著者
中村 俊哉 中島 義実 倉元 直樹 中村 幸 Antartika I Kadek
出版者
福岡教育大学
雑誌
福岡教育大学紀要. 第四分冊, 教職科編 = Bulletin of Fukuoka University of Education. Part IV, Education and psychology (ISSN:02863235)
巻号頁・発行日
vol.54, pp.223-240, 2005-02-10

福岡,沖縄,インドネシアのバリ島地区,インドのベンガル地区の4地域において,国際比較のための死生観尺度を用いて調査を行い,これらの尺度の英文,インドネシア語における信頼性を検討するとともに,4つの地域の間の死生観の比較を行った。その結果,魂の行方を決めるもの,祖先との対話などでは,大きな地域差があった。死者,祖先への働きかけは日本で高く,神への働きかけはバリ島,ベンガルで高かった。また輪廻観などはゆるやかだがヒンドゥー地域の方が高かった。同じヒンドゥーでもベンガルとバリ島の間には,様々な差(たとえば神との合体や魂の消滅について)があった。
著者
佐々木 明 大倉 俊平 小野 真吾
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第36回 (2022) (ISSN:27587347)
巻号頁・発行日
pp.1H1GS1102, 2022 (Released:2022-07-11)

アプリ内で提示される記事を提示ロジックのパーソナライズの強さによって段階分けし、パーソナライズへの嗜好性と閲覧記事の多様性の関係を調査した。 その結果、閲覧記事の多様性が高いユーザほど長期的なエンゲージメントが高くなる一方で、よりパーソナライズが強く効いたロジックを好むユーザほど閲覧記事の多様性が低くなってしまうことがわかった。
著者
澤田 智紀 大川原 洋樹 中島 大輔 名倉 武雄
出版者
公益財団法人 石本記念デサントスポーツ科学振興財団
雑誌
デサントスポーツ科学 (ISSN:02855739)
巻号頁・発行日
vol.43, pp.178-187, 2022-06-20 (Released:2022-12-20)
参考文献数
13

本研究は筋疲労の改善に効果的な温冷交代刺激プロトコルを検証するとともに,筋組織血流動態と自律神経活動へ及ぼす影響を検証することを目的とした.対象は健常成人男性とし,タイピング課題により僧帽筋に疲労を生じさせた上でウェアラブルサーモデバイスを用いた3つの温冷交代刺激条件と刺激なし条件の計4条件の介入を実施した.評価項目は筋硬度と主観的症状とした.さらに,これらの項目に関して改善が得られた介入条件における筋組織血流動態ならび心拍変動解析による自律神経活動を評価した.その結果,温刺激3分,冷刺激1分のプロトコルにおいて筋硬度と主観的症状の改善を認めた.また,同プロトコルの実施により,僧帽筋組織中の酸素化ヘモグロビン濃度変化量,総ヘモグロビン濃度変化量が上昇し,交感神経活動の指標である低周波成分 /高周波成分比( LF/HF)の増大を認めた.本研究により,局所的な表在性の温冷交代刺激が対象とする筋組織ならびに自律神経活動に影響を及ぼすことが明らかとなった.
著者
粟倉 大輔
出版者
中央大学経済研究所
雑誌
中央大学経済研究所年報 (ISSN:02859718)
巻号頁・発行日
vol.43, pp.843-878, 2012-09-28

本稿は、明治期日本において製茶再製に従事した女性労働者=「再製茶女工」について論じ、その再評価を試みるものである。この再製技術は中国から導入されたもので、製茶輸出時に施された「火入れ(=乾燥)」と「着色」のことをいう。再製は居留地外商が経営していた「お茶場」で行われ、その現場は中国人男性が監督していた。 本稿では、お茶場における労働内容や内部のヒエラルキー、労働環境、賃金を詳細に検討した。これらの他にも、「再製茶女工」となった女性本人についても論じている。さらに、当時の新聞・雑誌における彼女たちに関する報道の分析を通じて、そのイメージ形成についても検討を加えた。以上を通じて、「再製茶女工」に対する「女工哀史」的な見方を修正する必要があること、また明治期日本の産業発展に未婚・若年労働者だけではなく既婚女性も大きな役割を果たしていたことを明らかにした。
著者
須釜 淳子 石橋 みゆき 大田 えりか 鎌倉 やよい 才藤 栄一 真田 弘美 中山 健夫 野村 岳志 山田 雅子 仲上 豪二朗 佐藤 直子 柴田 斉子 長谷 剛志 深田 順子 三鬼 達人 有田 弥棋子 浦井 珠恵 大川 洋平 北村 言 臺 美佐子 高橋 聡明 玉井 奈緒 飛田 伊都子 野口 博史 松本 勝 三浦 由佳 向井 加奈恵 麦田 裕子 吉田 美香子 倉智 雅子 白坂 誉子 山根 由起子
出版者
公益社団法人 日本看護科学学会
雑誌
日本看護科学会誌 (ISSN:02875330)
巻号頁・発行日
vol.42, pp.790-810, 2022 (Released:2023-03-10)
参考文献数
58

