著者
佐藤 美恵 間峠 慎吾 森 俊文 鈴木 昇 春日 正男
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会誌 : 映像情報メディア (ISSN:13426907)
巻号頁・発行日
vol.60, no.3, pp.425-430, 2006-03-01
被引用文献数
1 2

An SD (semantic differential) method is an effective way to evaluate subjective impression of an AV (audio visual) content. However, because the SD method is performed after viewers watch an AV content, it is difficult to examine their impression of detailed scenes in the AV content in real time. To measure viewer's impression of an AV content in real time, we have developed a "Taikan sensor" that precisely measures the viewer's grip strength and body temperature. Based the Taikan sensor measurement, we investigated the relationships between the viewers' impression and their grip strength. Factor analysis of the viewers' impression was performed on detailed scenes when the grip strength became strong. Results showed that the viewers' impression influenced their grip strength and the viewer received an "active" impression from the AV content when the grip strength increased. Therefore, the Taikan sensor enables real time measurement of a viewer's "active" impression from an AV content.
著者
周 松嬰 鴨田 春菜 篠原 麻希 渡邉 智文 佐藤 達雄 芳野 未央子 前嶋 啓佑 小谷 博光 ウィディアストゥティ アニ 八本 功 鵜沼 光岳 三須 英幸 江口 ゆみ
出版者
日本農作業学会
雑誌
農作業研究 (ISSN:03891763)
巻号頁・発行日
vol.53, no.2, pp.73-79, 2018
被引用文献数
1

トマト養液栽培において養液の電気伝導度(EC)を上昇させることにより,果実糖度の上昇を効率的に行うことができる.海水由来の苦汁と粗塩(NaCl)がEC上昇や果実収量ならびにトマトの品質改善に及ぼす効果を一段ならびに二段栽培で比較した.苦汁は製塩過程で生じる副産物であり利用が簡単で安価に入手することができる.特に苦汁は液体で流通されるため,溶解作業が必要な塩による高EC処理より便利である.春まき夏どり栽培と夏まき秋どり栽培が1回ずつ行われた.第1花房の最も大きい果実が直径4 cmに肥大したときに高EC処理(苦汁または粗塩)を開始した.2回の実験とも,苦汁処理の収量ならびに品質は粗塩処理と同等であった.養液への苦汁の添加後,養液のECは粗塩処理よりも速やかに上昇した.この原因は不明であるが,両者のイオン組成の違いに起因する可能性が考えられた.トマトの生育に対して特に差異は見受けられなかった.以上のことからトマト低段栽培における高糖度化を目的とした苦汁の添加は,実用的,効果的に利用しうると考えられた.
著者
Itsumura Hiroshi 大原 司 佐藤 翔 逸村 裕
出版者
情報メディア学会
雑誌
第13回情報メディア学会研究大会発表資料
巻号頁・発行日
2014-06

国内心理学分野におけるオープンアクセスの実態と進展状況を明らかにするため、『筑波大学心理学研究』掲載論文が引用する和雑誌掲載もしくは日本語の論文を対象にWebにおける公開状態調査を行った。結果から、心理学分野におけるオープンアクセスの論文の割合の経年的な増加と、引用時点でオープンアクセスではなかった論文の遡及的なオープンアクセス化が明らかとなった。
著者
加藤 亮 河合 隆史 池下 花恵 二瓶 健次 佐藤 正 山形 仁 田代 泰典 山崎 隆
出版者
日本デジタルゲーム学会
雑誌
デジタルゲーム学研究 (ISSN:18820913)
巻号頁・発行日
vol.2, no.1, pp.67-75, 2008 (Released:2021-07-01)
被引用文献数
1

本研究では、ビデオゲームの与える生理・心理的影響について、人間工学的な手法を用いて評価実験を行った。ビデオゲームの生体影響は多岐に渡るといえるが、筆者らは短期的・直接的なものとして、気分の変化に着目した。実険では、携帯ゲーム機用ソフト 5種類の15分間のプレイを求め、プレイ中の皮膚電気活動、プレイ前後の気分プロフィールおよび唾液中アミラーゼ活性を測定した。実験は、10例の被験者に対して、ゲームソフトの習熟前と習熟後の 2度行い、ソフト間の差異や習熟度、プレイ内容等の観点から比較・検討を行った。
著者
佐藤 博隆
出版者
公益社団法人 日本アイソトープ協会
雑誌
RADIOISOTOPES (ISSN:00338303)
巻号頁・発行日
vol.61, no.8, pp.449-462, 2012 (Released:2012-08-28)
参考文献数
27
被引用文献数
1

