著者
笠原 義正 伊藤 健 沼澤 聡明 和田 章伸
出版者
[日本食品衛生学会]
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.54, no.5, pp.364-369, 2013
被引用文献数
5

野生のトリカブトの葉や根などに含まれている4種のアコニチン類(AC類)をLC-MS/MSを用いて一斉定量した.また,マウスに対する毒性とAC類の定量値との関係を検討した.野生のトリカブトの葉,根,花弁,蜜腺に含まれるAC類を定量した結果,おのおの5.9,928.1,46.1,69.8 μg/gで,根の次に蜜腺の含有率が高かった.また,市販のはちみつを検査したが,AC類が検出されたものはなかった.トリカブトの根エキスのマウス毒性とAC類の定量結果は良い一致を示した.また,AC類が検出されなかったウゼントリカブトにマウス毒性は観察されなかった.4種のAC類の加熱による変化では,0.5分間ゆでた葉のAC類含有量は31.6%に減少し,そのゆで汁に54.5%移行した.また,メサコニチンを加熱してベンゾイルメサコニンに変化することが確認されたので,これが検出されてもトリカブト属植物による中毒が示唆できることが分かった.
著者
前田 規秀 伊藤 健吾 田所 匡典 加藤 隆司 渡辺 一功 根来 民子 麻生 幸三郎 羽賀 淑子 鬼頭 正夫 Shylaja Nuguri 大木 隆史 佐久間 貞行
出版者
一般社団法人 日本てんかん学会
雑誌
てんかん研究 (ISSN:09120890)
巻号頁・発行日
vol.10, no.3, pp.224-232, 1992

小児期発症の局在関連性難治てんかん患者24例 (側頭葉てんかん12例, 後頭葉てんかん6例, 前頭葉てんかん6例) にMRI, SPECT, PETを施行し, その病態について検討した。全体では, MRIでは14例, SPECTでは15例, PETでは20例で大脳皮質に局在する異常を認めた。側頭葉てんかん12例では, MRIで10例に側頭葉に異常を認め, 5例は側頭葉内側硬化が, 他の5例では側頭葉内側硬化以外の病変が疑われた。SPECTでは9例で, PETでは11例で側頭葉に異常を認めた。後頭葉てんかん6例では, MRIでは4例で, SPECTでは5例で後頭葉に異常を認めた。PETでは6例全例で後頭葉に異常を認め, 視覚発作を伴う4例で1次視覚中枢の異常を認めた。前頭葉てんかん6例では, MRI, SPECTでは全例異常を認めなかったが, PETでは3例で局在する異常を認め発作焦点と考えられた。PETは焦点部位の検出に極めて有用であった。
著者
熊谷 崇宏 伊藤 健 西川 滉大 伊東 淳一 山根 和貴 山田 伸明 名和 政道
出版者
一般社団法人 電気学会
雑誌
電気学会論文誌D(産業応用部門誌) (ISSN:09136339)
巻号頁・発行日
vol.141, no.4, pp.313-323, 2021-04-01 (Released:2021-04-01)
参考文献数
41
被引用文献数
2

This study proposes a reduction method for iron loss in stator core using the optimum pulse pattern for a high-speed interior-permanent-magnet-synchronous-motor (IPMSM). In this paper, a simple evaluation function for iron loss of stator core in a pulse-width-modulation (PWM) drive is introduced. In particular, the iron loss in stator core is approximately estimated from the flux level obtained from the integral of the line-to-line voltage of the PWM drive. In addition, the pulse pattern is optimized to reduce the iron loss in stator core based on the introduced evaluation function. To validate the evaluation function, the correlation coefficient between the evaluation value and the measured iron loss is calculated in 12 random pulse patterns applied to the inductor and IPMSM. As a result, the correlation coefficients are 0.991 and 0.982 in the inductor and IPMSM, respectively. In addition, the iron loss of the IPMSM with the optimum pulse pattern is reduced by 8.5% and 3.7% in comparison with a carry-asynchronous PWM and carry-synchronous PWM, respectively.
著者
近藤 美麻 伊藤 健吾 千家 正照
出版者
公益社団法人 農業農村工学会
雑誌
農業農村工学会論文集 (ISSN:18822789)
巻号頁・発行日
vol.81, no.5, pp.395-402, 2013-10-25 (Released:2014-10-25)
参考文献数
27

