著者
大田 裕之 川村 和郎 福留 秀暢 田島 貢 岡部 堅一 池田 圭司 保坂 公彦 籾山 陽一 佐藤 成生 杉井 寿博
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SDM, シリコン材料・デバイス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.139, pp.115-119, 2008-07-10
参考文献数
9

本論文では新しい歪み技術である不純物閉じ込め層(DCL)をNMOSに、2層のNiフルシリサイド(Ni-FUSI)をPMOSにそれぞれ用いたハイブリッドゲート構造について報告する。DCL技術はIEDM2007において我々が報告した歪印加効果が大きいストレス・メモリー(SMT)に属する手法である。2層Ni-FUISIはFLA(フラッシュ・ランプ・アニール)を用いてPMOSゲートのみに選択的に形成した。結果として、PMOSの実効酸化膜換算膜厚の薄膜化による飽和電流の向上、仕事関数差によるしきい値変動からRoll-off特性の向上が得られた。またNMOSに関してもFLAによる不純物の活性化、実効酸化膜換算膜厚の多少の薄膜化による飽和電流の向上、ハローの不活性化抑制によるRoll-off特性の向上が得られた。性能としては|V_d|=1.0VにおいてnMOSFET、pMOSFETで1255/759μA/μmが得られた。
著者
紙谷 浩喜 佐藤 雄太 藤本 邦洋 梅木 駿太 古原 岳雄 七森 和久
出版者
公益社団法人 大分県理学療法士協会
雑誌
大分県理学療法学 (ISSN:13494783)
巻号頁・発行日
vol.13, pp.1-5, 2020 (Released:2020-07-10)
参考文献数
8

【目的】 地域包括ケア病棟における入院患者において,生活機能の改善が高い患者と低い患者において,患者の転帰先に影響を与える要因と担当理学療法士・作業療法士が行った対応方法に関して質的研究法を用いて調査すること.【対象】 対象は2017 年6月~ 2018 年1月に,在宅から入院し当院の地域包括ケア病棟から退院した患者409 名のうち除外基準を満たした202 名とした.【方法】 病院環境におけるFIM 運動項目(以下,mFIM)からFIM effectiveness(以下,emFIM)を算出した.全群におけるemFIM の中央値より高い者を生活機能改善率が高い,中央値より低い者を生活機能改善率が低いと定義した.退院先が自宅でありemFIM が低いもの(以下,自宅低emFIM 群)と,退院先が施設でありemFIM が高いもの(以下,施設高emFIM 群)を調査対象とした.転帰先の決定に重要であった要因と対応方法について担当セラピストより聴取し,分類した.【結果】 自宅低emFIM 群は67 名であった.67 名の転帰先に関する特徴は3種類に分類できた.①病院環境ではemFIM が不十分だが自宅生活が可能な者,②手すりや歩行補助具など物的環境調整によってemFIM が十分となった者,③物的環境を調整してもemFIM が不十分であるが本人や家族の強い希望により自宅に退院した者であった.施設群高emFIM 群2名であった.2名のうち1名は家族関係が不仲,1名は入院前生活以上の介護負担を負えないと家族が判断した.【考察】 自宅低emFIM 群67 名のうち,約9割は適切な物的環境で課題となる動作の評価が重要であった.物的環境,人的環境のいずれにおいても,早期から医療者と当事者の認識の誤差を埋めるような関わり方が重要だと思われる.
著者
佐藤 正道
出版者
鳴門生徒指導学会
雑誌
鳴門生徒指導研究 = Journal of Naruto School Guidance and Counseling (ISSN:09175180)
巻号頁・発行日
no.9, pp.100-121, 1999

日本の不登校の問題を考える上で,常に世界の研究に目を向け続けることは必要である。筆者は1980年から1990年までの研究の概観を行い,その継続研究として1991年から1年毎に ERIC および PSYCHOLOGICAL ABSTRACTS の不登校との関連が考えられるキーワード school attendance,school dropouts,school phobia,school refusal を持つ文献を分類してきている。その継続研究として1998年の文献51件について取り上げ分類し検討を加えた。
著者
船津 孝行 近藤 倫明 佐藤 基治
出版者
Japan Ergonomics Society
雑誌
人間工学 (ISSN:05494974)
巻号頁・発行日
vol.23, no.3, pp.181-184, 1987