目的:本資料は,日本看護科学学会より公開した「看護ケアのための摂食嚥下時の誤嚥・咽頭残留アセスメントに関する診療ガイドライン」の要約版である.方法:本診療ガイドラインは,「Minds診療ガイドライン作成マニュアル2017」に従い,研究エビデンスと益と害のバランス,患者の価値観などに基づき作成された.結果:身体診査技術を用いた系統的アセスメント,反復唾液嚥下テスト,改訂水飲みテスト,フードテスト,頸部聴診法,超音波診断装置による嚥下観察,内視鏡による嚥下観察に関するクリニカルクエスチョンをもとに,10の推奨が作成された.8つの推奨はGRADE(Grading of Recommendations Assessment, Development and Evaluation)2Cとして評価され,残りの2つはGRADEなしとして評価された.結論:看護ケアのためのアセスメントに焦点を当て,最新の知見を盛り込んだ信頼性の高い診療ガイドラインが作成された.本資料は要約版であり,臨床実践への活用が期待される.
著者
山本 英弘 竹中 佳彦 海後 宗男 明石 純一 関 能徳 濱本 真輔 久保 慶明 柳 至 大倉 沙江
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2020-04-01

近年、経済的・社会的不平等の拡大への政治的対応が求められている。しかし、政治への参加や政策による応答に格差があるとしたら、かえって不平等を助長するおそれがある。そこで本研究では、政治参加と政策応答という2つの点から政治的不平等の実態を捉え、さらに経済的・社会的不平等と関連付けながら政治的不平等の生成メカニズムを解明する。具体的には、1)大規模質問紙調査に基づく個人と団体の政治参加における不平等の把握、2)個人や団体の政策選好と実際の政策との照合による政策応答における不平等の把握、3)事例研究に基づく具体的な政策争点における参加と応答をつなぐプロセスの把握、という3つの調査研究に取り組む。
著者
熊谷 公男 小倉 慈司 堀 裕 川尻 秋生 遠藤 慶太 鹿内 浩胤 新井 重行 福島 真理子 中村 憲司 佐藤 早樹子 佐藤 真海
出版者
東北学院大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2014-04-01

本研究は、弘仁・貞観・延喜の三代の格(律令の修正法)を内容によって分類、再編した『類聚三代格』の新たなテキストを作成することを目的とするもので、そのために必要な主要な写本について史料学的な検討を行いつつ各巻の底本を選び直し、校訂方針の明確化をはかった。その結果、古写本の文字をできるだけ尊重しながら原本の復原をめざすという基本方針を立て、研究代表者・研究分担者から巻ごとの担当者を定めて、協議をしながら校訂作業をすすめてきた。その成果の一部は論文の形でも公表した。また出版社も決定し、全体を3分冊として2022年から順次刊行していく予定である。
著者
小林 渉 渡部 翔平 岩倉 成志 山下 良久
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D3(土木計画学) (ISSN:21856540)
巻号頁・発行日
vol.75, no.5, pp.I_693-I_700, 2019 (Released:2019-12-26)
参考文献数
16

わが国の都市鉄道需要予測モデルの変数には乗車待ち時間が含まれているが,現行の方法では乗車待ち時間を運転間隔の半分と設定している.これは,運転間隔の長い駅の待ち時間を過大に与えている可能性がある.本研究では,大都市圏の駅における待ち時間の設定方法の提案を目的として,運転間隔が 2.5 分から 30 分の間で列車が等間隔に運転している 26 駅で実測調査を実施した.調査の結果,運転間隔が 7.5 分以上の路線では利用者の平均乗車待ち時間が運転間隔の半分より小さくなり,運転間隔が長くなると,かい離が大きくなった.この結果は,海外の既存研究の成果とも整合する.また,乗車待ち時間を改良した鉄道経路選択モデルのパラメータ推定の結果,乗車時間と乗車待ち時間のパラメータ比が増加することを確認した.
著者
人見 真由 倉田 真宏 相田 伸二 下戸 学 趙 晃済 大鶴 繁
出版者
公益社団法人 日本生体医工学会
雑誌
生体医工学 (ISSN:1347443X)
巻号頁・発行日
vol.60, no.6, pp.139-148, 2022-12-10 (Released:2023-03-11)
参考文献数
38

