著者
久保田 信 斎藤 伸輔
出版者
黒潮生物研究財団
雑誌
Kuroshio Biosphere (ISSN:13492705)
巻号頁・発行日
no.9, pp.27-30, 2013-03

Many mature medusan individuals of Moerisia horii (Uchida and Uchida 1929) were collected from Oarai, Ibaraki Prefecture, Japan in November, 2012. Their morphology including nematocysts and GFP pattern were examined in large medusae among them. They are much different in every trait from the largest medusa so far been recorded from Enoshima, Kanagawa Prefecture, Japan, and considered as a giant medusa grown up in the sea like a migratory salmon.
著者
久保島 吉貴 外崎 真理雄 橋田 光 田端 雅進
出版者
日本森林学会
雑誌
日本森林学会大会発表データベース 第124回日本森林学会大会
巻号頁・発行日
pp.184, 2013 (Released:2013-08-20)

ウルシ材は耐湿・耐水性に優れるため水桶や馬桶などに用いられ,材が軽いことから網浮木として用いられてきた。また材色を活かして寄木細工にも使用されている。しかし材の特性は一部の地域産材に関しては得られているものの十分な知見が得られているとは言えない。現状では伐採後に放置されている樹液採取後のウルシ材の利用し新たな産業の創出や漆産業の維持・拡大につなげて行くには,材の特性を解明し,特性を活かした利用法を開発する必要がある。そこでウルシ材の主に物理的,力学的な物性を検討した。その結果,静的曲げヤング率,静的曲げ強度および衝撃曲げ吸収エネルギーは小さいものはスギと同程度で大きいものはカラマツおよびアカマツと同程度であり,密度と有意な相関関係が存在した。従って材の強度は密度から推定される妥当な範囲であると考えられるが,樹液採取が樹齢10-15年程度で行われるため丸太の直径が小さいことと,生産本数がスギ,ヒノキおよびカラマツなどと比較して極めて少ないことなどを考慮した用途開発が望まれる。用途としては既に開発されているものに加え産地の小中学校や体験教室などの教材にも利用出来るのではないかと考えられる。
著者
鈴木 孝司 大久保 真人
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
日本獸醫學雜誌 (ISSN:00215295)
巻号頁・発行日
vol.39, no.1, pp.59-67, 1977-02-25
被引用文献数
4

Each lung of the domestic animals, exclusive of the horse, is divided intothe cranial, middle and caudal lobes with an addition of the accessory Robe in the rightlung. This lobation is in agreement with that described by Ellenberger and Baum (1932),but not with that mentioned by Seiferle (1956).The horse has the uniform left and right lungs divided into two lobes, as mentionedby Sisson and Grossman (1954). Regardless of the external difference, the left and rightlungs of the horse have those structures which correspond to the lobar bronchi and lobarblood vessels present in the lungs of the other domestic animals. There are, however, thefollowing differences: (l) The cranial and middle lobar bronchi in both lungs of the horseconstitute a common trunk, as is formed in the left lung of the other domestic animals,and (2) the caudal pulmonary vein in the right lung which is an unbranched vein in theother domestic animals is composed of cranial and caudal branches that enter the leftatrium.From a comparative anatomical point of view there are no fundamental differences inlobar bronchi and blood vessels between the unlobated lung of the horse and the lobatedlung of the other domestic animals.
著者
山本 雅史 久保 達也 冨永 茂人
出版者
園藝學會
雑誌
園芸学会雑誌 (ISSN:00137626)
巻号頁・発行日
vol.74, no.6, pp.476-478, 2005-11-15
参考文献数
12
被引用文献数
2

わが国における主要中晩生および香酸カンキツ染色体のクロモマイシンA_3(CMA)染色を行った.染色体はCMA(+)バンドの有無および位置から5種類に区分できた.すなわち, CMA(+)をA: 両端および動原体近傍に有する, B: 一方の端部と動原体近傍に有する, C: 両端に有する, D: 一方の端部に有する, E: CMA(+)がない, である.各種はこれらのうち4, 5種類の染色体を有し, 独自のCMAバンドパターンを示した.ハッサクでは1A+1C+8D+8E, ヒュウガナツでは2A+2C+5D+9E, '川野なつだいだい'では1A+2C+7D+8E, '宮内伊予柑'では1A+1B+1C+8D+7E, タンカン'垂水1号'では1A+1B+1C+8D+7E, カボスでは3B+2C+5D+8E, スダチでは1B+2C+9D+6Eおよびユズ'山根'では2B+1C+11D+4Eであった.以上の結果, 本研究においても近縁の種間では似通ったCMAバンドパターンが観察された.
著者
下久保 弘樹 北 栄輔
雑誌
研究報告数理モデル化と問題解決(MPS)
巻号頁・発行日
vol.2014-MPS-101, no.11, pp.1-2, 2014-12-02

