著者
谷崎 将吾 大沢 昌玄 中村 英夫
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.53, no.3, pp.1022-1028, 2018-10-25 (Released:2018-10-25)
参考文献数
9
被引用文献数
1

近年,鉄道の廃止が全国各地で発生している.鉄道駅の廃止により,駅前広場は機能不全となり利用転換が求められる状況にある.しかし,このような駅前広場が全国にどの程度存在し,鉄道廃止後にどのような活用がされているのかといった実態は明らかとなっていない.また,都市計画決定された駅前広場について,鉄道廃止後に都市計画の取り扱い(維持,変更,廃止)の対応が必要となってくる.さらに,鉄道廃止後も未整備の部分がある都市計画駅前広場は,駅前広場を整備する理由づけがない状況において,都市計画の変更または廃止の検討も必要となるが,都市計画駅前広場について,親となる鉄道の廃止に伴い都市計画に変更が生じたかなどの実態は明らかとなっていない.そこで本研究は,まず全国の都市計画駅前広場のうち鉄道が廃止となった駅前広場を把握する.その上で,対象の駅前広場が鉄道廃止後にどのように活用されているのか実態を明らかにすることを目的とする.最後に,鉄道の廃止に伴い駅前広場における都市計画の取り扱いの実態について明らかにする.その結果,鉄道が廃止された都市計画駅前広場は全国54箇所52駅存在することが判明した.
著者
北原 亮 小澤 恵 中村 浩淑
出版者
一般社団法人 日本糖尿病学会
雑誌
糖尿病 (ISSN:0021437X)
巻号頁・発行日
vol.47, no.10, pp.825-830, 2004-10-30 (Released:2011-08-04)
参考文献数
10
被引用文献数
1

症例は25歳, 女性. 食後約2時間でふらつき, 意識朦朧感などを自覚していた. 近医で経口糖負荷後の低血糖を指摘され, 精査目的で紹介された. 画像上膵内分泌腫瘍を疑わせる所見なし. 早朝空腹時の血清IRI及びCPRは明らかな上昇なし. 75g経口ブドウ糖負荷180分後の血糖値は39mg/dl. 33時間絶食にて低血糖を認めず, 血清IRI及びCPRは時間と共に低下した. 急速力ルシウム静注後の血清IRI頂値は5.73μU/ml. 以上の所見より, 本症例は特発性反応性低血糖症と考えられた. 経過中に本人から, 夫と不仲であり別居して気分が楽になったこと, およびその後従来の症状を自覚しなくなったことが申告された. その後約1年の経過では, 明らかな症状の再発を認めていない. 特発性反応性低血糖症には心理的な問題が影響することが示唆されており, 本症例も低血糖の発現に夫婦間の情緒的葛藤が関与していた可能性が考えられた.
著者
高橋 真治 星野 雅俊 中村 博亮
出版者
一般社団法人 日本脊椎脊髄病学会
雑誌
Journal of Spine Research (ISSN:18847137)
巻号頁・発行日
vol.11, no.5, pp.811-819, 2020-05-20 (Released:2020-05-20)
参考文献数
34
被引用文献数
1

Balloon kyphoplasty(BKP)後に隣接椎体骨折が生じることはよく知られているが,その危険因子や予測については報告が限られている.また,その臨床的意義も報告により異なる.我々は隣接椎体骨折が及ぼす影響およびその発生を予測する因子を受傷後2ヶ月以内にBKPを実施した症例で検討した.本著ではその研究を中心に,隣接椎体骨折が臨床的に及ぼす影響,またその予測に関して文献をレビューした.
著者
中村 昌允
出版者
安全工学会
雑誌
安全工学 (ISSN:05704480)
巻号頁・発行日
vol.50, no.5, pp.280-284, 2011-10-15 (Released:2016-08-31)
参考文献数
8
被引用文献数
1
著者
中村 秀郷
出版者
一般社団法人 日本社会福祉学会
雑誌
社会福祉学 (ISSN:09110232)
巻号頁・発行日
vol.58, no.4, pp.89-101, 2018

