著者
局 博一 桑原 正貴 土井 邦雄 菅野 茂
出版者
東京大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1993

鼻粘膜の感覚を支配する三叉神経、および喉頭粘膜の感覚を支配する上喉頭神経には、触刺激、温度、圧力、呼吸筋運動に応答する神経受容器が存在することを明らかにし、それらの受容器を介する反射機構を追求してきた。今回の研究課題では、鼻粘膜および喉頭粘膜の侵害受容に関与すると思われるC線維の活動記録を通じて、各種化学的刺激に対する応答能と刺激伝導特性を明らかにした。1)鼻粘膜:モルモット鼻粘膜の篩骨神経から、合計36本の単一神経活動を記録した。C線維を選択的に刺激しうるcapsaicin(0.3mM)を作用させたところ、19本(53%)が明瞭に刺激された。一方、ammonia(1.5M)およびnicotine(6mM)に対してはそれぞれ17本、6本が刺激された。同一の神経線維が2種類以上の物質に応答する交差反応も認められた。capsaicinとnicotineに対する応答様式は放電が長時間持続する遅順応型を示す一方、ammoniaに対しては放電が一過性に終わる速順応型を示した。前者の応答は、鼻粘膜のかゆみ、充血、鼻汁分泌などに、後者の応答は痛み感覚などに関与することが推測されるとともに、いずれもくしゃみ反射の誘発に欠かせないものと思われる。実際capsaicinの反復投与によりC線維が脱感作されたモルモットでは、くしゃみ反射の誘発がかなり困難になった。また、正常な鼻粘膜に高濃度のbradykininやhistamineを作用させても、明瞭な神経応答を示さないことが解った。2)喉頭粘膜:モルモットおよびラットの喉頭粘膜にcapsaicin(100μg/ml)またはhistamine(200μg/ml)を作用させ、呼吸循環反射と上喉頭神経求心性活動を記録した。capsaicinの作用では、いずれの動物種でも強い呼吸抑制、血圧降下、徐脈が生じたが、とくにラットでは著しかった。ヒスタミンは、一部のモルモットに対して軽度の呼吸抑制を生じたが、ラットに対しては何等の効果がなかった。これらの成績は、両動物種(とくにラット)において喉頭粘膜にC線維が多く分布するという知見や、ラットにおいてはモルモットほどirritant receptorが見いだされないという知見に一致する。神経活動記録では、capsaicinに対して強い応答を、histamineに対してはモルモットで弱い応答が示された。histamineの全投与によりcapsaisinに対する応答性が増強されることも明らかになった。
著者
岡戸 晴生 平井 志伸 田中 智子 新保 裕子 三輪 秀樹
出版者
公益財団法人東京都医学総合研究所
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2018-04-01

成熟後にRP58の発現を減弱させたところ、やはり認知機能の低下を見出し、RP58の発現を興奮性ニューロンで増加させたところ、生理的な加齢に伴う認知機能低下を抑制できることを見出した。さらに興味深いことに、ヒト型変異APPホモマウス(アルツハイマー病モデル)にRP58発現アデノ随伴ウイルスを用いてRP58を過剰発現させると、低下した認知機能が改善した。すなわち、ウイルス投与前(3ヶ月齢)では、物体位置認識および新規物体認識試験テストにより、APPホモマウスは認知機能が低下していたが、RP58発現ウイルス投与後1ヶ月後には、認知機能が正常レベルに回復していた。一方、GFP発現ウイルス投与1ヶ月後(コントロール群)では認知機能は低いままであった。組織解析において、RP58補充群では、アミロイド斑はサイズがコントロールと比較して小さい傾向が見られ、RP58を補充したことによりアミロイド蓄積が抑制された可能性を示している。以上のことから、RP58は不可逆的と考えられていた、老化やアルツハイマー病に伴う認知機能低下を可逆的に制御している可能性が示された(岡戸、新保:国際特許出願,2020)。
著者
佐貫 理佳子
出版者
京都工芸繊維大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2018-04-01

