著者
早原 茂樹 芦原 評 清水 謙多郎
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.52, pp.15-16, 1996-03-06

分散システムにおいて、複数のプロセスやプロセッサをメンバとして一括して制御、管理するグループ機構は、負荷分散やファイルレプリケーション等のシステムレベルのサービスから、分散データベース、グループウェア等のアプリケーションに至るまで、重要な用途を持つ。本論文では、グループは動的に変化し、グループの生成、消滅、メンバの加入、削除を繰り返すものとする。そのため、各メンバが、所属グループの最新のメンバシップを把握し、そのメンバシップを更新できる操作が必要となる。以下では、大規模広域分散システムへの適用を想定し、(1)大域的なロックやタイムスタンプを用いない、(2)メッセージの送受信順序の不一致に対応する、(3)特定の制御メンバを必要としない(完全分散型)、(4)更新操作は非封鎖型である、ことを特徴としたグループメンバシップ・プロトコルの方式を提案する。
著者
高橋 義宣 河原崎 正貴 星野 躍介 本多 裕陽 江成 宏之
出版者
Japanese Society for Food Science and Technology
雑誌
日本食品科学工学会誌 : Nippon shokuhin kagaku kogaku kaishi = Journal of the Japanese Society for Food Science and Technology (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.55, no.9, pp.428-431, 2008-09-15
被引用文献数
1 4 1

アンセリンは回遊魚や渡り鳥など持久力を必要とする動物の筋肉に多く存在することが知られており,マウスの強制遊泳試験によりその抗疲労効果が確認されている.サケ肉より抽出したアンセリン含有サケエキス(SEAns)を用いてヒト臨床試験を行い,疲労の低減に関する効果を検証した.SEAns摂取群は対照群と比較して,筋肉疲労の血中マーカーであるクレアチンホスホキナーゼおよび精神ストレスの血中マーカーであるコルチゾールの有意な減少,さらに運動継続時間の減少を抑制する傾向も確認された.以上の結果より,SEAnsには筋肉疲労,及び疲労感(精神ストレス)を低減する効果があると考えられた.
著者
今津 孝次郎 服部 晃
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

「指導力不足教員」の問題は、教員の"負"の側面であるだけに、教育界も情報発信しようとはせず、研究者も研究テーマとして取り上げてはこなかった。そこで日本初となる全国61教育センターを対象にしたアンケート調査と、その内30教育センターを北海道から沖縄まで訪問してのインタビュー調査に基づき、各地の「指導力不足教員」の実態と、その現職研修の構造について解明し、併せて教員免許更新制との関係を検討した。
著者
宇田 忠司
出版者
北海道大学大学院経済学研究科
雑誌
經濟學研究 (ISSN:04516265)
巻号頁・発行日
vol.63, no.1, pp.115-125, 2013-06-11

本稿の目的は,コワーキング (coworking) をめぐる議論の整理・検討を通じて,当該概念の規定を試みたうえで,理論的発展の方向性を提示することである。具体的には,まず,近年国内外で注目度が高まりつつあるコワーキングの実践的な展開を概観する。次いで,いまだ理論的考察がほとんどなされていないコワーキングとはどのような概念なのか,関連する既存の概念とどのように異なるのかについて,コワーカーという働く個人とコワーキング・スペースという働く場の二つの概念を用いて検討する。そのうえで,理論的発展に向けた課題として,働く個人や働く場に関する既存研究の系譜にコワーキングを位置づけ,精緻な理論枠組みの構築を図ることと,コワーキングという概念を援用しながら働き方やそれにまつわる実践の再定義を試みている対象に注目し,その実態とメカニズムを把握することを提示する。
著者
小林 潤司
出版者
国際基督教大学
雑誌
新学術領域研究(研究領域提案型)
巻号頁・発行日
2009

