著者
国武 ひかり 佐藤 郷子 野明 俊裕 荒木 靖三 高野 正博
出版者
日本ストーマ・排泄リハビリテーション学会
雑誌
日本ストーマ・排泄リハビリテーション学会誌 (ISSN:18820115)
巻号頁・発行日
vol.31, no.3, pp.72-82, 2015 (Released:2020-07-17)
参考文献数
20

高齢者を中心とした2,250名を対象として、WexnerスコアやConstipation Scoring System(以下、CSS)スコアを参考に質問票を作成し、排便に関連したアンケート調査を実施した。アンケート回答者のうち、60歳以上の1,709名から得られた結果を分析した。その結果、便失禁、尿失禁、ガス失禁の有症率はそれぞれ、5.3%、20.5%、29.8%であった。便失禁に着目して分析した結果、便失禁の有症率は、男性では尿失禁がある場合20.1倍、女性では尿失禁がある場合は5.8倍、ガス失禁がある場合は5.0倍になることが分かった。
著者
福田 ひとみ 勝川 路子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.30, 2018

【目的「あん」は和菓子に広く使用されているが、若者世代では和菓子離れが進み、それに伴い「あん」の消費が減少し続けている。「あん」には食物繊維が含まれており、便秘を含む健康問題にも有効な食品である。新しい「あん」の利用法を提案するために「あん」の市場調査と若者世代を対象にした「あん」に関する嗜好調査を行った。<br>【方法】2017年6月にコンビニエンスストア3社の市場調査を行った。販売されているスナック菓子、チョコレート菓子、和菓子コーナーの商品の原材料名を調査した。さらに、本学食物栄養学科学生373名を対象とし、「あん」に関する嗜好調査を自己記入方式で行った。回収率は100%であった。<br>【結果】コンビニエンスストアで販売されていた商品(総数1080)の原材料表示から「あん」が含まれていることがわかった商品は、29品目で全体の2.4%であった。「あん」に関する嗜好調査では、「あん」が好きと答えた学生は98%であった。好まれた「あん」は、こしあん(全体の74%)、白こしあん(65%)、さつまいもあん(65%)が挙げられ、粒あん(34%)は好まれなかった。「あん」が好きな理由は「甘さ」、「味」、「舌触り」と答えた学生が多く、嫌いな理由は「舌触り」、「味」であった。この結果から、若者は均一でなめらかな舌触りをより好むことがわかった。また、「あん」を食べる頻度は月に1回が最も多く、午後の間食として食べていた。好んで食べる「あん」商品は大福、たい焼き、フルーツ大福であり、もちもちとした食感が好まれる傾向が見られた。これらの結果は、健康問題にも有効な食品である「あん」を若者世代により効果的に提案する条件が示唆された。
著者
柴田 ひろみ
出版者
秋田大学
雑誌
秋大史学 (ISSN:0386894X)
巻号頁・発行日
no.41, pp.p51-66, 1995-03
著者
井出 将弘 市野 順子 横山 ひとみ 淺野 裕俊 宮地 英生 岡部 大介
雑誌
研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI) (ISSN:21888760)
巻号頁・発行日
vol.2021-HCI-194, no.1, pp.1-8, 2021-08-16

コンピュータを介したコミュニケーションは対面と比較して社会的手がかりが少ないため,より率直な議論を促進することがわかっている.しかしながら,VR 空間におけるアバターを介したコミュニケーションがグループディスカッションにどのような影響を与えるかは十分に調査されていない.本研究では,4 人組 24 グループ 96 名の参加者を対象とした実験を行い,3 つの実験条件(ビデオチャット,参加者の写真から生成したアバターを用いた VR,性別や年齢等の外見上の社会的手がかりがないアバターを用いた VR)を用いてグループディスカッションを行った.その結果,参加者の総発話長を元にした参加のバランスの分析結果において,性別や年齢等の外見上の社会的手がかりがないアバターは社会的手がかりがあるアバターと比較して参加者の議論のバランスの均衡を促進することが分かった.
著者
福田 ひとみ 小宮 ますみ 安田 弘子 入谷 信子
出版者
Japan Society of Nutrition and Food Science
雑誌
日本栄養・食糧学会誌 : Nippon eiyo shokuryo gakkaishi = Journal of Japanese Society of Nutrition and Food Science (ISSN:02873516)
巻号頁・発行日
vol.50, no.1, pp.69-72, 1997-02-10