外傷性脳損傷(TBI)のモデルとしてショウジョウバエを用いた解析を実施した。前年度までにミノサイクリンの薬効が若齢と老化個体で異なることを見出した。この解析をさらに進め、ミノサイクリンがTBIではなぜ若齢ショウジョウバエにのみに有効かを調べた。その結果、ミノサイクリンは若齢群の引き起こす自然免疫の活性化を抑制することができるが、老化群ではそれができないことが明らかになった。また、バルプロ酸は神経保護薬として緑内障の治療においても期待されているが、ショウジョウバエでは明確な有効性は示さなかった。自然免疫との関連をさらに解析するために、いくつかの遺伝子についてノックダウンできるショウジョウバエ系統を入手した。入手したショウジョウバエ系統を用いてノックダウンを実施したが、系統間の遺伝的背景の違いによりノックダウンの効果がマスクされてしまうことが分かった。そのため、アウトクロスを繰り返し、野生型として用いられるCanton S系統に遺伝的背景を置き換えた。また、哺乳動物での検証のためマイクロRNAを用いた老化細胞モデルの作製に取り組んだ。17ラインの細胞を得ている。この際に利用したマイクロRNAの生体における効果についても検証した。さらに、マウスの初代培養細胞を長期間にわたり培養し、自然老化モデルとして使用可能であることをb-gal解析によって確かめた。脳損傷時を模倣できる処置を行い、死亡する細胞の数が培養期間の短いものに比べて増加することが分かった。
著者
石原 康宏 冨永 貴志 大黒 亜美 大島 隆幸
出版者
広島大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2020-04-01

医療や産業に使われている化学物質の中には、バルプロ酸やポリ塩化ビフェニルなど、胎児期や乳幼児期の曝露により、成長後の行動異常を引き起こすものが幾らかある。一方、脳内には免疫を担当するミクログリアと呼ばれる細胞が存在し、常に脳内を監視して異物を排除している。本研究では、化学物質の発達期の脳への作用メカニズムについて、ミクログリアに着目して検討する。ミクログリアが過剰に活性化すると、障害作用を有する炎症性分子を放出することから、まずは化学物質と炎症との関連を解析する。
著者
神庭 重信 牧之段 学 平野 羊嗣 加藤 隆弘
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2016-04-01

統合失調症は重篤な社会機能の障害を来す難治性精神疾患であり、神経シナプスの伝達異常仮説を元にして様々な研究がなされてきたが、未だ病態生理は十分には解明されていない。近年、神経系異常に加えて、脳内炎症をはじめとする免疫異常が統合失調症ばかりではなく気分障害・発達障害など様々な精神疾患で示唆され、我々は神経活動異常仮説に加えて、精神疾患ミクログリア仮説を先駆けて提唱してきた。本研究ではこれまで我々が提唱し報告してきた、精神疾患の脳波異常(特にガンマオシレーション異常)と神経免疫異常(特にミクログリアの活動性異常)に関して両仮説の解明とその両者をつなぐ橋渡し研究の成果を論文として報告してきた。
著者
見坂 武彦 谷 佳津治 内井 喜美子 片岡 憲司 藤光 隆司 石本 唯奈 細見 峻司
出版者
大阪大谷大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2015-04-01

細菌の越境移動に関する現状の把握は、健康・衛生の観点から重要な課題である。地球上の種々の細菌が渡り鳥とともに国境を越えて移動している可能性があるがその実態は明らかではない。本研究では、渡り鳥の糞に含まれる細菌群集を培養に依存せずに高速シーケンサーを用いて明らかにし、潜在的な病原細菌が長距離移動する実態を検証した。関西地区および北海道東部の沿岸部において、ツバメ科、カモ科、カモメ科の渡り鳥を主な対象として、糞に含まれる腸内細菌群集の16S rRNA遺伝子の配列を網羅的に解析し、鳥の種類による相違、他の生物との相違を明らかにした。また糞に含まれる多剤耐性菌について遺伝学的特徴を明らかにした。
著者
山田 久美子 近藤 貴子 飯沼 光生
出版者
名古屋女子大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2019-04-01

子宮内環境は胎児の発達だけでなく、出生後の子の健康障害発症の素因を胎児期に形成し、出生後の健康障害発症に影響を及ぼすことが示唆されている。妊娠期の腸内細菌叢は子へと伝えられ、離乳期には最初の細菌叢が完成すると考えられる。また、咀嚼運動のストレス緩和効果も解明されつつある。本研究では、摂食を開始する離乳期について、ストレス暴露とストレス下で棒を噛ませる咀嚼運動をさせた妊娠マウスから出生した仔マウスについて、肥満やストレスとの関連が示唆されている腸内細菌叢、間葉系幹細胞の脂肪への分化能および肥満関連因子の定量などを行うことにより、ストレスと肥満発症の素因形成および咀嚼運動の影響について検討する。
著者
金菱 清
出版者
関西学院大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2019-04-01

東日本大震災において様々な脆弱性に直面した。世界に比して大災害による死亡・行方不明者が多数に上るわが国において、喪失や悲嘆経験を理解し克服する方法や教訓は多岐にわたるが、心理学・宗教学・社会学・民俗学等の各分野に散らばり、総体的・実践的な説明体系や仕組みがない。申請者は現在まで「東日本大震災の被災者はどのように死を受け入れるのか」を主題に、即座に彼岸に送れない死者の存在(幽霊、夢、行方不明等)に対する調査を継続している。生死の中間領域における「霊性」の視角を活用し、喪失や悲嘆経験を克服する体系的手法を編み出し、自己表出の困難な人びとの現実世界を開示する、社会学的な調査方法論を模索したい。
著者
三浦 一芸
出版者
国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2016-04-01

