著者
中村 厚彦 尾上 英俊 木村 一雄 岩本 良太 村岡 邦秀 今村 尚裕 三宅 智
出版者
西日本整形・災害外科学会
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.60, no.4, pp.744-746, 2011-09-25 (Released:2011-12-09)
参考文献数
5

足関節外果骨折に対してtension band wiring(以下TBW)を用いて骨接合を行った症例について検討した.2002年から2010年までに手術を行った10例で,男性8例女性2例,平均年齢41歳(15~65歳)であった.骨折型はLauge-Hansen分類に従いSA stage 1:7例(靱帯付着部の裂離骨折2例を含む),stage 2:1例,SER stage 2:1例,stage 3:1例であった.手術はanchor screwを用いたTBWを施行し,術後は外固定を併用した.全例で整復位での骨癒合を得た.K-wireのback outを2例と尖端の回旋転位を1例に認めた.足関節外果骨折はよく遭遇する外傷であり一般的にplate固定が行われるが,遠位骨片が小さい場合はTBWによる内固定の適応となる.anchor screwを併用したTBWは手技が簡便であり有用であると考えられた.
著者
中村 もとゑ 永井 眞由美 松原 みゆき
出版者
一般社団法人 日本老年看護学会
雑誌
老年看護学 (ISSN:13469665)
巻号頁・発行日
vol.16, no.1, pp.104-110, 2011-11-30 (Released:2017-08-01)
参考文献数
14
被引用文献数
4

本研究は,認知症高齢者を介護する向老期・老年期にある男性介護者のよりよく生きる力とそれを育む要因を明らかにすることを目的に,認知症高齢者を自宅で介護している男性12人に半構成的面接を行った.その結果,よりよく生きる力として「主体者になる力」「バランスを保つ力」「学習・自己成長する力」の3カテゴリー,それを構成する8サブカテゴリーが抽出された.よりよく生きる力を育む要因については,内的要因として「愛情」「責任感」が,介護者を取りまく外的要因として「精神的支援」「実質的支援」「社会への近接性」「出会いとつながり」「経済的な基盤」が抽出された.男性介護者は介護の苦悩がありながら自らの人生・生活を主体的に選択し,新たな知識の習得や介護経験を通じ自己成長につなげていた.また抽出された要因から,看護者には男性介護者の介護に対する内的要因を高める支援,実質的支援の提供,社会とのつながりや経済的基盤を支える支援が求められていると考える.
著者
中村 隆司
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.50, no.3, pp.1324-1329, 2015 (Released:2015-11-05)
参考文献数
9
被引用文献数
10 3

我が国は、大都市圏でも高齢化を迎え鉄道利用者は減少する可能性があり,今後の課題となることが予想される.さらに,公共交通機関利用促進による野環境負荷の低減に加え従来から形成されている鉄道駅周辺市街地の維持再生が今後の都市整備の鍵になるという観点からもTODに注目する.その上で,東京大都市圏を対象に,鉄道駅周辺土地利用について着目し,鉄道駅周辺の土地利用形態と駅乗降客数の変化との関係について分析した。その結果、全体として高齢化が進むと乗降客数が減少する傾向にあるが、高齢化が進行しても乗降客数が増加した駅もあることを明らかにした.また、東京大都市圏では,カルソープの提起する都市型TODの土地利用に近い土地利用構成を周辺に持つ駅が45.3%と半数近くに上りこの観点ではTOD先進国とされることが裏付けられること、駅周辺において住宅用地、商業・業務用地、公共公益施設用地などが混在した、複合的な土地利用を実現している駅では駅乗降客数が維持増加の傾向にあること等を明らかにした.
著者
木村 哲也 石川 鎮清 中村 好一 近藤 克則 尾島 俊之 菅原 琢磨
出版者
公益財団法人 医療科学研究所
雑誌
医療と社会 (ISSN:09169202)
巻号頁・発行日
vol.32, no.2, pp.235-243, 2022-08-05 (Released:2022-08-19)
参考文献数
13
被引用文献数
1