本研究では Kinect センサーを用いて歩行動作から個人認証を行う方法について述べる.提案手法では,Kinect センサーを用いて人体の身体特徴量,人体歩行時の関節の角度,座標の変位などを取得して特徴量とする.サポートベクタマシンとニューラルネットワークを用いて,これらの特徴量から個人認証するアルゴリズムを定義する.解析例では,被験者 10 人に対して個人認証実験を行った結果,平均適合率はサポートベクタマシンで 99.0%,ニューラルネットワークで 99.8%となった.
著者
冨田 祐司 宮野 佐年 渡辺 修 大橋 正洋 片桐 伯真 久保 義郎
出版者
The Japanese Association of Rehabilitation Medicine
雑誌
リハビリテーション医学 (ISSN:0034351X)
巻号頁・発行日
vol.36, no.9, pp.593-598, 1999-09-18 (Released:2009-09-04)
参考文献数
21
被引用文献数
3 4

脳外傷患者の社会復帰を検討する際の指標としてのWAIS-Rの有用性について検討した.対象は, 55歳以下, 実用的な屋外歩行が可能で, 失語症がない重症脳外傷患者60例である.社会復帰状況を, 就労群と福祉的就労を含む非就労群に分け, 各知能指数と11の下位検査について検討した.就労群で言語性知能指数 (VIQ) 90.4±14.6, 動作性知能指数 (PIQ) 80.5±14.2, 非就労群でVIQ82.3±14.2, PIQ62.3±13.0で, 非就労群のPIQの低下が顕著であった.判別分析を行うと, PIQとその下位検査の絵画配列と符号が両群の判別に有用であった.これらは社会的能力をよく反映し, 重症脳外傷患者の社会復帰を知的側面から検討する場合, 有用な指標になる.
著者
大久保 伸子
出版者
日本フランス語学会
雑誌
フランス語学研究 (ISSN:02868601)
巻号頁・発行日
vol.36, no.1, pp.14-29, 2002-06-01 (Released:2017-09-11)

L'objectif de cet article est de réexaminer l'imparfait de rupture. On lui attribue généralement trois caractéristiques: conclusion d'un récit, procès accompli et succession des procès. Les deux dernières semblent cependant incompatibles avec celles de l'imparfait canonique qui marque un procès inaccompli et la simultanéité des procès. Pour expliquer les caractéristiques de l'imparfait de rupture, nous distinguerons l'espace temporel où se situe le sujet de conscience secondaire et le moment de prise de conscience du procès. En séparant ainsi ces deux dimensions normalement confondues en un seul point référentiel: R reichenbachien, nous tenterons d'expliquer comment se produit l'effet de sens de reportage en différé et à quoi tiennent les caractéristiques contradictoires de l'imparfait de rupture.
著者
山本 勉 小久保 芙美 神野 祐太 伊波 知秋 ヤマモト ツトム コクボ フミ ジンノ ユウタ イナミ チアキ Tsutomu YAMAMOTO Fumi KOKUBO Yuta JINNO Chiaki INAMI
出版者
清泉女子大学人文科学研究所
雑誌
清泉女子大学人文科学研究所紀要 (ISSN:09109234)
巻号頁・発行日
no.35, pp.95-167, 2014