<p>本研究の目的は,更生保護施設職員が刑務所出所者等の社会復帰支援で直面する困難性(心理的ストレス)の構造・展開を明らかにし,その実態を体系的に整理することである.</p><p>更生保護施設職員19名を対象として,個別インタビューによる半構造化面接を実施し,修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチ(M-GTA)を用いて逐語データの分析を行った.</p><p>分析結果から12個の困難性概念が生成し,概念間の関係性から,〈制度的・組織的限界へのストレス〉,〈対象者の言動へのストレス〉,〈支援の行き詰まりへのストレス〉の三つのカテゴリーに収斂された.</p><p>本研究では,概念間のつながり,カテゴリー間の流れから刑務所出所者等の社会内処遇の実践現場で直面すると考えられる困難性の予測に示唆を与えた.また,ジェネラリスト・ソーシャルワーク理論だけでは収まらないスペシフィックな刑務所出所者等の社会復帰支援の特徴を提示した.</p>
著者
中村 恭子
出版者
日本スポーツ社会学会
雑誌
スポーツ社会学研究 (ISSN:09192751)
巻号頁・発行日
vol.21, no.1, pp.37-51, 2013-03-20 (Released:2016-08-04)
参考文献数
38
被引用文献数
2

日本の中学校におけるダンス教育は、1881年に始まって以来100年余りの間、女子の体育種目として実施されてきた。男女共同参画社会の流れを受けて、1989年にはダンスは男女ともに選択履修できるように改訂された。しかし、長い間女子のみの種目として扱われてきたために、男子の履修はなかなか進まなかった。そして、2008年の学習指導要領の改訂では、中学校1・2年生において、男女ともにダンスを必修で履修することが示された。一方、戦後の1947年には、ダンスの内容は既成作品や基本ステップ等の踊り方の習得学習から“創作ダンス”による創造的学習に転換した。1998年には、新たに“現代的なリズムのダンス”が創造的学習内容として取り入れられた。しかし、それはしばしば誤って、あるいは意図的に、既成の踊り方習得学習として扱われていた。 そこで、この度のダンス男女必修化を受けて、2008年の改訂から2012年の完全実施までの移行期間におけるダンス教育の変容を明らかにするとともに、今後の課題を明らかにすることを目的として中学校のダンス授業計画について縦断的に調査した。 その結果、以下のことが明らかになった。2012年には、ほぼ全ての学校でダンスが男女必修で行われるようになっていた。ダンスの授業数が倍増し、女性教員だけでなく男性教員もダンスの指導を担当するようになった。70%のクラスが男女別習で計画され、70%の男子クラスは男性教員が担当していた。しかし、多くの男性教員はダンスの実技経験も指導経験もなかったため、非常に困惑し、ダンスの授業は混乱した。生徒が興味を持っているという理由から、70%以上のクラスで“現代的なリズムのダンス”が採択されていた。しかし、その学習内容についてしばしば誤った解釈がなされており、授業の質の低下が危惧された。 以上の結果から、教員の指導力養成と“現代的なリズムのダンス”の教材研究が課題であることが示唆された。
著者
中村 葵 村田 伸 飯田 康平 井内 敏揮 鈴木 景太 中島 彩 中嶋 大喜 白岩 加代子 安彦 鉄平 阿波 邦彦 窓場 勝之 堀江 淳
出版者
日本ヘルスプロモーション理学療法学会
雑誌
ヘルスプロモーション理学療法研究 (ISSN:21863741)
巻号頁・発行日
vol.6, no.1, pp.35-39, 2016-04-30 (Released:2016-07-29)
参考文献数
20
被引用文献数
1 3

