度は、南北戦争以降の黒人選挙権問題の展開を検討した。特に報告者が注目したのは、南北戦争直後に成立した合衆国憲法修正第15条である。なぜなら本条項は「黒人選挙権保障条項」として知られるように選挙権における人種差別を禁止したにもかかわらず、結局のところ19世紀末の南部に展開した黒人選挙権剥奪運動を阻止しえなかったからである。そこで報告者は、本条項の成立過程を追跡することにより、同条項の意義を再検討できると考えた。考察から明らかになったのは、合衆国の国制的特質および当時の黒人選挙権観が本条項の成立に大きな制約を与えたということである。すなわち前者についていえば、そもそも建国期から選挙権授権権限は州に帰属していたのであり、連邦政府が選挙権問題に干渉する余地はなかったのである。こうした「選挙権におけるフェデラリズム体制」が既に確立していたために、連邦が直接黒人に選挙権を付与することは国制上不可能であったわけである。さらに後者についていえば、世論の反黒人選挙権感情は戦前から一貫して強固であり、奴隷制の存在しない北部においても大半の州が黒人選挙権を拒絶していた。しかしながら、憲法修正条項が成立するためには四分の三以上の州で承認を得る必要があったため、黒人に対象を限定した選挙権保障条項案は各州から否決されるおそれがあった。以上の国制的制約および世論的背景のために、合衆国憲法修正第15条は選挙権授権にあたって各州に人種資格の設定のみを禁止するという内容にならざるをえなかったといえる。以上のことから、合衆国憲法修正第15条は消極的かつ間接的な「黒人選挙権保障条項」であったといえ、本条項においても「選挙権のフェデラリズム体制」を根本的に変革し得なかったことが後の南部黒人選挙権剥奪運動を招来する一因であったといえる。
著者
幸田 正典 中島 康裕 宗原 弘幸 苅野 賢司
出版者
大阪市立大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2002

最終年度である今年度は、現地調査は協同的一妻多夫魚カリノクロミス(以下カリノ)とハレム型社会を持つサボリの繁殖について主に調査した。カリノについては、特に雌の果たす役割に焦点をあて、現地での水槽実験も合わせて行った。また、国内では過去の資料を含め、マイクロサテライトを用いた血縁判定、並びに過去の資料の解析及び整理を行い、複数の投稿原稿として準備あるいは公表を行った。カリノは岩の割れ目を繁殖巣として利用する。これまでの野外観察からカリノの雌は、くさび形の形をした巣を利用すること、大型の雌ほどそのような巣を占めていることから、雌は多様な形の巣のうちから、くさび形の巣を好むと考えられた。水槽実験として、くさび形巣と'幅広巣'を雌に選択させたところ,多くの例で雌はくさび形巣を選んだ。このことは亜野外観察の結果と一致する。また野外調査では、産卵の観察事例を増やせた。本調査により、11産卵のうち10例では、雌はくさび形巣の中で大型のα雄が最も奥に入り込めるところに産卵することが確認できた。この産卵場所選択も雌が行っているとみなされる。これにより、雌はα、β雄の父性の操作を行っているとの仮説を立てた。共同繁殖する動物で雌による父性の操作の可能性および重要性が示唆されているが、この仮説が検証されれば、体外受精動物での初めての父性の操作となる。野外調査からサボリに、ヘルパーが存在することが確認された。おそらくこれは血縁ヘルパーと思われ、このタイプの共同繁殖がハレム型の社会を持つ種では初めての事例である。サンプルは国内に持ち帰っており、これらにより親子判定を現在実施している。また、サボリの生魚40個体をいかして国内に持ち帰っており、今後これらを用いて大阪市立大学にて水槽実験を行っていく予定である。
著者
平沢 政広
出版者
東北大学
雑誌
萌芽研究
巻号頁・発行日
2001

