著者
湯舟 邦子
出版者
昭和大学学士会
雑誌
昭和学士会雑誌 (ISSN:2187719X)
巻号頁・発行日
vol.75, no.4, pp.465-473, 2015 (Released:2016-01-23)
参考文献数
8

「健やか親子21」のキャンペーン以降,母子のメンタルヘルスに対する関心は急速に高まり,産後うつ病に関する要因や現状把握の調査も増え始めている.さらに,産後うつ病の誘因となりうる妊娠期の抑うつ状態にも目が向けられるようになった.しかし,妊娠期からの継続調査は少なく,抑うつ状態に陥り始める時期,抑うつ状態の変化を明確化するには至っていない.そこで,産後うつ病のリスクとなりうる妊娠中の抑うつ状態を発見する有効な方法を考えるために,産後うつ病予測尺度(Postpartum Depression Predictors Inventory-Revised;PDPI-R),SF-36(MOS Short-Form36Item HealthSurvey),日本語版エジンバラ産後うつ病自己評価票(Edinburgh Postsnatal Depression Scale;EPDS),ピッツバーグ睡眠質問票日本語版(Pittsburgh Sleep Quality Index;PSQI)を活用し,初期,中期,末期,産後1か月の間,継続して調査を行った.調査に参加した対象者は,助産院,産婦人科クリニック,大学病院の3施設のいずれかに通院し,妊娠10週から12週に妊婦定期健康診査時に研究の趣旨説明を受け同意した妊婦で,今回の妊娠,分娩,産褥経過の記載されている診療録にうつ病の既往歴の記載がなく,4回の調査に継続的に参加した77名を対象とした.平均年齢33.61±4.54歳で出産経験のある者が29.9%,出産経験のない者が70.1%の割合であった.4回の調査に継続的に参加した者の,PDPI-R得点の平均点はカットオフポイントを超えEPDS得点の平均点はカットオフポイントを超えていなかった.PDPI-Rを従属変数として重回帰分析を行った結果,初期は,初期に感じていた今回予定していなかった妊娠,今回望んでいなかった妊娠,初期のEPDSがPDPI-Rの得点を上昇させ,初期に感じていた不安が得点を下降させていた.末期は,末期に感じていた今回望んでいなかった妊娠が得点を上昇させ,今回の妊娠に対する不安が得点を下降させていた.産後1か月は,初期と末期に感じていた今回望んでいない妊娠と初期末期のEPDSが得点を上昇させていた.各期とも今回予定していなかった妊娠,今回望んでいなかった妊娠は相対リスクが高かった.重回帰分析の結果では,初期のEPDS,今回望んでいなかった妊娠が得点を上昇させていた.中期では今回予定していなかった妊娠の相対リスクが高く,末期,産後1か月では経済状況の相対リスクが高くなっていた.継続調査の結果からは初期と産後1か月のPDPI-RとEPDSの関連が認められた.抑うつ状態を捉える関連要因としての初期のEPDS,望んでいなかった妊娠は,初期,産後1か月で共通要因に挙がっていた.初期に妊娠を望んでいたか,予定していたかの確認を継続的にスクリーニングすることは,抑うつ状態の早期発見に繋がると考えられる.さらに,妊娠確定時の身体的変化,産後の身体的変化については,胎児の発育が順調か,妊娠高血圧症候群移行へのリスクはないかなどの視点だけでは,抑うつ状態の発見が遅れる可能性がある.抑うつ状態の早期発見のためには,生活上の負担になっているか否かの視点に立ち,SF-36,PSQIの活用によって身体的健康,全体的健康感,活力が下降していないかという確認が必要である.
著者
森川 政人 小林 達明 相澤 章仁
出版者
JAPANESE SOCIETY OF REVEGETATION TECHNOLOGY
雑誌
日本緑化工学会誌 = Journal of the Japanese Society of Revegetation Technology (ISSN:09167439)
巻号頁・発行日
vol.38, no.1, pp.103-108, 2012-08-31
被引用文献数
1 2 1

