著者
Hizuru MIYAKE Akiko INOUE Miho TANAKA Naoaki MATSUKI
出版者
公益社団法人 日本獣医学会
雑誌
Journal of Veterinary Medical Science (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
pp.13-0252, (Released:2013-07-12)
被引用文献数
3 14

To evaluate the ability of serum glial fibrillary acidic protein (GFAP) concentration as a diagnostic marker for canine central nervous system (CNS) disorders, sera from dogs with various CNS (n=47) and non-CNS (n=56) disorders were measured for GFAP by using an ELISA kit. Healthy Beagles (n=15) and Pug dogs (n=12) were also examined as controls. Interestingly, only Pug dogs with necrotizing meningoencephalitis (NME) showed elevated serum GFAP concentrations (<0.01 to 1.14 ng/ml), while other breeds of dogs with NME did not. Among the Pug dogs with NME, serum GFAP concentrations did not correlate with their clinical features, such as ages or survival times. Our data indicate the usefulness of serum GFAP as a novel marker for Pug dogs with NME.
著者
田中 茂穂
出版者
一般社団法人日本体力医学会
雑誌
体力科学 (ISSN:0039906X)
巻号頁・発行日
vol.55, no.5, pp.527-532, 2006-10-01 (Released:2007-05-15)
参考文献数
22
被引用文献数
1 3
著者
木内 淳子 安部 剛志 松村 陽子 野坂 修一 前田 正一
出版者
日本臨床麻酔学会
雑誌
日本臨床麻酔学会誌 (ISSN:02854945)
巻号頁・発行日
vol.25, no.7, pp.702-706, 2005 (Released:2005-11-29)
参考文献数
6
被引用文献数
2 2

2003年末までに, 判例時報などの法律雑誌に掲載された麻酔科関連領域の判例について検討した. 全身麻酔および硬膜外麻酔に関しては, 麻酔専門医による麻酔管理も訴訟の対象となっていた. 病院開設者とともに, 麻酔担当医も被告となっている症例が半数を占めた. 救急医療の領域では, 過失と結果の因果関係に関して, 医療側に厳しい判例が平成12年に最高裁判所から出された. この判断の影響でその後の救急医療領域で, 同じような判断が3判例みられた. 説明義務については, 過失がない場合においても, 十分な説明に基づく同意がない場合は下級審判決が覆り, 最高裁で医療側有責とされた. 今後麻酔科医には, 医療水準に合致した医療と十分な説明が求められると考える.
著者
Ken Naito Akito Kaga Norihiko Tomooka Makoto Kawase
出版者
日本育種学会
雑誌
Breeding Science (ISSN:13447610)
巻号頁・発行日
vol.63, no.2, pp.176-182, 2013 (Released:2013-07-12)
参考文献数
11
被引用文献数
9 33

Since chloroplasts and mitochondria are maternally inherited and have unique features in evolution, DNA sequences of those organelle genomes have been broadly used in phylogenetic studies. Thanks to recent progress in next-generation sequencer (NGS) technology, whole-genome sequencing can be easily performed. Here, using NGS data generated by Roche GS Titanium and Illumina Hiseq 2000, we performed a hybrid assembly of organelle genome sequences of Vigna angularis (azuki bean). Both the mitochondrial genome (mtDNA) and the chloroplast genome (cpDNA) of V. angularis have very similar size and gene content to those of V. radiata (mungbean). However, in structure, mtDNA sequences have undergone many recombination events after divergence from the common ancestor of V. angularis and V. radiata, whereas cpDNAs are almost identical between the two. The stability of cpDNAs and the variability of mtDNAs was further confirmed by comparative analysis of Vigna organelles with model plants Lotus japonicus and Arabidopsis thaliana.
著者
西村 正三 原 健司 木本 啓介 松田 浩
出版者
一般社団法人 日本写真測量学会
雑誌
写真測量とリモートセンシング (ISSN:02855844)
巻号頁・発行日
vol.51, no.1, pp.46-53, 2012-03-09 (Released:2013-03-01)
参考文献数
13
被引用文献数
2 4

