著者
粕谷 大智 竹内 二士夫 山本 一彦 伊藤 幸治 坂井 友実
出版者
一般社団法人 日本温泉気候物理医学会
雑誌
日本温泉気候物理医学会雑誌 (ISSN:00290343)
巻号頁・発行日
vol.62, no.4, pp.201-206, 1999 (Released:2010-04-30)
参考文献数
13

We executed an acupuncture therapy to 62 lumbar spinal canal stenosis cases who were diagnosed by CT, MRI photo state and clinical symptom and examined the result.The 36 men and 26 women in this study had a mean age of 67.3 years.An acupuncture was executed by aiming to give an effect to the soft tissues and a blood circulation around the area where the stenosis was recognized then pierced facet joint closely and deeply and gave an electric acupuncture stimulus.14 cases were very good and 17 cases had good results according to the JOA score. No cases worsened.We concluded an acupuncture treatment was effective for treating lumbar spinal canal stenosis.
著者
伊藤 幸洋 佐藤 年明
出版者
三重大学
雑誌
三重大学教育学部附属教育実践総合センター紀要 (ISSN:13466542)
巻号頁・発行日
vol.24, pp.111-119, 2004-03

2002年度、「PEACE」と名づけた実践(4年・総合的な学習)を行なった。5つの国に関するGTに来てもらい、GTとの出会いをきっかけに、子どもたちが関心を持って調べたことを、子どもたちから発信する授業を構想した。総合的な学習において、人との出会いを通しての「学習手段」「表現手段(コミュニケーションスキル)」「関わり合う力」の獲得が、どの内容においても必要であると考える。子どもの願いと教師の願い(ねらい)がうまく重なるように、子どもと教師がコミュニケーションしながら学習を進めていくことに、総合的な学習がうまくいくカギがあると考える。また、国際理解の内容を進める上では、「その人と仲良くなりたい」思いを引き出す必要性、GTの体験を聞くことに有効性があると考える。これらの必要性・有効性とも、子どもたちと教師の学び合いによって達成されていくことを、本稿を通して述べた。
著者
細田 耕 荻原 直道 今西 宣晶 名倉 武雄 清水 正宏 池本 周平 菅本 一臣 成岡 健一 MACEDO ROSENDO Andre Luis 伊藤 幸太
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2011-04-01

本研究課題では,脳やせき髄からの投射がない場合の,歩行状態における人間の足部の機械的特性を計測するために,歩行状態を再現するための歩行シミュレータを作成し,これに屍体の足部を取り付け,二方向エックス線透視撮影装置の中で歩行させることによって,足部内部の骨の動きを観察するためのプラットフォームを開発した.これに関連して,歩行状態を再現するための歩行シミュレータの制御や,透過画像から各骨の三次元運動を精密に再構成するための画像処理技術などを開発した.足部に存在する機械的特性のうち,中足骨関節に着目し,同等の機能の足部をもつ二足歩行ロボットを開発,実験によって中足骨関節の歩行安定性への寄与を調べた.
著者
渡邊 美香 熊野 史一 高橋 晋 伊藤 幸雄
出版者
日本ソノケミストリー学会
雑誌
ソノケミストリー討論会講演論文集 18 (ISSN:24241512)
巻号頁・発行日
pp.95-96, 2009-10-23 (Released:2017-07-18)

The hot spots that high pressures and temperatures generate during the bubble collapse process, especially in acoustic cavitation, directly related to the physical and chemical reactions, hi this study, to investigate the possibility of realization for the sake production process, we investigate the MB effects on the composition of sake. The fragrance ingredient in sake is affected by the activities of the hot spot and/or shock waves, resulting in the decompositions and the synthsis of the fragrance ingredient. The ethyl acetate and the ethyl caproate activated to are decreasing by hydrolysis, while the isoamyl acetate is activated by increasing in the dehydration. There are many point which must be clarified, i.e., the oxidation of isoamyl alcohol by affecting the dissolved gas in the solutions.
著者
伊藤 幸郎
出版者
日本生命倫理学会
雑誌
生命倫理 (ISSN:13434063)
巻号頁・発行日
vol.12, no.1, pp.25-31, 2002
参考文献数
7

