著者
橋本 隆雄 宮島 昌克 冨澤 元
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
地震工学研究発表会講演論文集 (ISSN:18848435)
巻号頁・発行日
vol.26, pp.565-568, 2001

2000年10月6日、鳥取県西部の山間部を震源とするマグニチュード7.3の鳥取県西部地震が発生した。この地震により斜面表層崩壊と落石による道路斜面被害が多かった。また、宅地造成盛土でも斜面崩壊や低地での液状化の発生により被害が生じた。特に震源地に近い西伯町法勝寺中学校では、高台にある軟式野球場の高さ14mの盛土法面が2.5mのテンションクラックを生じ、地上高さ4.5mの下部擁壁を崩壊する斜面崩壊を生じた。そこで筆者らは、土質調査と土質試験を行い、そこから得られる土質定数を用いて被害発生のメカニズムについて考察した。
著者
金山 剛
出版者
熊本大学
雑誌
熊本大学政策研究 (ISSN:2185985X)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.105-116, 2011-03-25

地方自治体では、政策形成行政運営に際し様々な統計データが活用されている。熊本市においても同様である。統計データは、主に他都市との比較や過去のデータとの比較による現状分析に用いられ、その対象は、熊本市全域である。今後熊本市では小学校区を単位とした参画および協働による市政やまちづくりを進めていくため、行政運営についても各校区の違いを把握した上で行う必要がある。本報告では、熊本市のまちづくりや政策への校区単位の統計データの活用について検討する。熊本市においては、各校区の違いを把握し、まちづくりや政策に生かしていくことが望まれる。The local government uses a variety of statistical data for policy formation and public management; the Kumamoto city also uses statistical data in a similar manner. The Kumamoto city uses statistical data for drawing comparisons with other cities as well as with the past. In the future, the Kumamoto city will undertake public management and "Machizukuri" by collaborating with citizens. The Kumamomto city considers the districts of elementary schools as separate units. This report examines the inflection of the statistical data to the district of an elementary school for "Machizukuri" and policy formulation in Kumamoto city.
著者
坂本 朗一 高梨 成子 吉井 博明
出版者
地域安全学会
雑誌
地域安全学会論文報告集
巻号頁・発行日
no.5, pp.355-360, 1995-11

これまでの地域防災計画(地震編)策定の考え方は、地域に被害をもたらすと予想される切迫性のある大地震の特定から出発し、断層モデルを設定した上で、統計学的に扱いが可能な物的被害を予想し、応急対策計画を策定するというものであった。このようなアプローチは、時間とお金がかかるだけでなく、地震学的にある程度わかっている地震しか対象にできず、しかも応急対策計画にとって必要な重要施設の物的・機能的被害を扱うことができないという欠点を持っていた。しかし、阪神・淡路大震災以降、震度7クラスの地震対策の必要性が叫ぱれている。この発想は、現在の地震学の知識の中で切迫性が高いと考えられるもののみに限定して地震応急対策を考え、計画化するという従来の考え方と一線を画すものである。すなわち、地域社会の安全を脅かすリスクからみて対策をとっておくことが必要と判断される地震をまず設定し、計画策定の基礎にしようとしているからである。このような課題を解決するための手法の一つとして、シナリオ型地震被害想定が考えられる。この手法は地震像の曖昧性と被災地域の狭域性から指摘される問題を解決し、さらに、被害想定と応急対策計画の明確な対応づけを行うと共に、策定過程においてのコミュニケーション・プロセスを重視するという点で、より実践的な防災計画を確立することが可能である。
著者
竹本 裕明 ザモーラ ジェーン ルイ フレスコ 樫原 茂 妙中 雄三 高井 峰生 金田 茂 山口 英
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MoNA, モバイルネットワークとアプリケーション (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.113, no.304, pp.11-16, 2013-11-14

本論文では,これまでに提案してきた要救助者群の情報共有手法の有効性評価をシミュレーションにより行う.現在我々は,通信被害地域において,要救助者端末から救助要請メッセージを収集し,救助者へ配送するためのアプリケーションとしてSOSCastの研究開発を行っている.文献[5]〜[7]において,要救助者端末間の通信によるバッテリ消費の削減を考慮した情報共有手法を提案し,5台の実機による評価を行ったが,多数の要救助者が存在する環境での評価は行っていない.本論文では,Scenargieシミュレータを用いて,多数の要救助者端末が存在する環境下において,要救助者群内での情報共有にかかる時間,通信回数,バッテリ消費量の評価を行った.評価結果より,端末バッテリ消費量を大幅に削減させるためには,端末の通信回数の削減だけでなく,別のアプローチも必要であることが明らかとなった.
著者
原 忠 國生 剛治 田中 正之 古地 祐規 平賀 有輝 松山 優子 吉野 拓也
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
地震工学論文集 (ISSN:1884846X)
巻号頁・発行日
vol.29, pp.1123-1127, 2007