In this paper, we discussed about As build data measured with 3D laser scanner, and the application of it. We measured one of the industrial heritages “Gunkan-Island” which the collapse is advanced. We carried out a rendering of point clouds as a sphere. That picture has the texture information such as pictures to add the shading in the pillars, beams and damaged part. So we can support to make damaged plans by using the rendered pictures. We solved that the width of cracks below resolving power of the photograph taken with the digital camera, has a correlation between the numerical data of features and the distribution width of colors. We created the index which Crack Index is “the numerical data of features and the distribution width of colors” and made a system for assisting in drawing the cracks. We could reduce the cost and term for tracing cracks.
著者
高久 雅生 寺井 仁 江草 由佳 齋藤 ひとみ 三輪 眞木子 神門 典子
出版者
情報知識学会
雑誌
情報知識学会誌 (ISSN:09171436)
巻号頁・発行日
vol.18, no.2, pp.181-188, 2008-05-23 (Released:2008-09-08)
参考文献数
9
被引用文献数
1 1

著者らは,大学生11 名を対象として,Web 情報探索行動の理解のためのユーザ実験を行った.情報探索タスクとしてInformational 指向およびTransactional 指向の探索課題を2 つ与え,それぞれ15 分間の課題遂行を行う探索実験を設定した.本稿ではとりわけ,課題遂行中の眼球運動計測装置による視線データの分析手法および予備的な分析結果について述べる.分析手法として,検索結果一覧ページに着目したものと,全探索プロセスに対してのおおまかな注視領域を設定したものとの2 つの方式を採用し,それぞれでの分析結果を報告する.
著者
足立 吉隆 秦 洋介 寺田 尚史 長坂 学
出版者
日本VR医学会
雑誌
VR医学 (ISSN:13479342)
巻号頁・発行日
vol.6, no.1, pp.4-10, 2008 (Released:2013-06-27)
参考文献数
6

Surgical simulator reconstructs the deformation and the elasticity of the organs by software algorithm. As this calculation is complicated, phase-lags or the sudden elasticity would arise when we press the surface of the organ models with our fingertips. In this paper, we propose a method to solve these problems by correcting the computing time delay using the nonlinear estimation of the finger position and smoothing the elasticity value using the cubic spline interpolation. Further, experiments by simulation carried out to ensure the validity of this method.
著者
須浪 毅 雪本 清隆 澤田 隆吾 阪本 一次 山下 隆史
出版者
日本臨床外科学会
雑誌
日本臨床外科学会雑誌 (ISSN:13452843)
巻号頁・発行日
vol.69, no.6, pp.1437-1441, 2008 (Released:2008-12-05)
参考文献数
19
被引用文献数
1 2

症例は65歳,女性.血便を主訴に当院を受診.注腸造影X線検査にてS状結腸に約2cm大の亜有茎性の隆起性病変を認めた.大腸内視鏡検査では頂部に潰瘍を有する隆起性病変を認め,Isp型のS状結腸癌を疑った.数か所の生検を行ったがいずれも肉芽組織との結果であった.Endoscopic mucosal resectionを試みたがlifting不能であったため断念.しかし,悪性腫瘍の可能性を否定しきれず,腹腔鏡補助下S状結腸切除術を施行した.切除標本では1.4×1.2cm大のIsp腫瘤を認め,組織学的には線維細胞,膠原線維などの結合織の増生や毛細血管の増生,リンパ球,形質細胞,好酸球などの炎症細胞の浸潤を認め,inflammatory fibroid polyp(以下.IFP)と診断された.IFPは消化管の粘膜下に発生する炎症性腫瘤であり,胃に発生することが多く,結腸に発生することは稀である.われわれは稀な結腸IFPの1例を経験したので若干の文献的考察を加えて報告する.
著者
Kyung-Mee PARK Hyun-Suk NAM Heung-Myong WOO
出版者
公益社団法人 日本獣医学会
雑誌
Journal of Veterinary Medical Science (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
pp.13-0194, (Released:2013-07-10)
被引用文献数
3 7

An 8-year-old male mongrel dog that had undergone renal transplantation was presented 25 days later with an acute cough, anorexia and exercise intolerance. During the investigation, neutrophilic leukocytosis was noted, and thoracic radiographs revealed caudal lung lobe infiltration. While being treated with two broad-spectrum antibiotics, clinical signs worsened. Pneumonia due to infection with multidrug-resistant (MDR) Pseudomonas (P.) aeruginosa, sensitive only to imipenem and amikacin, was confirmed by bacteria isolation. After treatment with imipenem-cilastatin without reducing the immunosuppressant dose, clinical signs completely resolved. During the 2-year follow-up period, no recurrence was observed. To the best of authors’ knowledge, this is the first report of pneumonia caused by MDR P. aeruginosa in a renal recipient dog and successful management of this disease.
著者
牧迫 飛雄馬 阿部 勉 阿部 恵一郎 小林 聖美 小口 理恵 大沼 剛 島田 裕之 中村 好男
出版者
一般社団法人 日本老年医学会
雑誌
日本老年医学会雑誌 (ISSN:03009173)
巻号頁・発行日
vol.45, no.1, pp.59-67, 2008 (Released:2008-03-10)
参考文献数
27
被引用文献数
4 7