【目的】近年,時代に即した医療課題の解決のため,適切な社会医学の人材育成がなされているかを,明らかにすることを目的とした。【方法】量的調査と質的調査を行った。量的調査では,近年20年間の社会医学分野の講座名称及び教員数の変化について名簿調査を行った。質的調査では,社会医学分野の研究者・教員9名及び高等教育行政,厚生行政,医学会関係者各1名ずつの計12名に対してインタビュー調査を行った。インタビュー調査は半構造化面接の方法で行い,質的に分析した。【結果】名簿調査では,20年間のうちに,医学教育において社会医学分野の教員数に変化はないが,基礎医学・臨床医学分野を合わせた教員の全体数が増加しているため,社会医学分野の教員の割合は3.0%(521人/17,224人)から2.1%(508人/24,121人)に減少していた。インタビューでは,公衆衛生大学院の創設や社会医学専門医制度などの開始,地方自治体や国際保健において社会医学人材の活躍が期待される一方で,魅力ある教育プログラムやキャリアパスのイメージが示されていないこと,実践現場と研究・教育の乖離などの課題が明らかとなった。【結論】量的・質的分析を合わせた結果,1)新たな課題に取り組む人材育成のため教育・専門医制度などの質の保証の充実,2)社会医学の可能性を伝え参入する若手を増やすための方策強化,3)現場と研究,教育の乖離が見られるためビッグデータやグローバルヘルスを使った現場と教育と研究の統合,の3つの課題を抽出することができた。
著者
遠藤 穣治 矢野 光洋 鬼塚 敏男 中村 栄作 中村 都英 桑原 正知
出版者
特定非営利活動法人 日本血管外科学会
雑誌
日本血管外科学会雑誌 (ISSN:09186778)
巻号頁・発行日
vol.18, no.3, pp.421-424, 2009-04-25 (Released:2009-05-13)
参考文献数
5

【背景】われわれは低濃度大量浸潤局所麻酔(TLA)を用いた非全身麻酔下血管外科手術を80例以上経験した.【症例】対象は2003年 9 月から2008年 3 月の間,TLAを用いて血管外科手術を行った82例.麻酔法はTLAと局所麻酔,硬膜外麻酔,腰椎麻酔,静脈麻酔を組み合わせて行った.【結果】TLA併用麻酔下に施行した手術の内訳は下肢静脈瘤ストリッピング47例,末梢動脈系手術22例,大動脈内ステント内挿術 4 例,透析シャント作製 6 例,ペースメーカ埋込 2 例,感染透析グラフトのデブリドマン 1 例であった.TLAの使用方法はTLA単独35例,TLA併用47例であった.手術は安全に執り行われ,術死・入院死例はなく手術創感染もみられなかった.術中安静不良例のうち 3 例は大腿―膝窩バイパスをTLA単独で施行した例であった.いずれも静脈麻酔薬の持続注射を追加し,とくに合併症なく手術を終了できた.【結論】TLAはその簡便性・安全性・疼痛軽減の持続性といった観点より,末梢血管外科手術の麻酔法としても比較的有用であると考えられたが,TLA単独での手術は症例を選ぶべきであると考える.
著者
八木 浩司 高野 岳彦 中村 靖 村山 良之 檜垣 大助
出版者
THE TOHOKU GEOGRAPHICAL ASSOCIATION
雑誌
東北地理 (ISSN:03872777)
巻号頁・発行日
vol.43, no.3, pp.161-180, 1991-08-01 (Released:2010-04-30)
参考文献数
20
被引用文献数
3 2

東北地方のスキー場についてその開発過程を整理し, いくつかの視点から立地特性を検討して類型化を行い, スキー場の特徴の包括的な把握を試みた。東北地方における初期 (主に1950年代) のスキー場は温泉集落に付属するものが多数を占めたが, 1960年代には夏型観光地の田沢湖高原や磐梯山などにもスキー場が開かれた。また国体の開催を機にするもの、幹線交通路に接するもの, 都市近郊に開設されたものなど, 立地要因が多様化してきた。1974年以降はリフトの増設は低調になり, 温泉地スキー場の廃棄が目立った。1978年以後, スキー場開発は以前にないほど活発化かつ大規模化し, 人込み客数は急増した。これは, 高速交通体系の整備とレジャー時間の拡大に伴うものといえる。次にスキー場の類型把握のため, (1) 地形的条件, (2) 社会的条件, (3) 規模, (4) 開発経営主体の4点を整理検討した。はじめに, (1) によって以下の3つの自然立地的グループを設定した: i) 山麓型, ii) 山地中腹型, iii) 脊陵主稜型。次いでこれらと (2) を合わせて以下の7つの基本類型を設定した: i)…温泉地型, 集落近隣型, 都市近隣型, ii)…夏季観光地型, 交通依存型, iii)…景勝地亜高山型, 非景勝地脊梁型。これらと (3) (4) との対応から, 各類型の特徴を明確にした。
著者
石井 望 中村 光彦
出版者
長崎総合科学大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

