著者
川中 翔 宮田 章裕 東中 竜一郎 星出 高秀 藤村 考
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.25, 2011

レビュー記事を用いてブランド間の競合関係を分析する手法を提案する.提案手法は,要因語出現分布の類似度を用いてブランド間の競合度を計算する.なお,本稿では,消費行動実施の決断にポジティブな影響を与えた事象や状態,条件を要因と定義し,個別の要因を抽象的に表現する語を要因語と定義する.提案手法はブランドペア毎に,Belkの消費者場面フレームワークに基づく5つの異なる競合度を計算する.
著者
渡邊 智恵
出版者
日本赤十字広島看護大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

能登半島地震で被災を受けたA町の住民を対象として、発災直後、1年後、2年後、3年後の健康状態を調査した。住民台帳から無作為抽出をした1000人の住民にGHQとともに基本属性に関するアンケート調査(郵送)を行った。525名から回答があり、そのうち有効回答は383名であった。本調査の結果、発災から時間経過とともに、健康状態は良くなっている人が多いが、治療中の疾患ある人については悪化している人もおり、災害後の時間経過に沿って個別的なケアが必要であることが明らかになった。能登半島地震後においては、特に発災~1年間は健康状態に対するケアが必要であるが、2年目以降については健康状態が改善傾向にあることがわかった。さらに、上記の回答者から健康維持群、健康改善群、健康悪化群に分類し、健康状態が変化した要因について聞き取り調査により明らかにした。
著者
桜井 陽二
出版者
明治大学政治経済研究所
雑誌
政経論叢 (ISSN:03873285)
巻号頁・発行日
vol.40, no.1, pp.71-99, 1971-10

「体制」とは、なによりもまず、ひとつの「スタイル」である。このことは、他のいかなる体制にもまして、フランスの第五共和制について良く云いうるところであろう。とくに、一九五八年の第五共和制の成立から一九六九年四月のドゴール退陣に至る十一年間のフランスの政治は、「ドゴールの共和政」と呼ばれるように、ドゴールのパーソナリティーおよび彼の政治スタイルと切離しては考えられない。このドゴール体制は、いわゆる「イモビリスム」を特徴とした第四共和制のスタイルとその政策を真向から拒否した「革命」から生まれたものであり、一言で云えば、いわゆるドゴールの「大構想」にあわせて編成された体制であったと云ってもよい。
著者
佐々木 健太 長野 伸一 長 健太 川村 隆浩
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.25, 2011

近年,ライフストリームと呼ばれるWebデータ(Twitter,ブログなど)が注目を浴びている.ところが,これらにはユーザが実際に体験した出来事以外に,単なる事実や感想なども多く含まれる.そこで,本研究ではライフストリームから,ユーザが主体的に行った行動に関する情報のみを抽出する手法を提案する.そして,Wikipedia上のデータとの比較による手法評価について述べる.
著者
中島 成久
出版者
法政大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2000

12年度はインドネシア、西スマトラ州における共有地返還運動に関する全般的な情報の収集に努め、アンダラス大学、パダン国立大学、LBH(法律援助協会)などで指導的な立場にいる人々とインタビューを行った。平成13年度は前年の成果に基づき、共有地返還運動の代表的な事例である3つのケースについてLBHの協力の下、集約的な調査を行った。平成14年度は、13年度で確認した問題を更に深める調査を行った。西スマトラにおけるこうした集約的な調査のほか、Jurnal Antropologiという雑誌を発行している機関の主宰するシンポジューム(2001年7月、アンダラス大学、西スマトラ;2002年7月、ウダヤナ大学、バリ)で研究成果を二度発表し、インドネシア人研究者のみならず、インドネシアを研究するオーストラリア、オランダ、アメリカ人研究者などとの交流を図った。また、2001年4月から2003年3月まで、「植民地主義の再検討」という研究会を、法政大学比較経済研究所のプロジェクトとして主宰し、研究代表者の行っている「共有地返還運動」が、スハルト政権の開発政策の正当性を問う運動であることを報告して、より抽象性の高い議論として展開した。
著者
神田 賢一 大本 義正 西田 豊明
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.25, 2011

