著者
倉持 純一 五関 謹秀
出版者
Japan Surgical Association
雑誌
日本臨床外科学会雑誌 (ISSN:13452843)
巻号頁・発行日
vol.61, no.12, pp.3236-3238, 2000-12-25 (Released:2009-02-10)
参考文献数
9
被引用文献数
1 1

症例は53歳女性,上腹部痛および蕁麻疹を主訴として来院した.上部消化管内視鏡にて胃幽門洞前壁に2型進行癌を認めたが,アニサキス幼虫がその潰瘍底に迷入し周堤は浮腫状を呈していた.鉗子を用いアニサキス虫体を除去し,症状は改善した.後日胃癌に対し幽門側胃切除術を施行した.病理組織学的にはアニサキスによる炎症細胞浸潤や肉芽腫性変化は認められず,漿膜面の変化もなかった.本症例はアニサキス幼虫が進行胃癌に迷入しておりまれな1例である.
著者
吉野 博 村上 周三 赤林 伸一 倉渕 隆 加藤 信介 田辺 新一 池田 耕一 大澤 元毅 澤地 孝男 福島 明 足立 真弓
出版者
一般社団法人 日本建築学会
雑誌
日本建築学会技術報告集 (ISSN:13419463)
巻号頁・発行日
vol.10, no.19, pp.189-192, 2004-06-20 (Released:2017-04-14)
参考文献数
18
被引用文献数
2 1

The purpose of this survey is to clarify the status of standards on ventilation requirements for residential buildings in European and North American countries. This paper reports the minimum ventilation rate for the residential buildings in eleven countries which are described in the literatures. The airflow rate and air change rate are calculated for a model house proposed by The Architectural Institute of Japan. As a result, the values of air change rate is around 0.5 ACH in almost all countries.
著者
小倉 英郎
出版者
一般社団法人 日本計画行政学会
雑誌
計画行政 (ISSN:03872513)
巻号頁・発行日
vol.46, no.2, pp.3-8, 2023-05-15 (Released:2023-06-08)
参考文献数
7

From October 2000 to March 2021, we examined the clinical features of 349 outpatients with SHS, MCS and EHS (16 years and older) who initially visited our hospital with symptoms. A diagnosis of MCS was made based on the “1999 Consensus”. The average age of the subjects was 47.6 +/-13.3 years, with a male to female ratio of 1:4.82. However, the male-to-female ratio of 34 children aged 15 years or younger was 1:1.15 (p<0.001). A review by disease type indicates that SHS accounted for 22.3% of the cases, decreasing after 2007, with 69.2% thereof progressing to MCS or MCS+EHS. The trend shows that EHS associated with MCS has been on the rise since 2011. There was a significant difference in the male-female ratio between adults and children. The results also suggest that there more females than men develop the disease at an older age. There is a concern that MCS and EHS will increase going forward, so some form of countermeasure is desired.
著者
倉橋 知英 法水 淳 三宅 崇之 早田 菜保子 岡本 明之 青地 一樹 平尾 元宏 山田 拓哉 平松 直樹
出版者
一般社団法人 日本肝臓学会
雑誌
肝臓 (ISSN:04514203)
巻号頁・発行日
vol.64, no.9, pp.437-444, 2023-09-01 (Released:2023-09-11)
参考文献数
13

症例は80代男性.発熱・咳嗽を主訴に前医を受診,肺炎と診断され抗菌薬投与を開始されたが,肝酵素上昇を認め紹介となった.血液検査でMPO-ANCA陽性であった.腹部エコー検査で肝動脈内血栓を認め,肝動脈虚血による急性肝障害と診断した.第7病日に収縮期血圧70 mmHg台と急激な低下を認め,造影CTで肝周囲に血腫,多発肝動脈瘤,右肝動脈瘤周囲の高吸収域の出現から,肝動脈瘤破裂による腹腔内出血と診断した.腹部血管造影で明らかな出血源は同定できず経過観察とした.第30病日,喀血と呼吸状態の増悪があり,胸部CTで肺胞出血によるびまん性のすりガラス影を認め,ANCA関連血管炎(AAV)と診断した.ステロイドパルス療法にて症状は改善し,肝動脈瘤及び肺胞からの出血の再発なく退院となった.AAVは主に小血管を障害するが,肝動脈等の中型血管も障害をおこすことがあり,稀に肝動脈瘤の原因となりうるため注意を要すると考えられた.
著者
亀倉 正博
出版者
日本海水学会
雑誌
日本海水学会誌 (ISSN:03694550)
巻号頁・発行日
vol.58, no.5, pp.494-505, 2004 (Released:2013-02-19)
参考文献数
88
著者
上小牧 駿 倉本 宣
出版者
日本緑化工学会
雑誌
日本緑化工学会誌 (ISSN:09167439)
巻号頁・発行日
vol.47, no.1, pp.215-218, 2021-08-31 (Released:2021-12-29)
参考文献数
15