平成十八年度、北京にて發見した「北西廂訂律」は、現存最古の元曲譜として極めて貴重なものだったので、平成十九年度はその詳細な分析のために、比較の封象となる曲譜を蒐集し、比較を行なった。その結果「北西廂訂律」に古メロディーが留存してゐることがいよいよ明瞭になって來た。メロディー研究の基礎となる曲韻研究に於いては、范善臻「中州全韻」の七聲體系こそが崑曲の正統であることを示す證據を「韻學驪珠」など諸韻書に求め、學會にて口頭發表した。曲韻研究の基礎となる音韻學概念を六朝に遡って探求し、インド輪廻方式の呉語音圖「歸三十字母例」が音韻學の源であり、それ以來呉語の曲韻に至るまで清濁を高低としてゐることを明らかにした。メロディー研究の今一つの基礎となる音階研究に於いては、太平御覧等に見える「制は角音にのっとる」との記載にもとづき、ファ・ファ#・シ・シ♭を曖昧にする音階が唐代より宋詞・元曲を経て崑曲に至るまで基本原理となってゐることを明らかにし、臺灣にて口頭及び誌上にて發表した。また分擔者中村光彦の指導する卒研にては、機器吹奏を以て崑曲笛の音階を試測し、今後各地の古樂器の音階を計測するための準備を整へた。
著者
上野 悟 清水 玲子 中村 治雅
出版者
国立保健医療科学院
雑誌
保健医療科学 (ISSN:13476459)
巻号頁・発行日
vol.68, no.3, pp.219-228, 2019 (Released:2019-09-14)
参考文献数
34

筋ジストロフィーを含む神経筋疾患領域の多くは希少難治性疾患であり,有効な治療法の開発が求められている.新薬開発のためには,患者の背景情報や症状,症候など疾患に関する情報が必要となる.患者レジストリ(疾患登録システム)は,患者情報を登録し行政や研究者,製薬企業に対して患者の疫学的データを提供することができる.また,患者レジストリで収集するデータは,製薬企業には患者の状況把握を可能にし,患者には新薬開発のために治験の情報提供や新薬に関する情報を提供することが可能となる.神経筋疾患領域では,国際的なイニシアティブとして2007年に欧州にTREAT-NMDが設立され,その中の活動の一つとして患者レジストリの構築が行われた.2009年にはTREAT-NMDに続いて,日本においても筋ジストロフィー患者登録システム(Registry of Muscular Dystrophy: Remudy)が立ち上がり患者レジストリを運用している.クリニカル・イノベーション・ネットワーク(Clinical Innovation Network: CIN)は患者レジストリ等の疾患登録情報を活用した臨床開発のインフラであり,2016年からCIN構想として疾患登録情報を活用した効率的な治験,リアルワールドデータの利活用を可能にするインフラ整備と運用が行われている.RemudyはTREAT-NMDと協調してレジストリの項目を設定しているが,国際的なデータの利活用を促進するためにはデータの標準化が有用であり,承認申請データとのデータの利用を考慮すると,現在広く利用されている国際標準の利用は必要不可欠である.CDISC(Clinical Data Interchange Standards Consortium)標準は医学研究における国際標準であり,計画,データ収集,データ交換,解析までを一貫した標準が整備されており,承認申請データの標準としても用いられている.また,CDISCはデュシェンヌ型筋ジストロフィー(Duchenne Muscular Dystrophy: DMD)などの疾患領域別データ標準も公表している.リアルワールドデータの利活用を考えると,データトレーサビリティを確保でき,標準化によるデータの品質管理にも寄与するため,CDISC標準を用いることに意義は大きい.しかし,CDISC標準が万能ということではなく,他の国内外の標準の調査や実臨床での測定方法や測定環境,評価指標など,研究の実施体制や環境を考慮する必要がある.本稿では,データの利活用を活性化するための事例紹介として,神経筋疾患領域における患者レジストリと標準化について解説する.
著者
上野 悟 竹下 絵里 清水 玲子 小居 秀紀 小牧 宏文 中村 治雅
出版者
国立保健医療科学院
雑誌
保健医療科学 (ISSN:13476459)
巻号頁・発行日
vol.67, no.2, pp.191-195, 2018-05-31 (Released:2018-06-30)
参考文献数
12