本研究の目的は, 交通場面において不安全運転挙動を測定し, そのタイプを分類することである. 運転挙動に含まれる不安全挙動 (急加速, 急減速, 急旋回) を測定するためにセーフティー・カウンターが実験車内に設置された. 被験者として28名のプロのタクシードライバーが12カ月間にわたって本実験に参加した. 得られたデータを分析するために階層的クラスター分析法が採用された. 分析の結果から, 21名の安全群と7名の不安全群が分類された. 不安全群はさらに, その不安全挙動の特徴によって急加速型, 急減速型, 複合型に分類された.
著者
佐藤 雅俊
出版者
植生学会
雑誌
植生学会誌 (ISSN:13422448)
巻号頁・発行日
vol.32, no.2, pp.69-80, 2015

1. 釧路湿原国立公園の湧水地において,新たにヌマハコベとカラフトノダイオウをそれぞれ優占種とする2 つの湧水辺植物群落の存在を認め,それぞれの種組成と立地を明らかにした.<br> 2. 調査は方形区法に従い,均質な植分に大きさ1 m×1 m の調査区を設置し,方形区内の維管束植物と蘚苔類の優占度および群度を記録した.確認された2 群落について,釧路湿原に既知の群落であるカラフトノダイオウ-エンコウソウ群集と比較した.このほか方形区の位置情報や表面土壌状況の記録と水温測定を加え,2 群落の立地で典型的な1 地点の湧水地を選び,簡易測量によって地形断面図を作成した.<br>3. 2 群落には植物社会学的な植生体系上の上級単位であるオオバセンキュウ-タネツケバナ群団の標徴種であるオオバタネツケバナとオオバセンキュウが出現したので,両群落とも同群団に属すると判断された.しかしながら,群団標徴種の常在度がやや低いヌマハコベ群落は群団レベルの所属において検討の余地があると思われた.<br>4. カラフトノダイオウ群落は,オオバタネツケバナやオオバセンキュウが高常在度で出現する点で,北海道内の大雪山高根ヶ原や十勝三股のカラフトノダイオウが主体となる群落と類似のものであった.一方で,本報のカラフトノダイオウ群落は,釧路湿原に記録されたカラフトノダイオウ-エンコウソウ群集と比較すると,エンコウソウの常在度と優占度がやや低く, クサヨシ,ツリフネソウ,オオカサスゲが欠落したので,低層湿原植生に位置づけられた同群集とは異なると判断された.<br>5. ヌマハコベ群落の立地は,湧水が表面全体を浅く流れる砂の平坦面であったが,カラフトノダイオウ群落の立地は泥の緩斜面であり,両群落の立地は大きく異なっていた.同一の湧水地の範囲内であっても,湧泉と谷底面との比高差が小さい場所では前者の立地が形成され,比高差が大きい場所では後者の立地が形成されると考えられた.<br>
著者
佐藤 義和 長谷川 三喜
出版者
The Society of Agricultural Structures, Japan
雑誌
農業施設 (ISSN:03888517)
巻号頁・発行日
vol.21, no.3, pp.167-174, 1991-03-30 (Released:2011-09-05)
参考文献数
11

係留式ストールの居住性を検討するために乳用牛の起立・横臥動作に関する運動力学的分析を行った。動作中にスタンチョンに与えられる引張力の最大値は上下支点型チェーンタイの場合の2~4倍程度であることを明らかにし, スタンチョンの拘束力の大きさを定量化した。両動作に共通して, 前肢に関しては前膝による接地時間が長く, 1前膝で体重の40%程度の荷重を支えていることを明らかにした。後肢に関しては蹄尖付近の小面積による接地相があり, 接地圧は数十kgf/cm2になるものと推定した。横臥動作時には前肢は後方に最もすべりやすいため, ストールの前半部分に関しては勾配を小さく抑えるべきであると考察した。
著者
中村 正人 山崎 敦 田口 真 岩上 直幹 佐藤 毅彦 高橋 幸弘 今村 剛
出版者
日本惑星科学会
雑誌
日本惑星科学会誌遊星人 (ISSN:0918273X)
巻号頁・発行日
vol.25, no.1, pp.4-7, 2016

金星探査機「あかつき」は2015年12月に金星周回軌道に入った.日本初の惑星周回機の誕生である.観測機器の初期チェックは順調に進んでいる.中村プロジェクトマネージャーと観測機器担当者が所感を記す.
著者
佐藤 暁子
出版者
The Visualization Society of Japan
雑誌
可視化情報学会誌 (ISSN:09164731)
巻号頁・発行日
vol.36, no.143, pp.25-29, 2016 (Released:2017-10-01)