1914 (大正3) 年3月15日秋田県中央部の大仙市 (西仙北町) を震源とするマグニチュード7.1の内陸型 (直下型) 地震が発生した. この地震により秋田県内陸部で斜面崩壊が発生し, 布又地区では傾斜勾配が6~7°程度の比較的緩い流れ盤斜面上での地すべりにより, 河道閉塞を引き起こした.<BR>本研究では, 緩傾斜な流れ盤斜面での地すべり発生メカニズムを解明するため, 現地より採取したすべり面近傍の試料を用いて物理試験および一軸圧縮試験を行い, 得られた結果を報告する.
著者
岩佐 貴俊 飯島 正
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. KBSE, 知能ソフトウェア工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.114, no.66, pp.7-12, 2014-05-22

屋内避難シミュレーションにおいて避難者が壁や障害物との衝突を避けつつ.目標地点に向かう滑らかな経路を生成するための経路計画手法と,その実験評価の結果について述べる.経路計画には,基本的に人工ポテンシャル法を採用した.人工ポテンシャル法では,局所最小解に陥って移動を停止してしまう可能性を含む問題と,障害物の物体形状を十分に考慮していないという問題が知られており,多くの先行研究において改善がなされているが,本論文においても避難者シミュレーションに適した改善手法を提案している.
著者
藤本 幹也 Mikiya FUJIMOTO
出版者
大手前大学・大手前短期大学
雑誌
大手前短期大学研究集録 = Otemae Junior College Research bulletin (ISSN:1882644X)
巻号頁・発行日
vol.27, pp.83-92, 2007

本稿は、448施設の医療施設および220施設の福祉施設の平面計画を分析することにより、屋内避難階段の一時待機場所の検討、および平面計画上の問題点を見出し、設計基準を得ることを目的としている。結果を以下に示す。1)屋内避難階段は、医療・福祉施設共にほぼ同じ寸法で計画されており、1×1スパンに納まるように計画されている。2)屋内避難階段の有効幅員の軌跡と、防火戸の開閉軌跡が、一時待機スペースに重ならないように、防火戸の位置、踊場の有効奥行き寸法、屋内避難階段の幅員を決める必要がある。
著者
畑江 敬子 松本 美鈴 島田 淳子 山中 英明 渡部 終五 橋本 周久
出版者
日本水産學會
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.56, no.9, pp.1521-1525, 1990
被引用文献数
5 3

The dorsal muscle of a carp was sliced into pieces 3mm thick, and six kinds of "arai" were prepared by washing the slices in water of regulated temperature for a specific time: 3 or 5 min in 0°C water, 70 s or 3 min in 18°C water, and 20 s or 70 s in 49°C water.<br> The physical property of "arai" was determined by 7 types of measurement. Factor analysis showed that physical properties, of all kinds of "arai" differed significantly from those of untreated fish slices and that "arai" at 0°C and 18°C treatments resembled each other. Treatment at 49°C yielded different results from the others. Sensory panel members could not discriminate the texture of 0°C and 18°C treatment, though they could discriminate 49°C treatment from the others. All of these samples at 0, 18, and 49°C treatment, were judged to be satisfactory.<br> After "arai" treatment, ATP content in the fish slices decreased; the higher the tem-perature of treatment, the more the ATP content decreased.<br> Scanning electron micrography, showed fewer lipid droplets on the surface of the "arai" slices than on that of untreated fish slices. "Arai" at 49°C treatment was smooth, so we presumed that there was thermal denaturation on the surface. Slight gaps between muscle fibers were found, which were not found in the case of untreated fish slices.
著者
山中 英明 松本 美鈴
出版者
一般社団法人日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.28, no.1, pp.20-23, 1995-02-20
被引用文献数
1