クリニカル・イノベーション・ネットワーク(Clinical Innovation Network: CIN)とは疾患登録システム(患者レジストリ)等の疾患登録情報を活用した臨床開発インフラの整備のことであり,疾患登録情報を活用した効率的な治験や製造販売後調査および臨床研究の体制構築を推進する構想である.2009年より筋ジストロフィー患者登録システム(Registry of Muscular Dystrophy: Remudy)が運用されている.レジストリを国際的に連携させるためには,同じ収集項目を設定する必要がある.レジストリの最低限必要となる収集項目として,米国ではGlobal Rare Disease Registry Data Repository(GRDR)から,欧州ではEuropean Union Committee of Experts on Rare Diseases(EUCERD)から収集項目に関する標準が発表されているが,日本ではGRDRやEUCERDが提案する最小データセットは提案されていない.CDISC(Clinical Data Interchange Standard Consortium)は,臨床試験を初めとするヘルスケア業界のデータ共有,交換,再利用等のための世界標準を提案する非営利団体であり,汎用性が高く,様々な疾患の臨床試験データに適用できるCDISC標準を定めている.また,CDISCは2017年にデュシェンヌ型筋ジストロフィー(Duchenne muscular dystrophy: DMD)の疾患領域別データ標準(Duchenne Muscular Dystrophy Therapeutic Area User Guide: TAUG-DMD)も公表している.疾患横断的な研究では,収集項目の設定漏れによるデータの欠損,試験毎の回答の選択肢が異なる等の問題が生じるため,レジストリの構築にはCDISC標準等のデータ標準を用いることは大切である.臨床でのデータ収集のしやすさも考慮し,臨床現場とデータ標準の両方の視点をもつことが重要である.RWD(Real World Data)の利活用を活性化するためにも,レジストリに関する国際的な標準を整備し普及する意義は高いと考えられる.現在,TAUG-DMDおよびGRDR,EUCERD等の国際標準を用いて収集項目を調査し,患者レジストリの標準項目を検討している.
著者
河村 圭亮 中村 光 竹村 雅志 三浦 泰人
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集E2(材料・コンクリート構造) (ISSN:21856567)
巻号頁・発行日
vol.78, no.2, pp.179-196, 2022 (Released:2022-05-20)
参考文献数
35
被引用文献数
1

あと施工せん断補強筋(PHB)で補強したRC部材のせん断抵抗メカニズム解明のため,4つの条件に着目して3次元剛体バネモデルによる数値解析を実施した.1つ目に,PHBの幅方向配置間隔を狭くするとせん断補強効果が高まることを示した.2つ目に,PHBを用いた場合も断面高さの違いによる寸法効果は閉合型スターラップを用いた場合と同様であることを示した.3つ目に,せん断スパン比a/dの違いで破壊モードが異なる条件でも内部ひび割れや耐力への影響は同様であることを示した.最後に,面部材などで幅方向が一様に拘束された条件下では,PHB・閉合型スターラップを用いたいずれの場合もアーチ機構とトラス機構が増加して梁部材よりも耐力が大きく増加することを示した.本検討はa/d=2.86の条件を基本とし,1.71~4.00の範囲で同様の傾向を確認した.
著者
山田 武史 所 寿洋 中島 忠司 中村 勇人 山野 健治 長井 孝之 笹川 雄司 一色 正男
出版者
一般社団法人 エネルギー・資源学会
雑誌
エネルギー・資源学会論文誌 (ISSN:24330531)
巻号頁・発行日
vol.44, no.1, pp.39-46, 2023-01-10 (Released:2023-01-10)
参考文献数
10

In order to expand the use of renewable energy, a shift from "selling" to "self-consuming" of surplus electric energy generated by photovoltaic power generation (PV) is necessary. As for the means of the self-consumption, water heater with a hot water tank, which can store energy at relatively low cost as hot water, is attracting attention. Hybrid water heater, that has both an electric heat pump and a gas heat source, stores hot water to a relatively small tank compared to a simple electric heat pump water heater at less electric energy. Since it also has a gas heat source, there is no need to worry about running out of hot water even with a small tank. By combining a hybrid water heater and a storage battery system, an improvement of self power consumption ratio of PV energy is expected compared to the stand-alone usage of a hybrid water heater. This article reports the improvement result in an actual house. The self-consumption of PV energy used at the hybrid water heater was improved by 11.6 % in winter, 23.8 % in mid seasons, and 4.9 % in summer. Then the CO2 emission is reduced by 33 % a year.
著者
松尾 龍平 山本 雄平 姜 文渊 田中 ちひろ 中村 健二 田中 成典 鳴尾 丈司
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.64, no.5, pp.980-991, 2023-05-15

