著者
神津 武男 黒石 陽子 井上 勝志 久堀 裕朗 鈴木 博子
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010-04-01

江戸時代・近世期の「人形浄瑠璃文楽」(義太夫節成立以後の人形芝居)の上演記録は、『義太夫年表 近世篇』(八木書店。1979~1990年)の成果を最新とする。しかしその完結から20年余を経て、少なくとも四次の補正更新情報が別々に報告されている点が、利用上の障壁となりつつあった。本研究課題としては最も基本的な資料である「番付 ばんづけ」についてデータベース化を進め、一元的な情報検索を可能とすることに努めた。
著者
松岡 心平 天野 文雄 磯田 道史 小川 剛生 落合 博志 小林 健二 高桑 いづみ 高橋 悠介 橋本 朝生 宮本 圭造 山中 玲子 横山 太郎
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010-04-01

観世文庫の能楽関係資料は、質・量ともに能楽に関する最重要の資料群である。本研究では、これらの資料の調査・研究に基づき、インターネット上で画像と解題を公開するデジタル・アーカイブ「観世アーカイブ」を拡充させると共に、これを活用して、近世能楽史の研究を大きく進めた。特に、15世観世大夫元章(1722~74)の能楽改革に関する研究に重点を置き、観世元章に関する用語集と関係書目、年譜をまとめ、刊行した他、元章による注釈の書入れが顕著な謡本『爐雪集』の翻刻と検討を行った。さらに、観世文庫に世阿弥自筆能本が残る「阿古屋松」の復曲を行い、観世文庫資料の展覧会でも研究成果を公開した。
著者
山田 修
出版者
東京芸術大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2010

本研究の最大の目的は、3Dデータの活用を彫刻文化財の修理において日常的に用いる手法にし、作業効率を改善し、低コスト化、質の向上を目指し、より多くの彫刻文化財の修理を可能にすることである。実際の修理に対し手作業とデジタル操作に関わるコスト、時間といった諸要素の効果を可能な限り定量化し分析していくとともに、技術の伝承性を考慮した上で従来行われてきた伝統ともいえる作業方法と3D技術の共存できる接点を検討した。
著者
PATRICK Rebollar 松村 剛 丸岡 高弘 真野 倫平 クーロン ダヴィッド ペロンセル モルヴァン 一丸 禎子
出版者
南山大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010-04-01

本研究は東京大学総合図書館所蔵コレクション『マザリナード集成』約2700点を完全デジタル化し、世界に先駆けマザリナード文書のオンライン・デジタルコーパスとしてインターネット上に公開した。これにより世界的にも貴重な原資料の保護と継承のみならず、新たな学術研究の可能性を開くことに貢献した。本研究により実現したコーパスの特徴は従来型データ・ベースと異なり、研究者によって絶えず更新され、最新の知識が一般にも共有されることである。日本が発信したこの新しい知の共有・集積方法(マザリナード・プロジェクト)は最も先端的かつ学際的な「マザリナード文書の研究用プラットフォーム」として国際的に機能し始めている。
著者
下田 正弘 小野 基 落合 俊典 蓑輪 顕量 永崎 研宣 宮崎 泉 鶴岡 賀雄 中村 雄祐 MULLER Albert 苫米地 等流 三宅 真紀 田畑 智司
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2010-04-01

研究成果の概要(和文):知識の蓄積・発信の手段が紙からデジタル媒体へと大規模に移行し、ウェブをとおして知識が世界規模で連結されつつある現在、研究資源と研究成果の双方を適切に継承する知識の枠組みを構築することは、人文社会学における喫緊の課題となっている。本研究は、国内の学会や機関、およびドイツ、アメリカ等で進める関連諸事業と連携して、仏教研究の知識基盤をSATデータベースとして構築し、次世代人文学の研究モデルとして提供するものである。http://21dzk.l.u-tokyo.ac.jp/SAT/参照。
著者
村井 源
出版者
東京工業大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2010-04-01

聖書など古典テキストに特徴的に見られる、構造的な記述(キアスムス、パラレリスムスなど)を科学的に分析するための基盤を構築した。まず個々の構造を納めるためのデータ構造を設計しソフトウェアを開発した。次に聖書の構造的な記述を(旧約39巻、新約27巻、旧約続編11巻の、約1500の構造と約7700の対応テキスト箇所の対)を分析し、データベースに納めた。また分析結果が妥当かを統計的に判定するためのプログラムを開発した。得られたテキスト中の構造のリストはホームページ上(http://www.valdes.titech.ac.jp/~h_murai/bible/bible.html)で公開している。
著者
三宅 真紀
出版者
大阪大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2010

本研究は、聖書学におけるギリシャ語新約聖書の主要な校訂本を対象にして、写本の異読情報を付帯した意味ネットワークを構築し、グラフ理論に基づいたネットワーク分析を適用した。また、共通箇所が多い校訂本に埋もれている微小な違いに焦点をあてながら、類似テキストの差異の抽出を試みた。さらに、類似性を表す統計値とTEI(Text Encoding Initiative)エンコードガイドラインに準拠して作成したディジタル批判本を組み合わせた、異本比較研究ツール開発した。
著者
研谷 紀夫
出版者
東京大学
雑誌
若手研究(A)
巻号頁・発行日
2010