国外移入種アレチケツメイの発芽特性を明らかにするため,発芽実験を行った。また,アレチケツメイの侵入地である安倍川において,同所的に生育が確認された同属の在来種カワラケツメイについても同様の実験を行った。その結果,アレチケツメイはカワラケツメイと比べて,物理的休眠の打破が起こりにくいこと,乾熱への感受性が低いこと,発芽最適温度が高いことが示唆された。アレチケツメイは永続的な埋土種子集団を形成し,相対的に発芽時期が遅い可能性がある。これらのことから,アレチケツメイは一度侵入すると根絶は困難であり,侵入初期やまだ侵入していない河川においては十分な対応が求められる。
著者
笹倉 いる美
出版者
北海道立北方民族博物館
雑誌
北海道立北方民族博物館研究紀要 (ISSN:09183159)
巻号頁・発行日
vol.32, pp.089-097, 2023-03-24 (Released:2023-06-01)

2022年1月1日から2022年12月31日までの間に発行された、北方地域に関する単行本、論 文、研究報告、翻訳、一般雑誌記事、新聞記事など印刷物になったもの、インターネット に掲載されたものを著編者自身から受けた情報をもとに掲載している。また、これまでの 補遺にあたるものも掲載している。凡例・著編者名の50音順、発行年月日順に次の項目を 掲載している。 凡 例 ・ 著編者名(ローマ字著編者名)、所属・役職、発行年月日、共著編者名、「論文名」、編 集者名、『書名』、巻号数、発行所:発行地、該当頁 ・ 数字は書名に使われる場合も含めてアラビア数字に統一している。 原則として著編者、共著者の所属は2022年12月現在のものである。 編集にあたりまして、問い合わせに快く回答くださいました研究者のみなさまに心から 感謝申し上げます。
著者
内貴 章世 仲宗根 忠樹 大井・東馬 哲雄 米倉 浩司 阿部 篤志
出版者
The Editorial Board of The Journal of Japanese Botany
雑誌
植物研究雑誌 (ISSN:00222062)
巻号頁・発行日
vol.98, no.3, pp.134-139, 2023-06-20 (Released:2023-06-20)
参考文献数
15

国内では沖縄県与那国島にのみ分布するヤエヤマハシカグサExallage auriculariaが約40年ぶりに再発見されたので報告する.近縁種を含めた分子系統解析を行ったところ,先行研究と同じく本種は単系統ではないことが示唆され,与那国のものはタイやフィジーに分布するものと近縁であることが示された.本種は形態が多型的で種内分類群が提唱されたことがあり,種内および近縁種との関係性を明らかにするためにはさらなる解析が必要である.
著者
朝倉 英策
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.109, no.7, pp.1378-1385, 2020-07-10 (Released:2021-07-10)
参考文献数
13
被引用文献数
3 2

播種性血管内凝固(disseminated intravascular coagulation:DIC)は,「日本血栓止血学会DIC診断基準2017年版」を用いて診断するのがよい.DICの病型分類(線溶抑制型・線溶亢進型・線溶均衡型)は,早期診断,治療法の適切な選択の両観点から重要な概念である.PT(prothrombin time),APTT(activated partial thromboplastin time)のみではDIC診断は不可能であり,少なくともフィブリノゲン,FDP(fibrin/fibrinogen degradation products)及びDダイマーも加えたスクリーニングが不可欠である.近年,血栓性微小血管障害症とDICの鑑別も話題になっている.
著者
八板 昭仁 青柳 領 倉石 平 野寺 和彦
出版者
日本コーチング学会
雑誌
コーチング学研究 (ISSN:21851646)
巻号頁・発行日
vol.35, no.2, pp.189-199, 2022-03-20 (Released:2022-05-09)
参考文献数
43

