著者
杉山 均 今井 太一 覺幸 知輝 岡垣 百合亜 加藤 直人
出版者
公益社団法人 自動車技術会
雑誌
自動車技術会論文集 (ISSN:02878321)
巻号頁・発行日
vol.41, no.5, pp.1119-1125, 2010 (Released:2010-11-30)
参考文献数
21
被引用文献数
1

曲がり管路入口上流部に微小突起リブを内壁側に設けると圧力損失の低減につながることが,実験より報告され,同時に曲がり管路下流部における平均速度の計測結果も報告された.この乱流場を対象に非等方性乱流モデルにより平均速度を予測し本解析手法の妥当性を示すとともに,圧力損失低減を確認しその低減メカニズムを提案した.
著者
篠原 大侑 岡田 岬 久島 達也 今井 賢治
出版者
公益社団法人 全日本鍼灸学会
雑誌
全日本鍼灸学会雑誌 (ISSN:02859955)
巻号頁・発行日
vol.69, no.4, pp.266-272, 2019 (Released:2020-07-13)
参考文献数
16

【目的】今回、 膝痛および頚肩部痛を訴え、 さらに様々な不定愁訴を示す患者に対して鍼治療を行った。 胃膨満感と胃痛を中心とした消化器症状を強く訴えるようになったため、 胃電図による病態の把握と治療効果の確認を行ったところ、 治療後に症状の軽減とともに胃電図の正常波成分の増加を認めたため報告する。 【症例】73歳の女性。 身長は148.0cm。 体重は51.0kg。 初診時の愁訴は膝痛および頚肩部痛、 不安感であった。 24診目に胃膨満感および胃痛が第一愁訴となり、 全般的消化器症状評価 (Gastrointestinal Symptom Rating Scale; GSRS) は、 36点であった。 胃電図の計測は、 治療前後で各15分間行った。 鍼治療は30診目より左右の足三里 (ST36)、 豊隆 (ST40) に置鍼10分を行った。 【結果】鍼治療後の胃電図の正常波形を占める割合が71%と大きく増加しており、 power spectrumは明らかな安定とpowerの増大を伴っていた。 GSRSを確認したところ点数の減少を認め、 症状の改善を得た。 【考察】今回、 鍼治療により胃電図の正常波成分のpowerが増大した。 これは胃運動の亢進を意味しており、 いわゆる体性-内臓反射による迷走神経の興奮から、 胃電図の変化が得られたと考えられる。 さらに、 この胃電図の所見を患者に説明したところ、 安心を得て、 臨床症状の改善と治療継続のモチベーション向上に繋がった症例であった。 【結語】胃膨満感および胃痛を訴える患者に対して鍼治療を行ったところ、 胃電図の正常波成分のpowerが増大し、 さらに臨床症状の改善が得られた。
著者
今井 泉 宮本 一弘 高見 聡
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会年会論文集 45 (ISSN:21863628)
巻号頁・発行日
pp.185-186, 2021 (Released:2021-12-20)
参考文献数
6

中等化学教育,とりわけ学問体系の視点から我が国の過去の総合的な理科の科目について俯瞰すると,学習指導要領1977-1978年(昭和52〜53 年)改訂で登場した高等学校「理科I」の評価は高いと言える.具体的には,物理・化学・生物・地学の4領域の基礎として「エネルギー」の内容が全員必修の科目として存在したからだ.後期中等教育における必修理科科目を構築するためには学問体系の視点に加えて,日常生活との関連を重視した視点が欠かせない.そのためには,4領域を繋ぐ資質・能力育成を志向する文脈を基盤としたカリキュラムが必要となる.
著者
今井 章人 篠原 秀雄 勝田 仁之
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会年会論文集 45 (ISSN:21863628)
巻号頁・発行日
pp.177-180, 2021 (Released:2021-12-20)
参考文献数
3

高校理科の基礎科目は現在物化生地および科学と人間生活の5科目中3科目を選択必修としており,物理を学ばずに高校を卒業してしまう生徒がいる.その生徒は,学校が科目を設定していない場合,選択する余地がなく学ぶ機会すら与えられない.物化生地4分野を全て履修するため,4分野が統合した高校理科必修科目を設置することが考えられる.その場合に高校物理で何を学ばせたいのかを再検討したところ,定量化・モデル化・数値化・一貫性を大切にしていることを再確認した.その上で,運動方程式・エネルギー・波動・熱などの具体的な内容に関して検討した.また,総合理科や基礎理科など具体的な高校理科必修科目を設置した場合,物理教員の視点でのメリット・デメリットを検討した.さらに,STEAM教育の観点からみた物理についても報告する.
著者
山崎 小百合 今井 優樹 的場 拓磨 志馬 寛明 浦木 隆太
出版者
名古屋市立大学
雑誌
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))
巻号頁・発行日
2019-10-07