継続的使用が見込まれるシステムにおいて,長期利用による内部要素の肥大化により,構造全体の一貫性の低下,ユーザの作業量の増大という問題が生じる.そこで,本研究では,要素間の時間的近傍関係を利用したユーザ補助機能により,システムが構造の一貫性を保つための提案を行う機能を考案した.そして,実際に知識構造可視化,共有システムを開発し,上述の機能を用いた継続的使用を行うことで,その効果を検証した.
著者
伊藤 武雄
出版者
一般社団法人中国研究所
雑誌
アジア經濟旬報
巻号頁・発行日
no.956, pp.1-3, 1974-12-11
著者
谷山 正道
出版者
天理大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1996

幕府寛政改革に関する研究は、享保および天保のそれに比べて大きく立ち遅れていたが、1960年代に入って以降前進をとげるようになった。しかし、そこで主に分析対象とされたのは、東国幕領に対する改革農政(「名代官」による農村復興のための諸政策)であり、西国幕領に対するそれについては視野の片隅におかれ続けてきた。こうした研究状況をふまえて、本研究では、西国特に先進地畿内の幕領を主なフィールドとしてそこから幕府寛政改革を見つめなおすことを課題とし、平成8年度から10年度にかけて関係史料の調査・収集を進めた。寛政改革を主導した老中松平定信は、それまでの西高東低の経済状況を是正し、劣勢であった「東」の地位を高めようとした政治家としてよく知られている。これに関わって注目されるのは、改革農政も「西」と「東」の実状をふまえ、双方をにらんだ形で展開されていった事実である。その代表例は公金貸付政策であり、公金の貸付を媒介として「西」の経済的なゆとりを「東」の窮民の救済にあてようとする側面を有していた。これと併行して、農村荒廃が進んでいた東国の幕領に対してはその復興に力点をおいた諸政策が推進されていったが、西国特に先進地畿内の幕領では、改革政権成立当初の御料巡見使への数多くの訴願や国訴の展開からうかがえる民衆の期待や願いに反して、年貢の増徴に力点がおかれ、改革後期には勝与八郎を中心に年貢増徴をめざした政策が本格的に推進されていった。これによって、一定の増徴は実現されたが、民衆の反対の声が高まるようになり、結局十分な成果をあげえないまま、他の政治問題もかかわって、松平定信は退陣を余儀なくされるに至った。
著者
森 純一郎
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.25, 2011

本研究では、ウェブにおけるエンティティ情報の検索を目的とし、ウェブドキュメント検索ランキングに現在用いられているPageRankの大規模エンティティ関係グラフにおけるランキングへの適用について提案する。提案手法においては、エンティティ関係グラフの特徴に基づき、PageRankによるランキングに寄与する複数の重み付けの比較検討を行う。実験においては特に人物エンティティのソーシャルネットワークを対象に、大規模なエンティティ関係グラフに提案手法を適用し考察を行う。
著者
藤本 和貴夫
出版者
大阪大学
雑誌
重点領域研究
巻号頁・発行日
1997