目的:要介護者の在宅生活継続には,主介護者の身体的および精神的な負担にも配慮が必要である.本研究では,在宅要介護者の主介護者における介護負担感に関与する要因を検証した.方法:在宅で理学療法士または作業療法士の訪問によるリハビリテーションを実施していた要介護者78名(男性40名,女性38名,年齢77.8歳)とその主介護者78名(男性20名,女性58名,年齢66.8歳)の78組156名を分析対象とした.要介護者の基本情報,日常生活動作能力,居室内動作能力を評価した.また,主介護者からは基本情報,介護期間,介護協力者・介護相談者の有無,介護負担感(短縮版Zarit介護負担尺度:J-ZBI_8),視覚的アナログスケールによる日常生活動作における介助負担度,主観的幸福感,簡易体力評価を構造化質問紙で聴取した.J-ZBI_8から介護負担感の低負担群(10点未満:5.0±3.0点)41組と高負担群(10点以上:15.9±5.9点)37組の2群間で比較した.結果:低負担群の要介護者では,高負担群の要介護者に比べ,高い基本動作能力,日常生活動作能力を有していた.また,低負担群の主介護者では,高負担群に比べて,介護を手伝ってくれる人(低負担群65.9%,高負担群40.5%),介護相談ができる人(低負担群95.1%,高負担群75.7%)を有する割合が有意に多く,主観的幸福感(低負担群9.6±3.5,高負担群6.3±3.7)も有意に高かった.また,高負担群では,すべてのADL項目における介助負担も大きかった.結論:要介護者の日常生活動作能力や基本動作能力は介護負担感に影響を与える一因であることが示唆された.また,介護協力者や介護相談者の有無も介護負担感と関係し,介護負担感が高い主介護者では主観的幸福感が低いことが示された.
著者
杉本 知子 亀井 智子
出版者
公益社団法人 日本看護科学学会
雑誌
日本看護科学会誌 (ISSN:02875330)
巻号頁・発行日
vol.31, no.4, pp.4_14-23, 2011-12-20 (Released:2012-01-21)
参考文献数
17
被引用文献数
1 4

目的:介護保険施設に勤務する医療・福祉職のチームアプローチ実践の自己評価を行うITA評価尺度を開発し,信頼性と妥当性を検討する.方法:Interdisciplinary teamの概念分析の結果と医療・福祉職から収集した意見を基に尺度原案(40項目)を作成し,24ヵ所の介護老人保健施設のスタッフ904名を対象に自記式質問紙調査を行った.信頼性,妥当性の検討はCronbach α,再テスト法,因子分析等により行った.結果:401票が回収され(有効回答率44.4%),因子分析から本尺度は〈組織構造の柔軟さ〉〈ケアのプロセスと実践度〉〈メンバーの凝集性と能力〉の3因子構造(全32項目),モデルの適合度はGFI等が0.9以上を示した.尺度全体のCronbach αは0.9以上,再テスト法による信頼性係数は全項目で0.4以上であった.結論:ITA評価尺度は,介護保険施設スタッフのチームアプローチ実践を把握可能な信頼性と妥当性のある尺度であると示唆された.
著者
武久 洋三
出版者
一般社団法人 日本老年医学会
雑誌
日本老年医学会雑誌 (ISSN:03009173)
巻号頁・発行日
vol.47, no.3, pp.209-212, 2010 (Released:2010-07-05)
参考文献数
9