学校プール内に生息している水生昆虫相の種,個体数について,東京都及び千葉県内の 4 地域計 32 校において,2007 年 5 月~2008 年 5 月までの使用期間外に各校月 1 回程度調査を実施した。調査の結果を TWINSPAN で解析したところ,東京都と千葉県が異なるグループに分類された。ヒメゲンゴロウ,コシマゲンゴロウ,ミズカマキリ,ショウジョウトンボは東京都の学校プールで確認することができなかった。種数に差が確認された要因として,種の供給源となる学校プール周辺の水田面積や周囲の樹木の有無などが考えられた。主にトンボ目の個体数の差に影響を与える要因としては,学校プール周囲の植生から供給される落葉である可能性が示唆された。
著者
服部 早紀 高橋 美保子
出版者
日本公衆衛生学会
雑誌
日本公衆衛生雑誌 (ISSN:05461766)
巻号頁・発行日
vol.58, no.10, pp.879-894, 2011 (Released:2014-06-06)
参考文献数
37

目的 病院勤務看護師の季節性インフルエンザ感染予防行動と発症時の対処行動の現状を明らかにする。方法 2007年10月,1 市内の病院 2 施設の看護師全員444人を対象に無記名自記式の質問紙調査を実施した。属性(性,年齢,所属部門,同居家族),および昨シーズン中の予防行動(手洗い,うがい,マスク,ワクチン接種,自宅の加湿•換気,免疫力を高める行動)と発症時の対処行動(対処方法,対処行動までの経過時間,休職日数,他者にうつした可能性)を確認した。結果 有効回答423(95.3%)を得た。手洗いは,業務開始時,診察•処置後など多くの場面でほとんどの者が石けんや消毒剤を用いて行っていた。しかし,鼻をかんだ後は71%,髪を触れた後は53%と少なく,また流水のみでの実施者が多かった。うがいは,帰宅時が58%と最も多かった。業務中は,リネン取扱後を除き,どの場面も10%未満と少なかった。業務開始時や診察•処置前は,業務終了時や診察•処置後より,手洗い,うがいの実施者が約10~25%(割合差)少なかった。業務開始時の手洗いは同居家族あり,同居子(小~大学•専門学校生)ありで有意に少なかった(性年齢調整オッズ比[95%信頼区間]:0.32[0.12–0.84])(0.49[0.24–0.995])。診察•処置後,帰宅時のうがい,自宅の加湿,換気は,各々,同居子(乳幼児)ありで有意に多かった(2.36[1.07–5.21])(1.87[1.07–3.27])(2.29[1.32–3.97])(2.46[1.39–4.36])。 業務中のマスク着用者55%,ワクチン接種率82%であった。発症者51人中67%が発症後24時間以内に対処行動をとっていた。発症者の25%が受診せず,市販薬を服用あるいは自宅で休養した。発症者の28%が休職しなかった。その理由は,「人員不足等で休めない」が多かった。発症者の22%が他者にうつした可能性を感じていた。病院 A は発症後の医療機関受診者が有意に少なく,病院 B は配膳前の手洗い,リネン取扱後のうがいの実施者が有意に少なかった。結論 看護師自身の感染予防の意識と比べて患者への二次感染予防の意識が低かったと考えられた。現在の看護師の季節性インフルエンザ感染予防行動は同居家族の構成や勤務施設と関連していることが示唆された。今後,咳エチケットの普及,患者と接する前の手洗いの見直し,帰宅時•業務中のうがい推奨,そして感染が疑われた際に早急に受診できる体制づくりなどの対策が必要と考えられた。
著者
長谷川 豊祐
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.49, no.1, pp.28-33, 1999-01-01 (Released:2017-05-25)
参考文献数
19
被引用文献数
2

Digital Object Identifier(デジタルオブジェクト識別子:DOI)は, URLの一過性を克服し, どのような微細なレベルでもデジタル媒体を識別し, 提供することを意図している.DOIシステムは, 情報仲介業者を経由せず顧客と出版社を直結し, 電子商取引を促進し, 著作権管理システムを実現する。DOIシステムは, ILLからオンラインカタログまで, 図書館サービスへの大きな効果を約束する。
著者
山本 真菜 岡 隆
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
心理学研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
pp.92.20334, (Released:2021-08-30)
参考文献数
23
被引用文献数
2