本研究はチェチェンを除けば最も中央と対立しているとされる沿海地方の政治と中央権力との関係、および地方の動向が中央政治におよぼす影響を解明することにある。ロシア沿海地方におけるナズドラチェンコ知事の立場は強力である。94年10月に始まる第1期沿海地方議会選挙では25%以上に達した選挙区が少なく、1年たっても全議員の選出が終わらなかったが、当選者の圧倒的多数は企業・組織の長と行政長官=知事の任命した行政の長であった。その結果、沿海地方には行政府が圧倒的優位性をもつ政治体制が創りだされた。さらにナズドラチェンコは95年12月に、初めて知事選を実施し圧勝した。議会は行政のチェック機関の役割を果たさなくなった。他方、ナズドラチェンコは中口東部国境線確定交渉でロシア領が中国に引き渡されるとして反対し中央と激しく対立した。97年3月の内閣改造でチュバイスとネムツォフが第1副首相に任命されると、中央は沿海地方の燃料エネルギー危機と予算の目的外支出疑惑のキャンペーンを大々的に行った。そして沿海地方の社会的経済的混乱の責任をとって知事の退陣を迫ったが、選挙で選出された知事=連邦会議(上院)議員を解任することは不可能であった。このような混乱状態は12月7日に第2期沿海地方議会の選挙が実施され正常化に向かった。この選挙から公的な職務についた人間の議員との兼職が禁止され、その結果行政関係者の候補者が激滅した。前議員のうち再選されたのは4人にすぎず、議長をはじめ大物議員の多くが落選した。そして当選者の多くを経済界代表が占めた。株式会社(公開型・非公開型)と有限会社の関係者のみで16人を数える。議会は官僚主導型から経済界主導型へ移行し、市場経済の進行の政治への影響が見られる。また97年11月に北京で中口共同宣言が署名され国境線確定問題が決着したが、地元の反対にもかかわらずロシアが領土の一部を中国に引き渡したことは注目されてよい。
著者
清田 夏代 黒崎 勲
出版者
南山大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2007

平成19年度及び平成20年度は,主にシティズンシップ教育政策の枠組みの部分を中心とした研究を行ってきたが,最終年度である平成21年度は,これまで構築された枠組みに基づき,英国における実地調査を行った.英国においては平成22年5月に総選挙が予定されており,既に労働党及び保守党の両党を中心とした選挙戦が繰り広げられている.それらの争点には教育政策も含まれており,本研究の課題と関わるものとしては,学校の規律の立て直しをめぐる提案や,PSHEの義務化の提案などをめぐる諸問題が議論の対象となっている.そうしたなか,平成22年2月に英国におもむき,英国における若者に対する民主主義的理解を振興させるための機関(政治的には中立である)であるハンサード協会シティズンシッププログラムの責任者を訪問し,英国におけるシティズンシップ教育の現在,方法及び課題等についてインタビューし,同時に,今後予想される政治的な影響などについて聞き取りを行った.同時に,人権教育を主体としたシティズンシップ教育研究を展開しているオードリー・オスラー教授(リーズ大学及び香港大学客員教授)及び,共同研究者であるヒュー・スターキー教授(ロンドン大学教育研究所)を訪問し,英国における政治的動向と,それがシティズンシップ教育の実践にどのような影響を及ぼしうると考えられるかということについて,聞き取りを行った.現地におけるこれらの調査は,今後の研究の課題の枠組みとして展開される予定である.
著者
ジュン ダオ フー
出版者
城西大学
雑誌
国際文化研究所紀要 (ISSN:13412663)
巻号頁・発行日
vol.10, pp.43-71, 2005-03-10

新しい経営様式または新型経済にとっては新しいマーケティング、コミュニケーション手段が必要になる。今までこの仕事を担っているあの莫大な産業としてのテレビ広告は今後登場するオンライン広告の敗者になることは明らかだと心配する人は少なくないだろう。Georges Gilderのような論者は『テレビの消える日』(Life After Television)という著作を書いて、テレビの退陣まで予告しようとした。だがはたして、インターネット広告、電子メール広告はテレビコマーシャルの役割を果たすことができるのだろうか。たしかに、双方向性や即時性や経費節減能力などは新広告の長所だと認めなくてはいけない。それから携帯媒体によって茶の間を離れてどこでも放映でき、いつでも生活者に情報を提供できるようにもなるだろう。しかしテレビ広告にはまだいくつかの利点がある。少なくとも今までのテレビ広告に比べると、インターネット広告はまだ豊かで面白い内容を見せることができない。欲望が貧弱なこの現代の社会(Desireless Society)にとっては何よりテレビ広告が提供できる夢世界が必要となる。その上、インターネット広告はあまりにも個人的、孤立的な情報手段である。応接間にある人間と人間の触れ合い話題性の暖かさを欠く。一方、生活者は単純にテレビを放棄する気持がない。近年(1998)明治学院大学と電通との共同社会調査の結果によると次世代のオピニオンリーダー〔Opinion Leader〕像はコンピュータに多いに時間を使うにもかかわらずテレビに対する関心も衰退しない人たちである。テレビが到来したので新聞と雑誌のような活字媒体が消えるわけがなかったようにコンピュータはテレビの完全な代役になる将来がまだ遠いだろう。消滅か存続かより変貌になると思う。そのように期待する。そのことを実現できるためにテレビは情報技術(データベース技術、CG技術、衛星、ケーブル放送技術など)の支援を徹底的に利用して欲しい。TVCFのステレオタイプ、モデルによって量産し、地域個別型(例えばイスラム社会型、東アジア型、EU型)、地球共通型の広告メッセージを製作し、ソフトビジネスの繁栄に貢献できることは焦点である。同時に、テレビ技術自身の改善(画面、画質、撮影技能)、テレビ業界の構造改革(保護的な商慣行の排除、価格透明性、国際規制緩和、生活者への思いやり)それからメディアプランニングの経済合理化、メッセージ内容向上などもこの変貌の達成の不可欠な条件であろう。
著者
小西 秀樹 岡本 哲和 吉岡 至 廣川 嘉裕 脇坂 徹 窪田 好男
出版者
関西大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