This research examined the seismic behavior of medical equipment, which supports advanced hospital functions through shaking table testing and numerical analysis, and derived evaluation index for mitigating damage. The shaking table test observed the rocking and overturning of neonatal beds and a dialysis liquid feeding apparatus under sine waves and the building floor responses during earthquakes. The rocking and overturning damage occurred only when the casters of equipment were all locked, and the ratio between the equipment’s gravity center height (h) and leg width (b), b/h, is smaller than a certain threshold. The influence of equipment dimensions and weight on the seismic behavior was studied by parametric analysis using a distinct element method (DEM) model of equipment. The probability of damage decreased significantly when the ratio between the b/h becomes large. For the floor velocity response of 80cm/s, which is assumed for the approximate return period of 500 years and with the response amplification factor (the ground to floor response ratio) of 1.6, the probability of overturning became negligible when the b/h is 0.4 or larger. This paper also presents an analytical equation to calculate sufficient safety weights added to existing equipment for conforming to the above thresholds of b/h.
著者
倉橋 耕平
出版者
関西社会学会
雑誌
フォーラム現代社会学 (ISSN:13474057)
巻号頁・発行日
vol.20, pp.43-51, 2021 (Released:2022-07-08)
参考文献数
26

2010年代の政治研究の1つの特徴は右派ポピュリズムへの注目である。2010年代の政治において「何が破壊され、何が生まれたのか?」。本稿は、まず日本社会のイデオロギー変容を調査研究から確認し、その後で2010年代の政治コミュニケーションの特徴を検討する。90年代以降有権者のイデオロギー理解に保守-革新の差異が目立たなくなった。その結果、反エスタブリッシュメントのポピュリズム政党が登場することとなった。その象徴的な出来事の1つが、40代以下の世代では「日本維新の会」が最も「革新」であると調査に回答していることである。これはアカデミズムが定義する「革新」と一般社会の理解が異なることを意味している。この状況は「私たち/彼ら」の線を作り出すことを主流な方法とする(右派)ポピュリズムと非常に親和的である。実際、(ネット)右翼の用いる言葉は、しばしば「私たち」研究者が用いる意味とは異なり、特定の言葉の持つ従来の意味や歴史、文脈を無視して用いられている。しかし、「彼ら」は特定の言葉の使い方を共有する人たちとともに意味の節合と脱節合を繰り返し、党派(=新しい政治主体)を作り上げる。その結果、両党派の間の対話は著しく困難となり、「トライバリズム」が深まることになった。最終的に本稿では、対話や議論が不可能になり、党派や敵対性が重視されるとき、権力が前景化すると論じた。
著者
堀井 周文 小此木 明 高橋 隆二 鎌倉 浩之 袴塚 高志 合田 幸広
出版者
一般社団法人 日本生薬学会
雑誌
生薬学雑誌 (ISSN:13499114)
巻号頁・発行日
vol.74, no.1, pp.46-57, 2020-02-20 (Released:2021-03-11)
参考文献数
29

Our previous studies [Horii, C., et al., Shoyakugaku Zasshi, 68(1), 9-12 (2014); Shoyakugaku Zasshi, 69(2), 59-65 (2015); Shoyakugaku Zasshi, 68(2), 65-69, (2014); Shoyakugaku Zasshi, 73(2), 73-83 (2019)], in which bioequivalence between the Kakkonto /Shoseiryuto decoction and its extract preparation was evaluated, revealed that some components can be marker compounds for bioequivalence but not others. In this study, we selected Hachimijiogan containing benzoylmesaconine, benzoylhypaconine, and 14-anisoylaconine specified as marker compounds by the Japanese Pharmacopoeia for quantification for quality control, and evaluated these components as possible marker compounds for bioequivalence.Six healthy adult males were randomly divided into two groups, and an oral administration crossover study was performed. Changes in the plasma concentrations of 10 components (benzoylmesaconine, benzoylhypaconine, 14-anisoylaconine, alisol A, alisol A monoacetate, alisol B, alisol B monoacetate, loganin, morroniside, and paeoniflorin) were evaluated. As a result, the plasma concentration of each component in both the decoction and extract preparation varied among blood collection sites. A t-test revealed a significant difference (p<0.01) in the plasma concentration of benzoylhypaconine 4 h after administration, a significant difference (p<0.05) in the plasma concentration of alisol A monoacetate 1 h after administration, and a significant difference (p<0.05) in the plasma concentration of loganin 4 h after administration, for the decoction and the extract. However, significant differences in the plasma concentrations of other constituents were not noted for the decoction and extract.Alisol B and alisol B monoacetate could not be quantified due to an inadequate SN ratio (SN rate 10 or more). Analysis of variance for 8 components after excluding alisol B and alisol B monoacetate showed a significant difference (p<0.05) in the area under the blood concentration-time curve (AUC0-8) for benzoylmesaconine in the subjects’ neck. The preparation, time and subjects did not differ significantly as a factor, so the statistical power (1-β) was calculated (except for alisol B and alisol B). Both the peak plasma concentration (Cmax) and AUC0-8 values for all 8 components had inadequate (< 80%) statistical powers (1-β).Next, the number of subjects needed to achieve sufficient statistical power was estimated based on the obtained results. The statistical powers of both Cmax and AUC0-8 were adequate (≧ 80%) when the number of subjects (1 group) was ≧ 24 (1 group) for benzoylmesaconine, ≧ 25 for 14-anisoylaconine, and ≧ 24 for alisol A. On the other hand, the statistical power was inadequate even when the number of subjects was 61 (1 group) for benzoylhypaconine, alisol A monoacetate, loganin, paeoniflorin, or morroniside.The contents of alisols have been reported to vary in Alisma Tuber. Considering conversion due to metabolism, alisol A is also difficult to use as a marker compound. Therefore, in this prescription, benzoylmesaconine and 14-anisoylaconine may be appropriate marker compounds.
著者
久保田 智洋 谷口 圭佑 坂本 晴美 六倉 悠貴 巻 直樹 高田 祐 中村 茂美 黒川 喬介 岩井 浩一
出版者
特定非営利活動法人 国際エクササイズサイエンス学会
雑誌
国際エクササイズサイエンス学会誌 (ISSN:24337722)
巻号頁・発行日
vol.4, no.1, pp.1-9, 2021 (Released:2023-01-24)