パルス中性子イメージングでは,材料を透過してきた中性子の波長依存スペクトルを位置ごとに測定する。透過スペクトルの低エネルギー領域には,ブラッグエッジと呼ばれる特徴的パターンが現れる。ブラッグエッジには結晶構造・結晶相・集合組織・結晶子サイズ・ひずみといった各種結晶組織構造情報が含まれているため,本手法によりこれら構造情報を広範囲にわたって非破壊的に可視化することが可能となる。本稿では,新しいマテリアル解析ツールとして期待されているブラッグエッジイメージングの原理と特徴,測定例について紹介する。
著者
佐藤 宏之 鈴木 保宏 奥野 員敏 平野 博之 井辺 時雄
出版者
日本育種学会
巻号頁・発行日
vol.3, no.1, pp.13-19, 2001 (Released:2011-03-05)

イネ(Oryza sativa L.)品種コシヒカリの受精卵に,メチルニトロソウレア(MNU)突然変異原処理を行って育成された品種ミルキークイーンの低アミロース性の遺伝子分析を行った.ミルキークイーンとその野生型であるコシヒカリを正逆交雑したF1種子のアミロース含量は両親の中間値を示したが,ミルキークイーン/コシヒカリ由来のF1種子よりも,コシヒカリ/ミルキークイーン由来F1種子の方が高いアミロース含量を示した.従って,ミルキークイーンの低アミロース性を支配する遺伝子には量的効果があることが分かった.また,ミルキークイーン/コシヒカリ由来のF2集団のアミロース含量は,コシヒカリ型とミルキークイーン型が3:1に分離し,さらにミルキークイーン/コシヒカリ//ミルキークイーン由来の戻し交雑集団のアミロース含量が,野生型と低アミロース型が1:1に分離したことから,ミルキークイーンの低アミロース性を支配する遺伝子は単因子劣性であると考えられた.次に,イネのアミロース合成に関与する既知の遺伝子,wx並びにdu1,2,3,4及び5との対立性を検定した結果,ミルキークイーンにおいて突然変異を生じた遺伝子は,wxの対立遺伝子であることが示唆された.
著者
古川 容子 佐野 友紀 土屋 伸一 藤井 皓介 佐藤 泰 畠山 雄豪 長谷見 雄二
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会環境系論文集 (ISSN:13480685)
巻号頁・発行日
vol.81, no.728, pp.845-853, 2016
被引用文献数
3

&nbsp;Recently, enrollments in nursery schools have become higher and higher. This is largely due to the social progress of women, with the increasing number of working mothers. Additionally, the number of three-generation households is decreasing. Nursery schools are traditionally low-rise structures, with a playground, but deregulation of the law now allows for the placement of nursery schools in middle floors of high-rise buildings. In Japan, the ages of nursery school students are generally from infancy to five-years old, which means that they can't evacuate the premises by themselves during a fire, so we must research ways to evacuate them safely. And the scheme of planning safe evacuations from buildings has not been sufficiently researched, so we have investigated the practice of fire drills and have interviewed teachers and students of nursery schools. The following is what we have learned:<br>&nbsp;(1)Characteristics of evacuation ;drills of nursery schools: Students evacuate in class groups, lead by their teachers, who provide the indications. Time is needed for evacuation preparation (setting up strollers, gathering infants and preparing to carry them out, and giving instructions regarding exiting, etc., ) and before starting evacuation, and time for confirming the numbers of students, and waiting time is needed when they are evacuating, so these times must be considered in the calculation of evacuation time.<br>&nbsp;(2)The characteristics of evacuation abilities of nursery school students : Infants (up to one-year old), and students who can't easily walk by themselves must be carried by a nurse or other adults, which makes evacuation movements and management after evacuation more manageable. Two-year-old students are able to walk alright on their own but cannot sufficiently grasp the situation. It's difficult to follow the teachers' instructions, so a lot of assistances are need. Children aged three and over can, of course, walk even better, and can grasp the severity of a fire. But they tend to walk more slowly as they feel frightened in cases when they are at earlier age, or they have to take an escape route that they are not familiar with. In order to shorten evacuation time, older students should evacuate first, as they can walk faster than younger students, thus their escape time won't be hindered by slower evacuees.<br>&nbsp;(3)Notes of buildings that include a nursery school: Regarding the situation of using stairways for evacuation, there are many points of concern regarding the safety of children. Because there are many dangerous points related to stairways, such as the fact that stairways often arouse fear in younger students during emergency evacuation, and as a result they walk more slowly. Consequently, older students try to pass the younger, slower students. Especially in cases when a nursery school is on a middle floor of a multi-use building, there is a possibility that confusion is caused among the evacuating children who walk slowly, along with their teachers, as evacuating people from other facilities mix with people evacuating from the nursery school. Thus, having a dedicated set of stairs for children is better. In addition, nursery schools that are in existing buildings that were not designed to accommodate nursery schools, have higher handles and the height of steps rise.<br>&nbsp;(4)Decreasing evacuation route length: Due to the fact that nursery school students' bodies and minds are not fully developed, their circumstances during a fire are more severe than those for adults. Thus, nursery schools should be on lower floors of buildings or should have their own buildings. Also the distance from the rooms to the temporary evacuation place should be as short as possible
著者
秋永 一枝 兼築 清恵 鈴木 豊 佐藤 栄作 上野 和昭 金井 英雄
出版者
早稲田大学
雑誌
総合研究(A)
巻号頁・発行日
1987

