著者
村上 佳和
出版者
恩賜財団済生会
雑誌
済生 (ISSN:1343571X)
巻号頁・発行日
vol.79, no.9, pp.15-19, 2003-09
著者
齋藤 実穂 齋藤 義文 向井 利典 浅村 和史
出版者
宇宙航空研究開発機構
雑誌
宇宙航空研究開発機構研究開発報告 (ISSN:13491113)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.1-33, 2005-11

本研究の目的は,磁気圏in-situ 高温プラズマ観測において,電子ダイナミクスを解明する高い時間分解能を得ることができる,新しい方式による検出部の開発である.MCP(microchannelplates)と位置検出マルチアノードからなり,ASIC(Application specific integrated circuit)技術を取り入れるところが新しい.ASICとマルチアノードの組み合わせは,最も高速な信号処理を可能にするだけでなく,同時に小型,軽量,低消費電力な検出部になると期待が持てる.これを可能にする基盤技術は,ASICをアノード基板(セラミック)の裏面へ直接搭載することである.アノード表面は,多数の個別アノードを構成する導体パターンが,プリントしてある.このアノード基板をはさんだ,表と裏の導体パターンによる静電容量を,信号検出に用いる.これは,アノード表面の高電圧と信号処理系を絶縁する,高電圧絶縁コンデンサーの代用である.アノード基板は,厚さ1mmのアルミナであり,導体パターンでつくる.基板利用コンデンサーの静電容量は3pFである.これは通常,信号検出に用いられる,高電圧絶縁コンデンサーの静電容量より2桁小さい.高電圧絶縁コンデンサーを,この極めて小さい静電容量で代用できるかというのは,小型化を目的としてた電子検出部として,ASICを採用できるかどうかの決定要素であった.しかしながら,われわれの実験結果は,低静電容量による信号の減衰はあっても約50%であることを示した.厚さ1mmというのは,構造強度の要求を満たすので,この基板利用コンデンサーは,衛星搭載機器に利用できる設計概念である.次に個別アノード間の静電カップリングを測定した.多くの個別アノードが有効面積を大きくとれるように互いに隣接した構造をとる.マルチアノードシステムでは,重要な検討項目である.その結果,基板利用コンデンサーを使用するアノードは,隣接する個別アノード間に10%のクロストークがあった.一方で,アノードと処理系を直結させる場合では,電気的クロストークは無視できるレベルである.よって,電気的クロストークも,基板利用コンデンサーの低い静電容量の影響である.10%のクロストークは,アノード運用時,信号レベルの適切な設定により十分回避できる大きさであるが,将来的には,静電容量を大きくとるほうが望ましく,今後の課題である.今回,ASICはローレンスバークレー研究所が開発してきたSSD用の荷電アンプ,ディスクリミネータ,カウンターまでを含むチップを用い,マルチアノードを試作した.このチップのサイズは,およそ1.2mm×1.2mmである.実際に,イオンビームを照射し,試験した結果,われわれの新しいタイプのマルチアノードは,さらに研究を進める必要があるものの将来の磁気圏ミッションで,高時間分解能な高温プラズマ観測へ適用可能できると結論する.
著者
名久井 忠 櫛引 英男 阿部 亮 岩崎 薫 早川 政市 仲野 博之
出版者
日本草地学会
雑誌
日本草地学会誌 (ISSN:04475933)
巻号頁・発行日
vol.21, no.4, pp.300-307, 1975-12-25