タイリクヒメハナカメムシ (以下タイリク)は日本でアザミウマの防除に広く販売されている。販売しているタイリクはCIWolbachiaに感染している。そのため、野外で感染雌の分布が拡大すると考えられる。そこで、分子生物学的手法を用いてWolbachiaの感染の有無やDNA解析をおこない、タイリクの感染系統の非感染系統への影響を検討した。放飼地域には天敵製剤由来と考えられる個体が多く採集される地域が存在した。放飼タイリクのWolbachia感染率は無放飼地域より高かった。しかし、放飼地域のmtDNAおよび核DNAの多様性は無放飼地域と変わらないことより天敵製剤は生態系への影響は低いと考えられた。
著者
上田 大志
出版者
東京大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2012

本年度は、昨年度同様、注視している固視点を数百ミリ秒前に消すことにより、周辺視野に呈示される視覚刺激への運動反応が促進されるギャップ効果と呼ばれる現象を使い、「意識にのぼらない視覚刺激が行動に及ぼす影響」について検証した。昨年度の研究では、アモーダル補完による「物理的には消失するものの主観的には維持される固視点」を使用することで、ギャップ効果による運動反応促進には固視点の主観的消失が必要不可欠であることを明らかにした。そこで本年度は、昨年度の「見えていないのに在ると思う」に合わせ、「見えていないのに実際には在る」視覚刺激を使用し、ギャップ効果による運動反応促進における固視点の物理的消失の必要性を検証した。実験では、視覚刺激の物理的入力が維持された状態で意識に上らなくさせる連続フラッシュ抑制と呼ばれる知覚現象を利用し、「主観的には消失しているものの物理的には維持される固視点」を使用した。結果、眼球運動では、通常のギャップ効果の条件に比べ反応促進効果が減少し、固視点の物理的消失が必要不可欠であることが示された。一方、手の運動では、通常条件と同程度の反応促進効果が見られ、固視点の主観的消失の有無のみ影響することが示された(Experimental Brain Research誌掲載)。また本年度は、これまでの「知覚と運動」に、「高次認知機能」を加えたより一般的な視覚運動変換の理解を目指し、自分に対する視線の出現・消失による注視刺激の「意味的」変化によるその後の運動反応への影響についても検証した。結果、従来のような低次知覚によるギャップ効果が生じない条件であっても、顔・視線認知に関連する高次機能がその後の眼球運動反応に影響を与えることを明らかにした。このことは、顔・視線認知同様、ギャップ効果による眼球運動の反応促進が、潜在的かつ自動的なプロセスによって生じていることを示唆している(Attention, Perception, & Psychophysics誌掲載)。
著者
上田 真史
出版者
京都大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2007

脳内に存在するニコチン性アセチルコリン受容体に結合する放射性プローブを用いて、慢性的な痛覚過敏状態(神経因性疼痛)でのニコチン受容体およびその神経系の機能変化を調べ、鎮痛作用に関与する部位を明らかにすることを計画した。その結果、神経因性疼痛状態で視床に存在するニコチン受容体が増加していることを見出した。実際に視床に薬物を投与したところ、鎮痛作用が認められたことから、視床に存在するニコチン受容体が神経因性疼痛抑制に関与する可能性が明らかとなった。
著者
榎木 亮介 江川 潔
出版者
大学共同利用機関法人自然科学研究機構(新分野創成センター、アストロバイオロジーセンター、生命創成探究
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2020-04-01

私たち哺乳類の概日リズムの中枢は、脳深部にある小さな神経核(視交叉上核)に局在し、他の脳領域や全身にリズム情報を発振して、睡眠覚醒サイクルやホルモン分泌などの約24時間の生理機能を制御している。視交叉上核は約2万個のGABA作動性の神経細胞により構成されるが、「なぜ概日リズム中枢はGABA作動性神経細胞から構成されるのか?」という根源的な問いに対して私達は明確な回答を持ち合わせていない。本研究では、これまで申請者が開発してきた長期/多機能の光イメージング計測を用い、GABA作動性神経細胞が「いつ・どこで・どのように」働くのかを明らかし、概日リズム中枢の神経回路の作動原理を理解することを目指す。
著者
高松 哲郎 原田 義規 南川 丈夫
出版者
京都府立医科大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2012-04-01