未発表資料索引の刊行作業は、「アクセント史資料索引」として、昭和62年度に秋永一枝・後藤祥子編『袖中抄声点付語彙索引』(6号)、鈴木豊編『日本書紀神代巻諸本声点付語彙索引』(7号)、昭和63年度に坂本清恵編『近松世話物浄瑠璃胡麻章付語彙索引』(8号)、金井英雄編『補忘記語彙篇博士付和語索引』(9号)を編纂、刊行した。また、上記資料刊行とともに、研究分担の資料調査に伴う問題点や研究を発表した。秋永は、「袖中抄」「古今集」の声点とアクセントに関する論考を4篇発表。上野は「平曲譜本」の記譜とアクセントに関する論考を2篇。坂本は「近松浄瑠璃本」の記譜とアクセント、義太夫節のアクセントに関する論考を4篇発表。鈴木は「日本書紀私記」「古語拾遺」の声点に関する論考をそれぞれ発表した。(裏面記載の論文)また、これまでに発表してきたアクセント史索引を総合的にコンピュ-タで検索できるよう「国語声調史資料索引集成」の編纂作業を行ってきた。これまでにコンピュ-タ入力を終了し、今後資料の追加や校正作業を進め、多くの人に利用の便を計るよう研究作業を続ける予定である。以上の史的アクセントの研究と同時に、アクセント史解明に不可欠な日本諸方言アクセントの調査と位置付けに関する研究を行った。昭和63年度に佐藤栄作編『アクセント史関係方言資料』として、テ-プ2巻と活字資料集を刊行した。また、佐藤が高松アクセントについての論考を発表した。以上のように、文献からのアクセント史解明の研究と、方言からのアクセント史解明へのアプロ-チを進め、成果をあげることができた。
著者
秋永 一枝 兼築 清恵 佐藤 栄作 上野 和昭 鈴木 豊
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1997

1 すでに刊行した『日本語アクセント史総合資料 索引篇』(秋永一枝ほか編 1997.2東京堂出版、以下『索引篇』)所載のアクセント史データを分析して、その基礎的・応用的研究を行い、これを公表した。(1)『索引篇』に掲載した資料の書誌、アクセント史資料としての価値、ならびにその利用方法などについて研究し、公表した。(秋永・上野・坂本・佐藤・鈴木編『同 研究篇』1998.2東京堂出版、以下『研究篇』)(2)『索引篇』所載のデータを整理し、名詞・動詞・形容詞について、それぞれアクセントの歴史的変化を類別し、これを「早稲田語類」と名付けて『研究篇』に公表した。また、「早稲田語類」を、従来の「金田-語類」と比較対照して一覧し、テキストデータとして公表した。(坂本・秋永・上野・佐藤・鈴木編『「早稲田語類」「金田-語類」対照資料』フロッピーディスク付き1998.10アクセント史資料研究会)(3)同じく『索引篇』所載データから複合名詞のアクセントデータを抽出し、そのアクセント型や語構成との関係などについて考察した。その成果の一部は『研究篇』に掲載したが、今後も継続的に研究する。2 京阪式アクセントを中心とする現代諸方言アクセントの研究は、上記「早稲田語類」の類別にも生かされているが、とくに京浜アクセントおよび東京アクセントについては、二種類の資料を公表した。(1)『楳垣京都アクセント基本語資料-東京弁アクセント付き-』フロッピーディスク付き(秋永一枝編1998.10アクセント史資料研究会)(2)『池田要 京都・大阪アクセント資料 五十音順索引』(上野・秋永・坂本・佐藤・鈴木編2000.2同)3 索引が未だ刊行されていないアクセント史資料について、その基礎的研究と索引の編纂とを行った。索引の刊行には至らなかったが、それぞれの文献についての基礎的研究はほぼ整い、近く索引も刊行する予定である。
著者
秋永 一枝 兼築 清恵(坂本 清恵) 佐藤 栄作 上野 和昭 鈴木 豊
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2000

