著者
森 俊平 太田 耕造 嶋内 亜希子 中條 和志 木村 時久
出版者
The Japanese Society of Internal Medicine
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.92, no.11, pp.2250-2252, 2003-11-10

症例は57歳,男性.意識消失発作,脱力を主訴に受診.平成5年の食道癌根治術以降,食事摂取量が減少すると共に日本酒を多く摂るようになり,来院時著明な低Na, K血症を認めた.ビールを多飲し,食事を摂取しない場合,高度の低Na血症を示す症例はBeer Potomaniaとして知られている<sup>7)</sup>.日本酒はビールと同様に電解質に乏しく,長期の飲酒と食事摂取量低下により同様の病態が生じ得ることを考察した.
著者
藤井 美知子 直野 公美 井ノ上 憲司 古賀 掲維 丹羽 量久
出版者
長崎大学
雑誌
長崎大学大学教育機能開発センター紀要 (ISSN:21856281)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.55-65, 2010-03-01

Individual universities have been seeking for better ways of teaching information processing skills. In order to grasp what first year students at Nagasaki University have learned and acquired as to computer related skills, the following study has been conducted since 2006: a questionnaire study of information literacy and computer related skills. This paper aims to show how much the first year students are accustomed to exercises of computer skills and second, to consider effective ways to fill the gap between the knowledge and the skills previously acquired, and the skills required to gain in Nagasaki University. The computer related skills are those which all students are expected to authentically demonstrate before graduation.
著者
平 博順 向内 隆文 春野 雅彦
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告自然言語処理(NL)
巻号頁・発行日
vol.1998, no.99, pp.173-180, 1998-11-05
参考文献数
19
被引用文献数
11

本稿では、Support Vector Machine (SVM)を用いたテキスト分類法を提案する。テキスト分類問題に対して学習手法を適用する場合、出現頻度の小さい単語まで考慮して学習を行なわいと、分類精度が落ちることが知られている。このため高い分類精度を実現するためには、高次元の単語ベクトルを用いなければならないが、過学習により分類精度が落ちてしまう危険性が生じる。SVMはKernel開数により非線形学習も可能であり、高次元の入力ベクトルを用いても過学習なしに最適解が得られる。SVMをテキスト分類に適用し、1.異なる次元の単語ベクトル、2.異なるKernel関数、3.異なる目的関数、の3点について比較実験を行なった。その結果、SVMがテキスト分類問題に対して有効であることが確認された。This paper describes a text categorization method that uses Support Vector Machines (SVMs). The accuracies of learning-based text categorization systems depend not only on frequent words but also on infrequent ones. However, high dimensionality of the data sometimes causes overfitting that harms the overall performance of the system. SVMs avoid the curse of dimensionality by using a quadratic optimization method. In addition, SVMs can also learn Non-linearity by introducing Kernel functions. We tested method from the following three perspectives: 1. word vectors of different dimensions, 2. different Kernel functions and 3. extended cost function. The results clearly show the effectiveness of SVMs for the text categorization task.
著者
裴 秉哲 田野 俊一 市野 順子 江崎 朋人 橋山 智訓
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.34, no.6, pp.239-244, 2010-02-15

近年、情報技術の発達により高度なデザインシステムが用いられているが、逆にデザイナの創造的な活動を阻害しているという事例が指摘されている.この問題を改善するため、3次元表示や3次元スケッチを利用したデザインシステムが盛んに研究されている.しかし、それらのシステムは著しく環境を制限される上に、大掛かりな計測機器を用いるという問題点を有している.そこで、本研究ではPTAMを用いることでカメラ一台という安価かつ簡易な装置のみによりVision-Basedな3次元空中描画を実現するアルゴリズムを提案する.
著者
末吉 秀二 アブドゥルモネム メルカウィ
出版者
吉備国際大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

ヨルダン南ゴールにおいて1950年頃に定住した2つのクランを対象とした家系人口調査をもとに、本研究は、定住の初期(1950-69年)、中期(1970-89年)、後期(1990-2009年)における年平均人口増加率が、0.040、0.041、0.036、および0.039、0.042、0.036と定住初期から中期にかけて上昇し、中期から後期にかけて減少したことを明らかにした。しかし、両クランともに2030年には人口が2倍になることが予想されることから、生存適応を脅かす過剰人口に対する方策の必要性が示唆された。
著者
高橋 浩一郎 土田 健一 渋谷 一彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IE, 画像工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.469, pp.25-28, 2002-11-15