During the spread of COVID-19, prejudice and discrimination against infected persons, their family members, close contacts, and health care workers have become a problem. In this study, we investigated stereotypical perceptions of persons infected with COVID-19 and examined their association with individual differences in behavioral immune system activation. The results showed that the stereotypical perceptions of persons infected with COVID-19 were low sociality and high activity. Next, we examined the effect of infection vulnerability awareness on stereotypical perceptions. The results showed that the stronger the germ aversion, the stronger the perceived lack of infection prevention behaviors, the lower the perceived sociality of the persons infected with COVID-19, and the higher their own perceived infection prevention behaviors. The content of the stereotypes of the persons infected with COVID-19 and the factors influencing these stereotypes were discussed.
著者
溝口 優司
出版者
一般社団法人 日本人類学会
雑誌
Anthropological Science (Japanese Series) (ISSN:13443992)
巻号頁・発行日
vol.122, no.1, pp.29-50, 2014 (Released:2014-06-24)
参考文献数
57

2008年に富山市小竹貝塚から発見された縄文時代前期の女性頭蓋である小竹貝塚1号人骨と,東北,関東,東海,山陽地方の縄文時代中・後・晩期人集団,中国の安陽青銅器時代人集団,東南アジアの新石器―鉄器時代人集団,オーストラリアのCoobool Creek更新世後期人集団との類縁関係を,頭蓋計測値12,10,9,6項目に基づく典型性確率によって検討した。その結果,小竹貝塚1号人骨は,これらの集団の中では,東北地方の縄文時代中・後・晩期人女性集団に最も近いことが示された。他地方の縄文時代早・前期個体標本についても同様の分析を行なったところ,小竹貝塚1号人骨が似ていた東北地方縄文時代中・後・晩期人女性集団に最も類似しているのは北海道の北黄金K13個体であること,そして,この北黄金K13は東北地方の縄文時代中・後・晩期人よりも中国の安陽青銅器時代人や東南アジアの新石器―鉄器時代人にもっとよく似ていることが示された。このような事実に基づいて,縄文時代早・前期相当期におけるアジア人の移住・拡散過程について試行的な考察を行なった。

3 0 0 0 OA 通俗三国志

著者
文山 著
出版者
有朋堂
巻号頁・発行日
vol.上, 1912
著者
上田 祥代 吉田 成朗 渡邊 淳司 池田 まさみ 茅原 拓朗 北崎 充晃
出版者
特定非営利活動法人 日本バーチャルリアリティ学会
雑誌
日本バーチャルリアリティ学会論文誌 (ISSN:1344011X)
巻号頁・発行日
vol.24, no.1, pp.3-12, 2019 (Released:2019-03-31)
参考文献数
30
被引用文献数
1

The human primary somatosensory cortex corresponds to an organized topological map of all body parts (somatotopy). However, the representative proportion of body parts in the brain differs from that of the physical body. This distorted representation is called the cortical homunculus. Body parts with extensive cortical representation have a greater sensitivity in spatial resolution. We have developed the software, Face Homunculus Viewer, that can modify any facial images to homunculus-like faces with sensitivity parameters. The software was employed to support children and adults in understanding the cortical homunculus and the sensitivity differences of various body parts. Several workshops were held in which participants measured two-point discrimination thresholds at the forearm, lip and forehead to create a personalized homunculus. The software may contribute to user knowledge on the mechanisms of somatosensory perception in the brain of humans through their own embodied experience.
著者
岡 久美子 西田 麻理奈 長澤 栄史 牛島 秀爾 石原 亨 前川 二太郎
出版者
日本きのこ学会
雑誌
日本きのこ学会誌 (ISSN:13487388)
巻号頁・発行日
vol.22, no.4, pp.147-152, 2015-01-31 (Released:2018-03-15)