新規に造成されたビオトープ池への魚類の移動に伴うイシガイの定着と再生産に着目し,それに寄与した宿主魚種を検討した.イシガイの宿主として適性をもつ魚種を明らかにするために行なった寄生実験では,対象とした12魚種のうち6魚種から稚貝が得られた.そのうち寄生幼生の稚貝への変態率はオイカワおよびヨシノボリ類で高く,それぞれ95.3%と88.1%であり,他の魚種では5%に満たなかった.また,過去に行なわれたビオトープ池におけるイシガイ幼生の寄生状況およびイシガイと魚類の生息状況の調査結果より,オイカワは現地における幼生の平均寄生数と寄生率も高く,生息数も多い魚種であったことから,ビオトープ池においてはオイカワが主な宿主としてイシガイの定着と再生産に寄与したと考えた.
著者
近藤 美麻 伊藤 健吾 千家 正照
出版者
公益社団法人 農業農村工学会
雑誌
農業農村工学会論文集 (ISSN:18822789)
巻号頁・発行日
vol.79, no.2, pp.117-123, 2011-04-25 (Released:2012-04-25)
参考文献数
9

2008年5月から10月にかけて岐阜県に位置するビオトープ池と隣接排水路,その間に設置された魚道において魚類を採捕し,イシガイ類幼生の寄生状況を調査した.その結果,イシガイ類幼生の主な寄生主は,イシガイおよびトンガリササノハガイではオイカワ,ドブガイおよびマツカサガイではヌマムツであった.また,魚道において採捕した魚類のうち,ビオトープ池から排水路への降下魚と排水路からビオトープ池への遡上魚におけるイシガイ類幼生の寄生状況を比較した結果,遡上魚よりも降下魚において平均寄生数が大きく,かつ,寄生幼生の総数も多い結果となり,ビオトープ池がイシガイ類の繁殖場所としての機能を持ち,周辺水域への分布域の拡大や個体数維持に貢献していることが示唆された.
著者
江木 盛時 黒田 泰弘 山田 亨 山田 博之 山元 良 吉田 健史 吉田 悠平 吉村 旬平 四本 竜一 米倉 寛 和田 剛志 渡邉 栄三 小谷 穣治 青木 誠 浅井 英樹 安部 隆国 五十嵐 豊 井口 直也 石川 雅巳 石丸 剛 磯川 修太郎 板倉 隆太 今長谷 尚史 志馬 伸朗 井村 春樹 入野田 崇 上原 健司 生塩 典敬 梅垣 岳志 江川 裕子 榎本 有希 太田 浩平 大地 嘉史 大野 孝則 谷口 巧 大邉 寛幸 岡 和幸 岡田 信長 岡田 遥平 岡野 弘 岡本 潤 奥田 拓史 小倉 崇以 小野寺 悠 小山 雄太 鶴田 良介 貝沼 関志 加古 英介 柏浦 正広 加藤 弘美 金谷 明浩 金子 唯 金畑 圭太 狩野 謙一 河野 浩幸 菊谷 知也 土井 研人 菊地 斉 城戸 崇裕 木村 翔 小網 博之 小橋 大輔 齊木 巌 堺 正仁 坂本 彩香 佐藤 哲哉 志賀 康浩 土井 松幸 下戸 学 下山 伸哉 庄古 知久 菅原 陽 杉田 篤紀 鈴木 聡 鈴木 祐二 壽原 朋宏 其田 健司 高氏 修平 中田 孝明 高島 光平 高橋 生 高橋 洋子 竹下 淳 田中 裕記 丹保 亜希仁 角山 泰一朗 鉄原 健一 徳永 健太郎 富岡 義裕 中根 正樹 冨田 健太朗 富永 直樹 豊﨑 光信 豊田 幸樹年 内藤 宏道 永田 功 長門 直 中村 嘉 中森 裕毅 名原 功 藤島 清太郎 奈良場 啓 成田 知大 西岡 典宏 西村 朋也 西山 慶 野村 智久 芳賀 大樹 萩原 祥弘 橋本 克彦 旗智 武志 小倉 裕司 細川 直登 浜崎 俊明 林 拓也 林 実 速水 宏樹 原口 剛 平野 洋平 藤井 遼 藤田 基 藤村 直幸 舩越 拓 升田 好樹 堀口 真仁 牧 盾 増永 直久 松村 洋輔 真弓 卓也 南 啓介 宮崎 裕也 宮本 和幸 村田 哲平 柳井 真知 松嶋 麻子 矢野 隆郎 山田 浩平 山田 直樹 山本 朋納 吉廣 尚大 田中 裕 西田 修 日本版敗血症診療ガイドライン2020特別委員会 松田 直之 山川 一馬 原 嘉孝 大下 慎一郎 青木 善孝 稲田 麻衣 梅村 穣 矢田部 智昭 河合 佑亮 近藤 豊 斎藤 浩輝 櫻谷 正明 對東 俊介 武田 親宗 寺山 毅郎 東平 日出夫 橋本 英樹 林田 敬 安宅 一晃 一二三 亨 廣瀬 智也 福田 龍将 藤井 智子 三浦 慎也 安田 英人 阿部 智一 安藤 幸吉 飯田 有輝 石原 唯史 井上 茂亮 井手 健太郎 伊藤 健太 伊藤 雄介 稲田 雄 宇都宮 明美 卯野木 健 遠藤 功二 大内 玲 尾崎 将之 小野 聡 射場 敏明 桂 守弘 川口 敦 川村 雄介 工藤 大介 久保 健児 倉橋 清泰 櫻本 秀明 下山 哲 鈴木 武志 関根 秀介 垣花 泰之 関野 元裕 高橋 希 高橋 世 高橋 弘 田上 隆 田島 吾郎 巽 博臣 谷 昌憲 土谷 飛鳥 堤 悠介 川崎 達也 内藤 貴基 長江 正晴 長澤 俊郎 中村 謙介 西村 哲郎 布宮 伸 則末 泰博 橋本 悟 長谷川 大祐 畠山 淳司 久志本 成樹 原 直己 東別府 直紀 古島 夏奈 古薗 弘隆 松石 雄二朗 松山 匡 峰松 佑輔 宮下 亮一 宮武 祐士 森安 恵実
出版者
一般社団法人 日本集中治療医学会
雑誌
日本集中治療医学会雑誌 (ISSN:13407988)
巻号頁・発行日
vol.28, 2020
被引用文献数
1