建物やトンネル,地下街における地上デジタル放送波の再遷信に漏洩同軸ケーブル(LCX)を利用するため,基礎的な検討を進めている.外来雑音を避けるためビル地階の通路に漏洩同軸ケーブルを敷設し,ダイポールアンテナを用いて電界強度とビット誤り率を測定した.実験の結果では電界強度はケーブル長さ方向に定在波状に変動し,急激な電界強度の落ち込みが観測された.また,送受信機を直結して得られる特性に対して,所要C/Nの劣化量は3dB以内であった.
著者
武田 裕子 大滝 純司 高橋 都 甲斐 一郎 稲福 徹夜 高屋敷 明由美 大滝 純司 高橋 都 甲斐 一郎 森尾 邦正 稲福 徹也 高屋敷 明由美 安井 浩樹 武村 克哉
出版者
三重大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

本調査では、医師が専門とする診療科および勤務地選択の際の要因や関連する因子を探るべく、全国の医学部4年生・6年生ならびに研修医を対象に、アンケート調査を実施した。また、すでに専門診療科をもって診療している医師会会員(3県)にも同様の調査を実施した。回答者の属性や個人的な体験・考え方、生育地の規模が特定の診療科選択や最終的な勤務地の決定に影響することが見出された。回答した学生・研修医の2/3がへき地勤務を肯定的にとらえていることがわかった。また、勤務地の決定には生育地の規模が大きく影響していた。
著者
小川 家資
出版者
帝京科学大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2003

本研究は、職場におけるペットの導入が作業者のストレス解消や緩和にどの程度貢献できるかについてオフィスを見立てた実験室での実験と実際の職場での実験から検証した。(1)オフィスを見立てた実験室での実験では、作業効率(作業パフォーマンス)、生理変化(心拍数、脳波)、心理変化(気分プロフィール検査)、人の行動解析を用いてペット以外の条件と比較して検証した。課題とする作業は「単純データ入力作業」、「連続加算作業」、および「パズルゲームによる創造作業」の3水準、休憩は、「ペットと遊ぶ」、「ペット型ロボットと遊ぶ」、および「雑誌を見る」の3水準の計9条件で実験を実施した。実験は被験者2〜3名がオフィスを見立てた実験室で同じ課題作業10分を3回繰り返し、それらの作業間に休憩5分を同じ条件で2回実施した。本学の健康な学生12名(男子6名、女子6名)が被験者として参加した。結論として作業による効果の違いはあるがペットの介在は職場ストレス緩和に貢献できる可能性が示された。(2)実際の職場での実験では、休憩時に犬と触れ合うことによってどのような気分変化が生じるかを検証した。職場ストレスの指標として気分プロフィール検査を使用した。対象者は男性職員4名と女性職員4名であった。測定は出勤時、昼の休憩前後、退勤時の1日4回で対象者にはこの実験へ最低3日の参加をお願いした。この結果から休憩時に犬と触れ合うことは午前中の仕事によって下がった職員の生き生き感を出勤時以上の状態まで増加させ、思考力低下を抑える効果がみられた。以上の2つの実験から職場ストレス解消にはペット導入が作業者の作業効率、生理的な効果、心理的な変化にプラスの効果があることがわかった。しかしながら、現実問題として犬嫌いの人への対応と対象課題作業以外への効果がこれからさらに検討を加えるべき課題として指摘した。
著者
山中 智行
出版者
独立行政法人理化学研究所
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2006

ハンチントン病等のポリグルタミン病は、優性遺伝性の神経変性疾患であり、原因遺伝子内の翻訳領域のCAGリピートが正常型に比べ約2〜3倍に異常に伸長することによって生じる。結果、遺伝子産物のポリグルタミン鎖が伸長され、この伸長ポリグルタミン含有タンパク質が毒性を獲得することにより、神経細胞の機能障害、変性をきたすと考えられている。病態機序としては、伸長ポリグルタミン含有タンパク質が核内に凝集体(核内封入体)を形成すること、また、核移行を人為的に阻害すると神経変性効果が劇的に減少することから、核内が主要な作用部位であると考えられている。さらに、モデルマウス等を用いた遺伝子プロファイル解析から、特定の遺伝子の発現異常が作用点の1つであると考えられている。私は、ハンチントン病モデル細胞から精製した核内凝集体の網羅的質量分析より、変異ハンチンチン(伸長ポリグルタミン含有ハンチンチン)に相互作用する新規タンパク質として、転写因子であるNF-Yを同定した。さらに、ハンチントン病モデルマウス脳において、変異ハンチンチンの凝集体はNF-Yを取り込むことにより、NF-Yを介したHSP70シャペロンタンパク質の転写活性を低下させることを見出した。このHSP70は変異ハンチンチンによる神経変性に抑制的に働いていることがすでに報告されている。よって、本研究より見出された変異ハンチンチンによるHSP70の発現抑制機構は、ハンチントン病の病態進行に深く関わっていることが示唆される。
著者
下山 真衣 園山 繁樹
出版者
日本行動分析学会
雑誌
行動分析学研究 (ISSN:09138013)
巻号頁・発行日
vol.25, no.1, pp.30-41, 2010-09-23

