著者
雲財 寛 山根 悠平 西内 舞 中村 大輝
出版者
日本体育大学大学院教育学研究科
雑誌
日本体育大学大学院教育学研究科紀要 (ISSN:24338656)
巻号頁・発行日
vol.3, no.2, pp.245-254, 2020-03-30

本稿の目的は,教科教育学における量的研究を分類するとともに,帰無仮説検定の問題点を踏まえて,教科教育学における量的研究を行う際の留意点を導出することである。本稿では,教科教育学における量的研究を1.評価方法を開発する研究,2.子供や教師の実態を明らかにする研究,3.教育実践の効果を明らかにする研究,4.研究成果を統合する研究に分類した。そして,量的研究を行う際の留意点として,有意であるか否かといった二分法による安易な判断を避けること,帰無仮説検定における前提を意識すること,問題のある研究実践になっていないか振り返ることの3点を導出した。
著者
豊田 秀樹 川端 一光 中村 健太郎 片平 秀貴
出版者
日本行動計量学会
雑誌
行動計量学 (ISSN:03855481)
巻号頁・発行日
vol.34, no.1, pp.101-110, 2007 (Released:2007-05-30)
参考文献数
15
被引用文献数
1 1 1

This study proposes the adoption of a neural network as an alternative to logistic regression analysis, which is conventionally used to estimate the propensity score (Rosenbaum & Rubin, 1983). Moreover, covariates that are frequently obscured are presented.Considering the response pattern to a mail survey by random sampling as a criterion, we examined how is the response pattern to a Web survey by purposive selection rectified using the propensity score. The propensity score was estimated using the subjects' demographic variables as covariates.The results of adopting a neural network were compared with those of the logistic regression analysis. As a result, the accuracy of bias reduction by the threelayer neural networks was found to be greater than that by the logistic regression analysis.In addition, detailed contents of the covariates were presented, and a decision tree was produced to examine the influence of covariates on allocation of the subjects to survey forms.
著者
中村 公則 菊池 摩仁 綾部 時芳
出版者
公益財団法人 腸内細菌学会
雑誌
腸内細菌学雑誌 (ISSN:13430882)
巻号頁・発行日
vol.33, no.3, pp.129-135, 2019 (Released:2019-07-29)
参考文献数
37

抗菌ペプチドは,ヒトを含む多細胞生物において殺微生物活性を持つ自然免疫の主要な作用因子であり,その生体防御における重要性は広く認識されている.腸上皮細胞は広大な表面積を構成し,たえず病原体および食物を含む外部環境や常在する腸内細菌に暴露されている.腸上皮細胞の1系統である Paneth細胞は抗菌ペプチド・αディフェンシンを分泌し,病原体の排除と常在菌との共生により腸管自然免疫を担っている.このPaneth細胞αディフェンシンは病原菌を強く殺菌する一方,常在菌にはほとんど殺菌活性を示さない特徴を持つことから,生体において腸内細菌叢の制御を介して腸内環境の恒常性維持に重要な役割を果たすと考えられる.近年,腸内細菌叢の構成異常 “dysbiosis”と,炎症性腸疾患および肥満や動脈硬化などの生活習慣病や癌など様々な疾病との関係が報告されてきているが,いまだその詳細なメカニズムは不明である.抗菌ペプチドα-ディフェンシンの腸内細菌叢制御メカニズムを理解することは,腸内細菌叢と疾病との関連解明に重要な役割を果たすと考えられる.
著者
近藤 尚子 田中 直人 中村 弥生 関口 光子
出版者
文化学園大学・文化学園大学短期大学部
雑誌
文化学園大学・文化学園大学短期大学部紀要 (ISSN:24325848)
巻号頁・発行日
no.52, pp.111-115, 2021-03-31