<p>日本集中治療医学会と日本救急医学会は,合同の特別委員会を組織し,2016 年に発表した日本版敗血症診療ガイドライン(J-SSCG) 2016 の改訂を行った。本ガイドライン(J-SSCG 2020)の目的は,J-SSCG 2016 と同様に,敗血症・敗血症性ショックの診療において,医療従事者が患者の予後改善のために適切な判断を下す支援を行うことである。改訂に際し,一般臨床家だけでなく多職種医療者にも理解しやすく,かつ質の高いガイドラインとすることによって,広い普及を目指した。J-SSCG 2016 ではSSCG 2016 にない新しい領域[ICU-acquired weakness( ICU-AW)と post-intensive care syndrome(PICS),体温管理など]を取り上げたが,J-SSCG 2020 では新たに注目すべき4 領域(Patient-and Family-Centered Care,sepsis treatment system,神経集中治療,ストレス潰瘍)を追加し,計22 領域とした。重要な118 の臨床課題(clinical question:CQ)をエビデンスの有無にかかわらず抽出した。これらのCQ には,本邦で特に注目されているCQ も含まれる。多領域にわたる大規模ガイドラインであることから,委員25 名を中心に,多職種(看護師,理学療法士,臨床工学技士,薬剤師)および患者経験者も含めたワーキンググループメンバー,両学会の公募によるシステマティックレビューメンバーによる総勢226 名の参加・協力を得た。また,中立的な立場で横断的に活躍するアカデミックガイドライン推進班をJ-SSCG 2016 に引き続き組織した。将来への橋渡しとなることを企図して,多くの若手医師をシステマティックレビューチーム・ワーキンググループに登用し,学会や施設の垣根を越えたネットワーク構築も進めた。作成工程においては,質の担保と作業過程の透明化を図るために様々な工夫を行い,パブリックコメント募集は計2 回行った。推奨作成にはGRADE方式を取り入れ,修正Delphi 法を用いて全委員の投票により推奨を決定した。結果,118CQ に対する回答として,79 個のGRADE による推奨,5 個のGPS(good practice statement),18 個のエキスパートコンセンサス,27 個のBQ(background question)の解説,および敗血症の定義と診断を示した。新たな試みとして,CQ ごとに診療フローなど時間軸に沿った視覚的情報を取り入れた。J-SSCG 2020 は,多職種が関わる国内外の敗血症診療の現場において,ベッドサイドで役立つガイドラインとして広く活用されることが期待される。なお,本ガイドラインは,日本集中治療医学会と日本救急医学会の両機関誌のガイドライン増刊号として同時掲載するものである。</p>
著者
伊藤 健一 野村 龍太郎 小林 一隆
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン (ISSN:18849644)
巻号頁・発行日
vol.27, no.1, pp.43-52, 1973-01-01 (Released:2011-03-14)
参考文献数
9