小泉政権以降、中央政府および地方政府における政策形成の場で、重視される価値がどのような変容を遂げているのかを明らかにすることが本研究の目的である。事例研究のひとつの結果としては、ポピュリズム的価値の重要性の高まりが、政策の形成と実施におけるNPOの役割増大および住民投票の増加と関係している可能性があることが示唆された。一方で、2008年大阪府知事選挙時に実施したサーベイ調査では、有権者のポピュリズム的指向およびネオリベラリズム的指向のどちらもが、投票意思決定に影響を及ぼしていなかった。これら2つの価値がいまだ優勢である可能性は高いものの、一方でそれが退潮していく兆しがあることが明らかにされた。また、市町村合併や首長選挙についても政治的・政策的価値の変化をみることができた。
著者
和泉 絵美 井佐原 均
出版者
IWLeL 2004 Program Committee
雑誌
IWLeL 2004 : an interactive workshop on language e-learning
巻号頁・発行日
pp.63-71, 2005-03-31

In foreign language education, it is important for teachers to know their students’ acquisition order of major linguistic items in the target language. This enables them to teach these items more effectively in language classrooms. A hypothesis established in the 1970s based on studies aimed at revealing the natural sequence in second language acquisition is that major grammatical morphemes are acquired in a common order by learners across different backgrounds, such as their L1, ages, or learning environments (hypothesis 1). However, in the 1980s, studies on the acquisition order of Japanese learners of English led to a contradictory hypothesis that differences in learners’ backgrounds can cause differences in their acquisition orders (hypothesis 2). These studies revealed that the acquisition order of Japanese learners differs from the sequence supporting hypothesis 1. In this paper, we tried to see which of these two contradictory hypotheses could be supported by the acquisition order extracted from our NICT JLE (Japanese Learner English) Corpus. In this corpus, learners’ grammatical and lexical errors have been annotated manually with 47 types of error tags useful for investigating the acquisition order. The results of the analysis showed no significant correlation between the sequence supporting hypothesis 1 and that extracted from our corpus. On the other hand, there was a significant correlation between our sequence and that supporting hypothesis 2. The most significant difference between our sequence and that supporting hypothesis 1 is that ours indicates Japanese learners acquire articles and plural -s in a later stage. This might arise from L1 transfer because Japanese language does not have any relevant markers for articles and plural -s.
著者
西藤 二郎
出版者
近畿大学経済学会
雑誌
生駒経済論叢 (ISSN:13488686)
巻号頁・発行日
vol.7, no.1, pp.163-188, 2009-07