The purpose of this study was to develop a knowledge test for in-game situational awareness to evaluate the presence or absence of knowledge about fast-break situations in basketball. Because the amount of knowledge, which is the basis for making decisions, reportedly affects the superiority of decision-making ability in ball games, the presence or absence of basic knowledge for athletic performance is thought be related to in-game decision-making ability. First, we developed a 44-scene, 88-question original test that included plays on the backcourt and frontcourt for three typical fast-break offensive situations. Seven coaches who had participated in the all Japan intercollegiate championships and 190 college basketball players classified into national championship and local tournament groups completed the original test. As a result, 33 scenes and 45 questions were selected that satisfied the criteria of reliability, internal consistency, and criterion validity. A cross-validity evaluation of this 33-scene, 45-question test conducted by 60 different college basketball players found a significant difference between the national championship group and the local tournament group, thereby validating the test's applicability. This test, which evaluates the presence or absence of knowledge about decision-making for tactical actions in basketball games, could be used to determine the acquisition of necessary knowledge for appropriate decision-making in fast-break situations in basketball games.
著者
横倉 真弥
出版者
名古屋大学
巻号頁・発行日
2013

identifier:http://hdl.handle.net/2237/17969
著者
山田 胡瓜 福地 健太郎 大澤 博隆 宮本 道人 江渡 浩一郎 倉本 到 渡邊 淳司 前田 太郎 中村 裕美 寺島 裕貴 加藤 淳 米澤 朋子 塩見 昌裕 新山 龍馬 宮本 隆史 水野 雄太 櫻井 翔
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.61, no.1, pp.71-77, 2019-12-15

研究者に,漫画家・山田胡瓜流のSF作劇手法を学んでもらった上でSF作品を書いてもらうという『情報処理』特集記事「『AIの遺電子』に学ぶ未来構想術」に寄せられた内の12作品を対象に,山田胡瓜氏を囲んで実施された講評会の様子を記す.各作品に対して,山田氏に加えて講評会に参加した研究らが,その意義や現実の社会に与えうるインパクトについての議論がなされた.議論の中で,『AIの遺電子』に描かれなかった設定についても山田氏本人から語られる場面があった.
著者
高倉 龍
出版者
京都大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2021-04-28

操作的に自然な最も広い物理理論である一般確率論(GPTs)における1つの理論として量子論をとらえることで,量子論に特有の性質や量子論の本質を明らかにする研究を行う。本研究では特に,量子論において重要な現象である不確定性・非局所性をGPTsに拡張しその性質を調べることで,量子論の不確定性・非局所性の更なる理解を得ることを目標とする。具体的には,1)量子論で成り立っている状態準備の不確定性と同時測定の不確定性の「等価性」がGPTsにおいてどの程度一般的であるか,2)GPTsにおける最大エンタングルド状態が量子論のものと同様の物理的・数学的な性質を示すか,の2つの項目について研究を行う。
著者
岡原 祥子 角倉 弘行
出版者
日本臨床麻酔学会
雑誌
日本臨床麻酔学会誌 (ISSN:02854945)
巻号頁・発行日
vol.38, no.4, pp.556-561, 2018-07-15 (Released:2018-08-29)

麻酔科医は,手術室での麻酔を通して全身管理には長けているが,無痛分娩の安全性を担保するためには,それに加えて周産期医学の深い理解が不可欠である.また,一緒に働く産科医や助産師との円滑なコミュニケーションも重要なポイントとなる.わが国では無痛分娩はいまだ広く普及していないが,そのニーズは年々高まっている.本稿では無痛分娩の具体的な方法についても紹介するが,無痛分娩を実践する際には無痛分娩を実践している施設での産科麻酔の研修を済ませてから実施することが強く求められる.