スズキの背肉を用い, 洗いによる筋肉の変化を明らかにすることを目的として本研究を行い, 以下の結果を得た。1) 0℃・5分および18℃・3分洗いでは洗い前に比べ, ATPおよび関連化合物総量はやや減少したが, 組成には大きな変化はなかった。2) 49℃・20秒洗いはATPが著しく減少して1μmol/g以下となり, 一方, IMPは著しく増加した。縮みが強く, 透明感はなかったが, 歯切れがよいと判定された。 3) 洗いによってグリコーゲンの分解は著しかった。G6PとF6Pは洗い前後でそれ程差異はみられなかったが, FDPは洗い温度に関係なく約5倍に増加した。乳酸は49℃・20秒洗いで顕著な増加がみられた。すなわち, 49℃洗いでは解糖の進行によって補給されたATPが硬直エネルギーとして使われ, 強い収縮が起きたと考えられる。4) 45℃~50℃の温度帯で20秒間洗いを行ったところ, ATPおよび関連化合物の組成はほぼ一定であり, IMPがその過半を占めた。スズキの湯洗い温度は46℃~47℃が最適であった。5) 18℃・3分洗いを行い, Ca^<2+>およびMg^<2+>イオンの影響を調べたところ, Ca^<2+>洗いではATPの分解とIMPの生成が顕著であった。縮みが強く, 湯洗いと同様な外観であった。一方, Mg^<2+>洗いでは洗い前とほとんど同じで, 縮みはみられなかった。
著者
松本 美鈴 山中 英明
出版者
日本水産學會
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.58, no.4, pp.787-791, 1992
被引用文献数
3 1

Culinary "<i>arai</i>" was prepared by washing the muscles from the legs of live tanner crab in water at 0°C for 2 min, at 18°C for 1 min, and at 49°C for 20s, respectively.<br> Sensory panel members distinguished "<i>arai</i>" prepared at 49°C from the others, in addition to which they showed an overall preference for it. "<i>Arai</i>" prepared at 49°C was significantly opaque, elastic, and tasty. After "<i>arai</i>" treatments, ATP and arginine phosphate decreased and lactate increased in the muscle, especially in "<i>arai</i>" prepared at 49°C. This means that a rapid degradation of ATP, which was produced from arginine phosphate and glycolysis, occurred in the "<i>arai</i>" treatment at 49°C. In addition, it was observed that muscle fiber curved distinctly in optical microscopy of "<i>arai</i>" prepared at 49°C. The total amounts of free amino acids were lower in "<i>arai</i>" prepared at 49°C than in the others. The amounts of glucose, organic acids except lactate, and homarine did not differ among the three "<i>arai</i>" samples. However, a large amount of AMP was accumulated and GMP was detected in "<i>arai</i>" prepared at 49°C. These results suggested that AMP and GMP in "<i>arai</i>" prepared at 49°C contributed to its strong taste. The composition of extractive components in "<i>arai</i>" prepared at 49°C was similar to that of cooked tanner crab muscle.
著者
竹内 理三
出版者
東京大学
巻号頁・発行日
1961

博士論文
著者
佐々木 潤之介
出版者
東京大学
巻号頁・発行日
1960

博士論文
著者
永原 慶二
出版者
一橋大学
巻号頁・発行日
1962

博士論文
著者
澤岻 寛人 城間 政司 長田 智和 谷口 祐治 玉城 史朗
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IN, 情報ネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.373, pp.143-146, 2011-01-13

近年注目を集めている仮想OS技術の一つであるOpenVZは,導入の容易性やコンテナの集積度高めることが容易な点等からレンタルサーバ業者等に急速に普及している.しかし.仮想OS技術は仮想マシン技術に対して,カーネルの影響が全コンテナに及ぶなど,安定したサービス運用を目的とした用途としては信頼性に欠ける.本発表では,仮想OS技術の一つであるOpenVZと仮想マシン技術である一つであるXenを比較し.それぞれのパフォーマンス特性について評価する.
著者
李 秀華 五島 瑳智子 村井 貞子 小林 明子 辻 明良 高 細水 胡 尭蒙 〓 玉秀
出版者
Japanese Society of Chemotherapy
雑誌
日本化学療法学会雜誌 = Japanese journal of chemotherapy (ISSN:13407007)
巻号頁・発行日
vol.47, no.10, pp.611-618, 1999-10-25