研究の目的 激しい自傷行動を示す自閉性障害児を対象にカリキュラム修正と前兆行動を利用した代替行動の形成を行い、自傷行動の軽減に対する効果を検討した。研究計画 フェイズ1と2のみ場面間多層ベースラインデザインを用いた。場面 大学相談室及び小学校の特別支援学級で行った。参加者 特別支援学級に在籍する9歳の自閉性障害男児1名が参加した。介入 フェイズ1では学習課題に対象児の好きな物を取り入れ、課題の順序を選択できる内容に変更した。前兆行動が生起したときに、フェイズ2では対象児に前兆行動が生起したことを担任が知らせてから休憩をとらせ、フェイズ3では対象児が休憩要請をした場合に休憩をとらせ、フェイズ4では対象児が軽く机を叩くようにした。行動の指標 問題行動と代替行動の生起頻度についてデータを収集した。結果 フェイズ2までで激しい自傷行動は減少し、フェイズ3とフェイズ4では休憩要請行動が増加し、自傷行動はほとんど生起しなくなった。結論 カリキュラム修正を行い、前兆行動を利用することで激しい自傷行動を減らし、代替行動を促進する可能性が示された。
著者
小野 佑大 甲藤 二郎
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告オーディオビジュアル複合情報処理(AVM) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2009, no.23, pp.61-66, 2009-02-26

近年、大規模楽曲データベースの中から類似した楽曲を検索するシステムの構築が期待されている。そして、楽曲の類似性を判断する指標として、楽曲を聴いたときに受ける印象を推定する研究が行われている。代表的なものに、Thayerの音響心理学実験で得られたモデルによって定義される4つの印象を表現するクラスタへ楽曲を分類する手法があるが、その印象は曖昧なもので、音楽情報検索に応用することが難しかった。そこで本稿では、ThayerモデルにおけるArousal-Valence値を求め、楽曲を印象の分布として表現する。そして、特定の領域において非排他的クラスタリングを行ない、精度の向上を図る。Recently, construction of the system that retrieves similar music from the large-scale music data base is expected. As a metric of the music similarity, estimation of the emotion feeling in listening to music has been studied. As a typical method, music emotion classification to four emotion clusters defined by Thayer's musical psychology experiment had been proposed. However, categorized emotions are too ambiguous for music information retrieval. Therefore, in this paper, we calculate arousal and valence values of Thayer's model, and show distribution of music emotions. Furthermore, overlapping clustering is applied to improve accuracy.
著者
金子 勝一 小田部 明 山下 洋史 上原 衛 松田 健
出版者
山梨学院大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2004

若年者の離職・転職および失業の問題が深刻化している。これらの問題を大卒者に限定した場合、入社後3年以内の離職率は3割を超えている。また、若年者が仕事に対する理想と現実のギャップに悩んでいるという指摘がなされている。一方、情報技術(ICT)の急速な進展やグローバル化の流れの中で、多くの日本企業は、これまでのジェネラリスト重視の単線的な採用活動から脱却し、スペシャリストを含めた複線的な採用を進めようとする動きである。このような状況をふまえて、大学や企業・行政が学生の就業意識や職業能力の向上を図るための取り組みの一つとしてインターンシップに注目し、その導入を進めている。本研究では、インターンシップに着目し、大学と企業・行政・地域との関係におけるインターンシップの位置づけについて、人的資源管理論・組織論・情報管理論といった経営学的立場からその理論的枠組みの構築を試みている。研究期間の3年間に、インターンシップ導入大学の増加要因フレームワーク,インターンシップ導入による相互準アウトソーシング・モデル,'インターンシップの準インハウスソーシング・フレームワーク,低賃金アルバイト的インターンシップ・フレームワーク等、多くの研究成果を生み出し、それらの成果を学会発表や学術雑誌の論文として、公表してきた。これらの研究成果は、インターンシップに焦点を当て、学生、大学および企業間のコラボレーションの関係の議論を展開し、インターンシップに関する新たな視点を提示したものである。今後も、研究メンバーと共同で継続的に研究を進め、研究成果を公表するとともに、積極的に教育へ還元していく予定である。
著者
張 浦華 原田 昭 柿山 浩一郎
出版者
札幌市立大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

形態に対しての感性的総合評価は、"形態"からの"感性的連想"に大きく影響されている。本研究は、第一印象である"情緒的連想"、他の形態への連想を想起させる"比喩的連想"、働きを連想する"機能的連想"に注目し、(1)総合評価とイメージ連想の関係。(2)総合評価と脳波(前頭葉α波)の関係。(3)総合評価とアイトラッカーを用いた視線遷移、の3つの計測システムの連動により、形態に対する快・不快についての感性的総合評価との関連を探るシステムを構築することができた。