手術において末梢神経を温存することは,器官機能の温存だけでなく,患者のQOLにおいて重要な役割を担う.本研究では,研究代表者らがこれまで行なってきたラマン散乱光を用いた組織観察法を基盤に,末梢神経を非侵襲かつin vivo検出可能なラマン顕微鏡システムの開発を行った.特に,深部組織診断可能な近赤外光に対応したラマン顕微鏡の開発,末梢神経および周辺組織に特徴的なラマンスペクトルの探索と散乱分子骨格の同定,および末梢神経を選択的に検出する解析アルゴリズムの開発を行い,ラマン散乱分光法に基づく末梢神経の分子構造解析および選択的検出が実現可能であることを示した.
著者
嶋本 聖子
出版者
香川大学(医学部)
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2002

ウエルシュ菌イプシロン毒素(ET)は、MDCK細胞に対し細胞毒性を示す(CT50=100ng/ml)。これまでの結果からMDCK細胞は、ETの細胞膜への結合、ETの7量体(膜孔)形成、細胞膜の透過性の亢進、のプロセスを経て細胞死に至ると考えられる。しかしながらその詳細な分子メカニズムは不明である。ETのMDCK細胞に対する作用機構を検討するために耐性細胞を分離し、ET結合性を初めとするいくつかの性状について解析した。耐性細胞の耐性の形質は、10代継代後も保持されていた。この細胞の由来が、Heterogenous cloneとして存在していたのか、変異によるものかは不明である。ETの7量体形成は耐性細胞では見られず、7量体形成は細胞毒性と関係していることが確認された。35S標識のET前駆体毒素の結合実験を行ったところ、耐性細胞では毒素の結合が見られなかった。以上の結果から、耐性細胞はETに対する結合能の欠損により耐性を示すものと考えられた。一方、我々はこれまでに、MDCK細胞のラフト画分(1%Triton X-100耐性、蔗糖密度勾配低比重画分)に、ETの結合性が高いことを示している。そこで、両細胞の結合性の相違について検討するため、それぞれからラフト画分を調製し、SDS-PAGEにて両者の構成蛋白の比較を試みたところ、分子量約130kDa蛋白が野生型にのみ存在していた。よってこの130kDa蛋白の、レセプター蛋白としての可能性について現在検討中である。
著者
金子 真人 宇野 彰 春原 則子
出版者
国士舘大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

新1年生203名と通級指導学級に通う児童19名(ADHD児5名、視覚認知困難児10名、その他4名)にDCD課題と他の認知機能に関わるスクリーニング検査を実施し、DCDの併存特性を検討した。その結果、DCD課題は単純な運動に限定した上肢道具なし課題にて相関が高く、特にグーパーによる上肢交互運動が相応しかった。また、発達障害疑い児の中で、複数の発達障害を併存する児がDCDを呈する児の検出確率は、92.1%を呈した。
著者
石川 正昭
出版者
兵庫県立尼崎総合医療センター(研究部)
雑誌
若手研究
巻号頁・発行日
2021-04-01

慢性副鼻腔炎には通常の治療に抵抗性を有する難治症例があり、その多くがType2免疫反応型である。近年、このType2免疫反応型を制御する因子として副交感神経から放出されるアセチルコリンの重要性が報告されており、今後アセチルコリンと慢性副鼻腔炎の関連性に着目した研究の増加が予測される。しかしアセチルコリン受容体の全サブタイプを対象にして、ヒトと実験動物の鼻腔内発現パターンの比較を行った研究は現時点で皆無であり、鼻腔内でのアセチルコリン受容体発現パターンに対する更なる知見の蓄積が求められる。本研究ではマウス・ラット・ヒトから得られる検体を用い、アセチルコリン受容体発現パターンの異種間差を検証する。
著者
生田 国大 西田 佳弘 酒井 智久 小池 宏 伊藤 鑑
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2021-04-01

NF1は多発する神経線維腫を特徴とする遺伝性腫瘍症候群である。神経線維腫は疼痛、機能障害、醜状をきたし患者QOLの低下につながるが、保険診療による薬物治療は現状ない。本邦の患者数は4万人であり、神経線維腫に対する薬物治療、予防治療の開発へのニーズは高い。本研究では、NF1患者の神経線維腫に対する実現可能な新規治療法の基盤データの構築を目指す。経年的に増大、増加する全身の神経線維腫に対して、drug repositioning法により既存薬剤から腫瘍抑制効果を有する候補薬剤を同定し、神経線維腫培養細胞における薬効メカニズムの確認とpreclinical modelにおける抗腫瘍効果の評価・検討をおこなう。
著者
下夷 美幸
出版者
放送大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2019-04-01

離婚後、子どもと離別した父親の多くが養育費を支払っていない現実がある。そこで本研究では、離婚により子と離別した父親を対象にインタビュー調査を行い、離婚過程および離婚紛争の実情、離婚後の生活実態、離婚前と離婚後の子との関係性、子に対する扶養の実態と扶養意識等について分析する。そのうえで、離婚当事者の実情に即した、養育費確保の支援のあり方について探究し、その実現のための政策的課題を提示する。