本研究は、歴史的な人名典拠情報を、APIを使用してDigital Cultural Heritageに提供し、利用することの妥当性を実証することを目的とする研究である。研究期間において行った実証実験では、歴史的な人名などを中心とした、人名典拠情報を典拠情報サーバ(A)からAPIを用いて文化資源をデジタル化したDigital Cultural Heritage(以下DCH)(B)に提供する実証実験を行い、その有効性を検証した。また、(A)において、複数の人名を検索し、それぞれの共通点や人間関係を介したつながりを明らかにするような検索機能を設けた。この機能は、典拠の履歴情報の掲載された、所属組織や家、生没年などから共通のバックグラウンドを導き出すとともに、これらの共通情報をヒントに、血縁や師弟関係などについて示された人間関係のつながりを最短の経路で導き出す機能を持っている。これらの機能を活用することによって、これまで、多くの時間が必要だった、人間関係のネットワークを明らかにする支援ツールとしても役立つデータベースである。そして、サーバの(A)に格納した具体的な人名としては、戦前期の皇族・華族と写真師に関する人名典拠情報をその対象とした。また、(B)のDCHには絵葉書や、歴史的な写真を格納して、各写真を用いた戦前期の皇族・華族・政治家の写真イメージとそれを担った写真師を対象とする表象文化研究に活用し、その有効性を実証した。本研究では、上述のように、一か所に集約した典拠情報を、APIによりDCHに配信し、活用するモデルを示すとともに、具体的な実証実験を通して、DCHにおけるその活用方法とその有効性を示した。本研究の成果は、今後の日本における人名典拠情報の具体的な整備方法と活用方法のあり方を示す点に意義がある。
著者
山中 秀夫
出版者
天理大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

NACSIS-CATに蓄積した書誌情報の分析をもとに,著作典拠コントロールとしての統一タイトルの課題を研究した。日本古典籍目録では,著作典拠コントロールは必要不可欠なシステムであるが,その際の課題を考えた。次に,共有する情報として出版者情報の分析を行った。識別情報としての出版者情報の重要性を確認するとともに,出版者名と時代,所在地,書名をキーとして探索できるシステムを試作した。
著者
杉本 重雄 逸村 裕 佐々木 秀康 永森 光晴 原 正一郎 池内 淳 上保 秀夫 阪口 哲男 新保 史生 鈴木 誠一郎 柊 和佑 森嶋 厚行 吉村 和真
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2010

ネットワーク環境におけるコンテンツ情報基盤に関する総合的取組として(1) ディジタルアーカイブの連携性向上のためのメタデータスキーマレジストリ技術(2) 図書館,文書館等における頑健なディジタルアーカイブのためのメタデータモデル(3) ディジタルマンガ等の新しい形態のコンテンツのためのメタデータモデル(4) これらを総合的にとらえたディジタルアーカイブ間連携等の課題に関する研究を進め, 公開シンポジウム等の機会も通じて, ネットワーク環境におけるディジタルアーカイブの相互運用性, 利用性向上のための情報基盤に関する知見を得た。
著者
林 晋 相原 健郎
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010

人文学、特に史料ベースの人文学のための、ネット上分散協働作業用プラットフォーム HCP サーバを構築し、歴史研究用ツール SMART-GS を、そのクライアントに改造した。また、同クライアントによるオンサイト・リアルタイム協働の概念を導入し、そのための種々の機能を開発した。
著者
田口 亮 岩橋 直人 船越 孝太郎 中野 幹生 能勢 隆 新田 恒雄
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会論文誌 (ISSN:13460714)
巻号頁・発行日
vol.25, no.4, pp.549-559, 2010 (Released:2010-06-30)
参考文献数
18
被引用文献数
2 2

This paper proposes a method for the unsupervised learning of lexicons from pairs of a spoken utterance and an object as its meaning under the condition that any priori linguistic knowledge other than acoustic models of Japanese phonemes is not used. The main problems are the word segmentation of spoken utterances and the learning of the phoneme sequences of the words. To obtain a lexicon, a statistical model, which represents the joint probability of an utterance and an object, is learned based on the minimum description length (MDL) principle. The model consists of three parts: a word list in which each word is represented by a phoneme sequence, a word-bigram model, and a word-meaning model. Through alternate learning processes of these parts, acoustically, grammatically, and semantically appropriate units of phoneme sequences that cover all utterances are acquired as words. Experimental results show that our model can acquire phoneme sequences of object words with about 83.6% accuracy.
著者
山内 圭
出版者
新見公立短期大学
雑誌
新見公立短期大学紀要 (ISSN:13453599)
巻号頁・発行日
vol.21, pp.145-148, 2000-12-25

本稿は新見公立短期大学の設置母体の一つである岡山県阿哲郡大佐町の名所旧跡等の英語による案内文および日本的事象の英文説明である。まずは大佐町の概要およびその歴史,町旗についての説明をした。次に町内の円通寺山門,円通寺古墳,大佐神社,方谷庵,山田方谷,竜王太鼓の名所旧跡と伝統文化の説明をし,続いて町内の福祉施設である大佐荘およびおおさ苑の説明をした。そして伝統的日本文化の独楽,羽根つき,絵手紙,扇面,七夕,盆踊りの説明もした。大佐町とアメリカ合衆国ニューヨーク州ニューパルツ・ヴィレッジは1998年に姉妹都市縁組を結び,以後活発な交流を続けている。これまで相互に各2度ずつ訪問団を派遣し,2000年度からは大佐町から中学生の派遣も開始された。2000年8月ニューパルツ・ヴィレッジからの訪問団が来町し,筆者は訪問団のための通訳を担当した。以下は訪問団を町内に案内したときに作成した資料に加筆したものである。
著者
鈴木 武晴
出版者
山梨英和大学
雑誌
山梨英和短期大学紀要 (ISSN:02862360)
巻号頁・発行日
vol.22, pp.1-31, 1988-12-15

1 0 0 0 OA 予作七夕歌論

著者
鈴木 武晴
出版者
山梨英和大学
雑誌
日本文芸論集 (ISSN:02874679)
巻号頁・発行日
vol.19, pp.41-66, 1989-03-10