トリフェニレンにヘテロールが縮環した化合物であるトリヘテラスマネン合成の別法としてトリフェニレンの湾部が6箇所リチオ化されたヘキサリチオ体経由の合成法を活用してトリヘテラスマネン類の合成を行った。2,3,6,7,10,11-ヘキサブトキシトリフェニレンを出発原料として、TMEDA存在下、過剰量のn-BuLiを作用させ、加熱かくはんを行ったところ、効率よくヘキサリチオ体が発生することを見いだしていたので、このヘキサリチオ体に、各種典型元素試薬を反応させトリヘテラスマネンの合成を検討することとした。ヘキサリチオ体にフェニルジクロロホスフィンを作用させ、引き続いて単体硫黄を作用させることで、トリホスファスマネントリオキシドの合成に成功しており、生成物の構造異性体の分離構造決定を行った。また、別の典型元素源として、ジアルキルジクロロスタンナンを作用させることで、ヘキサスタンナスマネンの合成にも成功した。有機スズ化合物は、その他の典型金属元素と効率よくトランスメタル化が進行することが知られているため、このトリスタンナスマネンを新たな出発原料として、新たなトリヘテラスマネンへと誘導することを検討した。そこで、母体のスマネンと同様な骨格的歪みを持ち、かつ物性材料としても有用性が期待されるトリボラスマネンの合成を目指し、ホウ素原子とのトランスメタル化を検討した。その結果、各種NMRスペクトルより、少なくとも湾部の1箇所がホウ素化されたと思われる化合物の生成が示唆された。
著者
石渡 良志 内田 邦子 長坂 洋光 塚本 すみ子
出版者
日本地球化学会
雑誌
地球化学 (ISSN:03864073)
巻号頁・発行日
vol.44, no.3, pp.69-76, 2010

A 90 cm sediment core (HAR 99A) from Lake Haruna, Gumma Prefecture, Japan was dated by tephrochronology, lead-210 and cesium-137 methods and was compared stratigraphically with the cores obtained in 1966 (HAR 96B) and 1971 (HAR 71). For the HAR 99A core, the 24-26 cm depth layer was estimated to be AD 1963 by <sup>137</sup>Cs. The tephra layer in 62-66 cm depth was identified to be volcanic ashes from Asama volcano eruption (Asama-A tephra: As-A) in AD 1783. Average mass sedimentation rate (AMSR) for 1963 to 1999 (0-26 cm depth) is 0.050 g cm<sup>-2</sup>yr<sup>-1</sup> and that for 1783 to 1963 (25-62 cm depth) is 0.033 g cm<sup>-2</sup>yr<sup>-1</sup>. AMSR for the 0-62 cm depth obtained by <sup>210</sup>Pb ranges between 0.052 and 0.058 g cm<sup>-2</sup>yr<sup>-1</sup>. In addition, it is proposed that the previous assignment of As-B (AD 1108) for a tephra layer at 40-50 cm depth of the HAR 71 core should be changed to As-A tephra (AD 1783).
著者
川上 正浩
出版者
大阪樟蔭女子大学
雑誌
大阪樟蔭女子大学人間科学研究紀要 (ISSN:13471287)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.67-82, 2008-01-31
被引用文献数
3

近年,携帯電話上でのメール(携帯メール)によるコミュニケーションが一般化するに伴い,メール上での感情表現のための顔文字の使用もまた一般化している。本研究では顔文字自体が表す感情,強調を調べることにより顔文字のデータベースを作成することを目的とする。顔文字が有する文脈依存性を鑑み,"どの感情を表しているか"という観点ではなく,"それぞれの感情をどの程度表しているか"という観点から,顔文字が表す感情についてのデータベースを作成した。またこれに加えて,当該顔文字が"どの程度文章を強調するか"という強調度についてもデータベース化した。 調査対象として31個の顔文字が選択された。調査参加者には,喜び・哀しさ・怒り・楽しさ・焦り・驚きのそれぞれの感情ごとに1(全く表れていない)から5(とてもよく表れている)までの5段階で,強調度については1(全く強調されない)から5(とても強調される)までの5段階で各顔文字に対する評定を行うことが求められた。これらの結果は図1および図2に示されている。本調査の結果は,顔文字を対象とした心理学的調査を行う際の顔文字が表す感情に関する評価を提供する基準となる。
著者
米田 泰子 加藤 佐千子
出版者
調理科学研究会
雑誌
調理科学
巻号頁・発行日
vol.27, no.1, pp.31-38, 1994
被引用文献数
3