本研究は,Li-NH_3,アミン溶液の薄層から溶媒を蒸発させて迅速に除去し,Liを析出させることにより金属Li膜を生成させるプロセスについての基礎研究である.本年度は,当初の計画に従い,Li膜を生成させるための多孔質材料の選定に重点を置いて,種々の有機,無機系素材とLi-NH_3溶液の反応性について検討するための実験をおこなった.実験では,213.15〜243.15Kにおいて,真空雰囲気のパイレツクスガラスおよび石英ガラス製のセル内に種々の組成のLi-NH_3溶液を調整し,溶液に試験素材を漬浸して撹拌(円柱状試料の回転などの方法による)を行い,試験素材と溶液の反応に伴う溶液の電気伝導度の変化を測定する方法などによって,溶液内のLi濃度の経時変化を調べた.使用した試験素材は,フッ化樹脂(Teflon),ポリエチレン,ポリプロピレン,ポリエチレンテレフタレートなどのプラスチック系素材と,グラファイト,リチウムナイトライドの無機系素材である.実験の結果,グラファイト,リチウムナイトライドでは,固体表面の触媒作用によりLiとNH_3間のアミド生成反応が速やかに進行することがわかった.フッ化樹脂の場合,溶液内のLiと樹脂の化合物生成反応が認められ,この反応は液側Liの物質移動と固体内のLiの拡散により律速されることが推定された.ポリエチレンテレフタレートの場合も同様な反応が進行するものと考えられる.これらの結果は,FやOなどがLiに対して官能基として作用することを意味すると考えられる.一方,ポリエチレン,ポリプロピレンでは,溶液と素材の反応は十分遅く,実際に,これらの素材表面にLi膜を生成させることができた.現在,生成したLi膜と素材界面のキャラクタリゼーションと,スプレー法による膜生成について検討を進めている.
著者
幸田 正典 宗原 弘幸 渡辺 勝敏
出版者
大阪市立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2004

協同的一妻多夫魚(J.transcriptus)を用い,(1)体サイズが婚姻形態形成にもたらす影響2)トリオ内でのαとβ雄での精子競争の実態,(3)協同繁殖トリオでの雌の父性の操作,(4)さらに雄による自分の子供の父性の認知様式の,主に4点について飼育実験を行った。特に本研究(3),(4)について集中的に検証研究を実施した。(3)については,ペアとトリオでの比較から,効果的に実験成果として示す事ができた。まず巣場所選択をみると,ペアの場合は幅広巣とくさび巣ともに選好性はないが,トリオの場合雌は明らかに楔巣を好む。これにより,卵の受精は大型のα雄と小型のβ雄の両雄がクラッチを受精させている。この際,巣の奥の狭い場所に産む事でβ雄が,手前の幅広い場所に産むことで,大型のα雄がより多く受精に成功している。すなわち,雌は巣の奥あるいは手前にと産卵場所を変更する事により,二雄の受精率を操作する事ができる。その際,β雄に受精させる事により,雌は自分自身の保護量を減らしていると考えられる。このような,雌による受精の操作ははじめて検証されたものであり,また魚類での雌の父性操作としてもはじめての例である。(4)のために,我々は,摺ガラスで作った半透明巣を用意した。この巣を使うことにより巣の内部での雌雄の関係をビデオに納めることができる。結果はまだ流動的ではあるが,今の所以下の点が示唆されている。β雄は飛び込み放精をするが,その飛び込み頻度と父性に優位な相関があり,β雄は飛び込み回数で父性を評価している可能性がある。逆にα雄は飛び込みを阻止する頻度と父性が相関しているようであり,これにより雄は父性を判定している可能性がある。また今後雌はこれらの雄の父性の指標を操作し,より多くの保護を雄からひき出している可能性も有る。このような視点での研究はまったくなく,これら一連の経緯は今後さらなる実験による検証が必要である。
著者
幸田 正典 中嶋 康裕 宗原 弘幸 狩野 賢司 渡辺 勝敏
出版者
大阪市立大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2005