20世紀末から医学界に流行したEBMは、複雑な現実世界に決定論的因果関係を求める代わりに、着目する集団に見られる諸現象の特性を確率論的な関係として明らかにする。EBMは19世紀に起こった実証主義に端を発する方法論で、帰納論理に基づいているから、その結果はだれでも納得するエビデンスとして示される。EBMは医療の標準化に役立ち、臨床医学の予言が確率的でしかないことをわれわれに自覚させるという点で意義がある。従来の機械論的生物医学とEBMとは科学的医学の車の両輪である。しかし科学は人生の価値や意味に中立的で、確率論的な予測を提供するのみである。EBMは人生にとって価値あることのために利用すべき道具なのだ。
著者
新 良一 伊藤 幸惠 片岡 元行 原 宏佳 大橋 雄二 三浦 詩織 三浦 竜介 水谷 武夫 藤澤 倫彦
出版者
JAPAN BIFIDUS FOUNDATION
雑誌
腸内細菌学雑誌 (ISSN:13430882)
巻号頁・発行日
vol.28, no.1, pp.15-24, 2014

豆乳の発酵産物が宿主に及ぼす影響を検討した報告は少ない.今回,我々は豆乳の乳酸菌発酵産物(SFP: Soybean milk-Fermented Product)がヒト腸内細菌叢に及ぼす影響を検討し,さらに大腸の発がん予防とその作用機序についても合わせて検討した.SFPは豆乳を複数の乳酸菌と酵母で混合培養後殺菌し,凍結乾燥して調製した.一般的な日本食を食べているボランティアにSFPを摂取させ(450 mg/day/head for 14 days),腸内細菌叢の変化を比較したところ,SFP群はプラセボ群より<i>Bifidobacterium</i>の占有率が25%以上増加した人数が多かった(<i>P</i><0.05).さらに,昼食のみを一般的な日本食から肉食中心の欧米食(肉摂取量約300 g,900 kcal)に3日間変えると,<i>Clostridium</i>の占有率は増加したが(<i>P</i><0.05),SFPを摂取(900 mg/day/head)すると減少した(<i>P</i><0.05).また,SFPの摂取で<i>Bifidobacterium</i>の占有率が増加した(<i>P</i><0.05).このボランティアの糞便中<i>β</i>-glucuronidase活性は,昼食を肉食中心の欧米食にすると一般的な日本食摂取時より5倍以上増加したが(<i>P</i><0.01),SFP摂取で一般的な日本食時のレベルにまで減少した(<i>P</i><0.05).以上の結果は,SFPが多くのプロバイオティクスなどで示されている大腸がんの発がんリスクを軽減する可能性を示唆していると考え,以下の検討を試みた.即ち,SFPが大腸がんの発がんに及ぼす影響は大腸がん誘起剤1,2-dimethylhydrazine (DMH)をCF#1マウスに投与する化学発がんモデルを用いて検討した.SFPはDMH投与開始時から飼料中に3%(W/W)混和して与え,大腸に発がんした腫瘤数を検討した結果,有意な抑制が認められた(<i>P</i><0.05).一方,SFPの抗腫瘍作用機序は,Meth-A腫瘍移植モデルで検討した.SFP(10 mg/0.2 ml/day/head)は化学発がんモデルと同様にMeth-A腫瘍移植前から実験期間中投与し,抗腫瘍効果が得られた脾細胞を用いた Winn assayでその作用機序を検討した.その結果,SFP群のみは移植6日目以降でMeth-A単独移植群に比べ有意な腫瘍増殖抑制が認められ(<i>P</i><0.05),担癌マウスの脾細胞中に抗腫瘍作用を示す免疫細胞群が誘導された可能性が考えられた.<i>Bifidobacterium</i>を定着させたノトバイオートマウスは無菌マウスより脾細胞数が増加したが,無菌マウスにSFPや豆乳(10 mg/0.2 ml/day/head)を4週間連日経口投与しても,脾細胞数は生理食塩液を投与した無菌マウスと差が認められなかった.これらのことからSFPの抗腫瘍効果には腸内細菌が宿主免疫に関与した可能性が示唆されたが,その詳しい機序については今後の検討が必要である.<br>