現在,様々な科学分野で研究がなされているが,どのような科学研究もさらなる発展を図るためには,多くの人に周知してもらい,理解を得ることが重要である.しかし,一般の人にとって,科学研究は難しく,内容を理解することが困難なことが多い.そこで科学研究の結果を,可視化した画像で伝えることは,分かり易く有用であると考える.現に私は,科学研究室の一員となって,科学を可視化する仕事に携わり,科学分野の可視化の重要性を実証しようとしている.ただ,学問として科学を学んできたわけではなく,芸術を学び,デザイナーとして培ってきた経験をベースに物事を可視化している.本稿では,元々科学の知識を持っていない科学の素人が,科学研究者とどのようなコミュニケーションを取って科学を可視化しているか,その過程と事例を具体的に示す.また,芸術の立場から考察した科学分野での芸術の役割やその可能性についても述べる.
著者
上石 勲 山口 悟 佐藤 篤司 兒玉 裕二 尾関 俊浩 阿部 幹雄 樋口 和生 安間 莊 竹内 由香里 町田 敬 諸橋 良 後藤 聡 輿水 達司 内山 高 川田 邦夫 飯田 肇 和泉 薫 花岡 正明 岩崎 和彦 中野 剛士 福田 光男 池田 慎二 会田 健太郎 勝島 隆史
出版者
The Japanese Society of Snow and Ice
雑誌
雪氷 (ISSN:03731006)
巻号頁・発行日
vol.69, no.4, pp.507-512, 2007-07-15
参考文献数
1

2007年2月~4月にかけて4件の大きな雪崩事故が発生した.2007年2月14日には八甲田山系前岳で表層雪崩によってツアースキーヤーの2名が死亡,8名が負傷した.3月18日には,北海道積丹岳で,スノーモービルで走行中の人など16人が雪崩に巻き込まれ,4人が死亡,1人が重傷を負った.また,3月25日には,富士山富士宮口五合目付近でスラッシュ雪崩が発生し,建物と道路施設に被害を与えた.さらに4月18日には富山県立山雷鳥沢で山スキーヤーとスノーボーダーが表層雪崩に巻き込まれ,1名死亡,2名が負傷する事故が発生した.これらの雪崩事故調査から山岳地域では暖冬でも雪崩の危険性は低くないことが確認された.
著者
佐藤 正明
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.976, pp.9-11, 1999-02-01

トヨタ自動車、日産自動車、本田技研工業、三菱自動車工業、そしてマツダ。日本を代表する自動車メーカー5社の運命は、1979年に決まったように思えてならない。20年前といえば、イラン革命に端を発した第2次石油ショックが発生した年である。 日本経済は73年秋に発生した第1次石油ショックで、高度経済成長に別れを告げた。
著者
佐藤 和彦
出版者
早稲田大学
巻号頁・発行日
1981

博士論文
著者
渡邉 光浩 佐藤 和紀 柴田 隆史 堀田 龍也
出版者
鹿児島女子短期大学
雑誌
鹿児島女子短期大学紀要 = Bulletin of Kagoshima Women's College (ISSN:02868970)
巻号頁・発行日
no.58, pp.127-132, 2021

日本語入力スキルの指導について,国内外のタイピングや日本語入力スキルの実態・指導に関わる論文の調査等の結果をレビューした.これらのレビューから示唆される日本語入力スキルの指導方略を(1)教科等の授業において練習時間を設ける(2)ホームポジションの位置と各キーの位置を覚えさせることから始め,後から速度や精度を高める(3)ローマ字での入力について①濁音・拗音②訓令式・ヘボン式にこだわらないこと③かな・英数,半角・全角の切替・変換を指導する(4)意図的に活用する機会を設けたり,主体的に活用できるようにしたりする,の4点に整理した.
著者
藤井 千里 赤間 明子 大竹 まり子 鈴木 育子 細谷 たき子 小林 淳子 佐藤 千史 叶谷 由佳
出版者
一般社団法人 日本看護研究学会
雑誌
日本看護研究学会雑誌 (ISSN:21883599)
巻号頁・発行日
vol.34, no.1, pp.1_117-1_130, 2011-04-01 (Released:2016-03-05)
参考文献数
42

本研究の目的は,訪問看護ステーションの収益と管理者の経営能力との関連を明らかにすることである。全国のステーション管理者を対象に質問紙調査を行い,有効回答数64ヶ所のデータを集計分析した。 その結果,次のことが明らかとなった。管理者が収支を予測したり,経営戦略の策定,経理・財務を理解している割合や他職種にステーションの過去の実績を示す,利用者獲得に向けた活動の評価について実施している割合が低かった。一方,従事者数や利用者数が中央値より多い,管理者が経営学を学んでいる,経営戦略や経営計画を策定し,採算性の評価をしている,必要な情報を収集・分析し,有効に活用しているステーションは,有意に収益が高かった。 以上より,ステーションの経営の安定化には,計画に基づいた事業の実施とその評価,利用者だけではなく,医師や介護支援専門員等の専門職を顧客と位置づけて営業活動を実施していくことの重要性が示唆された。
著者
星野 陽子 住谷 昌彦 日下部 良臣 佐藤 可奈子 冨岡 俊也 小川 真 関山 裕詩 山田 芳嗣
出版者
一般社団法人 日本ペインクリニック学会
雑誌
The journal of the Japan Society of Pain Clinicians = 日本ペインクリニック学会誌 (ISSN:13404903)
巻号頁・発行日
vol.19, no.2, pp.98-102, 2012-06-25
参考文献数
11