[目的] 地域在住の老々世帯における社会参加活動の特性を把握することを目的とする. [対象と方法] 地域在住の老々世帯に該当し,要介護認定を受けていない700名. [方法] 郵送調査.調査項目は,年齢,性別,家族構成,要介護認定の有無,「介護予防・日常生活圏域ニーズ調査」の「地域での活動について」の8項目.[結果] 前期および後期女性高齢者は,「趣味活動」と「学習活動」が男性に比べて有意に頻度が高かった.[結語]老々世帯において,これらの活動への参加を1つの指標と支援していくことが介護予防には必要である.
著者
坂倉 有紀 大貫 和恵 会田 さゆり Yuki Sakakura Kazue Onuki Sayuri Aita
出版者
茨城キリスト教大学
雑誌
茨城キリスト教大学紀要 II.社会・自然科学 = Journal of Ibaraki Christian University II. Social and natural sciences (ISSN:13426370)
巻号頁・発行日
vol.52, pp.113-122, 2018

The attention to the impact of dietary interventions, such as diet or nutritional supplements,on chronic diseases has been increasing. Several meta-analyses have shown the effectiveness of the Mediterranean diet on chronic diseases such as obesity, diabetes, and cardiovascular disease.In this paper, we introduce those dietary interventions and the benefits of the Mediterranean diet. Furthermore, we developed a Mediterranean meal plan for dysphagia. The Mediterranean meal plan for dysphagia shows high contents of dietary fiber and monounsaturated fatty acids compared with the Japanese meal plan for dysphagia.
著者
片倉 もとこ
出版者
特定非営利活動法人 組織学会
雑誌
組織科学 (ISSN:02869713)
巻号頁・発行日
vol.26, no.4, pp.76-82, 1993 (Released:2022-07-15)

アラブ・ムスリム社会の人間関係を,主に日本社会の人間関係と対比し,個人と集団の主張がともになされる両極型の集団様式,開放的な人間関係のあり方,個人を所属集団の一因としてよりも個人の資格において認識する考え方,神の前にすべての人間が平等であるとする平等主義や実力主義をもととした,水平型の集団構造などについて考察する.
著者
亀野 陽亮 横倉 正倫 尾内 康臣 桑原 斉 山末 英典 和久田 智靖
出版者
浜松医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2019-04-01

うつ病患者数は年々増加し、その対策は喫緊の課題である。近年、神経炎症仮説とグルタミン神経仮説に基づく新薬の治験結果が報告されたが、いずれも効果は非常に限定的であった。そこで、活性化ミクログリアとセロトニントランスポーターのダブルトレーサーPET、1H MEGA-PRESS MRS、炎症性サイトカインとトリプトファン代謝物のメタボローム解析によるマルチモダル解析を行い、神経炎症とセロトニン/グルタミン神経系と抑うつ症状の相関性を検討する。そして、うつ病病態における活性化ミクログリアとセロトニン/グルタミン神経系の相互作用の役割を明確にし、新たな治療シーズの創出を目指す。