1、以下の諸索引を作成、刊行してアクセント史資料データを増補した。(1)医心方 声点付和訓索引(秋永一枝・坂本清恵・佐藤栄作編2001.8)(2)日本書紀 人皇巻諸本 声点付語彙索引(鈴木豊編2003.3)(3)高松宮本・林羅山書入本和名類聚抄 声点付和訓索引(佐藤栄作編2000.12)(4)平家正節 声譜付語彙索引上・下(上野和昭編2000.12/2001.12)(5)金田一春彦調査京都アクセント転記本(楳垣実京都アクセント記入)(秋永一枝編2001.9)2、『池田要 京都・大阪アクセント資料 五十音順索引』(2000.3アクセント史資料研究会)のデータベースを利用して品詞別に整理し、近現代京都アクセントの諸資料と比較しながら検討した。その結果「池田要 京都・大阪アクセントの注記について-名詞3拍までを中心に-」(坂本清恵)、「複合名詞からみた池田アクセント」(佐藤栄作)、「『池田要 京都・大阪アクセント資料』所載の用言のアクセント」(上野和昭)、「東京アクセントとの比較」(秋永一枝)などの成果を得た。3、方言アクセントの調査研究は京都・東京(秋永)、伊吹島(佐藤)などで実施した。その成果は、『新明解日本語アクセント辞典』(秋永一枝編2001.3)をはじめ、秋永(2002)「東京語の発音とゆれ」・佐藤(2002)「アクセント型の許容からみる伊吹島アクセントの3式-伊吹島と観音寺の中学生の比較-」などの論文に報告された。4、伝統芸能とアクセント史との関係についても坂本(2001a)「胡麻章の機能-近松浄瑠璃譜本の場合」(2001b)「声の伝承-復曲時には何が伝承されるのか-」(2001c)「文字の呪性-仮名遣いという呪縛-」(2002a)「「語り」と「謡い」-義太夫節のアクセントから探る-」(2002b)「近代語の発音-謡曲伝承音との関係-」などの研究報告があった。
著者
森 勇樹 井上 隆 前 真之 佐藤 誠 村上 雄飛
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会環境系論文集 (ISSN:13480685)
巻号頁・発行日
vol.79, no.700, pp.515-523, 2014-06-30 (Released:2014-07-15)
参考文献数
13

The objective of this research is to grasp the effect of high insulation bathtub on heat-retention of hot water, by means of web questionnaire, laboratory experiment, and actual survey in houses. As a result, the followings were obtained; 1) It is indicated that high insulation bathtub is remarkably effective for restraining falling in temperature of hot water in bathtub, and that the insulation effect is not observed clearly when the lid of bathtub is opened even if it is the high insulation bathtub. 2) The insulation performance of bathroom also affects the decrease in water temperature as well as that of bathtub. As with insulation of the bathtub, it is important to insulate the bathroom. 3) It is suggested that to estimate water temperature drop by using bathtub heat loss coefficient would be possible.
著者
熊谷 崇宏 伊東 淳一 日下 佳祐 佐藤 大介
出版者
一般社団法人 電気学会
雑誌
電気学会論文誌D(産業応用部門誌) (ISSN:09136339)
巻号頁・発行日
vol.141, no.12, pp.962-975, 2021-12-01 (Released:2021-12-01)
参考文献数
21
被引用文献数
1

This paper proposes an automatic design method of typical parameters such as number of phases, number of poles, stack thickness, stator outer diameter, rotor outer diameter, and number of turns of a switched reluctance motor from the requirement of the N-T characteristic. In particular, a specific parameter related to the magnetic saturation is defined in order to arbitrarily determine how much to use the magnetic properties of the iron core material. In the proposed method, the typical motor parameters in order to realize a miniaturized volume which satisfies an input N-T characteristic are obtained by setting the parameter related to magnetic saturation, maximum electrical frequency, maximum current density, maximum copper loss, conductor slot fill factor, magnetic properties of material, and input voltage. The designed motor is analyzed using the Finite Element Method in order to validate the proposed method.
著者
吉岡 みどり 原田 亜紀子 芦澤 英一 木下 寿美 相田 康一 大森 俊 木下 裕貴 大橋 靖雄 佐藤 眞一 水嶋 春朔
出版者
日本公衆衛生学会
雑誌
日本公衆衛生雑誌 (ISSN:05461766)
巻号頁・発行日
vol.68, no.11, pp.728-742, 2021-11-15 (Released:2021-12-04)
参考文献数
41