1 0 0 0 OA 気管支喘息 II

著者
村瀬 弘 中嶋 正敏 伊藤 幸郎 島本 達夫 小川 小夜 前沢 秀憲
出版者
The Japanese Society of Internal Medicine
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.62, no.7, pp.765-769, 1973
被引用文献数
2

膵十二指腸動脈瘤を術前に診断し,摘出に成功した1例を報告する.膵十二指腸動脈瘤の報告は,今日までに18例にすぎず,希な疾患とされている.手術成功例は9例,術前診断例は2例である.本邦ではまだ報告がなく,本症例が第1例である.患者は48才の主婦.生来健康であったが,昭和47年5月頃から腰痛が続く.近医で第3腰推右側の直径約3cmの半円形石灰化像より腹部大動脈瘤を疑われ,8月31日に当科受診した.胸部,腹部に異常所見はなく,血圧142/84.検査では,血清アミラーゼ値の一過性異常, PS試験で膵外分泌能低下,糖負荷試験で糖尿病型を示すほか,とくに異常はなかつた.動脈撮影で,前下および前上膵十二指腸動脈におのおの1個の動脈瘤を認めた.前下膵十二指腸動脈瘤壁は,前記石灰化像と一致した. 11月30日開腹し, 2個の動脈瘤を摘出した.ともに動脈硬化性であつた.術後は一過性に膵液のうつ帯をきたしたが,以後の経過は良好で,昭和48年2月13日に退院した.
著者
黨 康夫 小川 忠平 大友 守 荒井 康男 佐野 靖之 田代 裕二 古田 一裕 若林 邦夫 伊藤 幸治
出版者
一般社団法人 日本アレルギー学会
雑誌
アレルギー (ISSN:00214884)
巻号頁・発行日
vol.48, no.1, pp.50-55, 1999
参考文献数
15
被引用文献数
5

症例は30歳女性. 1997年5月中旬頃よりの腹痛, 腹部膨満感で当院救急外来を受診. 腹部X線写真にてイレウスを疑われ, 緊急入院となった. 白血球数の増加(12300/μl)及び好酸球比率の上昇(42.5%)を認めたが, CRPは陰性であった. 腹部CTにて大量の腹水貯留及び回腸から上行結腸にかけて広範囲に腸管壁肥厚が認められた. 腹水中細胞のほとんどは好酸球であった. さらに末梢血及び腹水中IL-5が著明高値を呈した. 消化管粘膜生検では好酸球浸潤は証明されなかった. 6月3日よりプレドニゾロン50mg/日の経口投与を開始し漸減. 症状は著明に改善し末梢血好酸球数, IL-5も正常化した. これらの所見から漿膜下優位型の好酸球性胃腸炎と診断した. 鑑別には腹水中好酸球増加の確認が有用で, かつIL-5が疾患活動性の指標となりうる可能性が示唆された.
著者
梶 幹男 沢田 晴雄 斉藤 俊浩 斉藤 登 中山 勇 赤岩 朋敏 伊藤 幸也
出版者
東京大学大学院農学生命科学研究科附属演習林
雑誌
東京大学農学部演習林報告 (ISSN:03716007)
巻号頁・発行日
no.85, pp.p49-66, 1991-07
被引用文献数
1