モエギタケ科に所属するHypholoma fasciculare(ニガクリタケ)は毒きのこであり,主要な毒成分としてファシキュロールEを生産する.これまでに本種以外のきのこ種子実体にもファシキュロールEが含まれていることが報告されているが,詳細な調査は行われていなかった.そこで本研究では,H. fasciculareおよびモエギタケ科属種子実体におけるファシキュロールEの含有量を調査した.その結果,供試したHypholoma属種の子実体すべてよりファシキュロールEが検出され,本属の近縁属であるPholiota属やStropharia属種のいくつかの子実体中においても極めて少量であるが検出された.検出された子実体には食用きのこ種も含まれていた.さらに,分子系統解析の結果,ファシキュロールE生産性はモエギタケ科内のHypholoma属との系統的類縁性と密接に関係していることが示唆された.
著者
韓 昌完 太田 麻美子 金 彦志 權 偕珍
出版者
一般社団法人 アジアヒューマンサービス学会
雑誌
Journal of Inclusive Education (ISSN:21899185)
巻号頁・発行日
vol.10, pp.29-42, 2021 (Released:2021-08-30)
参考文献数
18

本研究の全体的な体系として、大学における学修成果指標として「Employability based on Student Learning Outcome; ESLO」を作成し、主観的・客観的側面を踏まえた評価方法を確立することを目的とする。本論では研究の全体像のうちESLOの構成概念の検討を第1の目的とし、検討した構成概念に基づき主観的評価尺度(試案)の作成及び内容的妥当性と信頼性検証までを第2の目的とした。 ESLOの概念を構成するために経済産業省が提唱する「社会人基礎力」やThe Partnership for 21st Century Learningが提唱する「21st-Century Skills」や「21st Century Learning」、ハーバード大学が提唱する「Employability Skill」などの概念を整理・検討した。その結果、ESLOの構成概念を「自己理解・自己管理能力」、「イノベーション力」、「情報・メディア・テクノロジーリテラシー」、「国際力」及び「専門力」の5領域15下位領域で構成した。ESLOの構成概念に基づいて主観的評価尺度(試案)の項目を作成し、尺度開発の専門家及び学部学生を対象に内容的妥当性の検証を行った。国公私立の3大学で122件のデータを収集し、内的整合性法を使用した信頼性検証の結果、全項目及び各領域でα> 0.700(α=0.755~0.971)となり信頼性が確認された。
著者
川瀬 啓祐 椎原 春一
出版者
日本野生動物医学会
雑誌
日本野生動物医学会誌 (ISSN:13426133)
巻号頁・発行日
vol.25, no.2, pp.43-47, 2020-06-23 (Released:2020-08-24)
参考文献数
21

近年,動物園や水族館における野生動物の飼育に対する疑念が世界的に広まりつつある。2015年に世界動物園水族館協会は「野生生物への配慮 世界動物園水族館動物福祉戦略」を打ち出し,動物園水族館における動物福祉向上に取り組んでいく姿勢を強めている。上述の戦略の中で,動物福祉向上の具体的な取り組みとして環境エンリッチメントとハズバンダリートレーニングを推奨しており,現在,日本の多くの動物園や水族館で取り組まれている。近年,日本の動物園では飼育動物の高齢化などの多くの課題があげられており,今後こうした課題に対してガイドラインの策定などが必要であると考えられる。
著者
神戸 博太郎
出版者
公益社団法人 高分子学会
雑誌
高分子 (ISSN:04541138)
巻号頁・発行日
vol.17, no.7, pp.650-655, 1968-07-01 (Released:2011-09-21)
参考文献数
16
被引用文献数
2 2