我が国では,競技力向上を目的としたスポーツ情報科学に関する研究支援が求められている.中でも,フィールドスポーツでは,選手の位置情報を取得することで,選手のStats情報の獲得や戦術分析を補助する活動が実施されている.選手の位置情報の取得方法は,映像に対して深層学習を用いた物体検出手法を適用する方策が採用されている.しかし,物体検出手法では,対象物が未学習の場合や,学習時とかけ離れた特徴を有する場合,検出精度が低下する.これに対して,アノテーションシステムによる自動アノテーション機能を用いて学習データを作成することが考えられるが,精度良く検出することができず作業効率化が望めない課題が残存する.そこで,本研究では,フィールドスポーツにおいて,学習データを簡易に作成することができるアノテーションシステムの開発を目指す.システムの開発にあたり,データ分析にかかわる専門家へのヒアリングを通じ,選手を精度良くまた効率良く検出することが重要であると明らかになった.そして,そのニーズに対して,フィールドスポーツに特化した検出モデルを搭載することで,既存システムと比べ,作業時間を2分程度短縮することに成功した.
著者
吉田 麗玖 増村 侑希 笠原 一希 村上 優太 佐藤 成 中村 雅俊
出版者
新潟医療福祉学会
雑誌
新潟医療福祉学会誌 (ISSN:13468774)
巻号頁・発行日
vol.22, no.3, pp.71-77, 2023 (Released:2023-03-31)
参考文献数
11

本研究の目的は、異なる角度のインクラインベンチプレスにおいて、大胸筋の鎖骨部・胸肋部、三角筋前部線維、上腕三頭筋の筋活動の違いを明らかにすることである。対象はレジスタンストレーニングの経験がある健常成人男性16名とした。相対重量として各傾斜角度における1RMの70%の重量、絶対重量として40kgを負荷として設定し、各傾斜角度において筋電図測定を行った。結果は70%1RM条件にて、大胸筋胸肋部で傾斜角度の増加により有意に筋活動が減少した。一方、他の部位では、各傾斜角度において筋活動に有意な差は認められなかった。また、40kgの条件では、大胸筋鎖骨部、三角筋前部では傾斜角度の増加により筋活動は増加し、大胸筋胸肋部では筋活動が減少した。本研究の結果、70%1RMの重量において、フラットベンチプレスが4筋に高い筋活動を生じさせる最も効率的な種目であると示唆された。一方、同じ重量を用いた場合、20°、40°、60°のインクラインベンチプレスにおいて大胸筋鎖骨部の高い筋活動を生じさせる種目であると示唆された。
著者
中村 亮一 北角 権太郎 長村 伸一 田辺 良子 須藤 政光 勝池 康允 望月 剛 千葉 敏雄
出版者
一般社団法人 日本コンピュータ外科学会
雑誌
日本コンピュータ外科学会誌 (ISSN:13449486)
巻号頁・発行日
vol.13, no.2, pp.87-95, 2011 (Released:2015-10-30)
参考文献数
10
被引用文献数
2 3

The advancement of measurement technology inside operation room including medical imaging and diagnosis and the combination between these technologies and computer technology leads the progress of navigation surgery, which is safer and more precise surgery; this type of a surgical procedure is mainly applicable to neurosurgery, orthopedic surgery, and otolaryngologic surgery. For example, fetal endoscopy can be safely performed through a surgical procedure based on the navigation technology; this procedure enhances the surgeon's field of view. However, a real-time and high-quality imagining and visualization technology is required to perform surgeries involving the treatment of soft tissue, such as fetal surgery. In our work, we developed a real-time updated navigation system for performing abdominal endoscopy including fetal surgery, using a high-speed transfer interface of a real-time 3D ultrasound imaging system and by carrying out high-speed computing using a multi-core processor system. The evaluation results of our system showed that our system was able to detect a position error of up to approximately 2.78 mm, and it was able to visualize and process data after every 200-500 ms. Further, we developed a new method for sensing the distance between the organs and surgical instruments. The evaluation results of our navigation system show that our system is able to avoid collision between the organs and surgical instruments during endoscopic procedures.