十勝地方で栽培されたとうもろこしの早生品種「ヘイゲンワセ」,「ホクユウ」と晩生種「交8号」,「ジャイアンツ」について,栽培ならびに動物試験による栄養価の査定を行ない,それぞれの特性を比較検討した。(1)子実重歩合は「ヘイゲンワセ」が60.9%,「ホクユウ」が47.3%,「交8号」が31.6%,「ジャアンツ」が20.6%であり,早生品種が明らかに高かった。(2)乾物収量は晩生種が多いが,栽植密度の増収に対する影響をみると早生種が勝っていることから,栽培密度を高めることにより,晩生種の水準まで向上させ得るものと推察された。(3)サイレージの品質は良質であり,その評点は早生種が明らかに優れていた。(4)消化率は,早生種が晩生種よりも乾物が7〜10%程度高く,エネルギーにおいても同様の傾向が認められた。(5)TDNおよびDEについてみると,「ヘイゲシウセ」は69.4〜71.6%および3.12〜3.16kcal/g.DM,「ホクユウ」が67.0〜70.7%および3.14kcal/g.DM,「交8号」が61.1〜62.1%および2.90〜2.93kcol/g. DM,「ジャイアンツ」が60.7〜60.9%および2.69〜2.89kcal/g.DMであり,早生品種が優れていた。(6)10aあたりのTDN収量(密植区)は「ヘイゲンワセ」が655kg,「ホクユウ」が792kg,「交8号」が692kg,「ジャアンツ」が621kgであった。また,可消化粗デンプンは早生品種が239〜274kgであるが,晩生品種は106〜153kgと,前者が明らかに多かった。
著者
阿部 亮 名久井 忠 櫛引 英男 石栗 敏機 岩崎 薫 早川 政市 仲野 博之
出版者
日本草地学会
雑誌
日本草地学会誌 (ISSN:04475933)
巻号頁・発行日
vol.21, no.4, pp.291-299, 1975-12-25
被引用文献数
2

ヘイゲンワセ,交8号,ジャイアンツの3品種のとうもろこしを9月6日以降,ほぼ10日間隔に経時的に採取し,飼料価値および収量の調査をするとともに,それらの品種を含む15点のとうもろこしサイレージについて飼料値価の調査を行なった。その結果,乾物率,子実含量および収量について品種間に大きな差異が見出された。また,いずれの品種も収量は9月24日以降ほぼ一定となったが,その後も乾物に占める子実割合は増加した。また,とうもろこしサイレージの飼料値価について見ると,可消化粗蛋白質,可消化粗脂肪の含量は品種間で大差なく,TDN含量の大小に関しても大きな位置を占めず,可消化全炭水化物の含量がTDN含量の大小に大きく響いた。可消化全炭水化物の中味について見ると,デンプン,単少糖類などの可消化非構造性炭水化物と可消化構造性炭水化物の割合で,試料間に大きな差異が見られた。熟期が進むにつれて構造性炭水化物の消化率は減少の傾向を示し,その可消化量も減少するが,逆にデンプン含量が増加するため,可消化非溝造性炭水化物と可消化構造性炭水化物含量との間には高い負の相関(r=-0.91)が認められた。また,粗蛋白質,粗脂肪,構造性炭水化物の含量と可消化量との間には,いずれもr=0.95以上の有意(P<0.01)の相関関係が得られた。
著者
田坂 憲二
出版者
福岡女子大学
雑誌
香椎潟 (ISSN:02874113)
巻号頁・発行日
vol.52, pp.A33-A58, 2006-12
著者
大槻 幸雄
出版者
公益社団法人日本ガスタービン学会
雑誌
日本ガスタービン学会誌 (ISSN:03874168)
巻号頁・発行日
vol.19, no.76, pp.107-110, 1992-03-10

1991年国際ガスタービン会議横浜大会のパネル討論会は、最終日の10月31の午後に、"Future Role of Gas Turbines for Power Generation-Energy Saving and Environmental Aspects"という題目で、約3時間にわたって活発に行われた。ガスタービンの将来の役割は興味があり、約200名が参加した。全体の司会を川重の大槻が行い、大形ガスタービンに関してはABB社のKehl-hofer、小・中形ガスタービンに関してはMWM社のHeinrichが司会した。最初に大槻が、今回の討論会の意義を説明し、引き続いて7人のパネリストによって、約20分間のスピーチを行い、それぞれのスピーチの後、約3分間の質疑応答を行った。更に全てのスピーチの終了後、パネリスト全員が壇上に集まり、約20分間、参加者を交えた自由討論が行われた。最後に、KehlhoferおよびHeinrichによって締め括りのコメントがなされた。スピーチの数を減らすか時間をもう少しとって討論の時間を多くとる方が良いと思われた。
著者
山田 実
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. LQE, レーザ・量子エレクトロニクス
巻号頁・発行日
vol.96, no.290, pp.1-6, 1996-10-08