目的 人生の最終段階を可能な限り長く自立して過ごしていくためには,Activities of Daily Living(ADL)のような身体的な自立に加え,高次生活機能(「手段的自立」,「活動」,「参加」)があわせて必要となってくる。そこで,地域住民を対象とした長期追跡研究において,手段的自立,知的能動性,社会的役割と健康状態(総死亡,要介護発生)の関連性を検討した。方法 鴨川コホート研究の参加者データを用いて,2003年から2013年までに千葉県鴨川市民を対象に,医療サービス利用状況,健康状態,疾病有病率,介護保険サービスの利用状況を調査した。鴨川市民の生活習慣と高次生活機能の違いを死亡状況別,要介護発生状況別に比較した。高次生活機能は,老研式活動能力指標を用いて評価し,各質問への回答,各領域の得点,合計得点を調べた。結果 40-69歳の成人6,503人がコホート研究に参加し,2013年末までに810人の死亡を把握した。総死亡と高次生活機能との関連をみると,手段的自立得点4または5に対する3点未満のハザード比2.03(95%CI: 1.59-2.60),知的能動性得点4に対する3点未満のハザード比1.39(95%CI: 1.09-1.77),社会的役割得点4に対する3点未満のハザード比1.28(95%CI: 1.03-1.59))であった。性別の層別解析では,手段的自立得点の低さは,男女ともに総死亡発生に対して関連がみられたが,知的能動性,社会的役割については,女性においてのみ総死亡発生との関連がみられた。同じ期間に917人の要介護発生を把握した。同様に高次生活機能との関連をみると,手段的自立,社会的役割についてはハザード比が有意であった(手段的自立1.93(95%CI: 1.55-2.40),社会的役割1.30(95%CI: 1.07-1.58))。男女別では,手段的自立得点の低さは,男女ともに要介護発生に対して関連がみられたが,社会的役割については,女性でのみ関連がみられた。結論 総死亡,要介護発生に対して,高次生活機能の手段的自立,知的能動性,社会的役割のいずれのドメインにおいても,得点が最も低いカテゴリーは,総死亡,要介護発生に対して有意に関連していた。
著者
佐藤 英人 荒井 良雄
出版者
The Human Geographical Society of Japan
雑誌
人文地理 (ISSN:00187216)
巻号頁・発行日
vol.55, no.4, pp.367-382, 2003-08-28 (Released:2009-04-28)
参考文献数
58
被引用文献数
2 3

In this paper, we try to focus the relationship between progress in information and communication technologies (ICTs) and the suburbanization of the office location.Information-related functions are located not only in the central business district (CBD) but also in the suburbs in Tokyo metropolitan area. Particularly conspicuous suburban locations are Yokohama area, Makuhari area and Tachikawa area, all of which are situated within some 30km from of the CBD.The Makuhari Shintoshin (new city) project has been successively promoted since 1989. To date, this new city is increasingly attracting information-related functions from the CBD, forming a new suburban office core. In terms of capital scale and business contents, these firms can be classified into the following three types. 1. Internet-related firms, 2. Back offices, 3. R&D sections of major firms.Taking into consideration factors of the suburbanization of internet-related firms and back offices, the push factor for internet-related firms have been a sharp rise in office overheads in the CBD, and the push factor for back offices an increase in the number of employees due to intensive investment by major firms in the information industry in the 1990s; the suburbanization has thus made headway in order to secure office space. The pull factor appears to be the same for both internet-related firms and for back offices; namely, an abundant supply of high-quality information infrastructure, specifically intelligent buildings in Makuhari Shintoshin, which has served as a significant pull.In cases where major firms have constructed their own buildings and established the R&D sector, in particular, it is necessary to introduce changes in the corporate organization, which is distinctly different from the situation where single business establishments are relocated. Firms have constructed in Makuhari Shintoshi, with existing offices using a large-volume broad-band communications network, smooth in-house electronic data exchange has become possible leading to the development of an environment in which telecommunications can be actively introduced. For this reason, it is assumed that the "R&D sector", the sector that necessitates relatively little direct contact with clients, has been relocated from the CBD to the suburbs.This paper considered that the relationship between new ICTs and the suburbanization of office location on the basis of practical case study. It is generally understood that new ICT represents one of the factors behind the suburbanization of office location. This conclusion is consistent with previous case studies in Europe and the United States.Future studies will focus on comparing with another suburban core cities, because we continue to discuss that the standardization of relationship between progress in ICTs and the suburbanization of the office location.
著者
佐藤 暢彦
出版者
文林堂
雑誌
航空ファン (ISSN:04506650)
巻号頁・発行日
vol.68, no.7, pp.86-95, 2019-07