高分子の熱的性質は高分子の加工に際し,重要な役割をもつと同時に,その熱力学的状態を決定する重要な指標である。熱力学的量である高分子の比容積およびエンタルピー,そしてこれらの温度依存性の係数である熱膨張率と比熱は,高分子の転移を決定するために用いられる。結晶性高分子における融解,無定形高分子におけるガラス転移は,熱力学的には一次および二次の転移とみなされる。またこれらの転移の起こる温度は,高分子を同定する有力な目安となる。これらの転移温度と高分子の構造との関係については多くの研究がなされているが,一般的にいえば,分子鎖の内部回転に対する障害が少なく,屈曲性の大きい高分子ほど,転移温度が低い。逆に剛直な分子構造をもつ高分子は転移温度が高く,軟化しにくい。高分子鎖に芳香環を導入することにより,その耐熱性が向上できる。
著者
宮下 浩二 播木 孝 谷 祐輔 太田 憲一郎 小山 太郎
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.34, no.5, pp.707-711, 2019 (Released:2019-10-28)
参考文献数
21

〔目的〕投球障害肩の要因となる肩内旋制限(硬さ)と肩後方動揺性(緩さ)は一見相反する現象だが,投手の肩で併存するか明確でない.本研究は両者の関係性を明らかにすることを目的とした.〔対象と方法〕社会人投手47名を対象とした.両側の内旋・外旋可動域と後方動揺性を測定した.左右の肩内旋可動域の差が20°以上をGIRD群(24名),20°未満を健常群(23名)とした.両群間の可動域の差,後方動揺性の陽性割合の差を検定した.〔結果〕内旋可動域はGIRD群26.0 ± 12.6°,健常群50.0 ± 14.3°で有意差があった.後方動揺性は両群間で割合に有意差はなかった.〔結語〕投手の肩は内旋可動域制限がある一方,同時に後方動揺性も併存する場合があることが示された.
著者
中塚 雅也 小田切 徳美
出版者
農村計画学会
雑誌
農村計画学会誌 (ISSN:09129731)
巻号頁・発行日
vol.35, no.1, pp.6-11, 2016-06-30 (Released:2017-06-30)
参考文献数
4
被引用文献数
1 6
著者
光冨 省吾
出版者
福岡大学
雑誌
福岡大學人文論叢 (ISSN:02852764)
巻号頁・発行日
vol.45, no.3, pp.237-268, 2013-12
著者
高村 圭子
出版者
東京女子大学
雑誌
日本文學 (ISSN:03863336)
巻号頁・発行日
vol.84, pp.90-101, 1995-09-30
著者
金野 尚武
出版者
公益社団法人 日本木材保存協会
雑誌
木材保存 (ISSN:02879255)
巻号頁・発行日
vol.39, no.2, pp.60-70, 2013 (Released:2013-05-11)
参考文献数
50
被引用文献数
1 1
著者
Tana Bao Tao Gao Banzragch Nandintsetseg Mei Yong Erdemtu Jin
出版者
Meteorological Society of Japan
雑誌
SOLA (ISSN:13496476)
巻号頁・発行日
vol.17, pp.145-150, 2021 (Released:2021-08-27)
参考文献数
42
被引用文献数
13

In this study, we investigated the spatiotemporal variations of border-crossing dust events (DEs), including floating, blowing dust, and dust storms between Mongolia (MG) and Inner Mongolia (IM), China using the ground-based observations from 91 synoptic stations across the Mongolian Plateau during 1977-2018. We defined the intensity of DEs (progressive and recessive) depending on the dust impact area (number of stations affected by dust) by dividing them into three categories: DEs, transported dust events (T-DEs), and severe transported dust events (ST-DEs). The results revealed that during 1977-2018, the frequency of DEs in MG was two times higher than in IM. Simultaneously, the frequency of DEs (dominated by dust storms) increased in MG, whereas IM experienced a decrease in DEs (prevalent types of blowing dust). The T-DEs occurred 2.4 times higher than the ST-DEs over Mongolian Plateau. For the border-crossing DEs, transported dust storms were the dominant type. During 1977-1999, approximately 86% of DEs in IM originated from MG; however, this was decreased to 60% in the 2000s (2000-2018). The intensity of the border-crossing DEs originated from MG and the recessive T-DEs increased significantly since the 2000s, which were more significant than the progressive type.