著者
野田 勝子
出版者
名古屋大学
雑誌
名古屋大學教育學部紀要. 心理学 (ISSN:03874796)
巻号頁・発行日
vol.46, pp.155-172, 1999-12-27

国立情報学研究所で電子化したコンテンツを使用している。
著者
片岡 尚也
出版者
一般社団法人 日本体育学会
雑誌
日本体育学会大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.67, pp.105_3-105_3, 2016

<p> 近年多発するスポーツ界や運動部をめぐるいじめ、未成年による飲酒や暴力事件をはじめとした不祥事は、メディアを通して社会的関心を集める。そして、このような不祥事を起こした運動部は、所属組織により処分が科されることになる。不祥事に関するこれまでの研究は、その発生原因(杉本、2013)や処分に対する責任性に着目した研究(大嶺・友添、2014)などがなされてきた。しかし、実際に不祥事を起こした運動部やその部員がどのように変容していくのかについては十分に検討されていない。そこで本研究は、不祥事を起こした大学運動部を事例に、不祥事を起こした当事者だけでなく、他の運動部員も含め、彼らが「無期限活動停止処分」をどのように意味づけながら更生していくのかを明らかにすることを目的とした。不祥事が発生してからの経時的な流れに即して、対象の運動部員に対して複数回のインタビューを行った。その結果、対象者らは「無期限活動停止処分」を「不安」や「絶望」を生む負の装置として意味づける過程から、「部活動から離れる」ことで「成長」や「おかげ」という価値ある体験として意味づけていく過程がみられた。</p>
著者
伊東 輝夫 西 敦子 池田 文子 串間 栄子 串間 清隆 内田 和幸 椎 宏樹
出版者
日本獸医師会
雑誌
日本獣医師会雑誌 = Journal of the Japan Veterinary Medical Association (ISSN:04466454)
巻号頁・発行日
vol.63, no.11, pp.875-877, 2010-11-20
参考文献数
7

3歳、雄、体重2.5kgのマルチーズが、種なし小ブドウ約70グラムを食べた5時間後から始まった嘔吐と乏尿を訴えて摂取2日後に来院した。血液検査では重度の高窒素血症、高カルシウム血症、高リン血症、および高カリウム血症が認められた。利尿剤、ドパミン、点滴による治療を3日間試みたが無尿となり、ブドウ摂取4日後に死亡した。腎臓の病理組織検査では近位尿細管上皮細胞の著しい変性壊死が認められた。これらの臨床および病理組織学的所見からブドウ中毒と診断した。
著者
島田 佳広 佐藤陽一 中西 亮 品川 高廣 吉澤 康文
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告グループウェアとネットワークサービス(GN) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.9, pp.125-132, 2006-01-27

大量の動画像情報をディスクから読込み,クライアントに送信するVODサーバでは人気タイトルの情報をメモリ内にキャッシュする工夫によりディスクI/Oの負荷を低減することができる.しかしこの工夫が成功しても,通信回線を通して送信するオーバヘッドの低減はできない.そこで,P2Pプロトコルを用いて,クライアントの通信回線,CPU,メモリ等を利用し,VODサーバの負荷を低減する方式を提案する.本方式は,人気タイトルに要求が集中して発生する際に有効と考える.本稿では,本方式を採用したVODサーバとクライアントの処理方式を報告する.VOD servers that read a large amount of dynamic image data and send it to clients can reduce load of disk I/O with caching data of popular title. However, even if this attempt succeeds, overhead caused by transmitting data via communication lines cannot be reduced. Then, we propose the method to reduce the load of VOD servers by using the P2P protocol, and using client's network bandwidth, CPU power, and memory etc. Our method is effective, when the demand concentrates on a popular title. In this paper, We report how VOD server and the client will work with our method.
著者
友田 卓爾
出版者
広島大学総合科学部
雑誌
地域文化研究 (ISSN:03851451)
巻号頁・発行日
vol.31, pp.45-74, 2005

In November 1640 the Long Parliament met, and soon a commercially produced weekly manuscript of parliamentary proceedings was available in London. Nehemiah Wallington (1598-1658), the puritan artisan (turner) who lived in Little Eastcheap, read the serious newsbooks of the early 1640s. He compiled materials into the journal "Historical Notoces of Events occurring chiefly in the reign of Charles 1". He stood at his shop-door to watch the passing by of some political procession, or to look out for his book with keen anxiety. The aim of this article is to prove that the parliamentary news between November 1640 and May 1641 described in "Historical Notices of Events" is extracted or cited from the following two volumes which preceded the newsbooks : "The Diurnall Occurrences, or Dayly Proceedings of Both Houses, in this Great and Happy Parliament, From the third of November 1640, to the third of November 1641. With A Continuation of all the Speeches, from June last, to the third of November, 1641." and "Speeches and Passages of This Great and Happy parliament: From the third of November, 1640 to this instant June, 1641. Collected into One Volume, and according to the most perfect Originalls, exactly published." Commercial production of printed news undermined old norms of secrecy that precluded popular discussion of political matters. Wallington cried "Oh the damage and misery that we were in by paying of ship-money; and the wrong and impoverishing of very many thousands in paying monies for the Corporations which was against all law and conscience!" News publications incorporated a greater number of people into the arena of political debate.
著者
中田 高 木庭 元晴 今泉 俊文 曹 華龍 松本 秀明 菅沼 健
出版者
The Association of Japanese Geographers
雑誌
地理学評論 (ISSN:00167444)
巻号頁・発行日
vol.53, no.1, pp.29-44, 1980
被引用文献数
40