自己免疫疾患は超高齢化社会の日本と世界の先進国で増加している。自己免疫疾患の発症や増悪は病巣感染で誘因されることが知られている。高齢者でも安心に使用できる治療法の開発のため、詳細な機序の解明が急務である。これまでの研究成果を発展させて超高齢化社会で問題となる病巣感染の病態メカニズムに迫り、高齢者でも安心な合併症の少ない治療法の開発への貢献を目指す。
著者
榎本 光信 今井 忍 八木 洋 上松瀬 勝男
出版者
Japanese Heart Rhythm Society
雑誌
心電図 (ISSN:02851660)
巻号頁・発行日
vol.23, no.6, pp.587-595, 2003-11-25 (Released:2010-09-09)
参考文献数
28
被引用文献数
2 1

【目的】洞不全症候群 (SSS) に対して陽性変時作用を有するシロスタゾールが, SSSにおける工過性高度心房停止を抑制しうるかを検討した.【方法, 結果】対象はSSS23例.シロスタゾールを3カ月間内服前後でホルター心電図検査を施行した.20/23例で内服後2.5秒以上の心停止は消失し, 症状は改善した上有効20例の内服前の最大心房停止間隔 (max.PP) は3.4±1.3秒であった.心停止が残存した無効3例では内服前のmax.PPはいずれも6秒以上と高度に延長しており, 内服後も効果が不十分のためペースメーカ植込み術を施行した.内服前に施行した心臓電気生理検査では, 心房頻回刺激により全例洞房ブロックを認め, 4.2±3.4個の孤立性洞結節電位を伴い洞結節回復時間 (SRTi) は5, 518±3, 808msecと延長した.シロスタゾール有効例では内服3カ月後, 心房頻回刺激により洞房ブロックは改善しSRTiは1, 765±550msecと短縮した.【結語】シロスタゾールは洞房伝導を改善し, SSSにおける工過性心房停止の抑制効果を認めた.
著者
村井 政史 伊林 由美子 八重樫 稔 今井 純生 大塚 吉則 本間 行彦
出版者
一般社団法人 日本東洋医学会
雑誌
日本東洋医学雑誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.64, no.1, pp.41-44, 2013 (Released:2013-07-20)
参考文献数
22

ホットフラッシュに陰証の方剤が奏効した1例を報告する。症例は56歳の女性で,閉経後に顔面のほてりと発汗を認めるようになった。加味逍遙散と苓桂朮甘湯で治療を開始したところ,ホットフラッシュはやや改善したが,疲れた時に増悪した。そこで証を再考し,陰証で虚証と考え小腹不仁が著明であったため,八味丸に転方したところホットフラッシュはほとんど出現しなくなった。しかし疲れやすく,疲れた時にホットフラッシュが増悪したため,心下痞鞕を目標に人参湯を併用したところ,疲れにくくなりホットフラッシュは出現しなくなった。ホットフラッシュには陽証の方剤が有効な場合が多いが,病態に応じて陰証の方剤も考慮すべきと思われた。
著者
今井 悠
出版者
日本甲殻類学会
雑誌
CANCER (ISSN:09181989)
巻号頁・発行日
vol.32, pp.61-62, 2023-08-01 (Released:2023-09-06)
著者
福本 誠 今村 佑介 井上 誠 今井 順一
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本知能情報ファジィ学会 ファジィ システム シンポジウム 講演論文集 第27回ファジィシステムシンポジウム
巻号頁・発行日
pp.227, 2011 (Released:2012-02-15)

我々は先行研究において,進化計算の一つである差分進化アルゴリズムをもとに,対比較を続けることでユーザの好みや感性に適した香りを生成する技術を提案した.ユーザの評価方法としては,二台の香り発生器アロマジュールから提示される二種類の香りを嗅いで比較してもらい,好みの方を選択してもらうという単純な対比較を用いる.本研究では,この手法の収束効率や解探索を改善する手法を提案する.改善点として,効率の良いアルゴリズムの利用,粒度の粗い探索,を施した.実験を通じ,収束効率が高まることを示した.ただし,主観評価については一部の結果でよい結果が得られたものの,途中で評価値が低下した.これらの結果は,有効性を十分に示したわけではないが,提案手法の可能性を示すものであった.
著者
山田 優基 今井 壱彦
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会研究会研究報告 (ISSN:18824684)
巻号頁・発行日
vol.33, no.4, pp.1-4, 2019-03-16 (Released:2019-03-13)
参考文献数
6
被引用文献数
1