エピドラスコピーは腰部脊柱管狭窄症などによる痛みに対して,硬膜外腔の癒着剥離および神経根周囲の洗浄を目的として行われる治療手技である.このようなエピドラスコピーの利用法とは異なり,腰部脊柱管硬膜外腔内嚢胞性病変による腰下肢痛に対して,エピドラスコピーを造影のために使用し,Tuohy針による穿刺によって嚢胞性病変の縮小と痛みの緩和に成功した1症例を経験したので報告する.症例は52歳の女性である.半年前から左臀部痛および左下肢痛を発症し,腰椎MRI所見から第4腰椎硬膜外腔内の嚢胞性病変による第5腰髄神経根の圧迫が痛みの原因と診断した.嚢胞性病変の成因としては第4/5腰椎椎間関節滑液嚢胞が示唆された.まず行われた低侵襲治療である椎間関節ブロック,腰部硬膜外ブロック,薬物療法では痛みは軽減しなかった.そこで,エピドラスコピーを用いて直視的に嚢胞を穿破しようと試みた.しかし,エピドラスコピー本体での穿破は硬度が足りず成功しなかったため,硬膜外腔の局所的な造影で不染部から嚢胞の位置を同定し,第4/5腰椎椎間板間隙からTuohy針を穿刺し嚢胞内容の減量に成功した.穿刺直後から痛みは軽減し,その後の腰椎MRIでは嚢胞性病変が縮小した.
著者
原 和彦 佐藤 構二 受川 史彦 ATLAS Collaboration
出版者
Springer
雑誌
The European physical journal. C (ISSN:14346044)
巻号頁・発行日
vol.80, no.8, 2020-08

The results of a search for electroweakino pair production pp→χ~±1χ~02 in which the chargino (χ~±1) decays into a W boson and the lightest neutralino (χ~01), while the heavier neutralino (χ~02) decays into the Standard Model 125 GeV Higgs boson and a second χ~01 are presented. The signal selection requires a pair of b-tagged jets consistent with those from a Higgs boson decay, and either an electron or a muon from the W boson decay, together with missing transverse momentum from the corresponding neutrino and the stable neutralinos. The analysis is based on data corresponding to 139 fb−1 of s√=13 TeV pp collisions provided by the Large Hadron Collider and recorded by the ATLAS detector. No statistically significant evidence of an excess of events above the Standard Model expectation is found. Limits are set on the direct production of the electroweakinos in simplified models, assuming pure wino cross-sections. Masses of χ~±1/χ~02 up to 740 GeV are excluded at 95% confidence level for a massless χ~01.
著者
原 和彦 金 信弘 大川 英希 佐藤 構二 受川 史彦 ATLAS Collaboration Hara K. Kim S.H. Okawa H. Sato K. Ukegawa F.
出版者
American Physical Society
雑誌
Physical Review D (ISSN:24700010)
巻号頁・発行日
vol.97, no.5, 2018-03-27

A search for electroweak production of supersymmetric particles in scenarios with compressed mass spectra in final states with two low-momentum leptons and missing transverse momentum is presented. This search uses proton-proton collision data recorded by the ATLAS detector at the Large Hadron Collider in 2015-2016, corresponding to 36.1 tb(-1) of integrated luminosity at root s = 13 TeV. Events with same flavor pairs of electrons or muons with opposite electric charge are selected. The data are found to be consistent with the Standard Model prediction. Results are interpreted using simplified models of R-parity conserving supersymmetry in which there is a small mass difference between the masses of the produced supersymmetric particles and the lightest neutralino. Exclusion limits at 95% confidence level are set on next-to-lightest neutralino masses of up to 145 GeV for Higgsino production and 175 GeV for wino production, and slepton masses of up to 190 GeV for pair production of sleptons. In the compressed mass regime, the exclusion limits extend down to mass splittings of 2.5 GeV for Higgsino production, 2 GeV for wino production, and 1 GeV for slepton production. The results are also interpreted in the context of a radiatively-driven natural supersymmetry model with nonuniversal Higgs boson masses.