合成飼料の基本食にキャベツ, ニンジン, ダイコンを"生", "ゆで", "おろし"として添加し, ラットに2週間投与した。その結果, キャベツやニンジンなどの野菜の摂取により血漿, 肝臓中のChol低下作用は認められなかったが, キャベツやニンジンの投与で一連の脂肪酸合成系酵素の活性が低下し, 肝臓TGもまた低下した。そして, これらの低下作用は"生"で効果的であった。ダイコンではその低下作用が認められなかった。その機構は未解決であるが, 野菜の摂取と同時にその調理方法もまた脂質低下作用に影響することが示唆された。
著者
木内 貴弘 岡田 昌史 奥原 剛 加藤 美生 石川 ひろの
出版者
国立保健医療科学院
雑誌
保健医療科学 (ISSN:13476459)
巻号頁・発行日
vol.64, pp.312-317, 2015-08

2004年 9 月,ICMJE(International Committee of Medical Journal Editors)傘下の学術雑誌有志による臨床試験登録の必須化を求める声明によって,多くの日本国内の医学研究者から,日本国内に日本語の取り扱いができる臨床試験登録サイトの構築を行うことが,要望された.このため,大学病院医療情報ネットワーク(UMIN)では,2005年 6 月 1 日より,日本初の臨床試験登録システムとして,UMIN臨床試験登録システム(UMIN CTR=UMIN Clinical Trial Registry)を運用開始した.データ項目や運用法は,ICMJE声明の提唱する基準を満たすように設計され,UMIN CTRは,ICMJE(International Committee of Medical Journal Editors)の認定を得た 5 つのサイトに含まれた.日本を主体としながらも,世界中からの臨床試験登録を集める国際的なサイトとして認知されてきた.UMIN CTRはWHOの定めた必須項目をすべて含んでおり,JPRN (Japan Primary Registry Network)を介して,WHOの全世界臨床試験ポータルサイトへのデータ提供も行っている.登録件数は年々増大して,合計で 1 万 7 千件以上にいたっている. 2013年11月には,匿名化した個別症例の生データを臨床試験登録データに追加できる症例データレポジトリの運用が開始された.これによって,臨床データの散逸防止と長期保存が可能になること,相互チェック・査察のための臨床研究データの質の担保ができること,そして,論文で公表された以外の新たな知見を得るための統計解析のリソースとしての活用が可能となった. 現行の問題点としては,実施責任組織,研究費提供元,病名のためのマスターがなく,文字列入力となっている点が挙げられる.実施責任組織と研究費提供元については,現在,マスターと関連するシステムの改造が実施されており,2015年度中の実現が予定されている.病名については,改善の目途がたっていない. 臨床試験登録情報の内容と形式については,CDISCにおいて,標準化の作業が進められている.CDISCによる標準化の完成度の向上を待って,CDISC標準によるデータの受け入れと取り出しができるようになることが望まれる.
著者
大重 育美 衛藤 泰秀 小川 紀子 苑田 裕樹 山本 孝治 西村 和美 姫野 稔子 高橋 清美 田村 やよひ
出版者
日本赤十字九州国際看護大学
雑誌
日本赤十字九州国際看護大学紀要 = Bulletin of the Japanese Red Cross Kyushu International College of Nursing = 日本赤十字九州国際看護大学紀要 = Bulletin of the Japanese Red Cross Kyushu International College of Nursing (ISSN:21868042)
巻号頁・発行日
no.18, pp.23-30, 2020-03-31