東京都荒川区の社会福祉法人上宮会所蔵聖徳太子像は、像内銘により、文永七年(一二七〇)に仏師尭慶が製作したことの知られる鎌倉時代後期の規準作品である。本稿では、二〇一三年五月に大学院思想文化専攻開講科目「美術史学演習Ⅲ」における演習の一環で実施した調査の概要を、「伝来」「像の概要」「銘記および納入品」の三章に分けて報告し、さらに日本彫刻史上の意義や周辺の問題についても、「聖徳太子造像における位置」「形式と表現」「仏師尭慶について」の三章に分けて論述する。この像は、聖徳太子像の典型的形式のひとつである孝養太子像の初期作例として貴重である。銘記によれば不退寺(現在も奈良市に所在する不退寺にあたる可能性がつよい)の像として造られたもので、さらに十六歳の肖像であると明記し、その形式の原型となった像の存在が暗示されることも注目される。また、形式や表現の点で奈良・元興寺の善春作聖徳太子像と共通する点が多く、作者尭慶はその他の事績をふくめても、鎌倉中・後期の奈良で活躍した善派仏師と関係が深いこと、などが明らかになった。末尾には、近代以降のこの像の伝来に関する文献を関連史料として付載した。 The statue of Shotoku Taishi owned by the Jyogu Hospital Social Welfare Group (Jyogu Kai), Arakawa-ku, Tokyo is a standard work in the late Kamakura Period, known to be created by Busshi (sculptor of Buddhist statues) Gyokei in 1270 from the inscription in the statue. This paper reports an outline of an investigation conducted as a part of a seminar in "Art History Seminar III", a course offered by the Department of Cultural History, Graduate School in May, 2013, in three chapters; "History", "Outline of the Statue", and "Inscription and Items inside the Statue" and discusses its meaning in Japanese sculpture history and peripheral issues in three chapters; "Position in Creation of Shotoku Taishi Statues", "Style and Expression", and "Busshi Gyokei". This statue is valuable as an example of the early stage of statues of Kyoyo Taishi (considered to be a style of praying, being concerned about the condition of his father), which is one of typical styles of statues of Shotoku Taishi. According to the inscription, this statue was made for Futai-ji temple (this temple is likely to be Futai-ji still located in Nara city) and is clearly described as an image at 16 years old, and the suggestion of presence of a statue used as a model of the style attracts attention. The statue has many points in common regarding style and expression with the statue of Shotoku Taishi made by Zenshun in Gango-ji temple in Nara, and it was found out that Gyokei had a close relationship with the Zen-pa School Busshi who were active in Nara in the middle to late Kamakura period also in terms of other achievements. Materials relating to the history of this statue in the modern period and after are attached to the end of the paper.
著者
久保 章 川本 勝 福島 恒男 石黒 直樹 仲野 明 杉田 昭 山崎 安信 土屋 周二 鴻丸 裕一
出版者
The Japan Society of Coloproctology
雑誌
日本大腸肛門病学会雑誌 (ISSN:00471801)
巻号頁・発行日
vol.38, no.2, pp.123-128, 1985 (Released:2009-06-05)
参考文献数
9

潰瘍性大腸炎症例の便中細菌叢を,経時的に検索し,それぞれの病期の推移によりどのような変化を来たすか比較検討した.本症患者14例について,延べ36回便を採取し嫌気性培養を施行し細菌叢を検索した.本症では,罹患範囲にかかわらず緩解期から活動期またはその反対の経過を追って調べると,便中総菌数と嫌気性菌数がほぼ例外なく活動期に著明に減少し,各菌群の中では,BacteroidaceaeとEubacteriumが同様の変動を示した、本症の活動期においてこのような変化を来たす原因として,第1に炎症性変化が強い為,粘膜の恒常性が保たれないこと,第2に腸通過時間の変化により腸管内環境が変化すること,第3に何らかの機序により大腸内の酸素張力の増加,酸化・還元電位の増加がおこっていること,などが考えられた.索引用語:潰瘍性大腸炎,便中細菌叢,嫌気性菌
著者
大久保 正
出版者
一般社団法人日本医療薬学会
雑誌
医療薬学 (ISSN:1346342X)
巻号頁・発行日
vol.31, no.2, pp.121-124, 2005-02-10 (Released:2011-03-04)
参考文献数
10
被引用文献数
3 3

Using high performance liquid chromatography (HPLC), the author determined the content of nicardipine degradation product (L-1) in brand-name and generic-name nicardipine injection products. The mobile phase consisted of 0.25 % KH2PO4 (pH 6.5) -CH3OH (25 : 75, v/v) and the detection wavelength was set at 254 nmUV. A separate peak for L-1 was identified by using reference standard compounds. Several products of nicardipine injection on the Japanese market were analysed and the L-1 contents varied among them. Through this study, we found that there were differences in quality between the brand-name and generic nicardipine injection products, and that there were also differences in quality among the individual generic products.
著者
江口 壽彦 大久保 敬 藤枝 國光 上本 俊平
出版者
THE JAPANESE SOCIETY FOR HORTICULTURAL SCIENCE
雑誌
園芸学会雑誌 (ISSN:00137626)
巻号頁・発行日
vol.59, no.4, pp.803-814, 1991 (Released:2007-07-05)
参考文献数
15
被引用文献数
2