平成20年10月23日,社会保障国民会議において発表された「将来の医療提供体制・介護提供体制の現状と将来像」から一般病床という病床区分が消え,近い将来には急性期,慢性期(急性期後期),介護期に分類されると考えられる.日本慢性期医療協会は,急性期病院を峻別化し,高度急性期病床以外を病院病床として統一した上で,平均在院日数・人的資源・病床面積の3要素で診療報酬を評価すべきと考える.各施設に求められる機能や理念を今一度見つめ直し,対象領域を明確にする必要があるだろう. 厚生労働省の描く「改革シナリオ」では,高齢化の進展や有病率の増加,年間死亡推定数を加味し,医療・介護サービスの対象人数を現状よりも約300万人多く設定している.医療・介護体制は川上である高度急性期病院の定義から始まる.平均在院日数の短縮化に伴い,退院患者数と慢性期医療の必要性も倍増する.各施設に患者を当て込み,残りは居住系施設や在宅と考えなければ,事はシナリオ通りには運ばないだろう. 療養病床の再編は急性期医療にも思わぬ歪みを生んだ.慢性期医療の縮小は急性期病院の崩壊を加速させる危険性を孕んでいる.高度急性期病院と慢性期病院は相補関係にあり,互いに連携の強化を求めている.実際に連携ネットワークが機能している地域では,着実にその実績を上げている.各医療機関が機能に合った患者の治療に当たることで医療費は適正化され,その機能を補完し合うことで今後激増する地域ニーズを受け止めることが可能と考える. 時代は利益優先・経済優先主義の社会から国民が安心して暮らせる社会の構築へと移り変わっていく.国の施策が目指すべき方向は,子供たちや高齢者の尊厳を守り,将来の不安を感じることのない未来を築くことである.国民にとって必要な医療施策の提言とその実現を目指し,すべての医療福祉施設は「国民の命と健康を守る」との立場から一致協力する必要を強く感じている.
著者
塩路 直子 饗庭 三代治 津田 裕士 礒沼 弘
出版者
一般社団法人 日本老年医学会
雑誌
日本老年医学会雑誌 (ISSN:03009173)
巻号頁・発行日
vol.47, no.3, pp.250-256, 2010 (Released:2010-07-05)
参考文献数
14

目的:認知症病棟への専従配置が義務づけられている精神保健福祉士(PSW)の退院援助が,認知症症例の退院の状況とどのように関係しているかを明らかにするために検討を行った.方法:認知症病棟から退院した症例について,PSWの退院援助と入院期間,退院先機関,栄養摂取方法,服用薬剤などとの関係を検討した.結果:検討対象の要件を満たした症例は192例であり,アルツハイマー型認知症が94例(49.0%)と約半数を占めていた.在宅療養への移行例では,当院外来への通院例が45例,他院への通院例が17例の計52例(32.3%)であった.他院への転入院例は34例(17.7%)であった.その他の96例(50.0%)は,約半数が介護老人保健施設(老健)に入所し,介護老人福祉施設(特養),有料老人ホーム(有老),グループホーム(GH)の順に減少した.1症例当たりの平均援助回数および時間(平均援助頻度)は,施設では有老が最も多く,回数で50回,時間で800分を超え,特養,老健,GHの順に減少した.他院への通院例は,入院期間が最も短いにも係わらず,当院への通院例よりも多くの援助を必要とした.栄養摂取方法と平均援助頻度との関係では,経口摂取で援助頻度が最も少なく,経鼻経管,胃瘻の順に多く,経口摂取と胃瘻との間には有意差(P<0.01)を認めた.服用薬剤と平均援助頻度との関係では,老健の場合においてのみ,塩酸ドネペジル服用例でその他の薬剤服用例よりも有意(P<0.003)に多くの援助を必要とした.結論:認知症病棟からの退院においては,PSWの退院援助が不可欠であり,かつ多くの時間を必要とすることが判明した.また,在宅療養の場合よりも,医療機関への入院または施設への入所において,退院援助の必要度が高いことも示された.さらに,療養型医療機関への入院および老健への入所では,服用薬剤によりその調整に頻回の援助を必要としていた.
著者
中山 大輔 齋藤 圭介 福永 裕也 小幡 太志
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.40 Suppl. No.2 (第48回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.48101297, 2013 (Released:2013-06-20)