本資料紹介では、本学所蔵のピエール・カルダン関連資料群について扱う。文化ファッション研究機構では、学内機関で所蔵されているが、リソースとして整理・公開されていない服飾関連資料の調査・デジタルアーカイブ化を進めてきた。そのなかで、2023年に創立100周年を迎える本学には、国内外のデザイナーに関して、実物服飾資料やその研究成果のみならず、交流記録も残されていることが判明した。文化服装学院の名誉教授であるピエール・カルダン氏は、1958〜2010年の間に計10回も来校しファッションショーも開催した、本学と特に関係の深いデザイナーの 1 人である。そのため、所蔵している資料は実物服飾資料、紙資料、画像、映像と多種多様であり、現時点で確認された資料数は1,055件にも上る。またこれら資料の多様性は、これまで資料所蔵機関として認知されていた教育部門、附属機関に加え、事務部門とも連携し調査を行えた結果でもある。このような部門を超えた連携は、研究の多様化や分野を超えた共同研究が進むなかで重要な意義を持つものであると考え、ファッション分野におけるオーソドックスな研究対象である実物服飾資料のみならず、その他の資料情報も併せて紹介する。
著者
中村 俊美 織田 洋武 佐藤 聡
出版者
特定非営利活動法人 日本歯科保存学会
雑誌
日本歯科保存学雑誌 (ISSN:03872343)
巻号頁・発行日
vol.53, no.6, pp.570-578, 2010-12-31 (Released:2018-03-28)
参考文献数
35

微酸性電解水は2〜6%の塩酸を電気分解することにより生成され,pH5.0〜6.5,酸化還元電位800〜1,100mV,遊離塩素濃度10〜30ppmを示す.微酸性電解水は強酸性電解水と同様強力な殺菌力を有し,環境汚染も少なく,医療分野での応用が期待されている.本研究は,口腔内病原細菌に対する殺菌効果,ならびに口腔内細胞への影響についてin vitroにて検証した.殺菌試験については,材料として,Streptococcus mutans(ATCC25175),Aggregatibacter actinomycetemcomitans(ATCC29522),Porphyromonas gingivalis(W83,ATCC33277),Prevotella intermedia(ATCC25611)の5菌種を使用した.各種細菌を洗浄後,滅菌蒸留水にて倍々希釈した微酸性電解水(0,6.25,12.5,25.0,50.0,100w/w%)にて1分間処理した.その後希釈し,寒天培地に塗抹後,A.actinomycetemcomitans,S.mutansは48時間,P.gingivalis,P.intermediaは72時間培養を行い,評価はColony Forming Units(CFU)で行った.細胞毒性試験については,材料としてヒト歯肉線維芽細胞とヒト皮膚線維芽細胞を用いた.細胞を培養後,滅菌蒸留水にて希釈した微酸性電解水(0,12.5,25.0,50.0,100w/w%)を30秒,1,2,4分間それぞれ作用させた.その後8日間の細胞増殖の変化を測定した.また,歯肉線維芽細胞と皮膚線維芽細胞に対し,微酸性電解水を0〜80w/w%に調製した培養液にて培養し,検討を行った.その結果,微酸性電解水は,S.mutans(ATCC25175),A.actinomycetemcomitans(ATCC29522),P.gingivalis(W83,ATCC33277),P.intermedia(ATCC25611)の5菌種に対して1分間の作用で完全な殺菌効果を示し,その効果は25%希釈溶液までみられた.さらに微酸性電解水原液では,歯肉線維芽細胞の細胞増殖に抑制作用を示した.この作用は希釈により低下し,50%希釈溶液では,抑制作用は認められなかった.以上の結果から,微酸性電解水は宿主細胞に影響しない濃度下で口腔内細菌に対して強い殺菌作用を示すことが認められた.
著者
中村 紘子 眞嶋 良全
出版者
日本基礎心理学会
雑誌
基礎心理学研究 (ISSN:02877651)
巻号頁・発行日
vol.38, no.1, pp.33-47, 2019-09-30 (Released:2019-12-10)
参考文献数
42
被引用文献数
2