X線テレビあるいは電子顕微鏡といった, 本来白黒の情報しかない映像にその濃淡に応じて着色するカラーディスプレイのひとつとしてスライス方式のものを完成した.本又ではその着色原理および使用したスライス回路, カラーマトリックス, ビデオフィルター, マグニファイア回路シェーディング補正回路などにつき説明し, 最後に本方式の誤差に言及した.
著者
水谷 信夫 守屋 成一 山口 卓宏 伊藤 健二 田渕 研 角田 隆 岩井 秀樹
出版者
JAPANESE SOCIETY OF APPLIED ENTOMOLOGY AND ZOOLOGY
雑誌
日本応用動物昆虫学会誌 (ISSN:00214914)
巻号頁・発行日
vol.55, no.3, pp.163-170, 2011
被引用文献数
15

マメ科植物を寄主とするホソヘリカメムシのレンゲ,アカクローバ,ダイズでの発生消長を調査し,周年の発生生態を明らかにした.レンゲでは,4月下旬以降成虫が認められ,幼虫の発生は5月中旬~6月中旬から認められた.レンゲにおける成・幼虫の密度は,年次および場所間で大きく異なった.アカクローバでは,成虫の飛来時期が年次によって異なり,5月下旬~7月上旬から成虫が認められた.幼虫の発生は6月下旬~7月上旬から認められ,その後8月下旬~10月中旬まで成・幼虫が認められた.ダイズでは成・幼虫の発生量の年次間差は小さく,7月下旬~8月上旬に成虫に引き続いて幼虫が確認された.その後,幼虫が10月中旬まで,成虫が11月中旬まで認められた.各々の植物上で幼虫および次世代成虫の発生が認められたことから,ホソヘリカメムシは,レンゲ,アカクローバ,ダイズを寄主植物として順次利用することにより,周年の生活史を完結することができると考えられた.
著者
伊藤 健 小嶋 寛明 新宮原 正三 清水 智弘
出版者
関西大学
雑誌
挑戦的研究(萌芽)
巻号頁・発行日
2018-06-29

セミやトンボなどの翅には無数のナノ構造が表面を埋め尽くしており、その表面は抗菌性を示すことが近年報告された。本研究では、その抗菌メカニズムを解明するために、人工的に様々な条件を制御したナノ構造を作製し、構造や物理化学的性質と抗菌との関係を明らかにしようとしている。初年度は、安価かつ大面積にナノ構造を作製するため、コロイダルリソグラフィとメタルアシストエッチングを用いることで2インチ角のシリコン基板に対して任意の寸法をもつ円柱状の構造物をアレイ状(ナノピラーアレイと呼ぶ)に配列させることに成功した。作製法を以下に記す。まずSi基板上にナノサイズの樹脂ビーズを単層配列させる。樹脂ビーズの直径により構造の間隔を決定できる。次に、酸素プラズマをこの基板に当てることで、樹脂ビーズを徐々に削っていく。この時の樹脂ビーズの直径がナノ構造の直径に相当する。次に、メタルアシストケミカルエッチングの際の触媒として働く金を上述した基板に薄く堆積させる。続いて、基板を特殊なエッチング溶液に浸すことでシリコン基板が深さ方向に異方的にエッチングされる。エッチング溶液に浸している時間で、ナノ構造の高さを制御することができる。最後に、金と樹脂ビーズを除去することでシリコン単体からなるナノ構造を形成することができる。この技術を用いることで任意のピッチ、直径、高さを持つナノ構造を得ることができた。この技術を利用して様々な幾何学的な条件を変化させたナノ構造を作製し、その基板に対して抗菌評価を実施した。抗菌評価法にはJIS Z2801(フィルム密着法)を適用し、菌体として大腸菌をターゲットに抗菌評価を行った。その結果、抗菌性を示す条件を得ることができ、特許の申請に至った。
著者
江藤 宏 朝廣 雄一 伊藤 健洋 宮野 英次
出版者
電気・情報関係学会九州支部連合大会委員会
雑誌
電気関係学会九州支部連合大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2013, pp.418, 2013

RIS問題が平面グラフでは近似困難であるが,木幅限定グラフでは線形時間で最適解が求まることを述べる.
著者
伊藤 健市
出版者
關西大學商學會
雑誌
関西大学商学論集 (ISSN:04513401)
巻号頁・発行日
vol.51, no.1, pp.15-27, 2006-08

商学部創設100周年 商学会設立50周年 記念特集