戻り光に強い半導体レーザとして自励振動半導体レーザが開発されている。自励振動を強化する為、可飽和吸収領域を層厚方向に設ける構造が多くなってきているが、この構造では量子雑音が増加しやすくなっている。また一般的に、リッジストライプ構造のレーザでは、クラッド層を層面内に流れる漏れ電流が生ずる可能性があり、この漏れ電流によっても量子雑音が増大する。本報告では、自励振動半導体レーザにおいて、これらの要因を含め、光出力強度、自励振動強度、量子雑音、横モードプロファイルなどの理論計算結果を示す。
著者
永長 知孝
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ITS (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.474, pp.39-43, 2002-11-18

本稿では,第5回IEEE ITS国際会議(ITSC2002)の概要が報告されている.ITSC2002は,2002年9月3日より6日までの4日間,シンガポールのサンテック・シンガポール国際会議・展示センターで開催された.ITSCは,IEEE ITSカウンシルの主催で毎年開催されている国際会議である.参加登録者数は約140名であり,3日間で約160件の発表が行なわれた.また,最終日の6日にはテクニカルビジットが4コース設定され,シンガポール国内のITSに関する取り組み状況が紹介された.
著者
中川 貴雄
出版者
宇宙航空研究開発機構
雑誌
宇宙科学研究所報告. 特集 (ISSN:02859920)
巻号頁・発行日
vol.28, pp.133-141, 1991-03

赤外線観測による星形成領域の最近の研究について, 概説を行う。太陽程度の質量を持つ星は, 分子雲中の高密度コア内で生まれる。高密度コアは乱流によっては支えられてはおらず, 10^5年程度の自由落下時間でつぶれて, 星を形成する。こうして形成された星は, 最初はダスト雲に包まれているために, 可視光ではみることができないが, 進化が進むにつれてダストが晴れ上がり, 可視光で見ることができるようになる。これらの若い星には, ディスク上の濃い雲が付随している。このディスクの存在は, 近赤外域での偏光観測や, 赤外域でのエネルギー分布などから要請される。IRASによって観測された若い星のエネルギー分布の変化は, ディスクをもった星のシステムが, 周りのダストを吹き飛ばしながら進化していくと考えれば説明することができる。中心星の周りのディスクは, 惑星系の形成に決定的な影響があるはずである。次世代の観測装置により, このディスクの直接的観測が可能になるであろう。
著者
宮下 朋子
出版者
会津大学短期大学部
雑誌
会津大学短期大学部研究年報 (ISSN:13406329)
巻号頁・発行日
vol.63, pp.139-145, 2006-02-28

〔目的〕短期間の学習において、減塩という食育が成り立つかどうかを検討するため、本学学生を対象に、調理学実習I・IIの授業において塩分濃度差識別教育を行い、その結果を確認したので報告する。〔調査の条件と設定〕塩分濃度差識別能力を見る官能調査を実施するにあたり、試料温度を実際の調理で用いる温度である70℃付近に調整して実施した。〔調査対象および調査方法〕平成15年度の食物栄養学科1年に在籍した学生を対象に、訓練前の前期調理学実習Iの第1回目の授業と、訓練後にあたる後期調理学実習IIの授業の最終日に行った。調査は、塩分濃度0.5〜1.0%の範囲で濃度差0.1w/v-%に調整し、品温70℃±3℃に保持した試料をランダムに配置し、順位法による弁別試験と、その6試料の中から自分が最も好ましいと思う塩分濃度の試料を選ぶ選択法による嗜好濃度試験を実施した。〔結果および考察〕Kendallの一致性の係数W、Spearmanの順位相関係数γs、は、いずれも有意に高く、塩分識別能力が上がったことを示した。また、訓練の効果を見るコクランによるQ検定でも、学習効果があったことを示していた。しかし、選択法による嗜好濃度試験では、前期と後期では大きな差は見られなかった。これらの結果から、1年間の授業を通して行った減塩教育は、学生の塩分を知覚する能力を高める効果は認められたが、嗜好塩分濃度には大きな変化は見られず、文化的に手に入れた味覚は、1年間という学習期間では変化しない事を示していた。一方で、パネルは、前期より後期において塩分濃度を識別できるようになっていた。このことは、味覚識別能力の獲得は、訓練と環境によって可能である事を裏付ける結果となり、1年間という短期間の学習でも可能であることを示していた。塩分濃度差を識別する能力の獲得は、自らの食生活の中で塩分をコントロール出来る能力の獲得である。減塩を目的とし、塩分濃度を見分ける能力を培うとともに、意識的に料理の塩分を捉える習慣を持つことで、食生活の中での塩分摂取量をコントロール出来るものと考える。
著者
戸田 真志 秋田 純一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. HI, ヒューマンインタフェース研究会報告
巻号頁・発行日
vol.2007, no.11, pp.iii-vi, 2007-02-09