In this study, we examined the fidelity of online cognitive–behavioral experiments conducted with Japanese crowd workers. Four cognitive tasks (flanker task, mental rotation task, levels-of-processing task, and mood induction task involving the recall of autobiographical memories) were performed by Japanese crowd workers in a web-based setting and by students in a lab-based setting. We found that all task-specific effects were replicated, except mood induction did not affect perceived social support in both crowd workers and students. The present results validate the fidelity of conducting online experiments with Japanese crowd workers.
著者
中村 雅俊 池添 冬芽 西下 智 梅原 潤 市橋 則明
出版者
日本理学療法士学会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.44, no.2, pp.124-130, 2017 (Released:2017-04-20)
参考文献数
30

【目的】本研究の目的は,ストレッチング方法の違いが大腿二頭筋の伸長程度や伸長部位に及ぼす影響を検討することである。【方法】若年男性15 名を対象に,超音波診断装置に装備されているせん断波エラストグラフィー機能を用いて,大腿二頭筋の近位・中間・遠位部の弾性率を測定した。安静時は股関節・膝関節90°屈曲位(Rest),ストレッチングとして股関節屈曲位での膝関節伸展方向へのストレッチング(KE),膝関節伸展位での股関節屈曲方向へのストレッチング(SLR)の3 条件での弾性率を測定した。【結果】多重比較の結果,すべての部位でRest と比較してKE とSLR の弾性率は有意に高値を示したが,KE とSLR 間では有意な差はなかった。Rest からの変化比は,有意な交互作用を認めなかった。【結論】本研究結果より,2 種類のストレッチング方法は大腿二頭筋を伸長することは可能だが,伸長程度や伸長部位に差がないことが明らかになった。
著者
中村 年子 遠藤 仁子 本間 恵美 平光 美津子 尾木 千恵美 片桐 晶子 鷲見 孝子 松尾 良克
出版者
東海学院大学・東海女子短期大学
雑誌
東海女子短期大学紀要 (ISSN:02863170)
巻号頁・発行日
vol.15, pp.75-84, 1989-03-31
被引用文献数
1

1)漬け物を漬けている世帯は全体の80.8%であり,地域別では農村が最も多かった。高齢者のいる家庭では,いない家庭より漬けている比率が高かった。2)漬ける漬け物の種類は,塩漬けが78%と圧倒的に多く,ついで梅漬けであった。1世帯で漬ける漬け物の種類数は1〜3種類が過半数を占め,5種類以上漬ける家庭も33.8%あった。3)塩漬けにする食品は,きゅうり,白菜が最も多く,何れも60%以上の家庭で漬けられていた。漬けておく期間は1〜2日が71.4%と短期間のものが多く,長期間のものは僅かであった。4)梅漬けは毎年必ず漬ける家庭が60%前後あり,土用干しをする大梅・小梅が圧倒的に多かった。各年齢層別に梅を漬ける人の比率をみると61〜65歳が75.0%で最も高かった。高齢者がいる家庭のうち約70%は梅を漬けており,高齢者のいない家庭よりその比率が高かった。1回に漬ける梅の分量は,大梅・小梅ともに1〜4kgが多かった。塩分濃度は大梅・小梅(土用干し)とも,平均が約17%であり,塩分濃度の低いもの程焼酎を併用するものが多かった。5)漬け物を購入する家庭は全世帯の89.1%であり,漬ける・漬けないにかかわらず,ほとんどの家庭が購入していた。購入する漬け物の種類は,たくあん漬けが最も多く,ついで野菜類の塩漬け,福神漬け,梅干しの順であった。6)食事に漬け物が「必ず出る」は自宅で漬ける家庭では67.1%,漬けない家庭では31.2%であり,漬けているかいないかによって,その差が顕著であった。高齢者のいる家庭では,「必ず出る」が66.7%で,高齢者のいる家庭の方が漬け物が食事に出る頻度が高かった。7)漬け物の嗜好については「好き」と答えたものがほとんどであり,「嫌い」は僅かであった。年齢別では31歳以上はその70〜80%のものが「好き」で,30歳以下との差が顕著であった。8)食べる頻度は「毎日必ず食べる」と「1日1回以上食べる」とで全体の半数を占め,「全く食べない」は僅かであった。嗜好別では「好き」と答えたものは「毎食必ず食べる」41.8%,「1日1回以上食べる」32.5%で,好きでないものより圧倒的によく食べている。即席漬けにしょう油をかけるものが約70%あった。