中国の病院関係者における<I>Staphyloococcus auresus</I>の保菌状況を調べることを目的とし, 1996年, 1997年に中国4省4都市7病院で, 健康者25人と入院患者25人を対象に咽頭と鼻前庭粘膜から<I>S. aureus</I>を分離した。分離株の血清型別および薬剤感受性を調べ, 1996年に行った東京の1病院の成績と比較した。<BR>1) 中国7病院での<I>S. aureus</I>の分離率は4%~25%であり, 東京の1病院での41.2%に比べ有意に低率であった。<BR>2) 健康者からの<I>S. aureus</I>の分離率は入院患者よりも高く, 健康者では医療従事者の方が一般人に比較し高い分離率を示した。また, 咽頭からの分離率が鼻前庭に比較して高かった。<BR>3) 中国7病院で分離された<I>S. aureus</I>の血清型はコアグラーゼVII型がもっとも多く, エンテロトキシン型は一定ではなかった。これに対して日本の1病院から分離された<I>S. aureus</I>42株のうち12株がコアグラーII型, エンテロトキシンC型であり, これらはすべてMRSAであった。<BR>4) 抗菌薬感受性について, 中国7病院での分離株はimipenem, panipenemに対する感受性が高く, tetracycline, erythromycin, roxithromycin, azithromycin には低い成績を示したが, MRSAは分離されなかった。一方, 東京の1病院では42株中17株 (40.8%) がMRSAであったが, すぺての菌株がarbekacinに4.0μg/mL以下, vanoomycinに2.0μg/mL以下のMICを示した。<BR>中国7病院と東京の1病院で分離された<I>S. aureus</I>の各種抗菌薬に対する感受性パターンの相違は, これまでの両国における感染症と治療法の差および医療体制の違いによるものと考えられるが, 西洋医学が急速に導入されている中国において, 今後の薬剤耐性菌の推移を検討する基礎資料となるであろう。
著者
宮里 勉 岸野 文郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会総合大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1995, 1995-03-27
被引用文献数
2

人工現実感を応用した臨場感通信会議システムでは、視覚、聴覚、触覚などの人間の感情を積極的に利用することにより、利用者である人間にとって現実以上に使い勝手の良いユーザインタフェースの提供が可能である。その際、人間の各種の能力や特性を十分に活用したインタフェースであることが重要となる。本稿では、物体を把握する過程における人間の動作の観察結果に基づき、事前に目標物体を推測する手法の基礎的検討の実験結果を述べる。
著者
田村 智昭 小川 純子 谷口 登志悦 脇 功巳
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理学雑誌 (ISSN:00155691)
巻号頁・発行日
vol.95, no.1, pp.41-46, 1990
被引用文献数
1 3

摘出臓器標本を用いた電気刺激法により,中枢性鎮痛薬eptazocineとナビオイド受容体の相互作用について代表的なオピオイドと比較検討した.μ-,κ-受容体優位の摘出モルモット回腸標本の電気刺激による収縮に対して,eptazocine(10<SUP>-5</SUP>M)は僅かな減弱効果を示し,この作用にnaloxone(10<SUP>-7</SUP>M)は拮抗した.この標本においてμ-アゴニストmorphine(3×10<SUP>-7</SUP>M)による作用は,eptazocine(10<SUP>-5</SUP>~10<SUP>-4</SUP>M)によって完全に拮抗された.一方,δ-,μ-,κ-受容体優位の摘出マウス輸精管標本で,eptazocineは10<SUP>-7</SUP>Mから濃度依存的に減弱効果(IC50値=3,387nM)を示し,この効力は,morphineの1/5,κ-アゴニストU50,488H,ethylketocyclazocine(EKC)の1/200,1/630であった.eptazocineのこの効果は他のオピオイドと異なりnaloxoneによっては回復せず,κ-選択的なアンタゴニストMR-2266(10<SUP>-6</SUP>M)で回復した.naloxone前処置標本において求めたeptazocineに対するKe値(平衡解離定数)325nMは,比較したオピオイドの中で最も高値で,morphine(5.20nM)の62.5倍となった.一方,MR-2266のeptazocineに対するKe値は33.2nMで,ナビオイド受容体K-サブタイプ選択性の指標としてKe値の比(325/33.2)を求めると9.79となり比較したアゴニストの中で最も高い数値を示した.これらの結果からeptazocineは,アゴニスト作用は弱いがκ-受容体により選択性の高い,μ-アンタゴニスト-κ-アゴニストであると考えられる.