われわれは平成28年度の学長指定研究開始後より、福祉避難所としての仕組みを整えるための活動を行ってきた。平成29 年度には、熊本地震の際に福祉避難所としての運営を行った施設責任者を対象に聞き取り調査を行い、公共施設での福祉避難所の課題を明らかにした。今年度は、日本赤十字九州国際看護大学(以下、本学とする)が福祉避難所として機能するためにどの場所が適切なのか、実際に収容できるのかの実証的な調査が必要であった。そこで、本研究は災害を想定した福祉避難所としての運営に向けた課題を環境の変化と人体への影響という視点から明らかにすることを目的とした。方法は、福祉避難所として想定している本学敷地内のオーヴァルホール、体育館、実習室の外気温、室内温、湿度の経時的な変化を計測し、20歳代から70歳代までの各年代の参加者の自覚的疲労度を主観的評価と体温、血圧、脈拍を経時的に測定した。その結果、室内温は、時間の推移に伴い徐々に下降傾向で、オーヴァルホールと実習室は温度の推移がほぼ同じで2時以降やや下降気味であった。外気温は、オーヴァルホールと体育館は同じ推移であったが、実習室の外気温は棟内であり、気温の低下の影響は少なかった。主観的な評価項目では、「ねむけ感」が時間の推移に伴い高まり、「ぼやけ感」は22時をピークに下降気味となった。したがって、室内温、外気温の変化がほぼ同じだったことから、収容場所は要配慮者の状況によっては、オーヴァルホール、体育館、実習室の利用が可能であることが示唆された。課題は、睡眠環境の整備として寝具の工夫が必要であることが明らかとなった。報告 = report
著者
安次富寛貴 村井直人 福地弘文 安里亮 玉城ひかり 照屋渚 稲垣剛史 大嶺快司 与儀哲弘
雑誌
第49回日本理学療法学術大会
巻号頁・発行日
2014-04-29