4 0 0 0 OA 小原鉄心伝

著者
中村規一 著
出版者
上田書房
巻号頁・発行日
1910
著者
山内 有信 中村 友香 狩谷 標 檜垣 俊介 山城 ミヤ子 稲井 玲子 東元 稔
出版者
鈴峯女子短期大学
雑誌
鈴峯女子短大研究集報. 自然科学篇 (ISSN:03895025)
巻号頁・発行日
vol.40, pp.1-11, 2006-12-20

カテキン類摂取で体脂肪が低減されることが報告されている。しかし,これらの研究は中・壮年層で軽度肥満の者を被験者としているものがほとんどであり,若年層での研究はほとんど見当たらない。そこで,4週間に亘る高濃度茶カテキン飲料の摂取によって体脂肪低減効果が得られるかについて,研究の趣旨を説明して同意を得た健康な女子大学生を被験者として検討を試みた。その結果,BMI,体脂肪量および体脂肪率は有意に低下し,とくに体の部位別の体脂肪率では体幹部が有意に低下した。また,体年齢,ウエスト周囲径も有意に減少し,体重あたりの基礎代謝量は有意に上昇した。これらの結果から,とくに生活習慣病で問題となる腹部脂肪(内臓脂肪)が減少し,生活習慣病予防に対する効果が期待できると考えられた。
著者
中村 好則
出版者
岩手大学教育学部附属教育実践総合センター
雑誌
岩手大学教育学部附属教育実践総合センター研究紀要 = The journal of Clinical Research Center for Child Development and Educational Practices (ISSN:13472216)
巻号頁・発行日
vol.15, pp.79-88, 2016-03-31

近年,知識基盤社会や少子高齢化,高度情報化,国際化の進展など,変化の激しい時代を迎え,日本も多くの課題を抱えている。そのような変化の激しい時代に主体的に生きる子供たちを育てる教育の実現が喫緊の課題とされている。そうしたなか,平成26年12月に中央教育審議会が「子供の発達や学習者の意欲・能力等に応じた柔軟かつ効果的な教育システムの構築について(答申)」を公表した。答申では「そうした教育の実現に資するよう,学校制度を子供の発達や学習者の意欲・能力等に応じた柔軟かつ効果的なものとすることで,制度の選択肢を広げること(p.1)」を提言している。具体的には,小中一貫教育の制度化である。さらにその答申では,小中一貫教育の取組は全国的に広がり,今後さらなる増加が見込まれること(p.7)が述べられている。しかし,小中一貫教育を推進するに当たり,算数数学の指導ではどうあればいいのかは具体的には述べられていない。算数数学は,学習内容の系統性が強い教科であるとともに,小学校算数から中学校数学への変化が大きく「中1ギャップ」を起こしやすい教科とも言われ(川上2010),小中一貫教育においては最も検討が必要な教科と考えられる。小中一貫教育等についての実態調査(文部科学省2015)では,小中連携教育を「小・中学校が互いに情報交換や交流を行うことを通じて,小学校教育から中学校教育への円滑な接続を目指す様々な教育」,小中一貫教育を「小中連携教育のうち,小・中学校が子供像を共有し,9年間を通じた教育課程を編成し,系統的な教育を目指す教育」と定義している。つまり,小中一貫教育は,小中連携教育に含まれると考えられる。そこで,本論では,小中連携教育という大きな枠組みの中で,算数数学の指導はどうあればよいかを検討することとする。特に,小中連携における学習系統を捉えた算数数学指導とその留意点について考察することを目的とする。そのために,まず,全国学力・状況調査の結果から学習系統を捉えた指導について考える際に考慮すべき点を考察する第2章)。次に,先行研究をもとに学習系統を捉えた指導とはどのような指導であるかを明らかにする(第3章)。さらに,前節までの考察結果と教科書や学習指導要領の記述内容から,学習系統を捉えた指導において概念や意味などが拡張される場面等を具体的に検討する(第4章)。最後に,小中連携における学習系統を捉えた指導とその留意点をまとめ,今後の課題を述べる(第5章)。
著者
工藤 慎太郎 中村 翔
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.43 Suppl. No.2 (第51回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.0733, 2016 (Released:2016-04-28)