本研究の目的は,歩行中のスマートフォンの操作が歩行に及ぼす影響を明らかにすることである。対象は,健常成人28名(男性16名,女性12名)とした。方法は,通常歩行と歩きスマホの2条件下にて,屋内で約20m の歩行路を歩いてもらい,そのうちの2.4mを測定区間とした。なお,測定機器には,歩行分析装置ウォークWay を用い,歩行パラメータ(歩行速度,歩幅,重複歩長,立脚時間,両脚支持時間,歩隔,足角)を比較した。その結果,歩きスマホは通常歩行に比べて,歩行速度,歩幅,重複歩長が有意に減少,立脚時間と両脚支持時間は有意に増加,歩隔は増加傾向を示した。以上のことから,歩きスマホでは,歩幅や重複歩長が短縮し,立脚時間や両脚支持時間は延長することで,歩行速度が低下することが明らかとなった。
著者
松原 優里 阿江 竜介 大矢 幸弘 穐山 浩 今井 孝成 松本 健治 福家 辰樹 青山 泰子 牧野 伸子 中村 好一 斎藤 博久
出版者
一般社団法人 日本アレルギー学会
雑誌
アレルギー (ISSN:00214884)
巻号頁・発行日
vol.67, no.6, pp.767-773, 2018 (Released:2018-07-18)
参考文献数
24

【背景・目的】日本における食物アレルギー患者数は年々増加しているが,食物アレルギー患者数の頻度分布(有病率)は,未だ明らかではない.本研究では,それらを明らかにし,新たな調査方法を検討する.【方法】政府統計等利用可能な資料を用いて,食物アレルギー患者数を推計する.【結果】乳幼児期では「自己申告」で約80万人,「医師の診断」で約30万~50万人,学齢期では「自己申告」で約60万人,「医師の診断」で約35万人と推計された.成人では,消費者庁が即時型症状の受診者数を調査しているが,対象が限定されており,患者数の推計は困難であった.【結語】乳幼児はエコチル調査に症状や診断の有無・血液検査を追加することで,年次変化を把握でき,学齢期では文部科学省の調査が有効である.成人期では大規模調査は少なく,国民健康・栄養調査や国民生活基礎調査などに付随した調査が有効である.一方で個々の情報源の抱える問題点も明らかにした.
著者
中村 和之
出版者
法政大学国際日本学研究所
雑誌
国際日本学 : 文部科学省21世紀COEプログラム採択日本発信の国際日本学の構築研究成果報告集 = International Japan studies : annual report (ISSN:18838596)
巻号頁・発行日
no.18, pp.186-168, 2021-02

Completed in 1356, the "Suwa Daimyōjin Ekotoba" is an important historical source of the medieval history of the Ainu. In this book, the Ainu were referred to by the word ʻEzoʼ. There were three groups in ʻEzoʼ : Hinomoto, Karako, and Wataritō. Among them, the ʻKarakoʼ people have been regarded as a group that lived on the west coast of northern Hokkaido. In the 13th and 14th centuries, the Mongol Empire and the Yuan Dynasty invaded Sakhalin Island. In medieval Japanese, the group name ʻKarakoʼ can be translated as ʻthe children in Chinese attire and hairstyleʼ. The meaning can be explained by the relationship between northern Hokkaido and China.According to the records of Jesuit missionaries in the early 17th century, the place called Teshio on the west coast of northern Hokkaido was a trading hub with Sakhalin Island. And one example of Okhotsk type pottery made in the southern part of Sakhalin Island was found in ruins, dated to be after the 10th century, in Nayoro city in the inland area of northern Hokkaido. It is estimated that this Okhotsk type pottery was carried to Nayoro city via the Teshio River. At the mouth of the Teshio River, there is a large archaeological site of Satsumon culture. Thus, the mouth of the Teshio River was likely a hub for trade with Sakhalin Island from the 11th to the 17th centuries. The newly found evidence indicates the name ʻKarakoʼ originated from the close relationship between Teshio and Sakhalin Island.
著者
中村 研一
出版者
北海道大学公共政策大学院
雑誌
年報 公共政策学 (ISSN:18819818)
巻号頁・発行日
vol.16, pp.23-45, 2022-03-31