房総半島南部の完新世海成段丘は,相模トラフに沿って発生する過去の大地震に伴う地殻変動の歴史を記録している.地形的証拠および36個の<sup>14</sup>C年代測定を含む年代資料をもとに,本地域の地殻変動の量と様式について考察した.<br> その結果,本地域は, 6,150年前, 4,350年前, 2,850年前および270年前に急激な海水準の相対的低下があり,これらは,大正・元禄型地震による地震性地殻隆起によるものであると考えられる.地震間の安定期間の長さは,前回の地震時における変位量と比例関係にある.各地震直前の年代と相対的海水準高度をもとに,長期的平均隆起速度を最小二乗法を用いて求めたところ, 3.0mm/年という値が得られた.また,長期的平均隆起速度と各地震間において求められた隆起速度との値の差は,当時の海水準変動の傾向を示すものと考えられる.これによれぽ,約2,700年前ごろには海水準は低下傾向にあり,それ以降,上昇傾向にあるとみることができる.なお,同様の地殻変動様式と海水準変動の傾向は,琉球列島・喜界島の離水サンゴ礁においても認めることができた.
著者
宍倉 正展
出版者
Japan Association for Quaternary Research
雑誌
第四紀研究 (ISSN:04182642)
巻号頁・発行日
vol.38, no.1, pp.17-28, 1999-02-01
参考文献数
29
被引用文献数
4 6

房総半島南部の保田低地には,高位から保田I面,II面,III面,IV面の4面の完新世海岸段丘が発達する.詳細な地形・地質調査の結果,従来,元禄地震時(1703年)の地震隆起に伴い形成されたと考えられていた最低位の保田IV面は,段丘面上の泥炭の年代,歴史的遺物の証拠から元禄地震以前に離水していたことが明らかになった.さらに,地形的証拠と古文書・古絵図の記載から判断すると,保田低地は元禄地震時に沈降したと考えられる.また,保田I面,保田II面は4,350yrs BPより前,保田III面は2,200yrs BPより前に離水しており,いわゆる元禄型地震によって離水した沼面群とは対比できない可能性がある.これは,元禄型地震のたびに保田低地が沈降していることを示唆する.保田面群の成因を大正型地震によるものと考えれば,保田I面の旧汀線高度から,大正型地震の平均再来周期は670年以内であると推測される.
著者
小沢 日美子
出版者
尚絅大学
雑誌
尚絅大学研究紀要. A, 人文・社会科学編 (ISSN:21875235)
巻号頁・発行日
no.48, pp.113-123, 2016-03-31

「心の理論」は4歳頃から成熟するが,大人でも他者の心的状態を推測する際には制限を有している。ここでは,女子大学生36人を対象に,心的帰属に関した課題を実施した。アニメーション図形を用いた課題Iでは「意図の読み取り」に着目して分析した。その結果,より複雑なアニメーション図形の方が,「意図の読み取り」が活性化されるが,「意図の読み取り」に失敗することもあることが考察された。また,ロボットについての心的帰属を尋ねた課題IIでは,語句「感情」の利用に着目して分析した。そこでは,「感情」語句利用あり群は,「心」総体について回答する視点,「感情」語句利用なし群では,「人間」,「自分」からの説明の視点,それぞれに注意が集中される傾向が考察された。
著者
石井 克枝 土田 美登世 西村 敏英 沖谷 明紘 中川 敦子 畑江 敬子 島田 淳子
出版者
日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.46, no.3, pp.229-234, 1995
参考文献数
25
被引用文献数
7

本研究は牛肉の低温加熱による呈味物質と呈味性の変化についてみたものである.牛肉を薄切りにし,真空パックしたものを40,60,80℃で,10分,1,3,6時間加熱した.遊離アミノ酸は40℃,6時間加熱したときにもっとも多く生成し,酸可溶性ペプチドは60℃,6時間加熱したときにもっとも多く生成した.60℃,6時間加熱した牛肉エキスと,60℃,10分加熱した牛肉エキスの呈味を官能検査により比較すると,60℃,6時間加熱した牛肉エキスの方がまろやかだった.二つの牛肉エキス中の遊離アミノ酸,5'-IMPはほとんど同量であったので,まろやかさは加熱によって増加したペプチドによるものではないかと考えられた.