Camellia japonica L. 種内における亜種•変種の遺伝的相違を計るために分布全域にわたる12地区について8種類の酵素系のアイソザイム分析を行った.全12地区間における遺伝的同一性の平均は0.77で, 他の他家受粉植物の種内における値に比較すると低かった. これは ssp. rusticana が ssp. japonica とは非常に異なる遺伝的変異を有するためと考えられる. 一方, japonica に属する var. hozanensis と var. japonica の間にはわずかな違いしか認められず, 電気泳動的特徴から var. hozanensis は var. japonica からの派生型に当たると推察された. 他のツバキ属植物との比較から次の二つの可能性が示唆された. 1). ssp. rusticana はvar. hozanensis および var. japonica より非常に早い時期に生じた. 2). var. hozanensis および var. japonicaはカメリア節と他節との浸透交雑によって生じた.
著者
小沢 久美子 坂本 弘子 市川 裕美子 下川原 久子 久保 宣子 工藤 美恵子 木立 るり子 五十嵐 世津子 坂本 保子 木村 緑 田口 千尋 一戸 とも子 木村 千代子 笹竹 ひかる
出版者
一般社団法人 日本看護研究学会
雑誌
日本看護研究学会雑誌 (ISSN:21883599)
巻号頁・発行日
vol.41, no.1, pp.1_37-1_46, 2018

目的:看護学生のSNSの利用状況とITリテラシー教育経験および道徳的感受性との関連を明らかにすることを目的とした。<br>方法:A県内における看護師養成機関10校の在学生を対象に,質問紙調査を行った。質問内容は,基本属性,SNS利用の実際,ITリテラシー教育の経験,改訂道徳的感受性質問紙日本語版とした。<br>結果:92.8%がSNSを利用し,82.3%がほぼ毎日利用し,90.0%がLINEを利用し,クラスメイトとの連絡手段に多く利用していた。SNSへの問題認識は42.5%で,ITリテラシー教育経験,SNSの被害経験と関連があった。<br>結論:ITリテラシー教育は情報モラル教育告示後のSNSの使い方への影響が示唆された。道徳的感受性は,看護教育課程別に差が認められたが,教育背景や経験,生活環境によるのかの判断はむずかしく,また,SNSの使い方との関連も明確にならなかった。
著者
大久保 孝義
出版者
一般社団法人 日本脳卒中学会
雑誌
脳卒中 (ISSN:09120726)
巻号頁・発行日
vol.30, no.6, pp.829-833, 2008 (Released:2009-01-13)
参考文献数
8
被引用文献数
3 1

Out-of-office blood pressure (BP) monitoring, i.e., ambulatory and home blood BP monitoring, has better predict power of stroke than dose conventional BP. A large part of such evidence has been derived from a population-based prospective study in Japan (the Ohasama study). The Ohasama study has also revealed unique predictive power of theses monitoring. The predictive value of home BP increased progressively with the number of measurements. Even the initial-first home BP values (1 measurement) showed a significantly greater relation with stroke risk than conventional BP values (mean of 2 measurements). Home BP increased the predictive power of categorizations of guidelines compared to conventional BP. A disturbed nocturnal decline in BP determined by ambulatory BP is associated with cerebral infarction, whereas a large morning surge is associated with cerebral hemorrhage. Morning home hypertension, which is characterized specifically high home BP only in the morning might be a good predictor of stroke, particularly among individuals using anti-hypertensive medication. Since the Japan Home versus Office BP Measurement Evaluation (J-HOME) study demonstrated a poorly controlled condition of morning home BP in treated hypertensive patients, more aggressive treatment targeting morning home BP would be necessary to better prevent future stroke.
著者
古屋 智規 高橋 賢一 橋爪 隆弘 久保田 穰 和嶋 直紀 橋本 直樹 伊藤 誠司 鈴木 行三 伊藤 良正
出版者
Japanese Society for Abdominal Emergency Medicine
雑誌
日本腹部救急医学会雑誌 (ISSN:13402242)
巻号頁・発行日
vol.23, no.1, pp.121-125, 2003

bolus造影helical CTによりIIIb型膵頭部完全断裂と診断し, 尾側膵胃吻合を行って良好な経過を得た症例を経験したので報告する. 症例は19歳, 女性. 2001年8月27日, 軽ワゴン運転中防雪棚に衝突. 上腹部をハンドルに強打し近医に搬送された. 収縮期血圧62mmHg, 腹部造影CTで外傷性膵損傷と診断されたが, 損傷程度の把握不能で翌日当科に紹介された. 腹膜刺激症状あり, 気管内挿管後にbolus造影helical CTで膵頭部の完全断裂と診断して直ちに開腹した. 膵は上腸間膜静脈~門脈本幹右縁で完全断裂していた. 頭側主膵管は縫合閉鎖し, 尾側膵断端は主膵管にカニュレーションし, 端側で胃後壁に吻合した. 術後経過良好で術後49日で退院し, 術後膵機能に問題なく, 現在元気に社会復帰している. bolus造影helical CTが外傷性膵損傷の損傷部位と程度の把握に有用で, III型膵頭部完全断裂と診断された場合, 尾側膵胃吻合は, 手技が単純でかつ機能温存の面からも極めて有用な術式と考えられた.