最終年度には,安房田,大田,守田の三名を調査地に3ヶ月間派遣し,それぞれ,共同繁殖種オルナータス,雄の繁殖多型種ビッタータス,ランプロロギニ族全体の精子競争の問題の解明にあたった。まず,今回の調査でオルナータスは,おそらく脊椎動物の中でも最も多様な婚姻形態をとる種であることがほぼ明らかになってきた。一夫一妻,一夫多妻,共同的一妻多夫,古典的一妻多夫,多夫多妻とこれまで知られるありとあらゆる婚姻形態が確認された。大きな個体が雄だけでなく,雌にも存在する事がカワスズメ科魚類のなかでも最も婚姻形態が多様であることの要因であると言える。雌が雄より優位に振舞える点そして社会の複雑性の点で,鳥類の繁殖では,ドングリキツツキの共同繁殖に類似している。精子競争や婚姻形態の成立過程だけではなく,共同繁殖での操作,雌雄の対立,相互利他主義という極めて興味深い問題の実験材料として優れた対象動物であることが明らかとなった。今後様々な実験系を組むことで,実証研究材料として研究の発展が期待される。また,カリノクロミスについては,大型雌が存在しないため,鳥類の共同繁殖としてはヨーロッパカヤクグリ型と言う事ができる。ここでは最優位個体は雄である。このように種によるちがいの輪郭が明らかになってきた。ビッタータスでは,雄の代替繁殖戦術は条件次第で大きく変わりうる事,大きな可変性を持つ事が明らかになった。また,パイレーツ雄やスニーカー雄の存在は,共同繁殖のα雄戦術,β雄戦術の基本型とも見なしうる。本族の分子系統解析から,Telmatochromis属とJulidochromis,Chalinochromis属は類縁関係が近い事がわかってきた。雄の代替繁殖寄生戦術と共同繁殖におけるα,β雄の起源は相同的である可能性が高いことも示唆された。
著者
桑原 正明 飯沼 一浩 大川 俊之 伊勢 秀雄 景山 鎮一 高山 和喜 OHKAWA Toshiyuki HOSOYA Fumio 細谷 文夫
出版者
東北大学
雑誌
試験研究
巻号頁・発行日
1986

微小爆発を水中衝撃波のエネルギー源とした体外衝撃波結石破砕システム(mESWL)を開発し, 222名の上部尿路結石症患者(229治療症例)に試験治療を行い, 96%の症例に治療効果を認めた. 合併症としては発熱と結石排出に伴うせん痛が20%の内外の患者に見られた. この他には菌血症1例, 消化管出血1例, 腎被膜下血腫2例が見られた. 後者の4症例は, 1例の腎被膜下血腫の1例に経皮的なドレナージを施行した他は保存的に治療した. これらの合併症の発生頻度はこれまで実用化されている体外衝撃波結石破砕機におけるものとほぼ同様であった. 従って, mESWLはこれまでのESWL機と同様に臨床的な治療機として応用できることが示された.mESWLは現時点では一応, 完成されたシステムであると考えているが, 欠点がないわけではない. 例えば私たちはmESWLの治療方式として衝撃波のエネルギー効率を重視し, 患者を水槽内に入れて治療をおこなう方式(water-tub)を採用した. また, 私たちは爆薬の単純性とその強力さに注目して, 衝撃波発生のエネルギー源に専ら爆薬を用いてきた. しかし, 爆薬を使用する限り, 爆発に伴う騒音の発生や爆薬を取り扱うことの煩わしさが避けられない. 騒音についてはDornier機(HM-1)と同じレベルであることが確かめられ, この点についての問題は少ないが, 経済的な見地からみると爆薬そのもののコストも無視することはできない. こしたことから, 将来的にはtub-less方式の検討やピエゾ素子など他のエネルギーを用いることについても検討を進めたいと考えている.mESWLの総合評価は治療効果, 操作性, 経済性などを含めた他の体外衝撃波結石破砕機との比較を待たなければならないが, 国産の体外衝撃波結石破砕機を独自の方式で開発することができた意義は大きいとかんがえられる.
著者
松原 豊
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2004

本研究は、太陽表面で加速された陽子により生成された高エネルギー(>100MeV)中性子を地上で観測することにより、太陽表面における高エネルギー粒子加速機構を解明することを目的とする。中性子は磁場の影響を受けず、加速時の情報を保持しているので粒子加速の研究には最適である。しかし、大気中では減衰してしまうので、名古屋大学太陽地球環境研究所を中心とするグループは、世界7箇所の赤道付近の高山に太陽中性子検出器を設置し、太陽中性子の24時間観測網を実現している。本科研費の申請は、その中で最も太陽中性子観測に最適な場所に設置されながら、最も旧式のデータ収集を行っていたボリビア・チャカルタヤ(高度5,250m,南緯16度)の太陽中性子観測システムを最新のものにおきかえ、2007年から始まる第24太陽活動期での太陽中性子観測に備えることを目的としていた。2年間の科研費使用の結果、チャカルタヤのデータ収集系は最新のものに置き換わり、無人の状態で停電してもその復帰時には自動的にデータ収集が再開できるシステムとなった。その間、観測網で2番目に好条件に位置するメキシコ・シェラネグラ(高度4,600m,北緯19度)側の研究者から同様システムを渇望され、本科研費の余力でシェラネグラのシステムも最新のものになった。従って、次期太陽活動期に備えて非常に強力な観測体制ができあがったと言えよう。科研費によるこの整備が進行中の2005年9月7日に大規模太陽フレアが発生した際、これまで我々が観測した中で最もきれいな太陽中性子イベントがチャカルタヤとシェラネグラの両検出器で検出された。これは、まさに本科研費で狙った通りのことである。このイベントは、チャカルタヤとメキシコ市にある我々の検出器ではない、中性子モニターでも検出されており、現在詳細な解析を行っている。
著者
小野里 美帆
出版者
筑波大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2000