今年で10回目を迎えるISWC2006(International Symposium on Wearable Computing)は、スイスMontreux駅前のGrand Hotel Suisse-Majestic(図1)を会場に、2006年10月11〜14日の4日間で開催された。ISWC2006に引き続き、同じMontreuxにて、10月15〜18日の期間でUIST2006も開催されたため、両方の会議に参加した方も多かったようである(筆者らは残念ながらISWC2006のみで帰国の途についた)。本年は16カ国から85件の投稿があり、査読の結果、口頭発表17件(Longpaper8件、Shortpaper9件)、ポスタ発表18件の計35件が採択された。投稿の内訳、採録数、採択率を表1にまとめる。[table]11日の午後から13日までがいわゆる本会議であり、最終日の14日はチュートリアル(午前セッション2件、午後セッション1件、終日セッション1件)が開催された。本会議は前述した口頭発表、ポスタ発表に加えて、2件の招待講演、パネル討論会、デモセヅションが開かれていた。
著者
中村 光伸 井原 則之 荻野 隆史 浜田 邦弘 飯野 佑一
出版者
北関東医学会
雑誌
北関東医学 (ISSN:13432826)
巻号頁・発行日
vol.56, no.2, pp.113-117, 2006 (Released:2006-09-27)
参考文献数
11

【背 景】 近年, 自殺企図患者が増加している. 群馬大学医学部附属病院救急外来における自殺企図症例について分析した. 【対象・方法】 平成16年1月から12月に当院救急部に搬送, 受診された自殺企図患者の診療録を調査した. 【結 果】 当該期間に受診した全救急患者数は4068例であり, そのうち自殺企図症例は47例で, 複数回受診した患者は4名であった. 年齢別では男女共に20代が最も多く, ついで男性は50代, 女性は30代であった. 自殺企図に用いられた手段として薬物・毒物が27例, 刃物を用いての自傷15例, 縊頸が4例, 高所からの投身未遂が1例であった. 外来診察にて帰宅可能であった症例は23例であり, 入院が必要な症例は20例, 救急外来での死亡は4例であった. 【結 語】 自殺企図患者の診察には精神科医との連携が重要である. また, 中高年の自殺企図も多く, 社会的な問題も懸念される.
著者
寺嶋 芳江
出版者
一般社団法人日本森林学会
雑誌
日本林學會誌 (ISSN:0021485X)
巻号頁・発行日
vol.74, no.5, pp.359-363, 1992-09-01

ナメコ2品種を用いて, 未利用樹種であるマテバシイについて培地基材としての適性をブナを対照として検討した。菌糸体伸長および腐朽については, マテバシイはブナよりも劣っていた。しかし, 米ぬかを10%加えた培地における収量性, 収量パターンおよび子実体の品質についてはブナと差はなかった。さらに, 培地添加物の量を増したり, 種類を変えることにより, 収量を増すことができた。マテバシイの鋸屑製造時に10%程度の樹皮が混入しても大きな影響はなく, ブナの代用基材としてマテバシイの価値は高いものと推察された。