玉露、煎茶、水出し煎茶、ほうじ茶、番茶、烏龍茶について浸出時間と煎出回数を変化させてそれらの浸出液中のカフェイン及びタンニン溶出量を測定し、これらの茶湯中濃度の違いと官能検査結果との関連性を検討し以下の結果を得た。1.玉露は0.5、1、2、3分浸出のものについてはカフェイン、タンニン濃度は共に2煎に高くなるが、浸出時間が4分以上になると2煎よりもむしろ1煎に高くなったのに対し、官能検査での苦味や渋味の感じられ方は1~3煎までほとんど変わりなく普通と評価された。全体の味や好みは1煎が最も強く、好まれ、煎を重ねるに従い弱く好まれないと考えられる。2.煎茶では0.5、1分浸出のものは2煎にカフェインが、0.5、1.2分浸出のものは2煎にタンニンの濃度が高く、2、3、4分、又3、4分の浸出のものはそれぞれ1煎に高い。官能検査の苦み、渋みは1、2煎共に同程度の強さで感じられ、3煎に弱く感じられた。官能検査の全体の味の強さは煎を重ねるに従い薄くなったが好みでは1、2煎が評価同程度で3煎ではやや好まないとされた。3.ほうじ茶、番茶では番茶のタンニン濃度の0.5、1分浸出以外はカフェインやタンニン濃度は1煎に高くなり、官能検査の苦みや渋みも1煎が強く感じられ、煎を重ねるに従い弱く感じられた。好みでは煎茶と同傾向であった。4.ウーロン茶のカフェイン及びタンニンの濃度はほうじ茶や番茶と同結果であったが、官能検査では全体の味が強く感じられる1煎は好まれず、2煎が最も好まれたと考えられる。5.ほうじ茶、番茶などの下級茶の方がカフェイン及びタンニン濃度と苦み、渋み、旨味、好みとの間に正の相関関係があり、上質茶よりもカフェインやタンニン濃度によって味が左右されやすいと考えられる。一方、烏龍茶ではカフェイン、タンニン濃度と好みの間に負の相関があり、これらの濃度が高い場合は好まれない傾向にあった。
著者
多田 啓太朗 野田 勝二 佐藤 公信 寺内 文雄
出版者
Japanese Society for the Science of Design
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
pp.66, 2014 (Released:2014-07-04)

本研究は、高次脳機能障害者の社会復帰を目指した包括的リハビリとして有効とされている園芸活動の検証を行った。 調査対象地は、園芸活動が実施されている、高次脳機能障害者支援センターAとした。分析対象は、利用者が園芸活動後に記述した感想とし、5年間、計129回分をパソコンを用いてテキストデータ化した。分析には、フリーのテキストマイニングソフトであるKH coderを用いた。分析方法は、感想の全体像を探るため、頻出語句の抽出と階層クラスター分析を行った。さらに、頻出回数の多い語句について、共起ネットワークを用いて詳細な分析を行った。 結果、多くの利用者は、園芸活動に対して肯定的な感想を持つことが明らかとなった。「美味しい」という語句は、収穫や調理といった生活技能の訓練と共起することが明らかとなった。このことから、園芸活動では、収穫したものを美味しく食べることで、生活技能を習得する訓練を利用者が肯定的に捉えてることが明らかとなった。 以上より、高次脳機能障害者支援センターにおいて、園芸活動は、社会性の向上や生活技能の習得を図る包括的リハビリとしての有効性が示唆された。
著者
伊藤 宏
出版者
東京大学生産技術研究所
雑誌
生産研究 (ISSN:0037105X)
巻号頁・発行日
vol.8, no.8, pp.319-323, 1956-08-01

最近1.2ないし1.1という超大口径の写真レンズがわが国で生産されるようになった.これ等のレンズの展望,日本でこれ等のレンズが発達した理由,およびこれらレンズの性能に関し,最近の情報理論的の取扱いによる新しい見方を述べる.
著者
佐野 充 村西 明日香 揚野 敏光 伊藤 誠 新美 雅則 白髭 民夫
出版者
名古屋大学
巻号頁・発行日
2014-01 (Released:2014-07-18)

報告書のp.30-31の一部、p.45-46, p.63は都合により掲載しておりません