【はじめに,目的】外側広筋(VL)の滑走性の低下は,膝屈曲可動域制限や,VLの伸張性の低下を惹起するため,臨床上問題となるが,その計測手法は確立されていない。一方,超音波画像診断装置(US)は,運動器の形態や動態を高い再現性のもと計測できる(佐藤,2015)。我々は膝自動屈曲に伴い,VLが後内側に滑走することを示している(中村,2015)が,この動態が筋の硬度や張力,疲労など,どのような要素を反映しているかは不明である。我々はVLの動態に合わせた徒手的操作により,VLの伸張性や圧痛と共に,筋の動態が改善することを明らかにしている(中村,2015)。そこでVLの動態には筋硬度や圧痛が関係していると仮説を立てた。本研究の目的はVLの膝屈曲運動時の動態が筋の柔軟性や圧痛を反映しているか検討することである。【方法】健常成人男性20名40肢(平均年齢20.0±2.3歳,身長167.4±5.8cm,体重59.9±6.9kg)とした。USにはMy-Lab25を用い,自動屈曲運動時のVLの後内側への変位量(VL変位量)を計測した。測定モードはBモード,リニアプローブを用い,腹臥位にて大腿中央外側にてVLと大腿二頭筋を短軸走査で確認し,プローブを固定した。膝関節完全伸展位から90度屈曲位までの自動運動中のエコー動画から,完全伸展位と90度屈曲位の画像を抽出しVL外側端が移動した距離をVL変位量としてImage-Jを用いて計測した。また筋硬度,圧痛を大腿中央外側にてそれぞれ筋硬度計,圧痛計を用いて計測した。さらに,自作した装置に徒手筋力測定器を設置し,膝他動屈曲時の抵抗力(以下,抗力)を測定した。VL変位量と筋硬度,圧痛,抗力の関係性を検討した。統計学的処理にはR2.8.1を使用し,Spearmanの順位相関係数(有意水準5%未満)を用いた。【結果】VL変位量と抗力はr=0.51と有意な相関関係を認めた。またVL変位量と筋硬度はr=0.71と有意な相関関係を認めた。一方,VLの動態と圧痛は有意な相関関係を認めなかった。【結論】本研究の結果,VL変位量はVLの筋硬度を反映するが,圧痛の程度は反映しないものと考えられた。抗力は筋の長軸上に発生する弾性力を示すのに対して,筋硬度計による計測は,筋以外の皮下組織や皮膚の硬度も反映する(Ichikawa, 2015)。我々の先行研究では,大腿外側の筋硬度計を用いた計測は,VLの硬度と相関を認めず,周囲の結合組織の硬度と相関を認めた(洞庭,2015)。つまり,大腿外側部の筋硬度計による硬度は皮下組織や外側筋間中隔などのVL周囲の結合組織の硬度を反映していると考えられる。筋周囲の結合組織は隣接する筋間との滑走性を保証する。すなわち,VL変位量はVLの硬度とともに,周囲組織との滑走性を反映するものと考えられた。蒲田らは筋間の滑走性の重要性を指摘しているが,定量的測定は困難であった。USによるVLの動態評価はVL周囲の滑走性を定量的に測定でき,今後の外傷予防や疼痛発生機序の解明に有効になる可能性がある。