【はじめに,目的】当院では回復期病棟入院患者に対し,個別リハの提供や病室での自主練習指導,看護・介護スタッフによる離床・起立・歩行練習を行なっている。しかし,高齢者においては個別リハに依存し,病棟生活ではベッド・椅子上に無活動でいることが多く,個別リハ以外で自発的に自主練習を行う,または活動していることが少ない印象を受けた。浜島ら(2004)は高齢入院者の身体活動量は高齢健常者と比べ約1/4しか活動しておらず,さらに廃用性によるものと考えられる体力低下を認めたと報告されている。また,活動性低下は意欲など精神機能の低下にも繋がるともいわれている。これらを踏まえ当院入院高齢患者においても,身体・精神機能低下が廃用として起こっている可能性があるのではないかと考えた。そこで,ADL能力の向上・活動時間の拡大を図ることを目的に,個別リハ以外に病棟リハ室で行う自主練習の提供を午前・午後各1時間程度PT・OTそれぞれ協力して行った。今回この取り組みを実施することで,各患者に及ぼす効果を検証するためにFIM・実用歩行獲得日数を用いて検討したのでここに報告する。【方法】取り組み開始前平成23年8月から平成24年7月の期間と,開始後平成24年8月から平成25年7月の期間に大腿骨頚部・転子部骨折の診断名にて当院回復期病棟に入院し自立歩行獲得達成まで至った者29名を対象とし,開始前14名(以下設定なし群,男性3名,女性11名,年齢81.0±10.18歳),開始後15名(以下設定あり群,男性3名,女性12名,年齢78.4±7.37歳)の2群にわけた。自主練習はレジスタンストレーニング,DYJOC,有酸素運動,バランス練習,立位での作業・課題といった安全に行える方法で複合的な運動内容に設定した。また自主練習は座位・立位といった抗重力姿勢にて行うプログラムを立案した。さらにPT・OTそれぞれ対象者の問題点に沿ったプログラムを立案し,その後の再評価・再立案も徹底した。運動強度は自覚的運動強度を用い,榎本ら(2006)の先行研究を元に10~13(楽~ややきつい)の範囲で低強度に設定し,休息も含め本人のペースで行って頂いた。回数・負荷量なども運動強度の範囲内で徐々に上げ,効果判定としても用いた。対象の2群間における1日当たりの単位数,入院時FIM・FIM効率(合計・運動・認知・歩行・社会的交流)について群間比較を行った。また実用歩行獲得日数については,病棟生活の移動が車椅子から歩行へ変更となった日「監視歩行獲得日数」と,退院時の移動手段で自立となった日「自立歩行獲得日数」をそれぞれ入院時からの日数で算出し,群間比較を行った。各項目における群間比較には,対応のないt検定を用いた。【倫理的配慮,説明と同意】本研究は主研究者が所属する施設の倫理委員会にて承認を得たものであり,ヘルシンキ宣言に沿った研究である。また患者家族に対し十分な説明を行い,同意を得た。【結果】1日当たりの単位数,入院時FIM共に両群間に有意差を認めなかった。FIM効率(合計・運動・認知・歩行・社会的交流)において,「設定あり群」は「設定なし群」と比べ有意に高値であった(p<0.05)。実用歩行獲得日数については,自立歩行獲得日数には有意差を認めなかったが,監視歩行獲得日数において「設定あり群」は「設定なし群」と比べ平均10日短縮しており有意に高値であった(p<0.05)。【考察】個別リハに加え自主練習の提供も積極的に行うことで,ADL能力の効率向上がより得られ,病棟生活において車椅子から歩行への移動手段獲得が早期にできる可能性が示唆された。今回低負荷で設定した自主練習により運動・活動量を増大させたことが,生活上での活動性低下に伴う廃用性要素の改善や受傷部位の機能回復の一助として効果があったのではないかと考える。また,個別リハとは違い,患者自身が運動・作業を主体的に行い,回数や負荷量・課題難易度などを変更していく中で効果判定としても伝えていったことがリハ・活動意欲の向上や自主練習の継続・個別リハの充実化を可能にした印象がある。さらに病棟リハ室に患者が集まり,活気のある空間で自発的に行える環境が作れたこと,患者どうしの交流が取り易い環境が作れたことが相乗効果を高め,今回の結果に影響を及ぼした可能性があると考える。今回身体機能・心理面の評価指標を用いた具体的な検証ができていないため,今後の課題としたい。【理学療法学研究としての意義】個別リハに加え自主練習の提供もPT・OTにて積極的に行うことで,ADL能力の効率向上や車椅子から歩行への移動手段獲得が早期にできる可能性が示唆されたという点において意義があると考える。
著者
萩原 潤治 村田 ひろ子 吉藤 昌代 広川 裕
出版者
NHK放送文化研究所
雑誌
放送研究と調査 (ISSN:02880008)
巻号頁・発行日
vol.68, no.6, pp.24-47, 2018-07-20

世論調査の有効率の低下が課題となるなか、WEBを利用した新しい調査方式が注目されている。そこで、NHK放送文化研究所では、住民基本台帳から無作為抽出で選んだ調査相手に対し、郵送で調査への協力を依頼し、WEBで回答してもらうという「郵送依頼WEB回答方式」(以下、「WEB式」とする)の可能性を探ることにした。2016年と2017年の計2回、このWEB式の実験調査を、回答方法を「WEB回答」に限定せず、一部、補完的に「郵送回答」も受け付ける、WEB先行のミックスモードで行った。この結果から得られた主な知見は、以下のとおりである。住民基本台帳から無作為抽出で選んだ調査相手でも、適切な調査設計と調査材料を作成すれば、WEB式調査は可能であるWEB式調査の有効率は、30代以上では、比較用の郵送調査と差がない水準にまで高めることができたが、現時点で、若年層の有効率の向上には効果が見られなかった WEB式調査の有効者のサンプル構成比は、住民基本台帳から大きく乖離していない なお、WEB式調査と比較用郵送調査について、回答方法の違いにより、回答差が生じるのかどうか、もし差が生じるとしたらその要因は何なのかも検証するが、この結果については、稿を改めて報告する予定である。