山陽鉄道の創業期の経営を担ったのは中上川彦次郎である。彼は長期的経済性をめざして事業を遂行したが, これは円滑な資金調達が前提であった。したがって明治23年の恐慌が起こると, その循環はうまく機能せず, 株主との対立が顕著になった。その結果, 中上川は退陣し, これに代って松本重太郎が経営を引き受けた。しかし松本社長の時代も, 中上川流の合理的経営が展開された。その原因は時の実務者集団が, 中上川との聞に理念的親和性があったからである。その中心となったのが支配人の牛場卓蔵である。そこで牛場卓蔵が山陽鉄道に係わる契機を検討し, 彼が展開する経営姿勢を読み解くことによって, 山陽鉄道の経営の特色を析出した。 (英文) Hikojiro Nakamigawa, the founder of Sanyo Railway, pursued longterm economical efficiency of the company. This could be taken effect by timely financing the business. However, it ceased to be in effect by depression in 1890. Then opposition occurred between stockholders and management over its policies. As a result, Nakamigawa retired from the management and Jutaro Matsumoto undertook the presidency, even though the management concept of Sanyo Railway remained unchanged. The reasons why the concept remained unchanged were because the managers had an affinity toward Nakamigawa. The chief manager at that time was Takuzo Usiba. Because of this I reviewed the career and life history of Usiba, searching for the management characteristics of the Sanyo Railway Company.
著者
玉田 芳史 片山 裕 河原 祐馬 木村 幹 木之内 秀彦 左右田 直規 横山 豪志
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2003

政治の民主化と安定が好ましいことは広く合意されている。しかしながら、両立は容易ではない。本研究は東・東南アジア地域諸国において、政治の民主化と安定はどういう条件が整えば両立可能なのかを解明することを目指した。東・東南アジア地域には過去20年間に政治の民主化が進んだ国が多い。本研究では韓国、フィリピン、インドネシア、マレーシア、カンボジア、タイのアジア6カ国を取り上げた。この6カ国では2003年から2005年にかけて国政選挙が行われた。選挙にあたって政治が緊迫したのはこれらの国の政治が民主化してきた証拠である。それとともに、比較対象地域として同じ時期に民主化が進んだバルト諸国のエストニアを取り上げた。両立のためには制度設計が重要なことはエストニアの事例がよく示している。エストニアは両立に成功した数少ない旧社会主義国の1つである。鍵になったのは、民主化の着手時にロシア系住民から市民権を剥奪したことであった。当初は国際社会から厳しい批判を招いたものの、結果としてはよい結果をもたらした。アジアの場合、民主化と安定のバランスを保つことが難しい。タイでは1997年憲法で安定を重視した結果、民主的な手続きを軽視する指導者を生み出すことになった。ここでは、フィリピン、韓国、インドネシアともに国家指導者罷免の手続きが課題として浮上することになった。フィリピンやインドネシアでは独裁支配の忌まわしい記憶が残っているため、強い指導者の登場を助けるような制度設計には消極的である。また、手続き上の制度の不備あるいは不正利用のために、民主主義体制の正当性確立が容易ではない。今後の研究課題として、制度よりもポピュリズムの手法に依拠して登場しつつある強い指導者について調べてみたいと計画している。
著者
植田 俊輔 谷口 祐司 大澤 博隆 今井 倫太
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.25, 2011

日常環境において,利用場面に応じた様々な所有権が発生するオブジェクトが存在する.こういったオブジェクトの所有権は,オブジェクトを利用するユーザにとっては曖昧でわかりづらいものである.本研究では,実世界移動エージェントとの音声対話によるオブジェクトの所有権判断および情報提示を行うシステムT-SHOWを提案する.ユーザがエージェントと対話を行うことで,ユーザにとっての所有権の曖昧さを解決する.
著者
大本 義正 三宅 峰 箭内 亮太 西田 豊明
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.25, 2011

特定の対象への選好構造を推定することは、人間の意志決定を助ける際に重要な手がかりとなる。このような選好構造は、検討を重ねることで変化していくことが考えられる。本研究は、検討の中で変化するユーザの選好構造を、生理指標や非言語情報によって推定しながら意志決定を助けるシステムの開発を目指した。実験の結果、開発したシステムを利用した場合の方が最終的な意志決定に対する満足度が有意に高いことが示された。