【はじめに、目的】介護老人保健施設(以下,老健)は,本来中間施設の役割を持ち,自宅復帰を前提とした介入が求められている.しかし現状では,在宅復帰率の低下や入所期間の長期化といった問題に直面している.老健における在宅復帰に関する先行研究では,さまざまな要因が関連していることが報告されているが,その研究蓄積は乏しく一定の見解は得られていない.それに対し,病院入院患者における在宅復帰に関する先行研究は,おおむね日常生活活動(Activities of daily living; ADL),認知機能,家族の介護力が,重要な規定要因として概ねコンセンサスが得られている.老健における在宅復帰の規定要因を検討するには,まず病院における在宅復帰の規定要因により老健入所者の在宅復帰を説明可能か検証するとともに,老健での独自の規定要因がある可能性を考慮し検討していく必要がある. 以上を踏まえ本研究では,老健入所者の在宅復帰に向けた指針を得ることをねらいに,病院での在宅復帰の規定要因に関するモデルを応用しその適切さを検証すること,ならびに老健入所者における在宅復帰の関連要因について検討することを目的とした.【方法】中国地方に位置する1か所の老人保健施設を調査対象施設として選定し,過去3年間の入所利用者130名とし,集計対象は退所先が病院や施設であった者,死亡退所者を除く81名(男性11名,女性64名,86.1±8.1歳)とした.調査方法は後ろ向きの縦断研究とし,介護記録,カルテを基に調査を行った.調査項目は基本的属性(性別,年齢,入所元),医学的属性(基礎疾患,医学的管理),身体機能(Rivermead Mobility Index ; RMI),ADL自立度(Barthel Index ; BI),認知機能(改訂長谷川式簡易知能評価スケール;HDS-R),行動心理症状(Behavioral and Psychological Symptoms of Dementia; BPSD)の有無,補助介護者の有無とした. 基礎的検討として,施設からの在宅復帰者と入所者に分けて各要因との関連について群間比較を行った.年齢については二標本t検定を行い,RMI,BI及びHDS-RについてはMann-Whitney検定を行い,性別,基礎疾患,医学的管理,入所元,DBDを用いたBPSDの有無,補助介護者の有無についてはχ²検定を行った.病院における在宅復帰の規定要因により,老健入所者の在宅復帰を説明可能か検証した.統計処理に関しては,病院在宅復帰モデルで規定要因とされているADL自立度,認知機能,家族の介護力について,BI,HDS-R,補助介護者の有無をそれぞれ説明変数とし,在宅復帰の有無を従属変数としたロジスティック回帰分析を行った.次いで,群間比較において統計的有意な関係が見られた変数を説明変数,在宅復帰の有無を従属変数としてWald統計量によるステップワイズ法により解析を行った. 【倫理的配慮、説明と同意】倫理的配慮として,調査施設の倫理審査を経て実施した.【結果】病院における在宅復帰の規定要因 とされているADL自立度,認知機能,補助介護者の有無は統計的有意な差がみられた.それに加え,RMI,入所元,褥瘡についても統計的に有意な差が認められた.病院における在宅復帰の規定要因の検証では,BI総得点のみ統計的に有意な関連が示され,他の変数については有意な関連が認められなかった. 上記結果を踏まえ, Wald統計量によるステップワイズ法により解析を行った結果,移動能力の指標であるRMI,ならびに入所元が,統計的に有意な関連を示した.一方,病院での在宅復帰の規定要因に関するモデル検証で有意であったBI総得点をはじめ,HDS-R得点,補助介護者の有無,褥瘡は棄却された.【考察】本研究により,老健入所者の在宅復帰を規定する要因は,病院入院患者を対象とした先行研究における知見とは異なる,独自の要因によって規定されている可能性を明らかにした.また今回の研究では,自宅復帰の規定要因として移動能力と入所元の2つの要因が検出された.このことは,必ずしもADLを自立させなくとも,姿勢や動作の獲得による介護負担軽減により,自宅復帰を促進できる可能性を示唆するものである.同時に,自宅からの入所者について退所出来る割合が高かったことは,自宅復帰の可能性を探る上で重要な目安となるものと考えられた.【理学療法学研究としての意義】老健における在宅復帰の規定要因を明らかにすることで今後のケアに向けての指針を得ることができ,理学療法分野においても在宅復帰に向けた適切なリハビリテーションを行うための基礎的資料となりうると考えられる.
著者
Cathérine Gebhard Barbara Elisabeth Stähli Stephanie Largiadèr Erik Walter Holy Alexander Akhmedov Giovanni Guido Camici Thomas Felix Lüscher Felix Christoph Tanner
出版者
公益社団法人日本薬学会
雑誌
Biological and Pharmaceutical Bulletin (ISSN:09186158)
巻号頁・発行日
vol.36, no.6, pp.1032-1035, 2013-06-01 (Released:2013-06-01)
参考文献数
16
被引用文献数
4 6

Caffeic acid phenethyl ester (CAPE) is a component of honeybee hives with various beneficial properties. Tissue factor (TF), the key trigger of thrombosis, is expressed in human endothelial cells. This study was designed to investigate whether CAPE modulates TF expression in human aortic endothelial cells (HAECs). Western blots and real-time polymerase chain reactions were performed. CAPE (10−7–10−5 m) inhibited tumor necrosis factor (TNF)-α induced endothelial TF protein expression by 2.1-fold at 10−5 m (p<0.0001). Similarly, TF surface activity was reduced (p<0.02). In contrast, TF mRNA expression, TF promoter activity, and mitogen-activated protein (MAP) kinase activation remained unaltered. In conclusion, CAPE inhibits TF protein expression and activity at the posttranscriptional level thereby exhibiting anti-thrombotic potential.