4 0 0 0 OA 山陽詩鈔新釈

著者
中村徳助 著
出版者
日進堂
巻号頁・発行日
1911
著者
森山 昭雄 鈴木 毅彦 加古 久訓 中村 俊夫
出版者
The Association of Japanese Geographers
雑誌
地理学評論 (ISSN:13479555)
巻号頁・発行日
vol.77, no.13, pp.924-939, 2004-11-01 (Released:2008-12-25)
参考文献数
28
被引用文献数
1

岐阜県高富低地において,ボーリング資料を用いて推定した地下構造と,1本のオールコア・ボーリング中の広域テフラおよび化石ケイソウ群集の分析から,堆積環境の変遷にっいて考察した.高富低地を構成する高富層(新称)は,下位から高富基底礫層,高富下部泥層,高富軽石質砂層および高富上部泥層に分けられる.上部泥層および下部泥層は湖成堆積物であり,上部泥層からはK-Ah,AT,Aso-4の広域テフラが検出された.高富軽石質砂層からは御岳火山起源の御岳第一浮石層(On-Pm1)および御岳藪原テフラ(On-Yb)などが検出され,高富軽石質砂層は木曽川流域に広く分布する木曽谷層に対比される.テフラの年代から古木曽川は,約100ka頃に美濃加茂付近より関市をまわる流路を通り,当時湖の環境であった本地域に高富軽石質砂層を一時的に流入させたと考えられる.オールコア・ボーリング資料が得られた西深瀬では,約31kaから現在まで泥炭湿地の環境が続いた.また,梅原断層以南の鳥羽川低地には,長良川が最近まで流下していた可能性が高い.
著者
中村 洋介 金 幸隆
出版者
The Association of Japanese Geographers
雑誌
地理学評論 (ISSN:13479555)
巻号頁・発行日
vol.77, no.1, pp.40-52, 2004-01-01 (Released:2008-12-25)
参考文献数
24
被引用文献数
2 2

本研究では,魚津断層の南部に位置する早月川および上市川流域の河成段丘においてボーリング調査を実施し,ローム層中に微量に含まれる火山起源の鉱物を用いて段丘の形成時期の推定を行った.研究地域の段丘面は,高位より,東福寺野面,中野面および大崎野面の3面に分類される.ローム層の層相ならびに火山灰層の層位から考慮して,東福寺野面はMIS6に,中野面はMIS5dに,大崎野面はDKP降下直前に,それぞれ形成されたものと推定される.これらの段丘面は魚津断層によって上下変位を受けている.それぞれの段丘面の形成年代から,魚津断層の上下平均変位速度は北部では0.4~0.5mm/yr程度,南部では0.2mm/yr程度と算出される.北部の変位速度が南部よりも速いのは,本研究地域が全長約25kmの魚津断層の南端に位置するためと考えられる.
著者
中村 彰憲
出版者
アジア経営学会
雑誌
アジア経営研究 (ISSN:24242284)
巻号頁・発行日
vol.22, pp.17-30, 2016 (Released:2017-03-31)
参考文献数
27

The Digital Game Industry has experienced a tremendous growth in the past 15 years as it became one of the largest industrial sectors in the realm of Cultural and Entertainment Industry in the People’s Republic of China. Using the case study method, the present paper examines how China’s digital game industry has emerged and developed. Four examples are discussed which range from service adaptation,technical innovation, platform strategy implementation, and in the systematic transfer of a certain content model to a different program. The results seem to indicate adopting key services to existing environment specific to China is vital in gaining competitive advantages.