Robert A. Dahl and other political scientists have pointed out that Norwegian parliamentary government is one of the most stable democracies in the world. Storting, the supreme legislature of Norway, was established at the constituent assembly at Eidsvoll in 1814. The establishment of the Norwegian constitution was the most important legacy of 1814. This essay illustrates the reasons and the process by which the 112 representatives at Eidsvoll were able to establish the parliamentary democracy in 1814. The constitutional assembly of 1814 faced extraordinary challenges such as the final stage of the Napoleonic War and turmoil in the European political order. To constitute a new political order in Norway, the Norwegian representatives needed not only authority to legitimate themselves, but also power to guarantee their newly established political regime. Unfortunately, the most important players of the Norwegian democracy were neither equipped with adequate authority nor enough power. At this critical moment of change in Norwegian politics, two foreign players stood out -- Christian Frederik and Carl Johan, who competed with each other to gain control of the Norwegian Crown. Christian Frederik, Crown Prince of Denmark-Norway had the authority over Norwegian people and could initiate to establish the constituent assembly at Eidsvoll. Carl Johan, the former French marshal named Jean Baptiste Jules Bernadotte, was elected by Swedish parliament as heir to the Swedish throne. He had shown remarkable military skills and administrative capabilities. This essay notes the two historical factors, which contributed to establish the Norwegian parliamentary democracy. First, the synergy of the liberal nationalism of Norwegian representatives alongside the ambitious initiatives of Christian Frederik, and second the compromises between the Norwegian representatives and the cautious pragmatism of Carl Johan.

4 0 0 0 OA 皇大神宮史

著者
中村徳五郎 著
出版者
弘道閣
巻号頁・発行日
1921
著者
中村 和彦
出版者
日本グループ・ダイナミックス学会
雑誌
実験社会心理学研究 (ISSN:03877973)
巻号頁・発行日
vol.52, no.2, pp.137-151, 2013 (Released:2013-03-09)
参考文献数
26

本研究の目的は,ラボラトリー方式の体験学習を用いた授業が大学生の対人的傾向やソーシャルスキルに及ぼす効果について,不等価統制群事前事後テストデザインによって検証することであった。加えて,体験学習のEIAHE'モデルに基づく「体験から学ぶ力」の個人差が,ラボラトリー方式の体験学習の効果に影響するかどうかについて検証することも目的とした。大学1年次の春学期にラボラトリー方式の体験学習を用いた授業を受講した対象者を実施群,同学年同学科で受講しなかった対象者を統制群とし,授業開始時期の4月と授業終了時期の7月に,対人的傾向やソーシャルスキル尺度,「体験から学ぶ力」評定尺度への回答を求めた。その結果,統制群に比べて実施群の対象者は,「自己発見動機」得点が有意に上昇することが明らかになり,ラボラトリー方式の体験学習は自己への気づきに対する動機づけを高めることが示された。また,実施群において「体験から学ぶ力」の自己評定が高い群は低い群に比べて,「ソーシャルスキル」合計得点とその下位尺度である「問題解決スキル」,「コミュニケーション・スキル」の得点が有意に上昇することが明らかになった。
著者
中村 三春
出版者
日本文学協会
雑誌
日本文学 (ISSN:03869903)
巻号頁・発行日
vol.39, no.11, pp.21-30, 1990-11-10 (Released:2017-08-01)

有島武郎の童話「一房の葡萄」は、従来主人公を成長に導いた先生の「愛の力」に重点を置いた読み方が通説となってきた。しかしテクストの語りの構造に即して見直せば、この物語の真の主役は学校空間そのものなのである。有島が示唆していた<他者>としてのこどもの措定、それは近代の天皇制が巧みに利用した学校教育という制度自体を根底から相対化する作業である。天皇制の柔構造もそこに新たな解明の端緒を見出しうるであろう。
著者
仙石 泰雄 中村 和照 緒形 ひとみ 吉岡 利貢 渡部 厚一 鍋倉 賢治 徳山 薫平
出版者
一般社団法人日本体力医学会
雑誌
体力科学 (ISSN:0039906X)
巻号頁・発行日
vol.57, no.2, pp.285-294, 2008-04-01 (Released:2008-08-13)
参考文献数
24
被引用文献数
2 2