平成12から13年度までの基礎研究、実験的支援研究をもとに、自閉症幼児に対する包括的なコミュニケーション指導プログラムの作成及び実験的支援を行った。これまでの研究から、自閉症児は、発達初期から相互伝達系(他者と関わること自体が目的化される伝達)や「会話」に顕著な困難性を示し、それが他者意図理解の困難性と密接に関連していることが明らかにされた。そのため、「会話」と構造的類似性をもつ原初的行動であり、かつ自閉症児にとって獲得が困難である「相互性の獲得」、すなわち相互遊び(ボールのやりとり、イナイナイバー等)の習得を目標として、「フォーマットの理解」、「自他同型性の理解」、「伝達効果の理解」という相互伝達系の下位構成要素を設定し、先行研究による発達過程をもとに、プログラムを構成した。自閉症児1名R児に対する支援を行った結果、第1期:「働きかけへの応答:共同行為への参入」(道具的他者としての認識)、第2期:「自発的な働きかけ:共同行為の成立」(行為主体としての他者認識)、第3期:相互性の獲得:というプロセスを経てターンを伴う相互遊びやルール遊び、言語や視線による要求を習得した。支援直後には、直接的に支援を行っておらず、自閉症児にとって非常に獲得が困難である提示行為と言語による叙述(3ヶ月後)が生起したことから、作成したプログラムの一定の妥当性が示唆された。
著者
大原 繁男
出版者
名古屋工業大学
雑誌
新学術領域研究(研究領域提案型)
巻号頁・発行日
2011-04-01

Yb化合物研究では、純良単結晶を得にくい問題がある。我々は新物質YbNi_3Al_9及びYbNi_3Ga_9の純良単結晶育成に成功し、強相関Yb化合物の研究において極めて有用であることを明らかとした。X線回折、比熱、抵抗率、帯磁率、de Haas-van Alphen(dHvA)効果、光電子分光、X線吸収、圧力効果の測定から以下のことがわかった。①三方晶ErNi_3Al_9型構造(空間群R32)を持ち、カイラル体である。②YbNi_3Al_9はYb価数がほぼ+3価の重い電子系ヘリカル磁性体(T_N=3.4K)であり、YbNi_3Ga_9はYb価数が+2.5価の価数揺動体である。③YbNi_3Ga_9は低温で近藤ピークを示し、伝導電子(c)とf電子が強く混成している。④YbNi_3Al_9、LuNi_3Al_9、LuNi_3Ga_9は類似したフェルミ面を持つが、YbNi_3Ga_9はcf混成のためフェルミ面が異なる。YbNi_3Al_9及びYbNi_3Ga_9ではサイクロトロン有効質量が増大している。反転対称を持たないため、いずれもフェルミ面が分裂している。⑥YbNi_3Ga_9では価数揺動から磁気秩序状態まで圧力により連続的に電子状態を調節でき、磁気臨界圧力で超伝導を示すかどうか興味がもたれる。YbNi_3Al_9は4GPa、YbNi_3Ga_9は9GPaで強磁性に転じる。⑦Yb(Ni_1-xCu_x)_3Al_9及びYb(Ni_1-xCo_x)_3Ga_9(x0.33)が合成でき、置換により基底状態が調節できる。発展として、R(希土類)Ni_3Al_9の合成を行い、4f電子系カイラル磁性の研究を進めている。そのほか、Gaを組成比に多く含むCe_2TGa_12(T=Ni, Pd, Pt)及びCe_2Pt_6Ga_15についても単結晶を育成し、電子物性測定を行った。
著者
Yamamoto Masayoshi 山本 政儀
巻号頁・発行日
1986

Thesis--University of Tsukuba, D.Sc.(B), no. 311, 1986. 3. 25