1989年2月25日から26日にかけて東京大学秩父演習林栃本作業所管内の森林に大きな雨氷害が発生し,人工造林地での被害は本数18,931本,材積3,711m3,面積は23.6haに及んだ。しかも被害の発生した標高域はほぼ900~1,450mの範囲に限られていた。そこで雨氷現出の原因となったと思われる要因解析を行った。まず滑沢(標高1,150m),突出峠(1,650m)両地点の自記々録を比較した結果,この頃ここに明かな気温の逆転を生じていたことが判明した。しかも同じ時間帯に少し下方の栃本観測所(標高770m)で34.5mmの降雨が記録されていた。従って,雨氷害発生の経過についてこの時のこの雨が冷たい気層の中を落下する間に十分に冷やされて過冷却状態になり,それが枝,葉に当って瞬時に氷結し,着氷量を増加させていった。そしてこの着氷の荷重によって幹や枝が損傷を受け,雨氷後の強風がその被害を一層大きくしたものと推定された。また造林樹種のうち,カラマツが本数,材積ともに最も大きな被害を受け,総被害量の76%を占めた。被害形態を樹冠部の折損,幹の傾斜・湾曲,主幹の折れ,根倒れの四つに区分し,樹種別の被害率を求めた結果,樹冠部の折損はヒノキ,幹の傾斜・湾曲はカラマツ,主幹の折れは二葉松類,根倒れはスギでそれぞれ最も高い値を示した。そこで,カラマツ,スギ,ヒノキのそれぞれについて,雨氷害と地況および林況要因との関係を明かにするため,数量化I類による多変量解析を行った。解析に用いた七つのアイテムのうち,六つには樹種間で一定の傾向は認められなかったが,標高のみで,3樹種とも1,100~1,200mの範囲を中心に高いスコア値が認められた。このことは,今回の雨氷害の中心がこの標高域にあり,そこで着氷量が最も多かったことを示唆するものである。The glaze occurred at various places in Kanto from the 25th. to the 26th. in February, 1989 gave heavy damages to the manmade forests in Tochimoto District of the Tokyo University Forests in Chichibu, totals of 18,931 in the number, of 3,711m3 in the stem volume and of 23.6ha in the area (Table 2, 3). And most of these damages were found in restricted altitude ranges from 900 to 1,450m a.s.l.. For the purpose to search out main factors having caused these glaze damages, various analyses were carried out. The comparison of the temperature records taken from Namesawa (1,150m a.s.l.) and Tsundashitouge (1,650m a.s.l.) during the period concerned obviously clarified that the invasion of temperature occurred between these two altitudes (Fig.1). On the other hand, the rainfall of 34.5mm was recorded at Tochimoto observatory (770m a.s.l.) during the same period (Fig.3). It can be supposed from these two facts that the rain water was cooled to the over-cooled condition fallen passing through cold atmospheric layer below, and consequently it was frozen and turned to ice as soon as it dropped on branches and leaves, and fixed and accumulated on them. Therefore, stems and branches were broken by the heavy load of ice, and furthermore the damages were enlarged by strong wind blown after the glaze (Table 1). Among the manmade forests of different species, stands of Japanese larch (Larix kaempferi) were nost severely damaged showing 76 per cent of the total damage both in the number and the stem volume. Having classified the damages of stand trees into four types, i.e., crown breakage, stem leaning, stem breakage and up rooting and surveyed the degrees of damage of every tree species, it was known that the percentage of crown breakage was the highest in the stands of hinoki cypress (Chamaecyparis obtusa), that of stem leaning in Japanese larch, that of stem breakage in the species of hard pines, and that of up rooting in cryptomeria (Cryptomeria japonica), respectively. For the purpose of analysis of causal relations between the degree of glaze damage and the factors of topographical and or stand conditions, several stands of Japanese larch, cryptomeria and hinoki cypress were subjected to quantification analysis Quant-1, for which five items for topographical factors and two items for stand conditions were selected (Table 6-8). Among the seven items, six did not present any obvious relation among the stands. But a category of 1,100-1,200m in the item of altitude alone was significantly related to the occurrence of glaze damage in the stands of every species. This fact suggests that the amount of ice deposition was the largest in this range of altitude which caused heavy damages.