The present study was conducted to obtain basic information about blood glucose fluctuation and relation with race performance during 100 km marathon. Subcutaneous glucose of one well-trained runner was measured by continuous glucose monitoring system (CGMS) at 5 min interval and blood samples for biochemical analysis were drawn at pre, middle and post of the race. Energy balance during one week prior to the 100 km race was recorded, and the whole energy and fluid intake during the race was analyzed. Blood glucose fluctuated reflecting duration of exercise and energy supply during the race. During the latter part of the race (65–70 km), abrupt declines in blood glucose level, which reflected insufficient carbohydrate intake before the race (119 g), were accompanied by decrease in running speed. The present report suggests that continuous glucose monitoring supplemented with standard nutritional and physiological measurement provides precise and valuable information on runner’s energy state during the ultra-endurance race, and that athletes need to reassess their preparation for the race and planning of energy intake during the race.
著者
中村 大輝 佐久間 直也
出版者
一般社団法人 日本理科教育学会
雑誌
理科教育学研究 (ISSN:13452614)
巻号頁・発行日
vol.63, no.2, pp.357-371, 2022-11-30 (Released:2022-11-30)
参考文献数
49

本研究では,仮説設定の思考過程に関する先行研究に基づき,仮説設定を「変数の同定」と「因果関係の検討」に分割した段階的指導法を開発した。変数の同定の段階では,一部の条件(変数)が異なる複数事象の比較を通して事象に関連する複数の変数を見出させるとともに,見出した変数を学級内で共有する。因果関係の検討の段階では,変数間の因果関係を場合分けして整理した上で,自身の仮説を文章化させる。このような指導法の効果を明らかにすることを目的として,中学校第2学年「電流とその利用」の単元で2回の継続的な指導実践を行った。その結果,複数事象の比較を通した仮説設定の段階的指導法は,学習者の仮説設定の質を向上させることが支持された。
著者
中村修也
出版者
文教大学
雑誌
教育研究所紀要 = Bulletin of Institute of Educational Research (ISSN:09189122)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.17-26, 1996-11-01

現代社会において、漫画やアニメは一つの文化として確立している。このことを踏まえた上でも、「セーラームーン」は幼児教育にとって害をなすものである。それはセーラームーンが、GNPを高めた金満国家の中年趣味をベースに作成されたものであり、それを商業ターゲットとした幼児に企業を始めとする大人が与えたものだからである。
著者
前田 恭佑 土方 嘉徳 中村 聡史
雑誌
第8回Webとデータベースに関するフォーラム論文集
巻号頁・発行日
vol.2015, pp.32-39, 2015-11-17

Amazon.com や楽天市場のようなショッピングサイトでは,商品やコンテンツ (以降,アイテム) に対してレビューを簡単に作成・閲覧することができる.小説や映画などのストーリーを持ったアイテムに対するレビューには,レビュアの感想や意見が存在する一方で,そのアイテムのストーリーに関する記述が存在する.その記述の中には,実際にアイテムを見た時の楽しみや感動が減ってしまう記述(本稿では 「ネタバレ」 と呼ぶ) が含まれる場合があり,問題である. 本研究では,ネタバレがストーリーの進行における位置づけと関係があるのではないかという仮定のもとでネタバレの検出を行う.しかし,記述内容がストーリーの進行においてどの位置に対応するのかはレビュー文書単体からでは把握できない.これに対処するために,本研究では,レビュー文書とは別にアイテムのストーリーを記録した文書 (以降,ストーリー文書) も用いる.本研究では,まずネタバレとストーリーの進行における位置づけとの関係を知るために,ストーリー文書内のネタバレに関する記述について調査を行う.調査で得られた結果を基に,実際のレビュー文書からネタバレの可能性について考察する.