本研究では『AI vs.教科書が読めない子どもたち』にて扱われている,リーディングスキルテストによって判定する基礎的読解力の1分野である「イメージ同定」に焦点を当てている.筆者らは「文章や図形やグラフを比べて,内容が一致しているかどうかを認識する能力」という「イメージ同定」の定義と,例題を基に,「イメージ同定」を測定する問題に必要な4つの要素を挙げている.本稿では,全国学力・学習状況調査とTIMSS調査の問題を参考にして,「リサイクル問題」と「ぬりつぶし問題」の提案をおこなう.参考にした全国学力・学習状況調査とTIMSS調査の問題の趣旨を述べた後,「リサイクル問題」と「ぬりつぶし問題」のリーディングスキルテストとして出題する趣旨,「イメージ同定」を測定する問題に必要な4つの要素を満たしていること,および選択肢を確認する.また,「リサイクル問題」と「ぬりつぶし問題」において想定される誤答を記述する.
著者
今井 重孝
出版者
一般社団法人 日本教育学会
雑誌
教育学研究 (ISSN:03873161)
巻号頁・発行日
vol.58, no.2, pp.152-155, 1991-06-30 (Released:2009-01-13)
参考文献数
8
著者
今井 猛嘉
出版者
公益財団法人 国際交通安全学会
雑誌
IATSS Review(国際交通安全学会誌) (ISSN:03861104)
巻号頁・発行日
vol.47, no.3, pp.173-179, 2023-02-28 (Released:2023-02-28)
参考文献数
9

日本の道路交通法(道交法)は、令和4年4月27日法律第32号により一部改正され、自動運転の、いわゆるレベル4が許可されるに至った。そこでは、運転者がいない「運行」が特定自動運行として整理され、自動運行装置による自律的な運行の実施を、特定自動運行実施者(および特定自動運行主任者と現場措置業務実施者)が監視する制度が創設された。特定自動運行も、概念的には「運転」に含まれるから、誰が運転者であるのかが確認されるべきだが、日本では、この点への関心は乏しく、特定自動運行の妥当範囲という具体的な課題に議論が集中しつつある。特定自動運行が、高速道路上のトラックの隊列走行や、公道で個人等が乗り込む自動車の運行にも認められるのかが、今後の検討課題である。
著者
小瀬良 開光 今井 哲朗 北尾 光司郎 須山 聡
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 B (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.J106-B, no.9, pp.618-627, 2023-09-01

現在,伝搬損失推定のためのDCNN(Deep Convolutional Neural Network)モデルが検討されている.本モデルは都市構造から伝搬損失に関連する特徴量を自動抽出することで伝搬損失を推定することから,高精度かつ汎用性の高い推定モデルとして期待されている.しかし,その性能は十分に明らかになっていない.本論文では,BS距離マップ(基地局からの距離を要素とするマップ),MS距離マップ(移動局からの距離を要素とするマップ),建物高マップ(建物高を要素とするマップ)の入力に対して,BS距離マップと建物高マップがそれぞれ伝搬損失の距離特性と場所依存特性に大きく寄与していることを明らかにする.また,Grad-CAM(Gradient-weighted Class Activation Mapping)による解析により,DCNNモデルが移動局周辺の“低層建物及び建物の存在しない空間の分布”を伝搬損失推定の判断根拠にしていることを明らかにする.
著者
宇仁 義和 岡部 孝大 今井 康貴
出版者
日本セトロジー研究会
雑誌
日本セトロジー研究 (ISSN:18813445)
巻号頁・発行日
vol.24, pp.23-25, 2014 (Released:2019-12-04)

2013年7月5日、知床半島西側の岸近くでセミクジラが観察された(北緯44度15分、東経145度12分)。これは1968年サハリン島南沖で日本が調査捕獲して以来、初めてとなるオホーツク海南部での確実な観察記録である。
著者
木村 大介 塩津 裕康 備前 宏紀 今井 あい子 冨山 直輝
出版者
一般社団法人 日本作業療法士協会
雑誌
作業療法 (ISSN:02894920)
巻号頁・発行日
vol.42, no.4, pp.491-500, 2023-08-15 (Released:2023-08-15)
参考文献数
27

本研究では,16名のアルツハイマー型認知症高齢者の心理的ウェルビーイングが高値傾向および低値傾向を示した場合の行動パターンと,その特徴を示すことを目的とした.分析では,心理的ウェルビーイングの中央値で対象者を高値傾向群と低値傾向群に分類,各群の対象者に装着したウェアラブル型センサーで収集した位置情報にグラフ理論に基づくネットワーク解析を実施し,行動パターンを可視化,加えて各群のクラスタリング係数を算出した.その結果,心理的ウェルビーイングが高い傾向にある者は「ハブ」となる行動の中心が存在していることが特徴であり,心理的ウェルビーイングが低い傾向にある者は行動の中心がないことが特徴と考えられた.